
「特養看護師の夜間オンコールは大変なの?」と疑問に感じている看護師は多いのではないでしょうか。
ここでは、特養看護師の夜間オンコールで対応する内容や待機手当、当番の頻度などについて紹介します。
この記事を最後まで読み終えてもらえれば、夜間オンコールありの特養看護師が向いている働き方なのか分かるでしょう。
夜間オンコールによって特養看護師への転職をためらっている方は、ぜひ参考にしてください。
そもそも特養(特別養護老人ホーム)とはどのような介護施設なのか、気になるところです。
そこで、入居者様の特徴や勤務形態、仕事内容・役割について分かりやすく紹介します。
特養は公的介護施設なので、入居者様の費用負担が少ないことから人気が高いです。
中には、入居まで数年待機しなければならない施設もあります。
特養の入居者様の特徴は下記のとおりです。
対応できる医療的ケアに限りがあるため、医療依存度の高い方は入居が難しいでしょう。
特養看護師は、日勤(8:30~17:30)を基本とした働き方です。
施設によっては早番(7:00~16:00)や遅番(10:00~19:00)に対応する施設もあります。
また、夜勤がない代わりにオンコール体制を導入している施設が一般的です。
特養看護師は施設の介護職員や往診医と連携しながら、入居者様の健康管理を行います。
体調の確認や配役準備・与薬、スキントラブルのケアなどのほか、感染管理も特養看護師の業務です。
また、医師の指示に基づいて、喀痰吸引や点滴、胃ろうの管理などの医療行為を担います。
施設によっては、看取りやターミナルケアなどに対応することもあるでしょう。
特養における看護師の人員配置基準は、施設形態によって異なるため、それぞれの違いを把握しておくことが大切です。
ここでは、「従来型施設」「ユニット型施設」の人員配置基準について紹介します。
転職先の施設形態の人員配置をチェックしてみましょう。
従来型施設とは、1つの部屋を1~4名ほどの入居者様が使用する多床室の特養です。
入居者様3名に対して1名以上の看護職員もしくは介護職員を配置しなければなりません。
また、入居者様が30名以下の施設では1名以上、31~50名の施設では2名以上、51~130名の施設では3名以上の看護職員を配置するように義務付けられています。
ユニット型施設とは、10名以下の入居者様で少人数のグループを構成し、生活単位(ユニット)で区分けした個室の特養です。
ユニットごとに個室や食堂、浴室などの共用スペースが設けられています。
ユニット型施設は従来型施設の配置基準に加えて、下記の配置を満たさなければなりません。
近年ではユニットケアが推奨されている背景から、ユニット型施設が増加傾向にあります。
特養において看護師の24時間常駐が義務付けられておらず、夜間も看護師を配置している施設は少数です。
厚生労働省の「特別養護老人ホームにおける医療的ケアに関する実態調査(P1)」によると、3,327施設における夜間の体制について下記のように報告しています。
| 夜間の対応 | 割合(%) |
| オンコールで対応する | 75.9% |
| 看護職員が状態に応じて勤務することがある | 10.8% |
| 看護職員がいる時間といない時間がある | 5.6% |
| 特に対応していない | 3.8% |
| 必ず夜勤の看護職員がいる | 1.7% |
| 宿直の看護職員がいる | 0.6% |
夜勤や宿直を求められる施設はわずか2.3%となっており、基本的にはオンコール体制を選択していると言えます。
オンコールとは、緊急時にすぐに対応できるように待機する勤務形態です。
特養看護師の夜間オンコールについて、下記のように解説します。
夜間オンコールへの不安が強い方は確認してみましょう。
夜間は看護師が不在なので、医療的な緊急対応を行うことができません。
もしも何らかの理由で入居者様の容態が悪化し、夜勤の介護職員では対応や判断が難しい場合、オンコール当番の看護師に指示をあおぎます。
酸素吸入や点滴が必要であれば病院へ搬送しますが、一晩経過を観察して問題ないようであれば翌朝に看護師が出勤してから搬送を検討することもあるでしょう。
また、救急搬送時の同乗者は施設によって異なり、夜勤の介護職員か、オンコールで出動した看護師が同乗する場合が一般的です。
日本看護協会の「特別養護老人ホーム・介護老人保健施設における看護職員実態調査 報告書(P51,52)」によると、夜間オンコールの手当てが「ある」と回答した看護師が73.2%であるのに対し、「ない」と回答した看護師は24.6%となっています。
オンコール手当が支給された看護師のうち、待機1回あたりの手当額は下記のとおりです。
| オンコール手当の支給額 | 件数 | 割合(%) |
| 500円未満 | 19件 | 5.3% |
| 500~1,000円未満 | 71件 | 19.7% |
| 1,000~1,500円未満 | 116件 | 32.2% |
| 1,500~2,000円未満 | 34件 | 9.4% |
| 2,000~2,500円未満 | 51件 | 14.2% |
| 2,500円以上 | 35件 | 9.7% |
オンコール待機の手当は、「1,000~1,500円」が32.2%と最も多く、次いで500~1,000円未満」が19.7%で多いです。
