【今さら聞けない看護技術・ケア Q&A】第5回 気切カニューレ交換時に注意する看護のポイントについて

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気切カニューレを装着した患者さんを前にすると、どのように観察しケアを行ったらいいか戸惑うこともあるのではないでしょうか。

気切カニューレの交換は医師が行いますが、スムーズに交換するためには介助する看護師の準備や観察がとても重要になってきます。

「今さら聞けない看護技術・ケアQ&A」第5回のテーマは「気切カニューレ交換時に注意する看護のポイントについて」。

気切カニューレ交換を素早く的確に行うための事前準備、そして交換時の観察すべきポイントについて解説します。

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質問


呼吸器外科病棟で勤務している2年目の看護師です。

気切カニューレを装着した患者さんのカニューレ交換の介助をすることになりました。初めての事なので、何に注意し観察していけばいいのか分かりません。

気切カニューレの交換の準備や看護のポイントについて教えてください。

ひとこと回答


気切カニューレ交換時には、呼吸状態の変化に注意して観察をします。また、事前準備を確実に行い、スピーディーに交換できるよう対応することが大切です。

詳しく説明すると


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https://stock.adobe.com/jp/



気切カニューレ交換の準備


まずは必要物品を準備します。基本的なことですが、準備をきちんとすることがスムーズな交換につながるので、不足なく確実に物品を揃えましょう。

◾気切カニューレ(種類、サイズなどは医師の指示に従う)
◾10mlシリンジ(古い気切カニューレのカフエアーを抜くためと新しい気切カニューレのカフエアーを入れるため)
◾アンビューセット、酸素投与グッズ
◾聴診器
◾吸引セット

最近は必要物品がセット化されている場合もありますが、必要に応じてカテーテル用ゼリーや固定紐も準備します。

また、念のため救急カートと気管挿管の準備もしておきましょう。

気切カニューレ交換前の看護ポイント


まずは、患者さんの呼吸状態を観察します。これは交換後との違いを比較し、評価するためです。呼吸音の聴取をし、SpO2のモニタリングを開始します。

交換前には、呼吸クリアランスの保持と唾液が気管内に垂れ込むことを防ぐため、気切カニューレから吸引を行います。その際、口腔内も忘れずに吸引しましょう。

また、交換前には、カニューレ自体に問題がないか確認を行います。新しいカニューレでも製造過程の不具合により、カフバルーンの閉塞や損傷を起こしている可能性があります。

シリンジ(10ml)でカフを膨らませ、空気漏れの有無や形が均一であるか確認します。
問題なければ、気切カニューレの先端にカテーテルゼリーを塗布します。

交換準備ができたら、いつでも酸素投与や気管吸引ができるように準備をしておきます。

気切カニューレ交換時の看護のポイント


気切カニューレの交換時に注意が必要なのは、古い気切カニューレのカフエアーを抜くときです。患者さんがむせたり、呼吸苦が出現したりするため、手早く行う必要があります。

医師の指示によりカフエアーを抜くとほぼ同時に気切カニューレは即時に抜去されます。その後、新しい気切カニューレを挿入し、医師の指示にてカフにエアー(5ml~7ml程度)を入れ膨らませていきます。

声漏れがある場合、エアーが足りていない可能性があるため追加で1mlずつ足していきます。

SpO2の低下、呼吸音の確認、呼吸苦の出現がないか確認しながら吸引を実施します。気管切開部の皮膚の状態(発赤・膿・出血・肉芽・掻痒感・分泌物の有無など)の観察も忘れずに行いましょう。

また、気切カニューレの再挿入で最も注意しなければならないのは、皮下への迷入です。致死的なリスクがあるため、交換の際は、迷入した場合を想定して気道確保ができるよう準備を行います。

気切カニューレ交換後の看護のポイント


呼吸状態の変化に注意し、呼吸音や呼吸苦の有無、SpO2の値を確認していきます。交換直後は気道分泌物が増加するため、吸引を行います。

呼吸状態が落ち着いたら、抜管防止のために紐や専用の固定具を使用しましょう。

呼吸性変動で頚部の太さが変化するため、固定具は指1本が入るように少し余裕を持たせます。緩すぎた場合、体位変換などなんらかのきっかけで抜けてしまう可能性があるので注意が必要です。

交換後はカフ圧計でカフ圧を調節します。1~2時間程度はSpO2の変化に注意し呼吸状態のモニタリングを行います。

おわりに


気切カニューレは定期的に交換しますが、勤務によってはなかなか介助につく機会がないかもしれません。

気切カニューレ交換時に大切なのは、事前準備と交換前後の観察です。しっかりとポイントを押さえておきましょう。

また、定期的な交換だけでなく、中には緊急で交換が必要になる場合もあるでしょう。
今回の学びを復習することで、緊急時にも慌てずに対応できるのではないでしょうか。

ぜひ今後の業務に活かしていってくださいね。

※この記事は、看護のお仕事が運営する看護技術に特化したQ&Aのサイト「ハテナース」からの引用です。
ハテナースでは今さら聞けない看護ケアに関する質問に親切に解説しています。

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