看護師の転職において、履歴書の提出はほぼマスト。「履歴書だけで内定」ということは基本的にはありませんが、「履歴書がNGだったから不合格」ということはあり得ます。
面接の際にも提出した履歴書をベースに質問されることを考えると、決して気の抜けない履歴書作成。面接へのステップを踏むためにも、履歴書のギモンはここで一気に解消してしまいましょう。
履歴書を作るのに、特別な技術は必要ありません。丁寧かつ正確に記入すれば良いのです。とはいえ、基本マナーを知っているのと知らないのでは、仕上がりに差が出ることもあるでしょう。
履歴書作成の基本マナーは、”基本”なだけあって、きちんと押さえて書かれていないとすぐに気づかれ、面接官に悪い印象を与えかねません。履歴書を作成する前に、本項で基本マナーを押さえておきましょう。
履歴書には、アルバイト用や転職用、一般用などさまざまな種類があり、用途に応じて使い分けることができます。また、指定がない場合、基本的にどの履歴書を用いてもかまいません。たとえば「自分をアピールするために自己PR欄が大きい種類の履歴書を選ぶ」といった工夫も可能です。
ただ、どの履歴書を使うべきか迷うようなら、”JIS規格の履歴書”を選ぶのが無難といえます。JIS規格(日本工業規格)とは、国の定めた標準規格のことです。日本の履歴書は、このJIS規格の履歴書を雛形にして制作されます。JIS規格の履歴書は、身近な文房具売り場などで入手可能です。
JIS規格の履歴書は、学歴・職歴欄が多く自己PR欄が小さいという特徴があります。JIS規格は無難な選択肢であるとはいえ、自身の学歴・職歴が少なく空欄が目立つようなら、あえて他の種類の履歴書を使用するのも一つの手です。
履歴書の基本サイズにはA4(A3の二つ折り)とB5(B4の二つ折り)の2種類があり、指定がなければどちらを用いてもかまいません。A4サイズは用紙が大きいので、アピールする内容を多く書き込める利点があり、B5サイズはコンパクトなので、趣味・特技や経歴など書くことがなくても欄を埋めやすい利点があります。
他方で、職務経歴書や添え状、クリアファイルはA4サイズが一般的なので、管理しやすくするためにA4を選んだほうが良いとされる場合もあります。履歴書のサイズで合否が左右されることはまずありませんが、A4サイズを選んだほうが都合がいいケースが多いでしょう。
なお、パソコンで作成した履歴書を印刷する際、見開きサイズであるA3(B4)が指定できなければ、A4(B5)サイズで二枚に分けて印刷しても構いません。二枚の履歴書は右上をクリップで留めて提出します。履歴書は保管のためにコピーされるので、ホチキス留めは好ましくありません。
履歴書作成は、指定がなければ手書きでもパソコンでもかまいません。手書きなら個性や人柄が伝わりやすく、パソコンなら一定のPCスキルがあることをアピールできるので、どちらにも利点があるといえます。
「人柄を見るため手書きの方が良い」とする意見が根強いようですが、それは新卒採用に多い傾向です。転職の場合、経歴や実績が重視されるため、手書きかパソコンかが見られることはおよそ無いといえます。あるいは事前に履歴書の推奨フォーマットを確認しておくと、面接官の意向を汲めるかもしれません。
志望動機や長所・短所など、自分の言葉で書く欄は、いきなり本番で書き出すと考えがまとまらなかったり、空欄が目立ってしまったりします。まずは他のメモ帳などに考えをまとめてから、清書するつもりで履歴書を書きましょう。
文章はですます調で書きます。病院・クリニックは「貴院」、法人なら「貴社」と書いてください。文字は濃くはっきりと、ていねいに記しましょう。雑だったり、余白が多すぎたりすると、やる気がないと判断されかねません。履歴書を見る人のことを考え、読みやすい履歴書を作りましょう。