また、オンコール当番中に電話や出動などの対応をした場合、別途手当の支給の有無や平均額についても下記のように記載されています。
| 別途で手当が支給される | 別途で手当が支給されない | 平均額 | |
| 電話対応 | 10.6% | 87.0% | 1,133円 |
| 出動 | 84.6% | 11.6% | 2,288円 |
オンコール待機のみでも1,000円前後、実際に実際に出動すれば3,000円前後の手当てが支給されることが分かります。
日本看護協会の「特別養護老人ホーム・介護老人保健施設における看護職員実態調査 報告書(P50)」によると、2015年7月に特養の看護師が対応したオンコール当番の回数は下記のとおりです。
| 回数 | 件数 | 割合(%) |
| 0回 | 46件 | 9.3% |
| 1~4回 | 54件 | 11.0% |
| 5~9回 | 177件 | 36.0% |
| 10~14回 | 118件 | 24.0% |
| 15回以上 | 75件 | 15.2% |
「5~9回」と回答した看護師が36.0%と最も多く、平均待機回数は9.1回と割り出すことができます。
夜間オンコールありで特養看護師として働くと、さまざまなメリットが期待できます。
特養看護師が夜間オンコールありの特養で働くメリットは下記のとおりです。
それぞれのメリットについて詳しく解説するので、どのようなメリットがあるか確認してみましょう。
夜勤では身だしなみを整えて出勤しなければなりませんが、オンコールなら自宅で普段通りに過ごせます。
また、オンコールを受けたからといって必ずしも出動するとは限らず、電話対応で済むことも多いです。
夜勤のように一晩中起きている必要もないため、規則正しい生活を送れるでしょう。
オンコール待機中は勤務時間外として扱われるため給料は発生しないものの、オンコール手当が支給されます。
1,000~2,000円ほどが相場とされており、実際に電話がかかってくる回数は多くありません。
オンコールを受けて出勤した場合、定額の手当てが支給されるか、時間外労働として割増賃金が発生します。
「体力的に夜勤は難しいけれど給料アップを目指したい」という看護師は、オンコール手当てが充実した施設がおすすめです。
特養のオンコール待機では、電話での指示で済むケースがほとんどで、実際に出動するケースは多くありません。
日本看護協会の「特別養護老人ホーム・介護老人保健施設における看護職員実態調査 報告書(P51,52)」によると、1か月あたりのオンコール対応の電話対応状況は下記のとおりです。
| 回数 | 件数 | 割合(%) |
| 0回 | 114件 | 26.9% |
| 1~4回 | 197件 | 46.5% |
| 5~9回 | 41件 | 9.7% |
| 10~14回 | 12件 | 2.8% |
| 15回以上 | 7件 | 1.7% |
特養看護師がオンコールにおいて電話対応した回数は、「1~4回」が最も多く、1か月あたりの電話対応の平均回数は2.4回となっています。
続いて、出動回数は下記のとおりです。
| 回数 | 件数 | 割合(%) |
| 0回 | 227件 | 53.5% |
| 1回 | 85件 | 20.0% |
| 2回以上 | 34件 | 8.0% |
半数以上が出動回数を「0回」であったと回答しており、ほとんどが電話対応で済んでいることがうかがえます。
特養看護師が夜間オンコールありの特養で働くと、メリットも多い一方で、いくつか注意したいデメリットもあります。
ここでは、特養看護師が夜間オンコールありの特養で働くデメリットについて解説するので、メリットと比較してみましょう。
オンコール当番日は入浴時や就寝中もすぐに電話に出られるように、肌身離さず携帯を持ち歩く必要があります。
回数は少ないものの、出動の可能性もあるので、判断能力が鈍る飲酒は控えなければなりません。
すぐに職場まで駆け付けられるように、職場から30分圏内で待機していることも大切です。
また、出動しても翌日の出勤に支障が生じないために、早めに就寝してしっかり体を休めます。
特養のオンコールは夜勤の介護職員がいるので、電話で指示を出せば看護師が出動せずに済む場合がほとんどです。
しかし、「入居者様が激しい頭痛を訴えている」「入居者様が息苦しそうにしておりSpO2が測れない」など、緊急度・重症度の高いケースでは、処置や救急搬送の見極めのため出動することもあるでしょう。
また、看取りを行っている施設の場合、ご家族対応や医師への連絡やエンゼルケアまで行わなければなりません。
出動した翌日も勤務日だと、「睡眠不足で辛い」「疲れが取れない」と負担に感じやすいです。
夜間オンコールは退勤後の過ごし方に制限が生じるため、人によっては「向いていない」と感じるかもしれません。
そこで、特養の夜間オンコールに向いている看護師の特徴は下記のとおりです。
それぞれの特徴について紹介するので、当てはまる特徴があるかチェックしてみましょう。
特養は入居者様の出入りが少なく、容体が安定している方がほとんどなので、病棟看護師に比べてゆったりと働くことができます。
ただし、夜勤がない分、給料は低い傾向にあるでしょう。
ただし、オンコール当番を引き受ければ、手当てが支給されるので給料アップを目指せるのは魅力です。
