
日々の生活の中で、自分の好みのファッションを楽しむことによって心が豊かになることがあります。看護師さんの中にも、プライベートはおしゃれをして過ごしているという人も多いのではないでしょうか。それは、障がいを持っている人も同じです。本記事では、誰もが楽しむ権利のある「ファッション」を全世界に発信しているテンボデザイン事務所をご紹介します。
世界中のあらゆる人々が笑顔になるためのファッションをデザインしている、ファッションブランドtenbo。障がいのある人もおしゃれを楽しめるようデザインされており、国内外の各メディアを通して、自由に服を選んで楽しむ喜びを提案しています。

Tenboは、国内でもトップクラスのファッションショーである東京コレクションにて、 世界初のハンセン病回復者をモデルに迎え、ショーを成功に収めた実績があります。 服のデザインには、『ホルマリン漬けの胎児』や『偽名・改名』、『望郷の丘』など
とテーマを掲げ、ハンセン病の史実をもとに深く考えさせられるメッセージが込めら れているのが印象的です。
また、服に折り鶴を1万羽使用し仕立てた『折り鶴ドレス』も注目されています。こ の折り鶴は、実際に世界中から広島・長崎・沖縄に届いた折り鶴を使って製作されて いるのが特徴です。戦禍と向き合い平和な世の中を願っているという強いメッセージ が感じられます。

tenboでは、障がいがあったり、難病を抱えていたり、生活する上で何かしらの支障が ある方を対象に、洋服をオーダーメイドで製作しています。それも、個々の病状やその 病気ならではの問題点を考慮し、機能性を向上させるだけでなく、同時にファッショ ン性も妥協することなくとことん追求。相互をバランス良く取り入れた、独自のデザ インに仕上げています。
たとえば、筋ジストロフィーを発症した障がい児が車椅子を利用する場合、黒いベル トを装着する必要がありますが、これをおしゃれに不向きだと考えたtenboでは、洋服
と同じ生地でベルトカバーを製作。洋服だけをファッションと考えず、個々が身につ ける全てのものを総合的に見てデザインに取り入れています。一方、筋ジストロフィー は筋萎縮や筋力低下が徐々に進行していく病気のため、服はそこまで力を入れずとも 着脱しやすいような仕様にし、各所に工夫を凝らしているのもポイントです。
障がい者や難病を抱えている方が服を着脱する際、ネックになるのがボタンの留め外 しです。特に、手や指先に障がいを持っている方は、スムーズにボタンの留め外しがで きないもどかしさから、ストレスに感じてしまうことも多々あります。そこで、tenbo では、磁石のボタンを取り付けることで、簡単に服を着脱できるようなデザインにし ました。
ほとんどのズボンには、お尻部分に縫い目があるのが普通ですが、tenboでは床ずれ防 止のため、お尻部分のシームレス化を実現し、デザインに取り入れています。
視覚障がい者でも楽しめる唯一無二のデザインが、点字デザインです。服自体にデザ インされている点字は、実際に触ることで読めます。これまでになかった斬新なアイ デアを取り入れたデザインだと言えます。
▲動画提供:テンボデザイン事務所
tenboは、ファッションを通して人権の平等性や平和への切なる願いを訴え、そして服 を着ることの楽しさと工夫さえすれば誰もがファッションを楽しめることを証明して くれています。
これをきっかけに障がい者ファッションの存在と意義を知り、ファッションの違う側 面を見ることができたのではないでしょうか。今後、障がいを持つ方や難病患者さん と関わる際には、相手の立場に立って考え寄り添う事を大事にし、看護にあたってみ るのもよいかもしれません。
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