住所や学校名、資格名などは正式名称で書かなければなりません。住所は都道府県から記入しましょう。学校名は、たとえば高校は”高等学校”と書くなど略さないようにします。資格は、看護師免許なら「看護師免許」、一般的な自動車免許なら「普通自動車第一種免許」など正式名称を書きましょう。また、過去に勤めた診療科の名称なども正確に記入する必要があります。
「その他連絡先」「特記事項」など以外の、履歴書の項目はすべて埋めましょう。空欄が目立つと、積極性に欠けると判断されてしまう可能性があります。
履歴書を作成したら、誤字脱字がないか必ず確認しましょう。慣れない文書を根を詰めて作っていると、思わぬミスをするものです。漢字や送り仮名など細かい点までチェックしましょう。また、自分では気づかないうちに普段から間違った言葉を使っていることもあり得ます。そのため、作成した履歴書は第三者に確認してもらうとなお良いでしょう。
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本項で紹介するのは、合否に直接影響しかねない履歴書作成上の注意点です。しっかり確認しておきましょう。
手書きで書くことも多いであろう履歴書。ペンのインクの量が少なくてかすれてしまったり、線が細すぎたり、太すぎたりするのはNGです。0.5~0.7mmの黒のボールペンを使用しましょう。水性だと履歴書が濡れた時に滲んでしまうので、油性やゲルインクがおすすめです。インクがダマになるようなら、ペン先を拭ってから書くと良いでしょう。もちろん、こすると消えるタイプのペンの使用も避けてください。
書き間違えたときは別の用紙で書き直しましょう。修正テープや、修正液、二重線などで修正するのは悪印象です。手を加えたのが応募者本人なのか不明瞭なため、文書としての信憑性が下がります。履歴書の使い回しを疑われるケースもあるでしょう。自信がなければ、シャープペンシルで下書きをして、一番書きにくい項目から埋めていくのも手です。焦らずしっかりと記入してください。
ただし、面接前など書き直しができない状況で、どうしても修正が必要な場合には、該当箇所に二重線を引き、その上もしくは近くに訂正印を押すことで修正することも可能です。訂正箇所の一行上に正しい文言を書きましょう。履歴書に押印欄がある場合、訂正印は同じ印鑑を用います。スタンプ式の印鑑は訂正印に使えません。
短期で辞めた職場があっても、省略せずに記入します。そして、嘘は絶対に書いてはいけません。嘘やごまかしは容易に発覚し、解雇や内定取り消しの原因になります。
第一印象となる写真は、きちんと証明写真として撮ったものを使いましょう。その際の服装は、面接と同じように襟付きの服、ジャケット、まとめた髪、ナチュラルメイクで。また、古すぎる写真も望ましくありません。最低でも3ヶ月前までのものを用いるのが常識です。写真の裏にはフルネームと撮影日を記入しましょう。
履歴書の種類によって、押印する箇所があるものとないものがあります。押印する箇所があるものは、押印が必要です。スタンプ式の印鑑は使用せず、また判別できるよう丁寧に押印しましょう。
一方で押印する箇所がない履歴書については、押印する必要はありません。ただし、募集要項などで押印が指示されていた場合、押印が必要になります。履歴書に押印欄がなくても、氏名の右横に押印しましょう。
以前は、押印するのが一般的で、履歴書にはたいてい押印欄がありました。しかし、平成9年の「押印見直しガイドライン」で、履歴書の押印は必要ないと定められたため、押印欄のない履歴書が増えてきたのです。現在でも指定がない限りは押印する必要はありませんし、押印の有無が採用に関わることはありません。
履歴書を使い回すのはNGです。日付が違っている、的外れな志望動機が記入してあるなど、別の採用で使った跡があれば、それだけで不採用になりかねません。複数の履歴書を作る際の手間を省きたい場合は、履歴書作成ツール等を用いて、データを編集できる状態にしておくと良いでしょう。