オンコール当番の日はすぐに対応できるように、退勤後は自宅で待機し、飲酒を控えなければなりません。
近場への外出でなければ問題ないものの、すぐに電話に出られるように備える必要があります。
普段から晩酌や遠出の習慣がない方なら、生活リズムを変えずに済むので、ストレスを感じにくいでしょう。
オンコールで支持を求められた際、夜勤の介護職員に冷静な指示を出さなければなりません。
したがって特養看護師は急変時の対応について、十分な知識・スキルが必要不可欠です。
また、近年ではDNARを選択する入居者様・ご家族も増えており、一人一人の選択も把握しておく必要があります。
イメージしていた働き方と実際の働き方に差があると、入職後のミスマッチにつながりかねません。
ここでは、特養の夜間オンコールに向いていない看護師の特徴も紹介するので確認してみましょう。
育児や介護などで緊急時の出動が難しい場合、特養の夜間オンコール対応は負担に感じやすいです。
特に小さな子どもを育てているママ看護師は、子どもだけを家に残して出動することはできません。
基本的には電話のみの対応で済んでも、出動の可能性がある限り、パートナーや両親などのサポートが欠かせないでしょう。
オンコール当番の日は普段通りに過ごして問題ありませんが、飲酒や遠出の外出を控えなければならず、過ごし方に制限が出ます。
また、急な連絡に備えておく必要があるため、人によっては「リラックスできない」と悩むこともあるでしょう。
「退勤後は自宅でゆっくり過ごしたい」「行動を制限されたくない」という方は、オンコール対応に不向きです。
夜間のオンコール対応では、入居者様の体調不良や外傷の内容を聞き、重症度や緊急度を見極める必要があります。
また、入居者様の容態に合わせた適切な指示も必要不可欠です。
緊急時の対応や指示に不安のある看護師では、オンコール対応をプレッシャーに感じてしまうこともあるかもしれません。
「介護施設で働きたいけれど、オンコール対応が難しい」という看護師は少なくありません。
介護施設の中には、オンコール対応が不要な施設もあります。
オンコール対応が不要な介護施設を紹介するので、転職先を探す際の参考にしてみましょう。
介護老人保健施設は要介護1~5の方が原則3~6か月の短期間入所する施設です。
リハビリに重点を置いており、在宅復帰を目指すほか、医療的ケアも受けられます。
夜勤のある施設がほとんどなので、オンコール対応が不要です。
介護施設でありながら、病棟看護師に近い働き方ができるでしょう。
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有料老人ホームは民間企業が運営する介護施設で、入居者様の要介護度やサービス内容は施設ごとに異なります。
特養と同様にオンコール対応を求められる施設も多い一方で、近年では夜勤のある働き方が増えているのが特徴です。
施設件数が多いので、希望に合った条件の職場を探しやすいでしょう。
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デイサービスは、要支援1・2の方から要介護1~5の方まで幅広く利用できる施設です。
食事や入浴、排せつ介助といった日常生活援助だけでなく、機能訓練も提供します。
デイサービスは在宅で過ごしている方が日中通所で利用する施設なので。オンコール対応は必要ありません。
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デイサービスで働く看護師の役割・仕事内容とは?平均年収やメリットも解説
ここでは、特養看護師のオンコールについてよくある質問を紹介します。
施設によっては軽度の熱発や、転倒・転落による軽傷でも、看護師にオンコールの電話がかかってくることも珍しくありません。
経験の浅い介護職員は自身の判断に自信がないため、オンコール連絡が多い傾向にあります。
そのため、介護職員で対応できるケースをマニュアル化し、緊急度や重症度の高いケースではオンコールをするように指導すると良いでしょう。
ベテランの介護職員や役職者と連携し、介護職員がスキルアップできるようにサポートすることも大切です。
准看護師でも特養のオンコール対応は可能です。
厚生労働省の「介護老人福祉施設(P47)」によると、看護体制加算について「施設又は病院等の看護職員による24時間の連絡体制を確保」と記載されています。
看護職員であれば正看護師・准看護師のいずれかであれば問題ありません。
特養は医師が常駐していない介護施設のため、看護師の夜間オンコールを導入している施設が多いです。
夜間オンコールは夜勤のように職場に出勤する必要がないうえ、手当てが支給されるので給料アップが見込めます。
ただし、オンコールに対応できるように、当番の日は飲酒や遠出を控える必要があり、出動しなければならないケースも珍しくありません。
介護老人保健施設やデイサービスなど、夜間オンコールの対応が不要の介護施設もあるため、自分に合った職場への転職を検討してみましょう。
「介護施設に転職したいけれど、自分に合った職場をどうやって見つけたらいいのか分からない」という方は、レバウェル看護にお任せください。
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