
「小児看護専門看護師になるにはどうすればいい?」と気になっている方は多いかもしれません。小児看護専門看護師は、日本看護協会の専門分野の一つなので、協会の定めた認定方法に従い、受験・登録する必要があります。この記事では、小児看護専門看護師の受験に必要な条件や資格取得の流れ、費用を解説。小児看護専門看護師になる流れや目指す際の注意点、向いている人も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
小児看護専門看護師とは、日本看護協会の専門分野の一つです。日本看護協会で定められた認定方法に従い、受験・登録することで小児看護専門看護師として活動できます。
小児看護専門看護師は、日本看護協会による相談や調整、研究などの定義に基づき、 療養や医療的ケアが必要な0歳〜20歳の子どもとそのご家族を支援します。身体的・精神的な成長過程を理解し、年齢に応じた看護を実践。長期入院から在宅療養へのスムーズな移行を促したり、自分の意思を言葉で伝えるのが難しい子どもの思いを汲み取る役割も担っています。
子どもの不安や恐怖を和らげるために、人形や絵本を使って検査や処置の内容を説明したり、長期入院する子どもの成長を、保育士と連携しながら支援します。在宅療養の以降時に、ご家族が安心して医療的ケアを行えるように指導や心理的なサポートをすることも。
同じ小児に対する分野には、認定看護師の資格である「小児プライマリケア認定看護師」があります。専門看護師との違いは以下のとおりです。
| 小児看護専門看護師 | 小児プライマリケア認定看護師 | |
| 役割の違い | ・相談 ・調整 ・実践 ・教育 ・倫理調整 ・研究 | ・実践 ・指導 ・相談 |
| 教育課程 | 大学院(修士課程) | 特定行為研修を組み込んだ教育機関 |
| 必要単位数・学習時間 | ・2年~3年 ・計38単位 | ・1年以内 ・約800時間 |
小児看護専門看護師が「研究や組織全体の調整」に重きを置くのに対し、小児プライマリケア認定看護師は「現場での高度な実践と特定行為」を重視します。小児看護専門看護師は、現場での直接的なケアだけでなく、職場や地域の仕組みを整えることにも関心がある方に向いているでしょう。
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ここでは、小児看護専門看護師になるのに必要な条件を解説します。自身の経歴を確認してみましょう。
小児看護専門看護師の資格審査の条件を満たすには、指定の看護系大学院に進学する必要があります。最短で2年の在学により、資格審査に必要な単位を取得可能です。看護系大学協議会「2026年度版 高度実践看護師教育課程基準 高度実践看護師教育課程審査要項(P15 )」によると、「小児に関する制度の理解」「小児に多い疾患の診断や治療過程」などを学びます。看護系大学院を選ぶ際のポイントは以下のとおりです。
長期履修生制度の確認もしておくと、働きながらでも無理なく通えるか判断しやすいといえます。
小児看護専門看護師になるための実務研修の必要期間は最低5年。そのうち3年以上は小児看護分野であることが条件です。小児看護分野の実務経験として数えられるのは、「小児科の病棟や外来」「NICU(新生児集中治療室)」「小児への訪問看護」などです。必要な実務研修が受けられる施設は、日本看護協会「専門看護師実務研修施設一覧(2026年1月現在)」で確認できます。
小児看護専門看護師になるには、看護師免許を取得のうえ、実務研修の条件を満たす必要があります。条件を満たしたのち、指定大学院の修士課程を修了し、日本看護協会の認定審査の合格を目指します。
小児看護専門看護師になるには、専門看護師認定審査の「小児看護」の分野で認定を受ける必要があります。専門看護師認定審査の審査は年1回です。書類審査と筆記試験が実施され、筆記試験は40問で150点満点です。100分間のマークシート方式で一般問題と状況設定問題に分かれています。