本項では、履歴書の項目別に看護師の履歴書の書き方を紹介します。
日付は、郵送の場合は投函日、持ち込む場合は提出日を書きましょう。古い日付で書くと「使い回し」を疑われる可能性があります。年号は、西暦と和暦どちらでも良いですが、履歴書の中で統一するのがマナー。年号は、西暦は「20xx年x月x日」、和暦は「令和x年」と正確に書きます。『20xx/ x/x』や『R.x年』と略すのは避けましょう。また、和暦と西暦のどちらも、漢数字ではなく算用数字を用いるのが一般的です。
ふりがなを忘れずに記入しましょう。「ふりがな」の場合はひらがなで「フリガナ」の場合はカタカナを使います。押印の指定がある場合には、名前の右横に押印しましょう。
年齢は、満年齢を記入します。また、年齢は履歴書を書いた日ではなく、郵送の場合は投函日、持ち込む場合は提出日のものを書きましょう。誕生日と履歴書の提出日が近い方は注意が必要です。
都道府県から番地、マンション名まで正確に記入しましょう。ふりがなは番地まで書くのが一般的です。
なお、住所は基本的に住民票のある場所を書きますが、引っ越し等をしたうえで住民票を移していない場合、望ましくありませんが住民票のない新住所を書くこともありえます。履歴書に書く住所は、基本的に書類の郵送にしか用いられないため、住民票の有無は重要ではありません。ただし、入職後の手続きには住民票のある住所が必要です。履歴書の提出段階で住所をはっきりさせるため、住民票は早めに移動させておくべきでしょう。
通勤時間を書く欄がある場合には最短ルートを記入します。看護師の場合は、緊急対応ができるか、または夜勤の負担にならないかという観点があるため、通勤時間は注目されがちなポイントです。
日中繋がりやすい電話番号を記入します。最近はスマートフォンの電話番号を記入するのが一般的でしょう。一方、メールアドレスは、パソコンのメールアドレスを使用するのが望ましいといえます。スマートフォンの迷惑メール設定に引っかからないようにするためです。
3ヶ月以内に撮影した証明写真を貼ります。はがれないようにしっかりのり付けしましょう。笑顔ではなく、少し口角をあげるくらいの表情のものが好印象です。
転職の場合なら、高校からの学歴を書きます。浪人・留年なども正しく書きましょう。入学・卒業の年度を間違えたり、「高等学校」を「高校」と書いたりするのはNG。正確に書類が書けるか、という部分も見られています。
職歴は、即戦力になるか、教育が必要かを判断する材料になります。
病院名と配属の部課名、病棟名まで記入します。アルバイト歴は、長期のものや看護系のものでない限り書く必要はありませんが、これまでに入社・入職した職歴は看護師かどうかを問わずにすべて書きましょう。入職と退職は別の行に書き、「同上」と省略するのはNGです。また、在職中の場合は「現在にいたる」、自己都合による退職は「一身上の都合」とします。
もちろん短期で辞めた職場も漏れなく書きましょう。短い職歴を見られることに抵抗があるかもしれませんが、たとえ履歴書で隠していても、社会保険・厚生年金の加入履歴でいずれバレます。さらに、経歴を詐称したとしてかえってマイナスな印象にもなりかねません。隠すよりも、なぜ短期で退職したのか、今後は長く勤めたいという気持ちを伝えることの方が大切です。
賞罰がある場合は、職歴の下に記入しましょう。
古いものから順に記載します。看護師免許も忘れずに書きましょう。取得した年月を書くと丁寧で好印象です。資格を複数持っている場合は、希望先へのアピールになるものや、難易度の高いものを優先して書くとよいでしょう。
特に重要な項目が志望動機です。数ある事業所の中から、なぜそこを選んだのかがわかるようにしましょう。これまでに経験したこと、今回の転職で実現したいこと、なぜその事業所を希望しているのか、今後どうなりたいかをまとめて書きます。志望動機がしっかりしていれば、応募に対する熱意も伝わりやすくなります。「家が近いから」「お給料が高いから」などの直接的な理由は書かないようにしましょう。
