
「PALSプロバイダーを取得したい」「看護師がPALSプロバイダーになるにはどうすればいいの?」と興味を持っている看護師は多いのではないでしょうか。
ここでは、看護師がPALSプロバイダーになるまでの流れや、取得するメリット・注意点などについて詳しく紹介します。
この記事を最後まで読み終えてもらえれば、PALSプロバイダーは自分のキャリアパスに合った資格であるか分かるでしょう。
PALSプロバイダーの取得を検討している方はぜひ参考にしてください。
PALSプロバイダーとは、小児の心停止や呼吸不全などの緊急時に対応するための高度な救命処置(Pediatric Advanced Life Support)を学ぶ資格です。
アメリカ心臓協会(AHA)のコースであり、コース修了者は国際ライセンスカードが付与されます。
呼吸器系の異変やショック状態、心肺停止といった緊急事態が生じた際に、対応できる知識・スキルの習得を目指せるでしょう。
看護師がPALSプロバイダーになるには、下記の内容を把握しておくことが大切です。
それぞれの内容について詳しく解説するので、PALSプロバイダーを目指している方はご覧ください。
看護師がPALSプロバイダーを取得するまでの流れは下記のとおりです。
受講前にはテキストを用いた事前学習が求められ、小児の評価方法や蘇生アルゴリズムを理解しておく必要があります。
PALSプロバイダーは主に医師や看護師、救命救急士といった医療国家資格を有する医療従事者を対象としています。
また、日本ACLS協会 によると、受講条件は下記のとおりです。
医療従事者を対象としているため、医療従事者以外は受講することができません。
PICUや小児科病棟、救急外来などで働く看護師にとって実践的な内容が多く、日々の業務に直結するスキルを学べます。
日本ACLS協会 によると、PALSプロバイダーコースの受講内容は下記のとおりです。
| スケジュール | 受講内容 |
| 1日目 | 1.PALSコースの概要(5分) 2.小児蘇生の科学(10分) 3.小児に対するBLSとスキルテスト(45分) 4.乳児に対するBLSとスキルテスト(30分) 5.チームダイナミクス・CPRコーチ(60分) 6.体系的アプローチ、二次評価(60分) 7.呼吸器系緊急事態の管理&実技(60分) 8.ショックによる緊急事態の管理&実技(60分) 9.不整脈による緊急事態の管理(60分) 10.心拍再開後の管理(15分) |
| 2日目 | 1.ケースシナリオ実習(循環血液減少、下気道、上気道、心静止(PEA)、肺組織、血液分布)(150分) 2.ケースシナリオ実習(SVT(VT pulse+)、VT(pulse-)、閉塞性、心原性、呼吸調節、徐脈)(150分) |
2日目の実技講習のあとに試験が行われ、筆記試験のほか、1人1例ずつ実技8分+4分でチームディスカッションの実技試験も受けます。
PALSプロバイダーコースは、通常2日間かけて行われ、小児・乳児の緊急対応について集中的に学ぶことが可能です。
費用は4万円〜6万円程度が目安となり、日本ACLS協会 によると標準受講料は42,980円(税込)としています。
BLSプロバイダーやACLSプロバイダーに比べて、受講費用はやや高く設定されていますが、小児救急に特化した専門的な知識・スキルを身につけられるでしょう。
日本ACLS協会 によると、合格基準について下記のように定められています。
合格率は公表されていませんが、もしも筆記試験の結果が84%未満であった場合、当日1回のみ再試験を受けることができます。
PALSプロバイダーは、小児科領域における急変対応の専門性を高められるため、看護師が取得することでさまざまなメリットが期待できます。
看護師がPALSプロバイダーを取得するメリットは下記のとおりです。
それぞれのメリットについて詳しく紹介するので、どのようなメリットが期待できるのか確認してみましょう。
PALSプロバイダーは小児・幼児の救命処置に特化しており、心停止や気道挿管などに関する知識・スキルを磨くことができます。
また、シミュレーション演習を通して、実践的に学べる点も大きな特徴です。
急変時の冷静な判断力や対応力を養えるため、現場での不安軽減につながります。
PALSプロバイダーでは、小児・乳児の緊急ケアについて、高度な知識とスキルを学べます。
そのため、小児医療に特化した資格として評価されやすく、PICUや小児救急など専門性の高い分野でのキャリアアップに役立つでしょう。
また、専門性の高さを評価され、昇進や昇格を目指せるケースもあります。
PALSプロバイダーを保有していることで、小児科領域の急変対応に関する知識・スキルを証明できます。
即戦力としての貢献はもちろん、継続的な学習意欲をアピールする材料としても有効であり、転職活動において大きな強みとなるでしょう。