専門看護師の「小児看護」分野において認定試験に合格した際は、専門的な知識・スキルを持つ人材である証明として名簿登録が必要です。合格後は、日本看護協会の専門看護師名簿に登録しましょう。登録を完了させると小児看護専門看護師として活動可能です。
ここでは、小児看護専門看護師を目指すときの注意点として、「小児看護の教育課程を設けていない大学院もある」「専門看護師の資格は5年単位で更新が必要になる」を解説します。
小児看護専門看護師になる際は、大学院の詳細をよく確認しましょう。大学院のなかには、「小児看護」を学ぶための教育課程を設けていない大学院もあります。専門看護師の教育機関の詳細は、日本看護協会「認定看護師・認定看護管理者・専門看護師 審査・申請システム」や「2025年度専門看護師教育機関・課程一覧(109大学大学院324教育課程)」などで調べられます。
小児専門看護師になる際は、更新頻度の有無や頻度についても頭に入れておくことをおすすめします。専門看護師の資格は5年単位で書類による更新が必要です。更新には30,800円の費用がかかり、審査合格後には認定料として20,900円の振り込みが必要な点を押さえておきましょう。
小児看護専門看護師の資格を失効した場合、書類審査による再認定審査を受けなければ小児看護分野の専門看護師として活動できません。申請するには、「過去に専門看護師であった」「過去5年の研修参加や研究発表などの実績があった」の2項目を満たす必要があります。研修参加や研究発表は、24時間の研修または、100点以上の研究の業績といった内容が実績として認められます。再認定時は、審査料30,800円、認定料20,900円が必要です。
ここでは、小児看護専門看護師に向いている人について紹介します。小児看護専門看護師が気になる人は、ぜひ自身の適性を確認してみてください。
小児看護専門看護師として働く際は日常的に子どもと接するので、子どもが好きな人は向いているといえます。柔らかい表情や声かけで、相手と自然な信頼関係を築けるような方は、子どもの話を上手に引き出すことができるでしょう。「子どもが自分から症状を話してくれる」といった変化があると、ご家族や他職種との連携もスムーズになります。
観察力を発揮できる方も、小児看護専門看護師への適性があります。子どもは、不快な症状があっても、症状を適切に説明するのが難しいことがあります。なかには、自宅以外の場で緊張して口数が少なくなる子どもも。表情や質問の意図をすぐに理解できない場合もあるので、丁寧なコミュニケーションで看護師が状態を把握することが大切です。
小児看護専門看護師には、幅広い医療の知識が必要です。小児科は身体の部位や症状に関係なく、さまざまな疾患を診察します。小児分野の疾患や症状への幅広い知識があると、「怪我のように見えて皮膚病だった」など多角的な視点でアセスメントができ、的確なケアにつなげられるでしょう。
ここでは、小児看護専門看護師になるために必要な費用を解説します。小児看護専門看護師の取得を検討している人は、ぜひご一読ください。
小児看護専門看護師になるための大学院進学・受験料には、合わせて約150万円以上が必要です。専門看護師課程のある看護系大学院における、初年度の学費を以下にまとめました。
| 国立大学院 | 公立大学院 | 私立大学院 | |
| 入学金 | 28万2,000円 | 34万3,923円 | 22万8,857円 |
| 授業料 | 54万2,940円 | 52万1,485円 | 73万321円 |
| 実験・実習費 | 記載なし | 3万7,000円 | 11万3,696円 |
| 施設設備費 | 3万 | 15万円 | 17万1,680円 |
| その他 | 2万4,727円 | 2万713円 | 8万3,874円 |
| 総額 | 83万1,885円 | 88万396円 | 111万9,654円 |
参照:日本看護系大学協議会 日本私立看護系大学協会「2023年度(2024年度実施)看護系大学に関する実態調査(P44)」
※小数点以下は四捨五入して記載
