看護師が、なぜ“白衣の天使”と呼ばれているかご存知ですか?諸説ありますが、最も有力な説はナイチンゲールに由来しています。
5月12日は“看護の日”。この日はナイチンゲールの誕生日です。世界的にも“国際看護師の日”と定められており、いかにナイチンゲールが大きな功績を遺した人物かが分かりますよね。
そして、白衣の天使の語源もナイチンゲールが由来となっているようです。日本赤十字が発行する看護の栞によると、クリミア戦争が深く関係しています。イギリスの上流階級の娘として生まれたナイチンゲールは、ある日「私の遣いとなり奉仕しなさい」と神の声を聞いたそうです。(1837年2月7日の出来事)
医師のもとへ自ら志願し、看護の勉強や実技訓練を受けました。母や姉に反対されながらも婦人病院の看護監督として勤め、その矢先にクリミア半島で戦争が起きます。ナイチンゲールは数十人の看護師を引き連れて戦地に出向き救護活動に励むのです。スクタリの野戦病院には一日に1,200人もの兵士が搬送され、夜通し処置を行いました。
処置のほかにも衛生環境の改善に努め、夜には何千人もの傷ついた兵士たちをランプ片手に見回り、来る日も来る日も献身的な看護に力を注いだとのこと。そんな彼女の姿を見て、いつしか兵士たちは「クリミアに舞い降りた天使」と感謝するようになり、クリミアの天使と呼ばれるようになりました。
そうしたナイチンゲールの働きが歴史的な功績として語り継がれ、やがて白衣の天使へと言葉を変え今でも伝わっているんです。
コレラなど伝染病が問題となっていたスクタリの野戦病院では、兵士の死亡率が40%。それをナイチンゲールは「看護の力」によって2%まで引き下げました。その背景には、徹底した衛生環境が重要であることを軍の上層部に分かってもらうため、死亡統計や改善案、リスクの低下を示す資料をつくり実践したナイチンゲールの働きがあったからです。
現在でもナイチンゲールの統計グラフは使用されており、看護の基盤を築いた人物として数々の功績が讃えられています。1860年には世界初の看護学校となる「ナイチンゲール看護婦養成所学校」が創立され、赤十字の創設者アンリ・デュナンがナイチンゲールの功績を高く評価し、イギリス看護協会の立ち上げに協力した逸話もあるほど。
1907年には女性で史上はじめての勲章を受章したことも有名。看護における衛生管理の重要さ、状況に応じた観察力と分析能力の重要さを自分の人生を捧げて証明したのです。
参考:看護の栞(1913年 日本赤十字発行所)
ナイチンゲールの働きは、現代の看護についても同じ。医師は直接的に患者を治療しますが、回復するまでの心身的なケアや、患者の声に耳を傾けるのは看護師の役割です。歩行介助、食事のサポートや清拭、痛いところがあれば触ってあげるなど、看護師は献身的なケアによって患者の心を支えています。そうやって患者から漏れる言葉に耳を傾け、ときには感情を汲み取り、医師と患者をつなぐ架け橋となっているわけです。
ナイチンゲールの働きが、アセスメントの重要さや日々学ぶ大切さの教えになっていることは言うまでもありません。
ほかにも、看護師にしかできない仕事は様々。医者には手の及ばない誇り高い仕事です。だから、理解に苦しむことあるし、越えなければならない壁に悩むことも度々。なぜ看護師が白衣の天使と呼ばれているのかを見つめ直し、今後のスキルアップのエネルギーにしてみてはいかがでしょうか。
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