
国内で、年間2000例以上もの罹患数が報告されている、小児がん。使用する薬剤や治療法により異なりますが、治療の過程で髪が脱毛してしまうことがあり、毛髪を失った子どもたちの中には大変辛い思いをしている子もいます。
それでも懸命に小児がんと闘い続ける子どもと、その家族を笑顔にするために活動している団体があります。本記事では、子ども用医療ウィッグを無償で提供し支援している、NPO法人パルサポートキッズの会をご紹介します。
子ども用医療ウィッグの無償提供や、その家族への精神的・経済的支援、社会への啓発活動などを実施している、NPO法人パルサポートキッズの会。
病気と闘う子どもたちとその家族の負担を少しでも減らし、より多くの方々へ活動内容を認知してもらえるよう、さまざまなかたちでアプローチしています。
NPO法人パルサポートキッズの会では、小児がん治療による毛髪の脱毛症や、先天性の無毛症などに罹患している子どもたちへ、無償で医療用ウィッグを提供しています。
同法人は、主に九州エリアで活動を行い、これまで200名以上もの病気と闘う子どもたちへ、医療用ウィッグを提供してきました。毛髪を失い、それが原因で悲しむ子どもやその家族の笑顔を取り戻したいという思いから、活動の幅を広げています。
その活動の1つとして実施しているのが、ガバメントクラウドファンディング形式でふるさと納税寄付金を募るというプロジェクトです。これは、社会へ子ども用医療ウィッグを必要とする子どもたちの存在を認知してもらうと同時に、さらなる支援の輪を広げるために行っています。
一人でも多くの子どもを支援できるよう、また継続してサポートできるよう、社会全体に規模を広げて取り組んでいるのが特徴です。
同法人で提供している子ども用医療ウィッグは、形状記憶ファイバーが7割、人毛が3割のフリースタイルです。形態はフルウィッグで、美容院でのカットやセットも可能なため、お気に入りのスタイルに変更して楽しむことができます。また、ウィッグの素材に関しては、自然に見えるように工夫されているのもポイントです。
人毛を使用している場合、高額となってしまいがちなウィッグですが、同法人ではインナーキャップやウィッグスタンドも付属して無償で提供。高額な医療費で経済的な負担が大きく、ウィッグを諦めていた方から喜ばれています。

小児がんによる脱毛症や先天的な無毛症の程度は、子どもによって異なります。中には、医療用ウィッグを使うほどでもない場合もあり、必要としない方には同法人が独自で開発した医療用帽子を無償で提供しています。
この医療用帽子のプレゼントは、2021年4月に企画を開始して以来、2021年8月時点までに約800名の小児がんを患う子どもたちの手元へ届けられました。
その反響は予想をはるかに超え、同法人には全国各地の病院から、30枚以上もの喜びの声が綴られた感謝状やお礼のメールが送られてきたほどです。
その後、嬉しいことに医療用帽子プレゼントの追加要望が多数寄せられたため、同法人は企画当初の1000名へのプレゼント予定を急遽変更し、2022年3月までに1500名の子どもたちへプレゼントが行き渡るように生産拡大することを決定しました。
多くの子どもたちを笑顔に導くこちらの医療用帽子ですが、注目すべきは使用されている素材で、一般的に新生児が着用する肌着と同様のノンホルマリン素材を採用。伸縮性が高いため頭にフィットしやすく、使いやすさや機能性も申し分ありません。

同法人には、実際に医療用ウィッグサポートを利用した方々から喜びの声が寄せられています。
「ウィッグが届いた日、子どもが嬉しさのあまりすぐに着用し、しみじみと実感していた。美容院でウィッグを調整し、辛い治療も頑張れた」
「ウィッグのおかげで娘に安心感がうまれたようで、前より笑顔が増えた」
「病気の治療のことで頭がいっぱいだったが、ウィッグの無償提供のおかげで親子ともども救われた」
「このような活動をしている団体の存在を知らなかった。知ったときは嬉しくて涙が出そうだった」
このように、小児がんの過酷な治療の中にも、子どもたちやその家族が喜びと希望を見いだせるようサポートしている同法人の活動は、多くの看護師さんが共感できるのではないでしょうか。
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