「入学金と授業料」を2年分として計算した場合、学費は国立の大学院で計約140万円、私立の大学院で170万円以上程度です。実習費用や学校までの交通費などもかかるので、しっかりと資金計画を立てておきましょう。なお、小児看護専門看護師の取得には、審査料・認定料ともに51,700円(税込)かかります。
小児専門看護師を目指す場合、以下のような奨学金を利用するのも一つです。
厚生労働省「専門実践教育訓練給付金」は、条件を満たして修了すると80%が最大で支給されるので、対象の大学院を調べてみてください。給与保証や学費補助がある場合があるので、就業規則を確認しましょう。
小児看護専門看護師が活躍できる職場は、「小児科病院やクリニック」「PICU(小児集中治療室)のある大学病院や総合病院」など。「小児ケアに特化した訪問看護ステーション」「小児部門を備えた医療センターや療養施設」といった場でも活躍できます。
日本看護協会「データで見る専門看護師 分野別・所属施設別登録者数(2025年12月)」によると、2015年12月時点で登録されている、小児看護専門看護師の所属施設の内訳と割合は以下のとおりです。
| 所属施設 | 割合 |
| 病院 | 69.4% |
| 学校・大学 | 17.8% |
| 離職中 | 3.6% |
| その他 | 3.3% |
| 訪問看護ステーション | 3% |
| クリニック・診療所 | 1.8% |
| 介護保険施設等 | 0.6% |
| 会社 | 0.3% |
| 看護協会 | 0.3% |
参照:日本看護協会「データで見る専門看護師 分野別・所属施設別登録者数(2025年12月)」
小児看護専門看護師は、専門看護師としての知見を活かし、看護大学との共同研究をしたり、特別支援学校で講義をしたりすることもあるようです。
ここでは、小児看護専門看護師が気になる方によくある質問を解説します。
小児看護専門看護師の大きなやりがいは、感謝や信頼を感じられる瞬間といえます。
小児特有の疾患や成長を支える存在として、不安を抱える子どもやご家族に直接感謝される機会が多くあるでしょう。代弁者として、子どもの権利を守ったり、他職種と連携してスムーズなケアにつなげられたりした際には、専門職としての誇りを感じるはずです。
小児看護専門看護師の取得を持つことで、小児科専門病院での主任や看護師長へのキャリアアップの可能性があります。小児看護専門看護師の経験を土台に、心理的ケアを深めることで、精神的ケアに重きを置くリエゾンナースとして活躍する道も。医療的ケア児への経験を活かして、小児分野に特化した訪問看護ステーションの管理者へのキャリアアップも考えられます。
小児看護専門看護師とは、日本看護協会が定めた専門分野の一つです。療養や医療的ケアが必要な0歳〜20歳の子どもとそのご家族を支援する役割を担います。小児看護専門看護師として活動するには、日本看護協会で定められた認定方法に従い、受験・登録が必要です。
看護師免許を取得のうえで、「小児看護専門の教育課程がある大学院で38単位を取得する」「小児看護分野3年を含む計5年の実務研修を受ける」といった条件を満たすと受験できます。
条件を満たしたのち、指定大学院の修士課程を修了し、日本看護協会の認定審査の合格・資格登録まで進むと、小児看護専門看護師として活動可能です。大学院の進学や受験料を合わせて150万円ほどが必要なので、状況に応じて職場の資格取得支援制度や教育訓練も活用しましょう。
「子どもが好き」「観察力がある」「幅広い医療知識がある」といった方は、小児看護専門看護師に向いているといえます。専門資格の取得により、やりがいと自信を感じながら、病院や学校、訪問看護ステーションなどでも活躍できるでしょう。
とはいえ、「1人では資格取得後にどういった職場で働けばいいのか明確にできない」と悩む方もいるかもしれません。そうした方は「レバウェル看護」にご相談ください。キャリアアドバイザーが、丁寧なヒアリングで「経歴に合わせたキャリアの構築」「転職先選びのアドバイス」をいたします。小児分野を含め、希望条件や興味・関心に合った求人をご紹介可能ですので、お気軽にご相談ください。
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