看護師のなかには、スキルアップや「憧れの東京で働きたい」などという理由で上京を考える人もいれば、両親やパートナーのために地方へU/Iターンするという人もいるでしょう。
そこで今回は、看護師が東京または地方で働くメリット・デメリットを、転職サイト『看護のお仕事』が現役ナース21名に実施したアンケートの回答をもとにご紹介。
給与、スキル、子育てなど、実際に東京⇔地方で転職した経験を持つ看護師ならではの本音が詰まった内容は、ナースが働くエリアを選ぶ時の参考になるはず。東京?地方?と悩む看護師のあなた、理想のキャリアを描くヒントが見つかるかもしれません。
「看護師は、東京でも地方でも職にあぶれない」というのが定説。
実際、ナースセンターの調べによると、平成24年度、同センターでの看護職全体の求人倍率は全国で2.70倍、ハローワークの求人倍率も2.78倍と高い値に(図1)。なかでも看護師の求人倍率は3.17倍と、保健師や助産師などの他職種を大きく上回りました(図2)。
(図1) 看護職の求人倍率 推移
(図2) 看護職 職種別の求人倍率 推移
さらに、都道府県別の求人倍率を見ても、最も高い愛知県で4.11倍、東京都で1.63倍と、ほぼすべての都道府県で1.00倍を上回る数字に。
つまり、定説通り看護師は、日本のどこへいっても基本的に職に困ることはなく、それぞれの志向やライフイベント、家族の事情などにあわせて、働くエリアを選べる職種だと言えます。
(図3) 都道府県別 求人倍率
出典:平成24年度版 潜在看護職員の就業に関する報告書 - ナースセンター登録データに基づく分析 -
では、東京あるいは地方で働く看護師は実際、それぞれの環境にどのようなメリット・デメリットを感じているのでしょう?
転職サイト『看護のお仕事』が、「以前は地方で就職していて、現在は東京で働いている看護師」「以前は東京で就職していて、現在は地方で働いている看護師」、合計21名に実施したアンケートの結果から、明らかにしていきましょう。
以前は地方で働いていて、現在は東京で勤務する看護師が挙げた“東京で働くメリット”は次のとおり。
・「最新の医療技術を身につけられる」(20代前半・女性)
・「看護関連の最新情報が入ってきやすい」(30代・女性)
・「看護師向けの研修会やセミナーに参加しやすい」(30代・女性)
東京には大病院が多く、最新の医療情報も集まりやすいことなどから、スキルアップ関連のメリットを述べた回答が多く見られました。さらに、
・「地方で働いていた頃より給与が高い」(40代・女性)
・「地方より求人数が多く、将来の選択肢が広がった」(20代後半・女性)
などと、収入がアップしたことや、転職先の豊富さについての答えも目立っていたほか、
・「東京には店も人も多いので、プライベートが充実しやすい」(20代後半・女性)
・「多様な働き方ができる」(40代・女性)
という声も。大都市ならではの利便性や文化、さらに多彩なワークスタイルが認められていることも、東京で働く魅力のようです。
一方、地方から上京して働くデメリットについて尋ねたところ、回答者のうち実に4割がデメリットは“なし”という結果に。看護師として東京の職場に勤務することで、マイナスにはたらく要素はないとしました。
また、デメリットとして挙げられたもののなかには、
・「物価も家賃も高い」(20代前半・女性)
などと、東京と地方との地域格差をから来るものや、
・「とにかく人混みが多い」(40代・女性)
・「子供の預け先が見つからない」(40代・女性)
・「電車が混んでいるので、地方にいた頃より通勤時間が長く感じる」(40代・女性)
といったように、人口が集中する都市部で働き・暮らすからこそ生じる問題について書かれたものも見られました。
さらに、以前は東京で働いていて、現在は地方に勤務する看護師が挙げた“地方で働くメリット”は、次のような内容に。
・「子育て中なので、実家が近いのがうれしい」(30代女性)
・「いざという時、両親に子供を見てもらえる」(30代女性)
など、実家の近くに暮らすことで、両親の協力を得ながら仕事と子育てができる利点について述べた回答が半数を占めたほか、
・「両親の世話ができる」(40代女性)
・「パートナーのそばにいられる」(40代女性)
といったように、地方への転職で、以前は離れて暮らしていた両親やパートナーと一緒に過ごせるようになったという声も。また、
・「気候がいい」(40代女性)
・「東京にいた頃より時間にゆとりを持てる」(40代女性)
と地方ならではの環境や、ゆったりした時間の使い方ができることに価値を感じている回答者も見られました。
一方のデメリットについては、回答の半分以上を給与に関する内容が占める状態に。
・「給料が安い」(30代女性)
・「都内の病院に勤めていた頃より、給与が下がった」(40代女性)
などと、多くの回答者が東京時代より収入が減ったと答えたほか、
・「求人の数が少ない」(30代女性)
・「東京に比べて就職口が少ないので、キャリアをあまり選べない」(40代女性)
と、病院数が日本一で求人も豊富な東京都との落差に関する回答も目立ちました。
他にも、
・「医療の質が都内より劣っている」(30代女性)
と技術面のギャップについて書いた人や、
・「近くに病院が少ないので、知り合いが来てしまい、変に気を使う」(40代男性)
と、東京より人も病院も少ない地方で働くナースならではの悩みも、回答として寄せられました。
なお、「東京と地方、どちらが看護師として働きやすいと思うのか?」を聞いたところ、以前は地方で勤めていて、現在は東京で働く回答者のうち、「東京」を選んだ人が40%、「どちらも変わらない」と答えた人も40%と同じ割合に。さらに、「地方」を選んだ回答者が20%と続きました。
一方、以前は東京で勤めていて、現在は地方で働く回答者については、「どちらも変わらない」と答えた人の割合が73%と最も多い結果に。続いて、「地方」を選んだ人の割合が18%、「東京」の割合が9%となりました。
(図4) 「東京と地方、どちらが看護師として働きやすいか」 アンケート結果
その結果、上京組の看護師は、東京から地方へ転職した看護師にくらべて、“東京のほうが働きやすい”と感じている傾向があり、東京から地方へ転職した看護師は、“どちらも変わらない”と考えている場合が多いということが推測されます。
いかがでしたか?これから東京へ、あるいは地方への転職を考えているナースの皆さん。全国的に看護師の需要は多いですが、これまで見てきたそれぞれで働くメリット・デメリットをふまえて、できるだけ後悔のない転職をしたいですね。
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