ズルカンの『看護師メシ』
2021.1.28
新人の頃、私はとにかく焦っていた。
やることが多く、それを上手くこなせず、時間にいつも追われていた。
患者さんのケアも対応も、早ければ早いほどいいと思ってしまい、患者さん自身ができることを全て取り上げてしまっていたのだ。
むしろ、そのときの私はそれが親切だとすら思っていたのだが、患者さんに一度、「自分でさせてほしい」と言われてやっと気づいたのだった。
自分でできる範囲を見極めて、どれくらい介助すればいいのか考える。
その人が自分でできる限り日常生活を送れるように支援する。
時間に追われていると、どうしても私はそれを見失いがちになるが、
そんなとき、Sさんの「私は何もできなくなったわけじゃないの。」という言葉を思い出している。
中山有香里
【『看護師メシ』バックナンバー】
『看護師メシ』vol.3 ~休憩室を襲う「カップ焼きそば」~
『看護師メシ』vol.4 ~特別感がある「パン屋さんのパン」~
『看護師メシ』vol.10 ~折れた心を癒やした「天津飯」~
『看護師メシ』vol.11 ~無言のコミュニケーション「隠しオヤツ」~
『看護師メシ』vol.12 ~後輩の差し入れ「アップルパイ」~
『看護師メシ』vol.13 ~職員食堂の人間模様と「カツ丼」~
『看護師メシ』vol.14 ~落ち込む新人時代と「炊き込みご飯」~
『看護師メシ』vol.15 ~かたくなな患者さんの「娘さんのお弁当」~
【プロフィール】
中山有香里
看護師?イラストレーター。著書に『ズルいくらいに1年目を乗り切る看護技術『悲しいくらい人に聞けない看護技術』(メディカ出版)
Twitter:@musashi_0303
Instagram:@zurukan.yukari33
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