お役立ち看護師マガジン
2018.10.17
看護師にとって看護技術は、何かと覚えることが多く大変ですよね。必要物品や手技などの知識が曖昧になってしまい、後輩から質問されてとっさに答えられない看護師さんもいるのではないでしょうか。
ナースときどき女子では、「看護のお仕事」が運営する看護技術に特化したQ&Aサイト「ハテナース」から質問回答を厳選し、お届けする連載コラム「今さら聞けない看護技術・ケアQ &A」をスタート!
記念すべき第1回は、「CVカテーテルを挿入した患者さんの観察点について」。病棟勤務の看護師さんなら、CVカテーテルを挿入した患者さんを一度は受け持ったことがあるのではないでしょうか。後輩から同じような質問をされたとき、あなたならどう答えますか?
中心静脈カテーテル(以下、CVカテーテル)を挿入している患者さんを初めて受け持つことになりました。しかしどこを観察すればよいのか、何に注意したらよいのかわからず困っています。
CVカテーテルを挿入している患者さんの観察点、看護の注意点について教えてください。また、患者さんに対しどのような声かけをすればよいかも教えてください。
刺入部の出血やカテーテルの固定状況など、カテーテルが挿入されている状態を観察しましょう。処置する際は、患者さんへの声かけを行います。CVカテーテルを挿入している患者さんへ声をかける場合は皮膚の露出を抑え、患者さんの羞恥心に配慮した声かけをしましょう。
CVカテーテルを挿入している患者さんの観察ポイントは、カテーテルが挿入されている場所(以下、刺入部)の状態です。
・刺入部に発赤、排液、出血がないか
・縫合が外れていないか
・何センチで固定されているか
(挿入時よりも短い場合は何かしらの原因で抜けてきていることが予測されるので、医師に報告が必要)
・カテーテルの屈曲がないか
・固定状況はよいか
・痛みがないか
・固定している保護材による皮膚の異常がないか
刺入部に皮膚の異常がある場合や感染兆候(発熱など)がみられた時は、必要に応じて看護師から医師に報告しましょう。
ベッド上生活の患者さんの場合、移動時はルートの引っかかりに注意しましょう。体位変換時、更衣時はルートの位置を確認してください。
CVカテーテル挿入中で自立している患者さんには、動作時に注意してもらう必要があります。特にシャワー浴では刺入部が濡れないよう注意を促しましょう。刺入部が汚染した場合は速やかに消毒、保護材の交換をします。
挿入部位(内頚部・鎖骨下・鼠径部など)にもよりますが、刺入部を観察する際、皮膚の露出は最小限にし患者さんの羞恥心に配慮します。「点滴の部位を見せていただきます」「パジャマ、寝巻をずらしてもよろしいでしょうか」との声かけをしましょう。
もし、寝たきりの患者さんで意思の疎通が難しい患者さんであっても、寝衣をずらす際には同様に声をかけましょう。
鼠径部に挿入されておりオムツを使用している患者さんの確認では、陰部の露出を最少限にしましょう。その際に排便排尿がある場合は、速やかに処理をします。後回しにしてしまうと刺入部への汚染、感染の原因になります。
病院や施設により、処置や保護材の種類は異なると思いますが、定期的な消毒とルートの交換が必要です。処置前の手指消毒を実施し、清潔操作で刺入部の処置をしましょう。
CVカテーテルの挿入は看護師ではできません。患者さんがなぜCVカテーテルを挿入しているか、挿入している意味をしっかり理解することが大切です。また、カテーテルが挿入されているということは、感染のリスクが高いということを常に念頭においてください。
※この記事は、看護のお仕事が運営する看護技術に特化したQ&Aのサイト「ハテナース」からの引用です。
ハテナースでは今さら聞けない看護ケアに関する質問に親切に解説しています。
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