
「看護実習で、血圧測定がうまくできなかったらどうしよう。」
「血圧測定は、どんなことに気を付けたらいいのだろう。」
実際に行うと、疑問点が多く浮かぶでしょう。
血圧の値は、測定する際の部位や姿勢、環境で変わります。
患者さんの血圧を正確に測定するために、看護師は環境を整えることが大切です。
この記事では、看護における血圧測定の目的から手順まで解説します。
実習がある看護学生や、新人看護師さんの助けになれたらうれしいです。
血圧とは、動脈の内側にかかる圧力のことです。
血圧は、心臓から送られる血液の量と血管の抵抗力で決まり、家族の遺伝や身体的なストレスでも変化します。
心臓の収縮により変化して、収縮期血圧と拡張期血圧の数字で示します。
血圧計は、主に以下のものが用いられています。
| 手動血圧計 | 電動血圧計 |
| ・水銀式:目盛りの部分に水銀を用いたもの。環境汚染のリスクがあるため使用は減っている。 ・アネロイド式:回転式の針が付いたもの。 ・電子式:電子式のセンサーと液晶 による表示をしたもの。 | ・コロトコフ式:聴診法を自動で行なうもの。 ・オシロメトリック式:血管の動きを電動で感知し測定したもの。 |
電動式は、短い時間で血圧を測定することが可能で、手動血圧計は、電動式血圧計で測れなかった数値を聴取できます。
多くの患者さんをケアする病棟業務では、短時間で測定が終わる電動式や電子式の血圧計が主流です。
しかし、すべての患者さんに電動式が適しているわけではありません。極端な高血圧や、ショック状態など全身状態が悪化している方の場合、電動式では正しく数値を拾えなかったり、エラーが表示されたりすることがあります。
その場合、手動血圧計を使用します。
自動血圧計のマンシェットの幅の目安は、以下の通りです。
| サイズ | 上腕の周囲の長さ | マンシェットの幅 | 年齢 |
| ss | 12㎝~18㎝ | 7㎝ | 3歳から6歳未満 |
| S | 17㎝~22㎝ | 9㎝ | 6歳から9歳 |
| M | 22㎝~32㎝ | 13㎝ | 9歳から成人 |
| L | 32㎝~42㎝ | 13㎝~17㎝ | 成人 |
| XL | 42㎝~50㎝ | 17㎝~20㎝ | 成人 |
患者さんの腕の幅より小さいマンシェットを用いると、血圧が高くなることがあるため、体型に合ったサイズのマンシェットを選択しましょう。
血圧測定の目的は、血液の循環の状態を知り、異常の早期発見や全身状態を知ることです。
また、血圧は自律神経活動の調整をする働きをしており、精神的なストレスを評価するデータとしても用いられています。
クリニックや外来では、主に健診や定期的な検査目的で血圧測定を行います。
一方で、病棟で血圧測定をするのは、以下のような場面です。
また、看護師は、血圧測定をするだけでなく日々の血圧を見てアセスメントをします。
臨床では、以下のような観察をしながらバイタルサイン測定を行います。
血圧測定には、聴診法と触診法があります。
聴診法とは、聴診器を用いて血圧測定を行う方法です。
手動血圧計(水銀式、アネロイド式)を用いた聴診法の手順と留意点を説明します。
部屋の温度は、患者さんが過ごしやすい温度に調整します。
急に寒い場所に行った場合、血管が収縮し血圧は上昇します。
正確な血圧を測定するために測定前、測定中の会話はひかえていただきます。
測定する30分以内に喫煙やカフェイン摂取をしていないか確認します。
喫煙やカフェインは、交感神経を刺激して血圧をあげる作用があります。
普段の飲酒、喫煙歴も聴取します。
少量の飲酒は血圧を下げるが、長い期間での飲酒は血圧を上げる作用があります。
初めて血圧測定をする場合は、上腕の血圧の左右差がないか確認をするため2回測定することを患者さんに説明します。
患者さんが楽な姿勢になるよう、座位が可能な患者さんは端座位になってもらい、座位が難しい場合は仰臥位になってもらいます。
血圧計を安定した場所に置きます。
以下の確認をします。
座位が可能な患者さんの場合は、台の上に前腕を置きマンシェットを巻きます。
正確な数値を知るため、マンシェットをトレーナーや上着の上から巻いたり、シャツをまくったりするのは避けます。
マンシェットを巻く際、マンシェットの下部分は肘より2、3㎝上に巻き、マンシェットの中心を心臓の高さにします。
マンシェットは、指が1〜2本程度入る程度にねじれがないように巻きます。
緩く巻いた状態で測定すると、血圧は高く測定されます。
血圧測定は、痛みや皮膚の傷がない方の腕で行います。圧がかかると、腕の痛みが強くなったり傷が悪化する恐れがあるためです。
以下のような患者さんが該当します。
麻痺のある患者さんは、麻痺側で測定すると、高い値になることがあるため健側で測定します。
シャントのある患者さんは、傷をつけないようにするため必ずシャントがない腕で測定します。
乳がんの手術後の患者さんは、リンパ浮腫により血流障害を起こす可能性があるため、手術部位側での血圧測定は控えます。
また、点滴のルートが入っている場合は、ルートがない腕で測定します。
上腕動脈に聴診器を当てながらカフの圧を上げます。カフ圧を上げる際は、脈拍が消える血圧の数値より30mmHg上まで上げます。
その後、1秒に2〜3㎜Hg程度の速さでカフを減圧していきます。
減圧したときに、鳴り始めた音(コロトコフ音)が、収縮期血圧、コロトコフ音が消えた目盛りの位置が拡張期血圧となります。
