バイタルサイン-Vital Sign-とは、言葉の通り、人の生命の徴候(生きているしるし)のことです。
基本的には「脈拍」、「呼吸」、「血圧」、「体温」の4つで、これに「意識」を加える場合もあります。
患者さんの状態を総合的に捉える上で欠かせないバイタルサイン。ここでは、その基本をおさえてみたいと思います。
意識状態に問題のない患者さんを対象とした、一般的に行われているバイタルサイン測定をご紹介します。
留意点は、正確に測定することと、安楽に測定できることです。
室温が適温であること、手や物品が冷たい場合は温めること、患者さんの露出を最小限にすること、などに気をつけて実施します。
また、実施前に患者さんが安静状態であることを確認します。運動や入浴などは、測定値に影響及ぼすためです。
まずは体温計を入れて体温測定をはじめてから、脈拍・呼吸測定、血圧測定という順序がスムーズでしょう。侵襲の少ないものから測定するのが基本です。
①必要物品をそろえる
血圧計、ステート、体温計、時計、アルコール綿、タオルなど
②患者に説明する
③測定準備
カーテンをする、ベッド柵を下げる、ベッドをフラットにする、必要なら椅子・床頭台などを準備する、など。
④測定実施(※バイタルサイン測定の実際を参照)
⑤終了の説明、環境整備
ベッド、カーテン、ベッド柵などを元通りに戻す。
⑥記録
実施し終わったら、測定値を忘れないうちに記録を取る。メモなどに控えておいても良い。
腋窩の最深部に腋窩動脈があるので、体温計の先端が腋窩の中央にあたるよう、腋窩線に対しておよそ45度の角度で深くはさみます。
*腋窩が汗で湿っている場合、気化熱で測定値が低めになるので、タオルなどでそっと拭きます。
*腋窩をクーリングしている場合は反対側で測定します。
*幼児や肥満気味の方に対しては水平に近い角度で体温計を挿入します。
*腋窩動脈付近の皮膚温をとれるよう、しっかり密着してはさむようにします。
成人の場合、平熱はおおよそ36.0℃以上37.0℃程度(腋窩温)と言われていますが、人により差があります。
小児は一般的に成人より高めです。
腋窩の他に、口腔、直腸、耳内、鼓膜などでも検温できますが、測定部位により、正常値は変わってきます。
稽留熱、弛張熱、間欠熱、波状熱、周期熱などの、特徴的な熱型を知っておくと、測定値をアセスメントする際に役立ちます。
*示指・中指・薬指の3本を、患者さんの橈骨動脈(手関節内側の母指側)に沿って軽くあてます。
*1分間の脈拍数を測定します。
成人の脈拍数の正常値は、60~80/分程度とされています。
頻脈・徐脈・不整脈・結滞などの異常の観察もします。
血圧が低く、脈が撓骨動脈で触知できない時は、頚部側面の総頸動脈で測定することもあります。
*脈に続いて、呼吸による胸郭の動きを観察しながら測定します。
*1分間の呼吸数を測定します。
この時に、患者さんに気づかれないように注意しましょう。(気づくと意識して正確に測れなくなります)
成人の呼吸数の正常値は、おおよそ16~20/分と言われていますが、個人差があります。
チェーンストークス・呼起坐呼吸・ビオークスマウルなどの異常呼吸がないか注意して観察します。
状態によっては、聴診器などで呼吸音を聴診しながら観察することもあります。
*患者さんの腕を心臓の高さにします。
*測定側の腕の袖をはずすか、腕を締め付けないようであれば、袖をまくって腕を露出します。
*マンシェット内のゴム嚢の中央が、上腕動脈の真上にあたるようにして、指2本入るくらいのゆるみをもって巻きます。これは、コロトコフ音を聴取するための聴診器を当てる部分を確保するためです。
*聴診器のチェストピースを、上腕動脈の脈が触れるところにあてて、加圧します。
*最高血圧を確実に聴取するため、患者さんの普段の最高血圧よりも、30mmhg程度高めのところまで加圧します。
*加圧をやめてゆっくりと圧を下げると、コロトコフ音が聞こえ始めます。そこが最高血圧です。最低血圧は、コロトコフ音が聞こえなくなったところです。
水銀血圧計の場合は、測定後は血圧計を傾けて水銀を収納し、ロックをして終了します。
麻痺がある場合、血圧測定は、麻痺がない方(健側)で実施します。
側臥位での測定をする場合は上側で実施します。