「特になし」は避けたいところです。質問されても答えられるものを、1~3個書いておくとよいでしょう。
長所と短所で矛盾がないように書きます。長所の裏返しが短所になっているのがベストです。短所はどのようにカバーしているかも書くと前向きな印象を与えます。
出勤日や休日など雇用条件に対し特別に希望がある場合はその旨を記入します。たとえば、希望する診療科がある場合や、日勤のみを希望する場合、家族の介護や育児の都合で勤務時間が制限される場合などです。希望を何でも書ける欄ではないので注意しましょう。書くことがない場合は「貴院の規定に従います」で構いません。また、病歴がある場合にはこの欄に記入します。
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折角、時間を掛けて丁寧に作成した履歴書も、正しい方法で提出しなければ印象がよくありません。本項では履歴書の主な3つの提出方法について確認します。
履歴書を郵送する場合、送付状(送り状・添え状)が必要になります。送付状は、氏名や宛先、件名、書類の枚数など記入する書類のことです。送付状は郵送における簡単な挨拶のようなもので、仮に送付状がないと書類だけが届くことになり、印象が良くありません。
送付状にはまず「日付・宛名・住所・氏名・連絡先」が必要です。そして、中央に「応募書類の送付につきまして」等の件名を記入し、数行程度の簡単な挨拶文を書き加えます。その際「拝啓・敬具」といった頭語・結語が欠かせません。結語の後は改行して「記」と記入したのち、同封の書類を箇条書きし、最後に「以上」と記入し、送付状の完成です。
送付状は、他の書類とともにクリアファイルに挟み、封筒に入れて郵送します。クリアファイルに挟む順は、送付状・履歴書・職務経歴書・その他書類の順です。
封筒は白色が望ましく、A4サイズが入る角形A4号や角形2号を選択しましょう。封筒には住所や郵便番号、送付先を間違えないように正確に書く必要があります。また、表面左下に「履歴書在中」と赤の油性ペンで書くのがマナーですが、あらかじめ記入がされている履歴書用の封筒もあるので、それを選べば間違いありません。書類を挟んだクリアファイルを封筒に入れたら、のり付けし、中央の綴じ目に「〆」を黒ペンで記入します。「〆」は封がされている未開封の書類であることを意味し、記入は重要書類をやり取りする上でのマナーです。
履歴書を持参する場合、汚れたりシワになったりするのを防ぐため、クリアファイルに挟んだうえで、封筒に入れて持参するのがマナー。クリアファイルには履歴書・職務経歴書・その他の書類の順で挟みます。封筒は裏面の左下に、住所と氏名を記入しておきましょう。すぐに取り出せるように封筒に封はしません。また、雨の日には濡らさないために封筒にビニールをかけておくと良いでしょう。
面接で提出する際は、封筒からクリアファイルを取り出し、封筒に重ねて一緒に提出します。他方で、受付などで提出する際は封筒に入れたままで提出するのが良いでしょう。
履歴書をメールで送付する指示があった場合、ビジネスマナーに則った手段を取らねばなりません。件名は「履歴書ご送付の件/氏名」など、内容が簡潔に分かるようにします。履歴書はPDFファイルに変換し、ファイル名も「日付 履歴書 氏名」など管理しやすいものにしましょう。また、履歴書は重要書類なので、パスワードを設定するのが一般的。履歴書のPDFファイルをフォルダに格納し、zip形式でパスワードを設定して圧縮、添付します。パスワードは別のメールや電話、郵送などで伝えましょう。なお、送付した履歴書を印刷し、面接時に持参すると万全です。クリアファイルと封筒に入れ、きれいな状態で持っていくと良いでしょう。
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