
褥瘡予防は、看護師のケアの重要なもののひとつとして挙げられるのではないでしょうか。
ひと昔前は、「褥瘡を作ってしまうのは看護師の恥」と言われていたとを聞いたこともあるくらいです。褥瘡は大事なケアであり奥深い看護技術。ここでは褥瘡予防について学んでいきましょう。
褥瘡とは、局所が圧迫され続けて血液障害を起こしてその部分の組織が虚血状態になり、酸素や栄養素が供給されなくなって、壊死に陥ることで生じる皮膚や皮下組織の損傷のことを言います。
褥瘡は、できてから治るまでに時間を要したり、感染したりしてしまうこともあるので、できる前に予防することが大切です。
褥瘡発生の要因として、主に以下6つがあげられます。
1)局所の持続的な圧迫
2)摩擦とずれ
3)湿潤
4)低栄養
5)加齢
6)低血圧
これらをできるだけ回避、軽減することが褥瘡発生予防につながります。
1)状態の把握
1.ブレーデンスケールを用いた褥瘡発生危険度の把握
褥瘡発生危険度を予測するためのツールとして、ブレーデンスケールがあります。
このスケールは知覚の認知・湿潤・活動性・可動性・栄養状態・摩擦とずれ、の6項目からなります。総得点は6~23点の範囲で、点数が低いほどリスクが高いことを示しています。
2.体位の違いによる好発部位を知り、観察することで早期発見を心がけるようにします。
2)減圧
褥瘡は圧迫にさらされない限り発生しません。そのため、リスクレベルの程度に関わらず、「減圧」が最も重要なケアになります。
1.体位変換
局所への圧迫が持続し、血流障害が2時間以上続くと組織の壊死が生じるといわれています。そこで、体動が全くできない、もしくは非常に限られている場合には、最低2時間に1回の体位変換が必要です。
2.体位
30度側臥位:大転子部圧が減少するという研究結果がでたため、この体位が推奨されています。
90度ルール:股関節・膝関節・足関節をそれぞれ90度曲げて座ることを言います。仙骨部への部分圧迫を軽減し、支持面積が広く、骨突出がない大腿後面において体圧を分散させることが可能です。また、脊髄がしっかり伸びて頭部を支えるので、ずれの原因を除去することに役立ちます。
3.体圧分散用具の使用
体位変換と共に、骨突出部に対する接触面の除圧を行う体圧分散用具を用いて、さらに体圧の分散を図る工夫をすることが大事です。
3)摩擦とずれの回避
1.摩擦の回避
骨突出部を透明フィルムまたはハイドロコロイドドレッシング材で保護します。透明フィルムは皮膚観察が可能であり、ハイドロコロイドドレッシング材にはクッション効果があります。
2.ずれの回避
30度以上のギャッチアップは避けるようにします。
4)湿潤の回避
1.尿・便失禁への対応
微温湯と刺激の少ない石けんを用いて、陰部洗浄を毎日行い、排便・排尿後はきれいに清拭します。また、通気性のよいオムツを使用しムレを防止します。失禁した状態で長時間放置されることがないように、頻回にチェックする必要があります。
2.寝具、寝衣の清潔と乾燥
シーツや寝衣は頻回に交換するようにし、清潔で乾燥した状態を保つようにします。材質は吸湿性・通気性のよい木綿やガーゼのものを用いると良いです。シーツを張りすぎると分散力が低下するため、あまりピンと張りすぎないように注意する必要があります。
5)栄養状態の改善
栄養状態の指標としては、”TP6.0g/dl、Alb2.5g/dl、Hb11g/dl”以上が目安となります。どうしても経口摂取が無理な場合は、経管栄養や中心静脈栄養の導入を検討します。
6)スキンチェックと清潔保持
1.スキンチェック
褥瘡好発部位の皮膚を中心にチェックします。
2.全身の清潔
皮膚を柔軟で健康な状態に維持することで、生体防御機能が保たれるため、褥瘡予防・修復にとって重要です。
3.血行の促進
末梢への血流が減少すると、組織の栄養状態が悪くなって、皮膚の耐久性が低下するので、血行促進するようにします。
前述した褥瘡発生予防のためのケアを行うためには以下のものが必要です。
・体圧分散マットレス
・体位変換枕
・透明フィルム
・ハイドロコロイドドレッシング材
など
適切な褥瘡予防ケアを行い、褥瘡を発生させないようにしていきたいものですね。
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