「利用者様やご家族の気持ちを汲んで“その人らしい生活”をサポートします」訪問看護師インタビュー・薗田 真澄さん

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在宅医療の最前線で活躍する訪問看護師へのインタビューシリーズ。今回は「株式会社NORRO 指定訪問看護NORRO」に勤務する薗田 真澄(そのだ ますみ)さんを取材。訪問看護のやりがいや大変さ、思いについて伺いました。

プロフィール
薗田 真澄(そのだ ますみ)さん

「株式会社NORRO 指定訪問看護NORRO」(神奈川県)に勤務。看護学校卒業後、急性期病院の脳外科・眼科に勤務し、結婚を機に退職。子育てをしながらクリニックで働いたのち療養型病院に転職。在宅医療に興味を持ち、2019年6月より現職。同年管理者に抜擢される。趣味は街の散策やマリンスポーツ。

※1※2 調査方法:インターネット調査/調査期間:2024年2月7日~2月13日/調査概要:「看護師転職サイト」を対象としたユーザー満足度調査/調査対象:男女、全国、看護師・准看護師資格保有者かつ対象看護師転職サイト利用経験者、20~29歳 107s(※1)、20~34歳 175s(※2)/調査実施:株式会社エクスクリエ/比較対象サービス:「看護師転職サイト」主要10サービス(専用サイトのあるサービスのみ・求人結果の表示ページは除く)

■「その人らしく生活してほしい」療養型病院での経験から訪問看護師の道へ

——現在の職務内容について教えてください。

当ステーションのある相模原市や、近隣の町田市にお住まいの利用者様宅を訪問し、看護を担当しています。業務は入浴や排泄、食事の介助、排便コントロール、口腔ケア、フットケア、褥瘡ケア、点滴、医療機器を入れられている方にはその管理などです。現在、終末期ケアの頻度は少ないですが、今後やっていきたい事の一つです。また、最近は精神疾患の看護もはじめており、利用している方が数名いらっしゃいます。訪問件数は1日平均4件程度で、移動手段は車や自転車、徒歩がありますが、たいてい車を使います。

管理者としては、訪問スケジュールの管理が主な仕事です。また、PTが訪問しているお宅に評価訪問をします。リハビリテーションを中心に行っている利用者様宅には訪問看護師の代わりにPTが訪問するのですが、その場合、訪問看護師が定期的に評価をする必要があるんです。ほかにも、市や地区の訪問看護ステーション管理会に出席し、毎月の事業報告をしたりしています。

——訪問看護師になるまでの経歴を教えてください。

看護学校卒業後は、相模原市内にある急性期病院の脳外科や眼科で働き、結婚を機に退職しました。その後、引越しや出産を経て、子育てしながらでも働けるクリニックに勤め、療養型病院でも数年働きました。また、アルバイトとしてデイサービスの手伝いもしていました。そして、2019年6月「株式会社NORRO 指定訪問看護NORRO」に転職しました。療養型病院で働く中で、在宅看護に興味を持ち、訪問看護師になろうと思ったからです。管理者になったのは入職から3カ月ほど経ったころです。前任の管理者が遠方から通っていたこともあり、ステーションが軌道に乗ったタイミングで私が抜擢されました。今は職員と協力しながら管理業務をしています。

——療養型病院で働くなかで、訪問看護師になろうと思われたんですね。

はい。患者様が「その人らしい生活」を送る手助けをしたいと思い、在宅看護の仕事をしようと決めました。療養型病院の患者様は退院できる方が少ないんです。入院当初は歩けていた方も、いずれ車椅子や寝たきりの状態になっていき、最期は病院で看取られることが多いです。そのような状況なので、患者様の「家に帰りたい」という思いがひしひしと伝わってくるんです。そこで、患者様が「その人らしく入院生活を送れる」ように手伝いたいと思うようになりました。さらに、一人ひとりに合わせたケアをするには「院内でできること以外にもっとできることがあるのでは」と考えるようにもなったんです。

また、療養型病院で働いていたころに出会った患者様の影響もありますね。当時、寝たきりで全介助が必要な患者様がいたんです。私が働いていた病院でも対応しきれないと思えるような状態で、当然、ご自宅で生活なさるのも不可能だと思っていました。しかし、事情があってその方は、ご自宅に帰られることになったんです。唯一のご家族である娘さんは遠方に住んでおり、その患者様は、意思疎通もうまくできない状態で一人暮らしをすることになったんです。私は「どうやって生活していくのだろう」と心配しました。ところが、ご自宅に介護士や訪問看護師などさまざまな人が出入りしてケアすることで、その患者様がご自宅で生活できていることを知りました。私はご自宅での生活は無理だと決めつけていたので、それができる世界があると知って「すごいな」と思いさらに在宅看護に興味が湧きました。

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■すぐに相談、連絡できる環境。「何でも一人で解決しなければならない」は先入観だった

——訪問看護師になるのに不安はありましたか?