高血圧の基準は140/90mmHg以上と言われていて、最高血圧・最低血圧ともにその基準を下回っている場合、正常範囲である、とされています。
(参考URL:日本高血圧協会より )
血圧に影響をもたらす疾患は幅広く、ストレスや運動、内服の有無によっても変動すると言われるため、数値以外の影響因子も考慮してアセスメントします。
意識障害をきたした患者さんは危機的状況にあることがとても多いものです。
ここでは、意識レベルを把握して、意識障害の有無を判定する方法を簡単にご紹介します。
覚醒している、刺激に一時覚醒する、刺激に対して覚醒しない、という3つの観点で意識状態を評価します。手軽に意識レベルが評価できるため、緊急時によく用いられます。
開眼の機能、言語反応がどうか、運動反応がどうか、という3つの観点で意識状態を評価します。判定がやや複雑であること、1項目でも判定困難だと無理があるなどの難点がありますが、より細かな判定が可能な評価方法です。
意識レベルが低下しているときは、瞳孔径・対光反射の観察と評価、他のバイタルおよびマヒなどの症状の観察、全身状態と代謝異常、外傷の有無のチェックや既往歴の有無(てんかん・脳梗塞・心筋梗塞など)を確認します。これによって、原因疾患を特定し、救命処置につなげるための一助となります。
いかがでしたか?
看護技術の基本バイタルサイン測定。正確に測定するとともに、測定結果の意味を総合的にアセスメントして、患者さんの状態を把握できるようになると良いですね。
記事の制作について
「レバウェル看護 看護師さん向けお役立ち情報」では、
記事の制作・公開にあたってのポリシーを定めています。
詳細は下記よりご確認いただけます。
看護師から寄せられる“よくある質問”
Q. 現役看護師が一番稼げる科はどこ?
一般的に、高度な医療を提供する診療科や収益の多い診療科・クリニックは、高収入を得られる傾向にあります。病院だと救急救命科やICU(集中治療室)など、クリニックでは美容クリニックや人工透析クリニックなどが挙げられます。「看護師が一番稼げる科はどこ?高年収のクリニック・病院や転職のポイント」では、看護師が稼げる科を、詳しく解説しています。規模別の平均給与や、高収入な職場へ転職する際のポイントも紹介しているので、求人探しの参考にしてください。
Q. 看護師がのんびり働ける勤務先は?
病院であれば緊急対応や体力を消耗する業務が少ない外来や回復期・慢性期病棟。病院の外来やクリニックであれば重症患者の処置が少ない診療科は比較的落ち着いた環境といえるでしょう。自身のペースを大事に働きたい方は、現職の悩みを解決できるような環境・働き方を選ぶことがポイントです。「のんびり働きたい看護師向け!おすすめの職場や病院以外の仕事を紹介」では、のんびり働ける勤務先の条件や、おすすめの職場・診療科、のんびり働ける仕事のメリットやデメリットも解説しています。職場探しの参考にしてください。
Q. 看護師1年目で転職しても大丈夫?
1年目であっても転職は可能です。新卒として入職後3年以内に転職する「第ニ新卒」を歓迎する求人も多数出ている状況です。心身に不調がある場合や、職場でハラスメント・法律違反が横行している場合は、無理せず環境を変えたほうが安心です。「看護師1年目で転職しても大丈夫。病院以外の職場や好印象の退職理由を紹介」では1年目の看護師が転職したくなる理由や、仕事が辛いときの対処法、 おすすめの職場などをまとめています。新人看護師が転職に成功するコツや退職の際の注意点も解説しているので、参考にしてみてください。
Q. お礼奉公中でも転職は可能?
お礼奉公の途中でも、看護師が仕事を辞めることは可能ですが、途中で退職してトラブルに繋がるケースもあるので、辞める場合は注意が必要です。「お礼奉公中だけど辞めたい看護師へ!奨学金に関する疑問に答えます」では、「お礼奉公中の看護師は仕事を辞めても良いか」「途中で辞めると奨学金の支払いはどうなるのか」といった疑問や不安にお答えしています。また、奨学金の一括返済を求められたときや、退職を拒まれたときの対処法についてもご紹介しているので、お礼奉公がネックで前に進めずにいる方は、ぜひ参考にしてください。
キャリア
働く場所
選考対策
資格
その他
読みもの
連載