数値を読み取れるように、減圧する際は、一気に空気が抜けないようにネジをゆっくり緩めます。
高血圧のある高齢の患者さんは、血管の弾力性の低下により血圧に左右差が出る場合もあります。その場合は、高い血圧の値を記録します。
1回目の測定の終了後、マンシェットを外し空気を抜きます。
1〜2分過ぎてから、マンシェットを再度巻きます。
糖尿病や高齢者など起立性低血圧がある患者さんは、確認のために立位になった1分後と3分後の状態でも血圧測定を行います。
2回の測定後、数値に差がない場合、収縮期と拡張期のそれぞれの計算した平均が血圧値となります。
入院時や外来での血圧測定時、緊張したりする人もいます。
患者さんが具合が悪くなる場合もあるため表情を観察しながら行いましょう。
触診法は、聴診器を使用しないで橈骨動脈に触れながら血圧測定を行う方法です。
▼触診法の手順
1.マンシェットを巻いていくまでの手順は、聴診法と同様。
2.橈骨動脈に触れながらカフ圧を上げる。
3.橈骨動脈に触れなくなった目盛りから30mmHgほど圧を上げ、徐々に減圧する。
4.少しずつ減圧した際に、橈骨動脈が再び触れた目盛りが収縮期血圧となる。
触診法では、拡張期血圧は測定できません。
病棟では、聴診での血圧測定が難しい患者さんに触診法を用いる場合があります。
たとえば、終末期のような意識状態が悪い患者さんに触診法を用いることが多いです。
以下のようなときに触診法を用います。
橈骨動脈の触知が弱いと、触診法でも正しく測れないことがあります。
正確に測れているか不安な場合は、リーダーや先輩看護師に早めに報告しましょう。
下肢で血圧測定する場合が多いです。
理由は、以下の点です。
血圧測定は、点滴やシャントなどの留置・挿入されていたり、麻痺があったりする部位での測定は控えましょう。状況により、主治医に血圧測定部位の確認をしてください。
皮膚の触れ方により、あざになる可能性があります。
高齢の患者さんは、栄養状態により皮膚が薄く少しの衝撃で傷つきやすいです。
マンシェットの装着が難しいのは、麻痺や病気の進行により腕が伸ばせなかったり、拘縮があったりする患者さんです。
療養病棟では、麻痺や拘縮が強い患者さんが多く入院しており、血圧測定が難しい方が多くいます。
血圧測定でマンシェットを取り外す際は、皮膚に刺激を与えないようにマンシェットを十分に緩めてから行いましょう。
血圧測定を上腕動脈で測定するのは、心臓と同じ高さだからです。
心臓の高さは、血液の拍出量が重力に影響しないため、血圧の基準値となるのです。
血圧測定における看護で重要なことは、以下の点です。
正確な血圧測定が、患者さんの異常の早期発見につながります。
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看護師から寄せられる“よくある質問”
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一般的に、高度な医療を提供する診療科や収益の多い診療科・クリニックは、高収入を得られる傾向にあります。病院だと救急救命科やICU(集中治療室)など、クリニックでは美容クリニックや人工透析クリニックなどが挙げられます。「看護師が一番稼げる科はどこ?高年収のクリニック・病院や転職のポイント」では、看護師が稼げる科を、詳しく解説しています。規模別の平均給与や、高収入な職場へ転職する際のポイントも紹介しているので、求人探しの参考にしてください。
Q. 看護師がのんびり働ける勤務先は?
病院であれば緊急対応や体力を消耗する業務が少ない外来や回復期・慢性期病棟。病院の外来やクリニックであれば重症患者の処置が少ない診療科は比較的落ち着いた環境といえるでしょう。自身のペースを大事に働きたい方は、現職の悩みを解決できるような環境・働き方を選ぶことがポイントです。「のんびり働きたい看護師向け!おすすめの職場や病院以外の仕事を紹介」では、のんびり働ける勤務先の条件や、おすすめの職場・診療科、のんびり働ける仕事のメリットやデメリットも解説しています。職場探しの参考にしてください。
Q. 看護師1年目で転職しても大丈夫?
1年目であっても転職は可能です。新卒として入職後3年以内に転職する「第ニ新卒」を歓迎する求人も多数出ている状況です。心身に不調がある場合や、職場でハラスメント・法律違反が横行している場合は、無理せず環境を変えたほうが安心です。「看護師1年目で転職しても大丈夫。病院以外の職場や好印象の退職理由を紹介」では1年目の看護師が転職したくなる理由や、仕事が辛いときの対処法、 おすすめの職場などをまとめています。新人看護師が転職に成功するコツや退職の際の注意点も解説しているので、参考にしてみてください。
Q. お礼奉公中でも転職は可能?
お礼奉公の途中でも、看護師が仕事を辞めることは可能ですが、途中で退職してトラブルに繋がるケースもあるので、辞める場合は注意が必要です。「お礼奉公中だけど辞めたい看護師へ!奨学金に関する疑問に答えます」では、「お礼奉公中の看護師は仕事を辞めても良いか」「途中で辞めると奨学金の支払いはどうなるのか」といった疑問や不安にお答えしています。また、奨学金の一括返済を求められたときや、退職を拒まれたときの対処法についてもご紹介しているので、お礼奉公がネックで前に進めずにいる方は、ぜひ参考にしてください。
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