
助産師ぴのです。連載第3弾の今回は、助産師の職場選びについてお話したいと思います。私がなぜ新卒で二次救急の混合病棟を選んだか、実際働いてみて感じているメリット・デメリット、これからどんな場所で働きたいか、などセキララに綴っていきます。
これから就職を控えている学生さん、転職を考えている助産師さんなど、少しでも参考になれば嬉しいです!

助産師って、どこで働いているイメージがありますか?多くの方は病院やクリニック、助産院などを想像されると思いますが、ほかにも産後ケアホテルや保健センター、教育機関などなど、助産師は幅広い場所で活躍しています。
今回は病院で働くことに焦点を当て、私がどうして今の病院を選んだのか、実際働いてみて感じたメリット・デメリットなどをお伝えできればと思います。
私は1つの病院でしか働いたことがないため、ほかの病院については先輩や学生時代の同期から聞いた話をもとに書きました。かなり地域差もある話題だと思いますので、その点ご了承の上読んでいただければと思います!
私の病院選びは、正直かなりテキトーでした。「とりあえず働いてみないと合うか合わないかなんてわからないでしょ!」と思い、あまり深く考えていなかったのです。
そんな私が就職先を選ぶ基準は、こんな感じでした。
まず、正直なところ学生時代はお産にあまり興味がなく、むしろ恐怖心すらありました。なので、分娩病棟と褥婦病棟が分かれているような単科病院は、分娩病棟に配属されるのが嫌だな〜と思って避けました。でも助産師である以上、分娩を一切取らないのもあとから困るかな…と思い、産科病棟が1つにまとまっている総合病院を選ぶことにしました。
実習していた病院は総合周産期センターで、最先端の設備や綺麗な施設には憧れました。でも、最後の砦とも言える大きな病院にはハイリスクの妊婦さんがたくさん…。「まずは正常なお産を勉強したい!」と思い、地域に密着している二次救急を希望することに。
その条件を満たす病院の中で、なんとなく働いている助産師さんたちが優しそう〜立地もちょうど良い〜給料もまあまあ良いかも〜と、最終的にはほぼフィーリングで決めたのが今の病院です。
ですが、結果的には選んで良かったなと思う点がたくさんありました。次の章から詳しくお話ししていこうと思います。

病院にもよりますが、単科病院や大きい総合病院だと、妊婦棟・分娩棟・褥婦棟などがわかれていることがあります。初めは分娩棟、次は褥婦棟…とローテーションするところが多く、ローテーションの期間は半年だったり3年だったりとばらつきはありますが、それぞれを順に極めていくイメージです。
それに対し、連載第1弾の記事にも書いたように、私の勤めている病院はすべてが1つの産婦人科病棟にまとまっています。
助産学生の1〜2年で妊娠期から産褥期、婦人科疾患、などを一気に学び、国家試験を受ける頃が知識量のピークで、卒業するとどんどん知識が薄れていってしまう人がほとんど。それが混合病棟だと一気に実践経験を積むことができ、学生時代の知識が薄れる前に、実践で知識を定着させることができるというメリットがあります。
単科病院や大きい総合病院では、外来と病棟でスタッフがわかれていることが多いと思います。
ですが私の職場は外来も病棟もスタッフが同じなので、外来で会っていた妊婦さんの分娩に立ち会うことも多く、“顔見知り”であることで信頼関係が築きやすくなるという利点があります。
妊娠中から特定妊婦やその他の支援が必要な方はプライマリーチームに振り分け、健診のたびに会いに行って話を聞いたり産後もそのチームが中心に関わったりして、継続したフォローも可能です。
新卒として一から学ぶ上でも、このように妊娠中から産後までつなげて線でみることができるのは大きなメリットではないかと思います。
私の病院は婦人科以外の女性患者さんが入院されるケースもあり、成人看護、老年看護の知識や技術が必要とされます。こうして看護師としての仕事もすることで、たとえば基礎疾患や合併症のある妊婦さんへの対応がスムーズにできるようになったり、周術期の看護を幅広く学んで帝王切開の方のアセスメントを深められるようになったりするのではと感じています。
また、転職を経験された先輩からは、看護師としての仕事もできるのは転職する上で大きな強みになるとも聞きます。幅広い年齢の方、さまざまな背景を抱えた方と関わった経験は、助産師としての仕事にも活きるはずです!

一気に学ぶことがメリットになる一方で、どうしてもステップアップはゆっくりになってしまう気がします。
たとえば助産学生の同期に会うと、産褥病棟で働いている友だちは授乳ケアがどんどんうまくなっているし、分娩病棟にいる友だちは年間4〜5倍ものお産をとっているし、私自身は1つの分野を極めることが難しい分焦ることもあります。
広く浅くだと中途半端になりかねないので、広く深くスキルアップすることを目指すためには、かなり努力も必要になるのかなと思います。
特に入職してすぐの頃は看護師としての仕事が多い日々が続くと、「せっかく助産師になったのになかなか助産師の仕事ができないな…」と焦る日もありました。今では看護師の仕事が確実に助産師としての日々のアセスメントに活きているので納得できていますが、新卒の頃は看護師の仕事もするという点がネックになるかもしれません。
学生時代は分娩に興味がなくむしろ恐怖心があったと始めに書きましたが、実際に働いてみてその恐怖心はだいぶ解消され、楽しみも見出せるようになりました。もし新卒で分娩に携わらない病棟に配属されていたら今も怖がっていただろうなと思うと、新卒のうちに経験を積んでおいて良かったです。
そしてこの3年間で妊娠中から産後、婦人科などいろいろ経験した結果、極めたいことが見つかりました…!それが授乳です。授乳は奥が深くて難しいけれど、母乳外来などで先輩たちのプロフェッショナルな技をみて、いつかこうなりたいな、と思うようになったんです。マッサージ1つ取ってもあまりの技術に驚くことばかりです。助産師ってすごい…!
実は学生時代は、外来の保健指導や性教育に興味がありました。でも混合病棟を選んで、初めの3年間で助産師、そして看護師としてのさまざまな仕事を経験できたからこそ、本当に自分のやりたいことが見つかったように思います。
今のところ次のキャリアとしては単科病院の褥婦病棟で経験を積んで(うまく配属されるかはわかりませんが)、いずれは病院の母乳外来や産後ケアを行なっている助産院などで母乳ケアを極めてみたいな〜と夢見ています。
転職された先輩の中には、「お産大好きだからもっとお産取りたい」と分娩件数の多い病院に行った方や、「赤ちゃんのことをもっと極めたい」とNICUに行った方、またベテランの先輩で助産院を開業された方もいます。選択肢がたくさんあるのが、この仕事の大きな魅力だなと思います。
先輩からたくさん話を聞いたり、病院見学をするなどして、これから自分が助産師としてもっと楽しく仕事をできる場所を、ゆっくり見つけたいなと思います。

なんとなくで選んだ病院でしたが、私にとっては今後のキャリア形成を考える上で、良い選択だったなあと思っています。
どこの病院にもメリット・デメリットはあるので、私のようにまずは働いてみて考えよう〜でも良いですし、じっくり情報収集をして自分に合ったところを見極めるのも良いと思います。
どちらにしても、理想の助産師に少しでも近づけるように、助産師の仕事をもっと好きになれる職場が見つかったらステキですね!
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Cei
2024年8月22日 14:01
少子化で産科は混合病棟化していってますよねー。他科患者も把握する大変さがあったり、キャリアに悩む若手の話はよく聞きますよ。幅広く経験したからこそやりたいことが見つかる、というのは確かにです。