
はじめまして、助産師ぴのと申します。学生時代にInstagram(@st._.pino)で勉強法を発信していました。
本連載「助産師ぴののセキララLIFE」では、助産師3年目の私が現場のリアルをお届けします。スケジュール、お仕事のエピソードから気になるお給料まで、セキララに綴っていきます!
特殊な科なので、現役看護師の方もイメージしづらいかもしれません。産婦人科に興味がある看護師さんや転職検討中の助産師さん、就職活動中の学生のみなさんのお手伝いができれば嬉しいです。
第一弾の本記事では、助産師の仕事についてお話しします。ぜひ、最後までお付き合いください。

私が働くのは、総合病院の産婦人科の混合病棟です。助産師が約30人、看護師が5人います。
私の病棟では業務担当が5つにわかれており、 リーダーが決める割り振りによって毎日担当が変わります。
▼5つの業務担当
| ︎①分娩担当 | ・分娩進行者を受け持つ。無痛分娩もある |
| ②褥婦担当 | ・産後の全身状態の観察 ・一人ひとりに合わせた授乳方針を立てる ・帝王切開後の観察やケア |
| ③ベビー室担当 | ・赤ちゃんの全身状態の観察 ・呼吸障害や高ビリルビン血症などで保育器管理をしている子のケア ・ママたちのお風呂の練習 |
| ④外来担当 | ・妊婦健診や婦人科検診での医師の診察介助 ・保健指導(妊娠中に妊婦さんが助産師とお話する機会) |
| ⑤婦人科担当 | ・妊娠悪阻、過多月経、子宮筋腫や子宮脱などの患者さんを受け持つ ・内視鏡や開腹手術を行う患者さんもいる |
助産師は上記5つすべてを担当しますが、看護師は基本的に「⑤婦人科担当」のみを担当します。
ですが、NICU経験がある看護師さんが新生児の急変時にサポートをしてくださったり、糖尿病内科の経験がある看護師さんが糖尿病合併のママのサポートをしてくださったりと、ぞれぞれの専門的な知識・経験を持ち寄って協力し合っています。

私の病院では助産師が、妊娠中から産後まですべて担当するのが大きな特徴です。
大きな病院だと、分娩室配属、褥婦棟配属…と配属が決められていたり、混合病棟であっても、外来だけは外来担当の助産師がやると決まっている場合もあるようです。
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5つの業務担当があるとお伝えしましたが、ここからは「②褥婦担当」の1日をくわしくご紹介します。
受け持ちのママたち(4~5人くらい)のバイタルサイン測定、子宮復古等の全身状態の観察、乳房の観察を行います。
前日に帝王切開をした方がいれば、初回歩行を行います。
授乳の観察をします。一人ひとり乳頭、乳房の形も違い、赤ちゃんの飲み方にも違いがあるので、それぞれに合った方法を一緒に考えます。
母乳育児に対する考え方もママによって違うので、寄り添いながら考えることがとても大事です。

