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「施設看護師はさまざまなスタッフと連携し、幅広い知識が得られる」施設看護師インタビュー・國井 知佳さん・豊田 里予さん

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介護の分野で活躍する施設看護師へのインタビューシリーズ。今回は、施設で看護主任をしている國井さんと豊田さんにお話を伺いました。それぞれ病棟勤務や出産を経て、家庭と仕事を両立。入所者さまのケアについての考え方やスタッフの大切さ、施設看護師ならではのエピソードなどをお聞きしました。

プロフィール
國井 知佳(くにい ちか)さん(写真左)
「医療法人 活人会 介護老人保健施設 都筑ハートフルステーション」の一般棟で看護主任として勤務。3年制の看護学校を卒業後、病院のオペナースを3年経験。その後、病棟で約4年、老健で6年勤務。2016年より現職へ。妊娠・出産で2年半ほど休職経験あり。趣味は家でゆっくり過ごすこと。

豊田 里予(とよた さとよ)さん(写真右)
「医療法人 活人会 介護老人保健施設 都筑ハートフルステーション」の認知症専門棟で看護主任として勤務。看護専門学校を卒業後は、総合病院に就職し、内科系の混合病棟で7年、同系列のホスピスに2年勤めた。その後はクリニックで働きながら妊娠・出産を経験。産後に癌の闘病を経て、2016年より現職。趣味は子どもと一緒にゲームをすることや漫画を読むこと。

目次


・自分に合った働き方をするために施設看護師の道へ
・入所者さまもスタッフも、ともに笑顔で過ごすことが大切
・施設はこれまでの経験を活かしながら日々成長できる場所


■自分に合った働き方をするために施設看護師の道へ


ーー現在の職務内容について教えてください。

國井さん:「医療法人 活人会 介護老人保健施設 都筑ハートフルステーション」の一般棟に看護主任として勤務しています。主な業務は、入所者さまの健康管理や服薬管理で、介護スタッフと一緒に日常生活の介助も行っていますね。一般棟は60床あって、在宅復帰に力を入れていたり、医療ケアが必要な入所者さまがいらっしゃったりするのが特徴です。入所者さまは70代から100歳以上まで幅広くいますが、80代と90代が多いですね。看護師は常勤が3名、非常勤が4名です。

豊田さん:私は認知症専門棟で看護主任をしています。入所者さまの年齢層や主な業務は一般棟とほとんど変わりませんが、体調が悪くても自分から表現できない方がいらっしゃるので、体調管理に意識して目を向けるようにしています。そのほか、急変対応や看取りケアもありますね。認知症専門棟は40床です。看護師は実働で6名ほどいますが、そのほかにも育休中のスタッフがいます。

ーー施設で働こうと考えたのはなぜですか?

國井さん:家庭と仕事の両立を考えて、施設で働こうと思いました。病棟勤務をしていたときは夜勤があったので、家族とすれ違いの生活を送ることもあったんです。でも、「もっと家族との時間を大切にしたい」と思うようになって、引っ越しを機に施設で働くことにしました。常勤かつ日勤で働ける施設を探していたところ、現在の職場を紹介してもらいましたね。

豊田さん:私の場合は、自宅から通いやすい場所でのんびり働こうと思ったのが施設を選んだ理由です。実は以前クリニックに勤めていた際、産休に入った直後に癌が発覚してしまったんです。そのときは、手術や抗がん剤治療などを経験して、「もう働けないかもしれない…」と思うほどの状況でした。でも回復するにつれ、「働きたい」「癌患者としての体験も活かして、また看護に携わりたい」という意欲が出てきたんですよ。そこで、一度病院に就職しましたが、仕事が忙しすぎて身体がついていきませんでした。

そうした経緯があって、現在の職場を選んだのです。当施設は自宅から歩いて通える距離にあるので丁度良いと思いました。

ーー施設看護師になる前に不安はありましたか?

國井さん:不安はありましたね。働き始める前は、施設看護のイメージが具体的に掴めていませんでした。それに、病棟勤務の経験もあまり長くないので、「自分の経験で務まるのかな」という漠然とした不安もあったと思います。

豊田さん:私は人間関係が一番心配でした。人見知りなので、入所者さまやスタッフとコミュニケーションが上手く取れるかどうかという不安がありました。しかし、今は周りの方との関係を大事にしながら働けていますよ。

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■入所者さまもスタッフも、ともに笑顔で過ごすことが大切


ーー施設看護の面白さ・やりがいについて教えてください。

國井さん:病院で働いていたときよりも「幅広い知識を得られるところ」が面白いですね。施設看護師は、それぞれ歩んできた道が異なるので、一人ひとりが得意なところを活かして働いています。「入所者さまが自分らしく生活するにはどうしたら良いか」という視点で、それぞれの経験から看護ケアを考えるんですよ。その工夫の仕方が看護師によって違うので、気づかされる部分がたくさんあって勉強になります。

豊田さん:介護士や他職種のスタッフと連携しながら働けるのが楽しいです。病院だと医療スタッフとの関わりが主なので、考え方や方向性が一緒になりやすい傾向があります。でも、施設の場合は職種や立場が異なるスタッフから新鮮な意見を聞くことができるんですよ。それぞれの意見を尊重しながら、協力して仕事をするのはやりがいにも繋がると思います。

ーー施設看護師になってから印象に残っているエピソードはありますか?

