退職理由は採用面接で質問される以外に、退職する際にも必要です。現在勤務している病院などにも、退職理由を伝えて辞めることになります。転職を考えている場合、勤務先に対して何かしら不満を持っている人が多いでしょう。「人間関係が悪いから」「給料が安いから」「夜勤や当直の勤務が大変だから」など、看護師の不満を挙げればキリがありません。
しかし、その不満をそのまま伝えてはいけません。いくら辞めると言っても、不満を並べられて良い気分にはならないでしょう。できるだけ円満に退職するためには、納得してもらいやすい退職理由を考えなければなりません。
退職を決断したら、いつ退職したいのか希望日を決めます。多くの企業や病院では、退職届の提出を退職日の1ヶ月前までとすることが多いでしょう。この期日については、あらかじめ確認しておいてください。なお、法的なリミットは14日前となっていますが、余裕を持って3ヶ月前に退職の意志を伝えることをおすすめします。
まずは、直属の上司に退職意志と退職理由を伝えましょう。上司の了承を得ることで、退職日を決定します。自分が決めた退職日はあくまでも希望であり、その通りにならないこともあるでしょう。勤務する病院の状況によりますので、あらかじめ認識しておいてください。
直属の上司には、顔を合わせて退職の意思と理由を直接伝えることになります。そのため、伝え方はよく考えなければなりません。やむを得ない理由だと思える退職理由を用意しておきましょう。看護師が一人辞めるとなると、他の看護師とのシフト調整や業務の引き継ぎなどが発生します。場合によっては代替となる看護師の採用が求められることもあり、すぐに了承してもらえないかもしれません。勤務先の状況を考え、了承してもらいやすい退職理由を考える必要があります。
それでは看護師が退職する場合、具体的にどのような退職理由が適切なのでしょうか。ここでいくつか例を挙げていきますので、自分の状況に合うものがあれば参考にしてください。
・体調不良
体調不良がある場合には、それを辞める理由にすれば問題ないでしょう。体調が悪いまま勤務を続けても、ミスなどに繋がりかねません。また、多忙な環境でのストレスなど、業務による体調不良であれば上司も理解している可能性があり、引き止められることはないはずです。実際に通院しているようなら、「精神的疲労により通院中」「過労による体調不良」などを出して理由にしましょう。
<例文>
「体調不良が続いており退職を考えております。」
「業務による過労と不眠症と診断されました。」
「治療に専念するために退職したいと考えております。」
・引越しするため
引越しは退職理由として受け入れられやすいでしょう。勤務先への通勤が困難となれば、引き留めることはできません。たとえ距離だけを見れば通える範囲でも、子育てや介護などプライベートとの両立が困難になるような場合も、この理由で問題ないといえるでしょう。
<例文>
「このたび〇〇市に引っ越すことになりました。〇〇市は実家も近いため、年老いた親の世話をしたいとも思っています。」
「〇〇市からは通勤が難しいので退職したいと考えております。」
なお、引越しを理由にした場合、辞めた病院の近くでの転職は避けましょう。不当な理由だったと受け止められ、後でトラブルが起こりかねません。
・親の介護のため
親の介護が必要となった場合、介護を辞める理由にすることができます。なお、親の介護を退職理由にする場合は、親が具体的にどのような状態になっているかも伝えなければなりません。特に病院で勤務している看護師であれば、具体的な状態とあわせてどのような世話が必要かも伝えるとわかってもらいやすいでしょう。
<例文>
「親の介護が必要になってきましたので、業務を続けるのが難しくなりました。親は最近足が不自由となり、歩くこともままならない状態になってきました。今までは二人でなんとかやっていましたが、父親も体調が悪くなっており、代わりに私が介護をすることになりました。」
・出産や育児のため
出産や育児では、休暇を取って復職する看護師も少なくありません。しかし今の病院を辞めたい場合には、ハードな業務などを理由に出産や育児のため辞めることができます。育児をしながら業務を続けることが困難だとして、一度職場を離れる人は多くいるようです。
<例文>
「子供を授かり出産を予定しています。今の業務はハードなので、出産して育児と両立していくのは難しいと考えております。そのため出産を機に辞めさせていただきたいと思っております。」
・他分野への転職をするため
他分野への転職を考えている人は、それを伝えるといいでしょう。看護師資格を活かした仕事であれば、キャリアアップが目的として理解してもらいやすいはずです。このとき、他分野に対して現在取り組んでいること、また、どのように働いていきたいのかを伝えるようにします。ただし現在の職場でもチャレンジできる分野の場合は、退職ではなく異動を打診されることがあるでしょう。そうなれば理由として弱くなりますので、事前に確認しておくと安心です。
<例文>
「小児科のクリニックへの転職を考えております。内科外来で勤務してきて、子供と接することも多くあり、その中で子供を中心に看護したいと思ってきました。今回、地域の小児科への転職の話があり、そちらでの勤務を予定しております。」
すでに転職先が決まっている看護師なら、より退職理由の説得力が増します。
続いて、避けるべき退職理由を挙げていきましょう。看護師として働いている人なら、納得する退職理由ばかりかもしれません。しかし、実際にこれを理由にするのは避けたほうが無難です。
・人間関係が悪い
・夜勤や残業が多い
・給料が安い
・仕事がキツい
・ストレスが多い
・肉体労働で疲れる
・医師から下に見られるのが嫌
・人が死ぬのを見るのがつらい
これらの理由をそのまま病院側に伝えると、円滑に辞めることは難しくなる可能性が高いでしょう。感情的な発言となり、トラブルが起こることもあります。スムーズに退職できなくなる恐れもありますので、たとえ本音でも伝えない方がよいでしょう。いくら退職すると言っても、以後どんな場面で関りがあるか分かりません。例えば現職の上司が偶然に同じ職場へ転職してきた場合、この退職経緯から人間関係が悪化することも考えられます。退職は、できるかぎり円満に終えられるよう心掛けてください。
退職理由は現在の職場を辞めるときだけでなく、転職の採用面接でも必ず聞かれます。その際にも、ここでご紹介したNGの退職理由を使ってはいけません。採用担当者に対してもマイナスのイメージしか与えませんので、気を付けてください。採用面接ではキャリアップをはじめ、ポジティブな退職理由を伝えましょう。現在の職場に対する退職理由と、採用面接に適した退職理由とは、伝えるべき内容が若干異なります。そのため退職を考える看護師は、あらかじめ2つのシーンに応じた退職理由を用意しておくと安心です。
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