◆はじめに
近年、看護師の需要が高まっていると言われる、訪問介護のお仕事。利用者さんとの距離が近いぶん、病院勤務とは違った達成感や喜びがあると言われています。
訪問介護の現場では、看護師はさまざまな業務を担当します。利用者さんのバイタルサインや経過観察などのチェック、リハビリのサポート、生活における援助なども看護師の役割です。中でも介護士と混同されやすい業務が、利用者さんへの「食事介助」です。
食事介助は、利用者さんの自立を促しながら、健康的な体づくりをサポートします。看護とはまた別の領域にある「介助」の方法を学んでおくだけでも、看護の基礎の勉強になります。
利用者さんが食事をとる場合は、もっとも楽な姿勢・体勢を整えます。ベッドの上げ下げを行い、身体の姿勢は枕や布団を挟み込んで調整します。
無理な姿勢で食事をとると、嚥下に支障が出る場合があります。利用者さんご本人の表情や状態をチェックしながら、最適な姿勢を探っていきます。
また、食事の前に利用者さんの口腔の状態や、消化器系にトラブルを抱えていないかをチェックします。
口内炎、虫歯、歯槽膿漏などの口腔トラブルがあると、痛みが出て満足に食事がとれなくなることがあります。また、胃の調子が悪かったり、腹痛があったりするといった場合でも、食事がなかなか進まないので、あらかじめ体調に配慮しておくことが大切です。
利用者さんによっては、認知症の症状が出ている方もいます。その場合、ただ流し込むだけの食事介助はNGですよね。
お箸やスプーン、フォークなどを用いて、「手」をしっかりと使った食事を行いましょう。ご家族の協力も仰ぎながら、手で食器を持って食べられるように、時間をかけながら食事を進めていきましょう。
利用者さんによっては、上肢の機能障害があったり、脳機能の低下、咀嚼力、味付けの好みなど、さまざまな原因で食事のペースが遅れる場合があります。
多少の時間はかかってしまいますが、看護師はここで焦らずに、ゆっくりとしたペースで利用者さんに合わせることが重要です。
食事介助は介護士だけの仕事ではなく、訪問介護の現場では看護師に任されることが多い業務です。
利用者さんのコンディションや意欲を把握し、多少の時間がかかっても「できるだけ自分で食事ができること」「楽しんで食べられること」を尊重して、接することが大切とされています。
利用者さんに食欲がない時は無理をせず、食べたい時に食べてもらう。反対に食欲がある時は利用者さんの意欲に合わせて、しっかりと食べていただくことが大切です。
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