日々、業務をこなしていると、時には患者さんからのクレームを受けることもあるかと思います。
理由は人それぞれ違いますが、共通点は“イライラしている”ということが多いのではないでしょうか。
それではナゼ患者さんはイライラしているのでしょうか?
よく聞かれるクレームには、「待ち時間が長い」「説明が分かりにくい」「スタッフの態度が悪い」「処置や検査結果に対して不満がある」などが多く聞かれます。
でも、本当の理由は、健康上の不安からくる思いなのではないでしょうか?
患者さんは、それぞれ何かしらの疾患や苦痛を持って来院されています。来院されるということは、その不安や苦痛は小さなものではないでしょう。
そんな中で、待ち時間が長かったり、説明がわかりづらかったりすると、普段の何倍もの苛立ちを募らせてしまうのかもしれません。
患者さんのクレームに対応するには、こうした患者さんの感情を理解しつつ、対応をしていく必要があります。
では、どのように対応すれば納得してもらえるのか、理解していただけるのかということですが、患者さんによって正解は違います。
だからと言って何も参考にするものがないままにクレーム対応をするのは大変ですよね。
そこで今回は、クレームに対する看護師の対応方法を見つめ直していきたいと思います。
まず、なぜ患者さんはクレームを言うのでしょうか。
前文にも書きましたが、患者さんは大きな不安を抱えて来院されます。
そんな中で、長い時間待たされたり、スタッフに冷たいと感じる態度をとられたりしたら…通常では我慢できることでも、許せないと感じてしまう可能性があります。
また、看護師や医師、スタッフが忙しいために、患者さん一人一人に対し十分に満足のいく対応ができないということもあります。
そんな状況が、患者さんから”クレーム”という形で表面化されるのです。
ここからは、患者さんへの対応の仕方についてみていきたいと思います。
重要なことがあります。それはコミュニケーションの中の一つである「傾聴」です。
患者さんが話しているときは、こちらの意見を言ったり、口をはさんだりせずに耳を傾けて聴くこと。同じ目線に合わせて、話を聞く姿勢が基本です。
途中で相手が声を荒げたりしても動じず、「あいづち」や「うなずき」の態度で真剣に話を聞いている姿勢を貫くことはとても大切なことだと思います。
相手が話し終えたら、「ご指摘、ありがとうございます。申し訳ございませんでした」と頭を下げて心を込めて謝罪もしくは、相手に対して同調の意見を述べるように心がけます。
こうした対応がしっかりとできていれば、この時点で半分以上は患者さんの怒りは静まっていることが期待できます。
“私の話を聞いて!”という欲求を、まずは真摯に受け止めなければなりません。
その方法の一つが、「傾聴」と言えるのではないでしょうか。
どのようなことにクレームをつけているのかを傾聴し、把握したあとは、理由や根拠に基づいて解決策を「提案」するのも一つの方法です。
しかし、ここで重要なのは、その解決策に責任が持てないのであれば提案すべきではない、ということです。
解決策として答えられる範囲でない場合には、速やかに上司や先輩看護師の助力を求める必要があります。
その際はすみやかに患者さんに対応するためにも、ああでもない、こうでもないと意見を交わすよりも、「こうするしかない」という解決策をすぐに示せる人を選び、確かな意見を求めるのが一番です。
上司や先輩看護師に助力を求める際は、その間、患者さんを待たせてしまうことになりますから、上の者に確認しますという旨を、きちんと患者さんにお伝えしてからその場を離れることも配慮してください。
患者さんの立場になって考えれば、「不安・怒りの感情を持ったまま、放置された」という気分にさせてしまうのは本末転倒ですよね。
クレームの内容や度合いに応じて軽はずみに提案してしまうと、後々トラブルになると大変です。
自分で何とかしようとせず職場の判断にゆだねるのが安全な選択肢と言えます。
上司や先輩看護師に要点をまとめて状況を説明し、「どのように処理すればよいか」を教えてもらいます。
同行してもらえるなら、できるだけ付き添ってもらえるようにするのが良いでしょう。
より上の立場の人が自分の意見を直接聞きに出てきてくれた、という状況の方が患者さんも安心できますし、気持ちを落ち着けることができるかもしれません。
~上司や先輩看護師に助力を求める際のポイント~
・何に対して怒っているのか
・どんなことに不満をもっているか
・どうしてほしいと求めているのか
これらを明確にまとめ、職場(や上司)に解決策を求めるようにしてください。
患者さんのクレームは、単なる「怒り」だけではなく、精神的な「不安」が引き起こす苛立ちであることを前提として理解し、「傾聴」することで不安に寄り添うことがとても大切です。
クレームに対して、まずは受け止める姿勢を態度で示しつつ、その患者さんが何に対して怒りを示しているのかを聞き逃さないように耳を傾けるようにしてくださいね。
~的確なクレーム処理のポイントのまとめ~
その1 まずは謝罪する。「気分を害して申し訳ございません」
その2 しっかり傾聴する。「あいづち」「うなずき」「同調」
その3 あらためて謝罪する。「ご指摘、ありがとうございます。申し訳ございませんでした」
その4 速やかに提案策を引き出す。ただし責任がもてない解決策は提案しない。
その5 上司に意見を求めて職場の判断にゆだねる。
いつ起こるか分からない万が一のクレームに備えて、職場の対応マニュアルに目を通しておくのも忘れてはいけません。
一度、上司や先輩看護師に相談して、それぞれの対応を聞いてみるのも勉強になりますよ。
インシデント予防と同じで、クレーム処理も日頃から備えておくことが重要なんですね。
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