
こんにちは、助産師ぴのです。第一弾の記事を読んでくださったみなさん、ありがとうございました!第二弾の今回は、産科で働く上で求められるスキルについてお話しします。どんなタイプの人が多いか、どのようなスキルを持っていると得か、またそのスキルはどこで身につけたのか、などセキララに綴っていきますので、ぜひ最後までお付き合いください。

「どんな人が助産師に向いていますか?」と聞かれたら、まず“人が好きな人”だとお答えします。仕事中はほとんどの時間誰かと話しています。
担当している褥婦さんとじっくりお話することもありますし、外来で次々と来る妊婦さんに手短に問診をすることもあります。スタッフ間でも常に情報共有をしたり相談をしたり、と声を掛け合って仕事をしています。このように、助産師という仕事は常にコミュニケーションが必要です。
さらに、分娩中は笑顔で穏やかな方などほとんどいませんし、複雑な家庭の事情を抱えている方と面談をしなければならないこともあります。とても楽しくお話ができる場面もあれば、泣いている方、悩んでいる方と話すこともあるのです。
コミュニケーション能力は日々の仕事の中で身につけていけますが、そもそも“人が好き”、“話すのが好き”であることが、産科病棟で働く上でとても大事なことだと思います。
私は学生時代に、飲食店や野球場などで接客業のアルバイトをしていました。そこで老若男女問わずいろんな方と関わったことで、初対面の方に良い印象を与える方法が少し身についたのではないかと思っています。
それでも、助産師として働き始めてから困難にぶつかることは本当にたくさんあります。
特に外来の保健指導では、初めて会った方と短い時間で妊娠〜出産というデリケートな話題に踏み込んで話さなければならないので、とても難しいと思っています。助けを必要としている方ほど、医療者に対して壁を作っていることも少なくありません。「もっとこのように声をかければよかったかな…」と迷うことだらけな毎日です。
他病棟で働く看護師さんとの大きな違いの1つに、集団指導をする機会があります。
病院にもよると思いますが、私の働く病棟では妊娠中の両親学級や、産後の退院指導は集団で行っています。ときには10人前後の方を前にして、1〜2時間話さなければならないため、得意不得意、好き嫌いが別れる業務のような気がしています。

指導内容を充実させることはもちろんですが、飽きさせない工夫や、印象に残るような伝え方など、対象者の方にとって有意義な時間となるように先輩の技を盗みながら頑張っています。
なんとなくですが、私の周りの助産師はリーダータイプが多く、学級委員や部長などの経験者がとても多いように感じます。私も学級委員やら委員長やらをやっていたので、もしかしたら人前で話すことには少し慣れていたかもしれません。もちろん未経験でも大丈夫ですが、大勢の前で話すことに慣れているとちょっとだけ得かもしれないですね!
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先ほど書いたように、助産師は妊娠、出産、育児…とプライベートでデリケートな部分に踏み込む仕事です。そんな日々の関わりの中で、いい意味で“おせっかいマインド”が大事なのではないかと思っています。
ちょっと不器用さんなママの部屋には呼ばれなくても何度も通って、一緒に授乳の練習をしたり。なんとなく表情が暗い気がして夜な夜なそっと声をかけに行くと、涙をポロポロこぼしながら抱えていた思いをわっと吐き出してくれたり。
また妊娠中から何かしら心配な背景を抱えている方に対しては、病棟全体で何度も何度もミーティングを行い、知恵を出し合いながらみんなで支えていきます。

正直な話、ママたちは他人です。退院してしまえば、ほとんどの方はもう二度と会うことはありません。ではなんでそんなに親身になれるのかといえば、それは『仕事だから』で片付く話ではないと思うのです。
始めに書いた“人が好き”にも通ずることですが、やっぱり『なんとかしてあげたい』という助産師や看護師たちの“おせっかいマインド”が、ママたちを救っていることもあるように思います。
看護学生、助産学生を経験された方は、痛感していると思います。特に助産学生はすべての課題にこだわっていたら寝る時間がなくなるほどです。それで退学していった同期が何人もいました。何が特に大切なのか取捨選択する力が必要で、上手に手抜きができる人が勝ち残る世界だと思っています。
そして1人で頑張ろうとしないこと。学生の時からしつこいくらいに「チーム医療」という言葉を聞いていると思いますが、常にチームで動く意識を持つことも大事です。
病棟では一度にたくさんのトラブルが発生することが日常茶飯事なので、周りに助けを求めたり、困っているスタッフには先輩後輩に関わらず、積極的に声をかけて一緒に解決していったりする協調性が、助産師や看護師に求められる力です。

私自身はこの点も、飲食店でホールやキッチンのバイトをしていた経験が活きているように感じます。レジに列ができている、料理の提供が遅れている、席が片付いていない、洗い物が滞っていてフォークが足りなくなりそう、さあどうする!?といった多重課題を、スタッフみんなで協力して解決していく経験の積み重ねが、力になっているような気がします。
上手に手抜きをするとお伝えしましたが、手抜きしない方がいいと思うことの一つが“アンテナを張ること”だと思います。ここ数年で無痛分娩の件数がとても多くなって研究が進んだり、出産や子育てに関する国の制度が変わったりと、学生時代に習ったことからどんどんと知識をアップデートさせなければなりません。
何十年も経験されている先輩たちからも、「何年やってもおっぱいは難しい」とよく聞きます。嫌でも一生学び続けなければならない職業だから、結局根が真面目であることは大事ですし、産科領域を面白いと思える人は強いと思います。
夜勤の方が比較的楽な病棟もあるかと思いますが、産科に関しては分娩は夜間の方が進みやすかったり、赤ちゃんは夜の方が元気だったりと、夜勤の仕事も盛りだくさんです。休憩もままならない夜勤が少なくありません。夜勤のある病院の産科で働くには、体力が必要です。
また、分娩は常に母子ともに急変の可能性が潜んでいて、しかも予測が難しいです。急変時に冷静に動ける精神力も必要な素質だと思います。私は初めの頃は急変時にかなり動揺してしまうタイプだったのですが、1年目でも落ち着いている子はいてすごいな…と尊敬していました。
偏見かもしれないですが、周りの助産師で「この人どんなときも冷静だな」と思う人は、大体体育会系の部活経験者で、インターハイに行っていたりします。体力面も鍛えられるので、部活をしっかりやっていた経験は強いのかもしれないなと予想しています。
ここまで産科で働く上で必要なスキルについてたくさんお話しましたが、どれも入職前に身についてなければいけない訳ではありません。何よりも大切なのは、産科で働きたい!という気持ちです。
人と関わるのが好き、赤ちゃんが好き、産科が舞台のドラマが好き、いろいろきっかけがあると思いますが、その“好き”を大切にしてください!
受験、就職、転職、応援しています。産科で待っていますよ〜!
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