お昼休憩
授乳の練習や育児の相談に乗ります。なかなか自分からナースコールを押せない方もいるので、必要だと思うママのお部屋には何度も訪問して、退院までに少しでも不安を減らせるようサポートします。
ママたちを集めて、退院後の生活についてお話をします。必要なときに受診行動を取ることができるよう、母子の身体の正常・異常について話したり、赤ちゃんと過ごす環境のことなどをお伝えしたりします。
ママ自身のメンタル面のお話も必ずしていて、産後うつを予防するために何ができるか、もしメンタル面に不調が出てきたらどうするか、などは時間をかけて話します。
授乳などのナースコール対応、看護記録
申し送りをして退勤!
母乳育児は本当に奥が深くて、3年目となった今でもわからないことばかりです。
でも、難しいからこそ面白さもあります!
日々リーダーや先輩助産師に相談しながら、それぞれのママと赤ちゃんにとって何が一番良いのか、たくさん考えています。
助産師になったきっかけの1つが、大学生のときに母性の教授が言った言葉でした。
『産科は病院の中で唯一、おめでとうが言える場所です』
実際にいま産科で働く中で、ママたちや家族からもらう言葉に毎日パワーをもらいながら頑張っています。
たとえば、2週間前に担当したお産のエピソード。
その方は陣痛でとても不安そうで、途中あまりの痛みに私に向かって暴言を吐いたり、「もう無理だからお腹切って!!なんで帝王切開じゃだめなの!」と叫んだりと混乱していました。
少しでも不安を軽減できるようにいつも以上にそばにいて、前向きな声かけや足浴、マッサージなどの助産ケアに努めました。立っているほうが楽とのことで、3〜4時間、陣痛が来るたびに2人で抱き合うような形で痛みに耐えたりもしました。
そして受け持ちを始めてから7時間ほどで元気な女の子が誕生。生まれた瞬間、「かわいい、頑張ってよかった」「本当にぴのさんのおかげです。一緒にいてくれてありがとうございました」と涙を流しながらつぶやかれて、私も心から「こんな素敵なお産に入らせていただき、ありがとうございました」とお伝えしました。
陣痛のおきに身体を支えたりマッサージをしたりしていたため、私はそのあと3日間くらい全身の筋肉痛に悩まされましたが、それも誇らしく感じました。
産後も関わらせていただき、初めはうまくいかなかった授乳も、夜勤で夜通し一緒に練習してどんどん上手になり、帰る頃にはすっかり頼もしいママの顔になっていました。
自分のケアで痛みが和らいだり、自分の指導で授乳が上手になったりと、ケア結果が比較的目に見えてわかりやすいのもこの仕事の魅力だと思います。
周囲からも「助産師にならなければよかった」という話を聞いたことがなく、それもすごいことだなと。
もちろん、給料とか勤務体制とか、医師の態度(笑)などに文句を言いつつ仕事をしているのはどこも同じだと思いますが、助産師という仕事にはみんな誇りを持っていると感じています。
私も助産師になって良かったな~!と思う日々です。
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でも、悩みも尽きません。
たとえば、20代の未受診妊婦が陣痛で緊急入院。妊娠には気づいていたけど、だれにも相談できず、ずっと孤独だった。これからどうやって育てていくか見当もつかない…。
別の例で、高校生の女の子。大好きな彼との子どもだから産みたい。でもお父さんになんて言おう…。彼も喜んでいるようだけど、本当に結婚してくれるのかな…。
ほかにもシングルマザー、若年妊娠、同性婚、ステップファミリー…本当にたくさんの家族のかたちがあって、何が正解なのかわからない日々です。
思ったようなお産にならないこともあるし、元気な赤ちゃんばかりでもない。たくさんの笑顔の裏で、たくさんのママが、パパが、助産師が、涙を流しているのも現状です。
でも助産師だからこそ聞ける話があって、できるケアがある。たくさん悩んで、先輩に相談して、時には医師も交えてカンファレンスを行ったりして、より良いかかわりができるよう日々考えています。
妊娠、出産という人生の一大イベントに関わるという責任を日々感じていますが、その分本当にやりがいを感じることのできる、素敵な仕事だと思っています。
ここまで、私が感じる助産師の仕事の魅力や現実についてお伝えしました。
まだまだ助産師としてはひよっこで、わからないことばかりですが、だからこそ面白さもあります。本当にドラマで観ていたようなことが日々起こっていて、さまざまな人生に触れ、感動し、勇気をもらい、とても豊かな経験をさせてもらっていると感じています。
助産師になるまでの道のりは辛いこともありましたが、いま思うことは「とにかく助産師になって良かった!」
産婦人科に興味のある看護師さんや、転職を考えている助産師さんが、この仕事の魅力を感じていただければ嬉しいです。次の記事も楽しみにしていてくださいね!
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