ありました。訪問看護に興味はあったのですが、自分の経験や技術が在宅分野にどう活かせるか想像ができなかったんです。また、困ったことがあれば病院だと医師やほかの看護師にすぐに相談できますが、訪問看護は一人で行うので、その場で利用者様やご家族が安心できる答えを出せるか心配でした。

しかし、実際に働いてみてそういった不安は訪問看護の知識を学んだり、ほかのスタッフを積極的に頼ることで解消していきました。最初は病院と違う点があると疑問に思うこともありましたが、次第に「看護をする」という本質は同じだと気付き、両者に大きな違いはないと思うようになりました。入職してしばらくは先輩に同行して、訪問看護がどんなものか学びました。また、研修会に参加したり、同行実習をさせてもらったりして仕事を覚えました。また、一人で訪問するようになってからは、現場で判断しかねることがあれば、すぐに連絡するように心がけました。看護師や医師、ケアマネジャーなど、聞いたら丁寧に答えてくれる人たちばかりで助かりました。入職前は、どこか「何でも一人で解決しなければならない」と考えている節がありましたが、徐々にそうでないと考えるようになりました。ご家族に「良い方法を考えて帰ってきます」と言うこともできますしね。

——病院やクリニックと比べて訪問看護にギャップはありましたか?

良い意味でギャップはありました。病院では一定の時間の中で、複数の患者さまを看ていたのに対して、訪問看護では決まった時間を、ご利用者様一人、その方だけに向かい合うことができます。他には、当ステーションは現在24時間対応ではない事や、シフト制ではないこともあり、プライベートでは自分の時間をより有効に使えるようになったと思います。

■利用者様やご家族にはそれぞれ思いがある。それを尊重するのが大切

——訪問看護のやりがいを教えてください。

やはり自分が訪問看護をして、利用者様やご家族さまの笑顔を見れた時はうれしいですし、やりがいを感じますね。また、訪問看護は初対面のお宅にお伺いし、お話しをして、まずは自分を受け入れてもらわなければなりません。そのなかで、自分のコミュニケーション能力や、対応力など、利用者様を通して勉強させてもらい、日々様々な経験を積んでいけることも魅力ですね。利用者様は一人ひとり違うという事を実感しますし、対応方法を考え、実践し、上手くいったときは、とても嬉しく思います。

——訪問看護師として心に残っているエピソードは何ですか?

利用者様のお看取りを、ご家族と相談しながら迎えた経験が心に残っています。当ステーションでは、現状お看取りをすることはほとんどないのですが、私は過去に1度だけ担当したことがあるんです。その利用者様は、ご病気から徐々に食事量が減り、寝たきりの状態に近くなり、訪問看護を始めることになっていました。最初にお会いした時は、お話したり、握手をしたりできていたんですが、次第に元気がなくなり、最期を見据えなければならない状態になりました。その時、訪問を開始して数日の私に、ご家族様が不安や戸惑い、「最後に向けてどうすれば良いか」を相談してくれたことや、「看護師さんが来てくれたら安心する」と言っていただけた事が、大きく心に残っています。

利用者様が亡くなったのは、私が担当して2週間ほど経ったころでした。ご家族と一緒に最期の迎え方を考え、一緒にお看取りをさせていただき、学ぶことの多い経験だったと思います。信用や相談をしてくださり、人の最期に関して一緒に考えられる看護師という仕事を、改めて「すごい」と思いました。

——訪問看護の大変なところはどこですか?

実は、訪問看護で「大変!」と思ったことはないんです。ただ、利用者様は一人ひとり性格や生活様式、家のルールが違うので、そこは気をつけています。以前カルテをテーブルに置いて怒られたことがありました。「食事するところだから外から持ってきたものを置くなんて言語道断」と言われたんです。そのあと「いやな気持ちにさせてごめん」と、声を荒げたことを利用者様の方から、謝罪されましたが、私は怒ってもらえて良かったと思います。きちんと嫌なことを伝えてもらえたほうが反省できますし、次に活かすことができます。人として学ぶことは多いですね。そういった他のお宅では気にされないようなちょっとしたことも、気をつけるようにしています。それを見極めるのは難しいですが、学んでいきたいですね。

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■訪問看護はスタッフ同士で支え合いながら日々学べる領域

——これからどんなことに?を?れていきたいですか?

管理者としては、スタッフが楽しく働ける環境を作っていきたいと考えています。スタッフの精神面を支えるにはそういう環境があると良いと思うんです。仕事のことはもちろん、プライベートのことも話してもらえるような人間になりたいですね。また、私はまだ訪問看護の経験が浅く、医療依存度の高い利用者様をあまり担当していないんです。そのため、もっと経験を積んで、いずれは「指定訪問看護NORRO」を24時間対応のステーションにしていきたいです。

——訪問看護に興味がある看護師へ??お願いします。

訪問看護に興味があっても、未経験の方や得意な専門分野がない方、一人で訪問するのが不安な方も多いと思います。しかし、スタッフ同士で補い合いながら日々学べる環境があるので、一人で抱え込む必要はありません。訪問看護は技術はもちろん大切ですが、それ以外の人間力など、看護師としての目には見えない大切な部分に重きを置き、私たちは日々働いています。これからの時代、訪問看護の需要は増してくると思います。興味のある人は是非一歩踏み出してほしいですね。

——ありがとうございました。

▼記事に関連する施設の情報はこちら(看護のお仕事)

指定訪問看護NORRO

 
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