
医学が急速な進歩を遂げている現在においても、まだ病気の原因や治療法が解明されていない、いわゆる指定難病が多数あります。
たとえば、脳や脊髄、視神経の病気である多発性硬化症(MS)や視神経脊髄炎(NMOSD)、MOG抗体関連疾患(MOGAD)も難病に該当し、国内患者数は多発性硬化症が約18,000人、視神経脊髄炎が約4,000人、MOG抗体関連疾患が約2,000人いると言われています。(2021年9月時点)
配属先にもよりますが、看護師として今後こうした難病の方々と接する機会もあることでしょう。そこで本記事では、これらの難病の適切な知識と有益な情報を発信している、特定非営利活動法人MSキャビンをご紹介します。知識を再確認したい方やアップデートしたい方は、ぜひご確認ください。

多発性硬化症と視神経脊髄炎、MOG抗体関連疾患(以下、3疾患)について、患者や社会へ広く情報を発信している、同法人。定期的な情報誌の発行に加え、書籍の発行、またホームページや動画配信、SNSなどを通じて、これら3疾患の疑問解消を目指して活動しています。
同法人では、1997年から継続して情報誌『バナナチップス』を発行しています(年4回)。記事は、多発性硬化症当事者である同法人理事長と、専門医を含む編集委員の計8名で仕上げられており、新しく、信頼ある、分かりやすい内容となっているのが特長です。
多発性硬化症と視神経脊髄炎に関しては情報誌とは別に書籍「完全ブック」も発行しています。上述した8名の編集委員で患者・家族向けに書いたもので、多発性硬化症完全ブックは改訂を重ねて現在第4版で累計13,700冊、視神経脊髄炎完全ブックは初版で1,500冊、発行しています。
また、情報誌購読者限定でメールや電話での相談も受け付けており(去年度事務連絡も含めて3,000件超)、個人個人に向けた対応もあわせて行っています。
また、講演会をライブ配信したり、SNSやブログで情報を発信したり、3疾患の患者が少しでも安心して生活できるようにあらゆる角度からアプローチしています。
同法人が定期的に発行している1997年創刊の情報誌『バナナチップス』は、2021年7月の時点で購読者が約1,400人と、多くの方々に愛読されています。
記事の内容は、3疾患に関する最新情報のほか、それにまつわる海外ニュースを翻訳したものやドクターのインタビュー、専門医の研究報告など、まさに情報が網羅されています。
テーマも毎号工夫されており、時期やニーズに合ったものを都度選定し、多発性硬化症当事者である同法人理事長と専門医による視点で書き綴られているのが特長です。掲載する情報は、常に新しく信頼が持てるもので、かつ分かりやすく伝えることを心がけ発信されています。3疾患の患者はもちろん、その方々を支える医療従事者も読んでみる価値がある情報誌です。

同法人が運営する動画共有サービスの公式チャンネルにて、専門家による講義が配信されているのも、患者にとっては心強いものとなっています。ライブ配信されることもあり、過去には数回、現役で活躍されている医師を招き、3疾患それぞれの具体的な病状や現在の治療方法などをテーマに進行されました。
そういったライブ配信では150名ほどの参加者が集まり、配信中は配信ページのコメント欄にて寄せられた質問にも対応。患者の不安や疑問を払拭し、ダイレクトに答えが返ってくるこのライブ配信は参加者に大変喜ばれています。
オンライン対談は、多発性硬化症当事者である同法人理事長と専門医で行われ、再発予防・進行抑制治療に関することや、医療用医薬品の適正使用などをテーマとしています。より深く予防や治療について理解できるのが魅力です。
その他、公式SNSでは患者とその家族、社会へ活動を広く認知してもらえるよう定期的にイベント実施のお知らせを配信。同法人理事長が綴るブログでは活動の近況報告などが掲載されており、こちらも見逃せません。
また、同法人では情報誌や書籍以外にもチャリティTシャツやチャリティソングを販売し、一人でも多くの人へ認知してもらうための活動も行っています。
このような病気の方々をサポートする団体の活動を知ることで、より一層看護師としての視野を広げて活躍できるでしょう。
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