より好条件の職場に転職したい方や、小児科領域で高度な医療に携わりたい看護師におすすめです。
看護師がPALSプロバイダーを取得するとさまざまなメリットが期待できる一方で、いくつか注意したいポイントがあります。
注意点を把握しないまま資格を取得すると、ミスマッチが生じるかもしれません。
ここでは、看護師がPALSプロバイダーを取得する際の注意点を紹介するので、自分に合った資格であるかチェックしてみましょう。
PALSプロバイダーを取得する要件として、BLSプロバイダーの資格保有者であることが求められることが多いです。
そのため、すでにBLSプロバイダーを取得している場合、スムーズにPALSプロバイダーのコースを受講できます。
もしもまだBLSプロバイダーを取得していない看護師は、まずはBLSプロバイダーの取得から挑戦しましょう。
小児は成人と比べて病態やバイタルサインが異なるため、評価や対応方法も大きく異なります。
したがって、成人看護の経験だけでは対応が難しい場面も少なくありません。
PALSプロバイダーでは小児・乳児特有の知識・スキルを学ばなければならないため、人によっては「難しい」と感じる可能性があるでしょう。
PALSプロバイダーは小児・乳児の急変対応に特化した資格です。
したがって、成人中心の職場で働いている場合、学んだ知識やスキルを活かす機会が限られる可能性があります。
資格取得を検討する際は、現在の働き方やキャリアパスと照らし合わせて判断することが大切です。
小児領域でスキルアップを目指す看護師にとって、PALSプロバイダー以外にも専門性を高められる資格は多数あります。
ここでは、PALSプロバイダー以外に看護師のおすすめの資格を紹介するので、資格取得時の参考にしてみましょう。
小児アレルギーエデュケーターは、日本小児臨床アレルギー学会の認定資格です。
食物アレルギーや喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患を持つ子どもとそのご家族に対して、適切な指導や支援を行います。
小児アレルギーエデュケーターになるには、下記の条件を全て満たさなければなりません。
また、オンライン基礎講習のほか、PAE受験講習会を受講後、CBT試験・レポート審査に合格する必要があります。
小児プライマリケア認定看護師は、日本看護協会が定める認定資格です。
重篤な状態にある小児や医療的ケア児に対する重症化予防、外来および地域などプライマリケアの場におけるトリアージなどを目的としています。
日本看護協会の「特定看護分野の実務研修内容の基準」によると、通算5年以上の実務経験のほか、受験資格は下記のとおりです。
急性疾患から慢性疾患、予防医療まで幅広い知識を学ぶことができ、小児看護の中核的な役割を担いたい看護師におすすめです。
新生児集中ケア認定看護師は、小児プライマリケア認定看護師と同様に、日本看護協会が認定する資格です。
ハイリスク新生児の急性期の全身管理や親への家族形成支援、障害なき成育のための個別ケアなどを目指します。
日本看護協会の「特定看護分野の実務研修内容の基準」によると、通算5年以上の実務経験のほか、受験資格は下記のように定められています。
未熟児や疾患を持つ新生児の全身管理、呼吸管理、ご家族への心理的支援など、専門性の高いスキルが求められます。
新生児医療に深く関わりたい看護師にとっては、キャリアアップにつながる資格と言えるでしょう。
ここでは、看護師のPALSプロバイダーについてよくある質問を紹介します。
PALSプロバイダーの資格は永久ではなく、2年ごとの更新が必要です。
資格の更新にあたって、「PALSリニューアルコース」の受講、もしくは「PALSプロバイダーコース」を再受講し、それぞれの試験に合格しなければなりません。
また、PALSプロバイダーだけでなく、BLSプロバイダーの更新も同様に2年ごとに更新が必要となる点にも注意してください。
PALSプロバイダーは、小児の急変対応が求められる現場で活かせます。
PICUやNICU、小児科病棟、小児救急外来などが挙げられるでしょう。
また、小児患者様を受け入れる一般病院や訪問看護といった、小児医療に関わる機会が多い職場においても急変時に役立ちます。
PALSプロバイダーは小児の心停止や呼吸不全といった急変が生じた際に、高度な救命処置の実施を目指す資格です。看護師がPALSプロバイダーを取得することで、小児患者様の急変対応のスキルを磨けるだけでなく、小児科領域におけるキャリアアップや転職活動に役立ちます。
ただし、PALSプロバイダーは成人の急変対応で求められる知識やスキルと異なるため、職場によっては十分に資格を活かすのが難しいです。
自分のキャリアパスに合っている資格であるか、しっかりと見極めたうえで取得を検討しましょう。
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