國井さん:ご飯が食べられるようになった入所者さまのことが、強く印象に残っていますね。一般棟に配属されて間もない頃に出会った入所者さまで、病気のために経口摂取が難しく、胃ろうを使用していた方がいらっしゃいました。病院では「経口摂取は無理だろう」と言われていましたが、ご家族は「口から食べさせてあげたい」という願いを持っていたんです。スタッフは入所者さまの様子を見て「援助の仕方によっては回復するのではないか」と考え、ケアの方法を話し合うようになりました。そして、嚥下の検査やカンファレンス、トレーニングなど、できる限りのケアを提供した結果、本当に経口摂取ができるまでに回復したんです。その後、その方は胃ろうも併用しながらではありますが、自宅でご家族と過ごせるまでになりました。施設だからこそ、入所者さまとご家族の願いを叶えてあげられた事例だったと思います。ただし、回復に至るまでにはスタッフ間で何度も話し合いを重ねて、日々繰り返しケアを提供する大変さもありました。実践していくのは簡単ではありませんが、施設のチームケアの大切さや達成感を味わう経験ができて良かったです。

豊田さん:私は、入所者さまがさまざまな思いを抱えながら施設に入所されていると気づいたときのことが印象的ですね。ある男性の入所者さまがいらっしゃるのですが、施設に入所する前は奥さまがPTSDになってしまうほど夫婦関係が悪化していました。入所中は家族の話がでないので、忘れてしまったのかな?と思っていました。でも、バレンタインのときに奥さまから家族写真付きの手紙が届き、先に内容を確認した介護士さんが、とても素敵な手紙だったのでお渡ししたところ、手紙を読んだ直後に机に伏せて声をあげて泣かれたそうです。その話をきいて、言葉に出さなくても、その方にとって奥さまやご家族が大切な存在で、忘れていなかったことに胸がいっぱいになりました。入所前は家庭で色々あったかもしれませんが、施設に入って距離を置かれたことで、家族関係の修復にもつながるのだと思いました。施設が入所者さまやご家族のサポートにつながっていると実感できた出来事です。

ーー施設看護師として大切にしていることは何ですか?

國井さん:入所者さまが「日々穏やかに過ごせる」ことを大切に、できる限りの看護ケアを提供するように心がけています。高齢者施設には残りの人生がいつまで続くか分からない入所者さまが多くいらっしゃるので、「悔いのない時間を過ごしてもらうためにはどうしたら良いか」を考えることが大切です。そのために、できるだけ入所者さまの声に耳を傾けるようにしていますが、なかには自分の意思を上手く伝えられない方もいらっしゃいます。表面的な言葉からだけではなく、入所者さまの言動の裏にある本当の思いを受け止められるようにしたいですね。

豊田さん:私は職場のスタッフの人間関係を大切にしています。スタッフの関係がギスギスしていると、それが入所者さまに伝わって不安な気持ちにさせてしまいますし、ケアの質が低下する要因にもなりかねません。もちろん、入所者さまの話に耳を傾けたり、笑顔で挨拶したりすることも大切ですが、スタッフが楽しい雰囲気で落ち着いて働いていれば、入所者さまも穏やかに過ごせると思います。

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■施設はこれまでの経験を活かしながら日々成長できる場所


ーーこれからの目標などはありますか?

國井さん:私自身としては、一つひとつの仕事を丁寧に取り組んで、どんなことも前向きに捉えられるようになりたいと思っています。日々いろいろな経験をする中で、ネガティブに考えてしまうこともあるんですよ。でも、その中で得られることに目を向けていきたいです。

豊田さん:施設看護師の育成に取り組みたいですね。施設は人手不足なので、1人でも多くの施設看護師が増えたら良いなと思っています。

ーー施設で働こうか悩んでいる看護師へ一言お願いします。

國井さん:施設は、これまで培った経験やスキルを何かしら発揮できる場所だと思います。「私はこれができないから無理かも…」と思わずに、実際に施設で働いてみるのがおすすめです。ブランクがあったり、臨床経験が浅かったりなど不安になる原因はそれぞれにあると思いますが、働きながら少しずつ学んでいけるので心配いりません。

豊田さん:私もそう思います。一歩がなかなか踏み出せない人もいると思いますが、実際に働きながら勉強できる職場です。私自身もまだまだ知らないことがたくさんあって、日々勉強している状態ですよ。スタッフと一緒に成長していければ良いと思います。

ーーありがとうございました。

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