
希望条件に「やりたいこと」がでてこない 一般病院に勤務して3年のHさん(女性)の場合
職場での仕事に慣れ、与えられる役割にもやりがいを感じて働いていたHさんは、一緒に働く看護師に対して不満を抱えていました。それは上司に相談しても改善されず、不満が募り転職を検討するようになりました。ご相談をいただき希望条件をお伺いしてみると、「やりたくないこと」は挙げられるのですが、「やりたいこと」が出てこないというご様子。そこで、アドバイザーからあるご提案をさせていただきました。
仕事に慣れてくると「もっとこうだったら」「どうして理想通りに働けないのだろう」というように、ほかの働き方と比較して現状の不満を口にしてしまうという経験は誰にでもあるのではないでしょうか。ですが不満に感じていることの背景や事情を知ることで気持ちが変わることがあります。思い切って職場に不満点を伝えてみると、自分では気づかなかった周囲の取り組み方に気づける場合があるかもしれません。
そこで今回は、一般病院に3年勤めるHさんのお話をご紹介します。
最初にご相談を受けたとき、転職のご希望を伺うと、Hさんは「〇〇じゃないところ」や「〇〇はしないところ」という条件の提示をなされました。
私は、このまま転職先をご紹介しても、「Hさんが納得のいく転職を実現できないのではないか」と感じました。そうしてじっくりとHさんの抱える「現状の不満」をお伺いすると、あらゆる不満のすべてが実はひとつの原因につながっていることに気づきました。
それは、日勤のみの看護師さんと夜勤可能な常勤の看護師さんがはっきりと二分している、ということでした。
Hさんは常勤の看護師さんです。Hさんがずっと感じている不満は、日勤で子育て中の看護師さんが頻繁に早退や休みを取っており、そのカバーを常勤の看護師がしているという点でした。
そのうえ、、看護師長さんは外部研修や管理業務に追われているため、現場のことはノータッチで、現場を仕切っている主任さんは、「子どものことは仕方ないから」と改善を考えてくれないというのです。
普段ならご相談を受けている途中から「ここをオススメしよう」と思える病院がいくつか浮かんでくるのですが、今回はイメージが浮かびませんでした。
Hさんにご希望を伺っていても、「やりたくないこと」ばかりで、「やりたいこと」が見えてこないのです。
Hさんは本当は転職をしたくないのではないか。話を聞くほどにそう思えてなりませんでした。
私は、Hさんにその旨をお話しし、まずは師長さんに気持ちを伝えてみてはどうか、と提案をさせていただきました。
Hさんは「わかりました」と言って下さったのですが、その後、連絡がつながらなくなってしまったのです。
せっかくご相談いただいたのに何もできなかったと、ずっと悔やんでいましたが、1ヵ月後にHさんからメールが届きました。
メールには、Hさんがその後、ほかの転職サイトに登録し、条件のいい事業所に面接にも行ったこと、しかし、雰囲気が合わないように感じられ、入職はされなかったことなどが書かれていました。
また、私の話を思い出して下さり、思い切って師長さんに不満を訴えてみたところ、師長さんがほかの看護師にもヒアリングを行い、この問題をみんなで話し合える場を作ってくれたそうです。
Hさんは、そこで日勤の看護師さんたちが、迷惑をかけていることをいつも申し訳なく感じ、その分仕事で努力していたことを知ったそうです。
それは些細なことでしたが、日勤の看護師さんたちの思いを知ったHさんは、のちに同じようなことが起きてもそれほど不満を感じなくなったそうです。
Hさんは、同僚のことも仕事内容も気に入っていたけれど、長く働いているうちに不満が募り、いまの病院の良い部分が見えてなくなっていたとお話ししてくれました。
メールの最後には「あのとき、辞めなくて良かったと思っています」と書いてあり、ほっとしました。現状に不満を抱えている場合、転職という解決方法で新しい一歩を踏み出された方もたくさんいらっしゃいます。
しかし、現在の環境に愛着があったり、やりがいを感じているならば、いまの職場でできることがないか試してみてください。
転職はいつでもできます。だからこそ、安心して現在の環境が自分に適しているかどうかをじっくり考えてみて下さいね。
いまの職場で働き続けるべきか、転職すべきか迷っている看護師さんは、労働環境の良し悪しから判断したり、改善点を伝えたりする方法があります。それぞれのポイントをチェックしてみましょう。
長く看護師として働いた職場なら、「人間関係が良好だった」「給料と労働量が見合っていた」というように、続けてきた理由があるはずです。現在の職場で気に入っているところや、不満に感じていることがあれば、それらを挙げてみましょう。気に入っている要素が多ければ、転職よりも職場に対する不満点を改善できないか考えた方が良いといえます。
職場に何かしらの不満を抱えており、自分の力では改善できないときは、上司に相談するのも手です。
今回お話ししたHさんの場合、実際に転職を考える前に上司に相談したものの、すぐには改善に至りませんでした。Hさんの例を参考にすると、「不満があって悩んでいることを明確に伝える」「すぐに改善されない場合は何度も話し合う」といったことも必要になるかもしれません。
なお、職場に不満点を伝える場合は、これからも働き続けたいので悩んでいるというように、前向きな姿勢で相談することがおすすめです。
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