特養看護師の夜間オンコールとは?メリットや向いている看護師の特徴を紹介

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「特養看護師の夜間オンコールは大変なの?」と疑問に感じている看護師は多いのではないでしょうか。
ここでは、特養看護師の夜間オンコールで対応する内容や待機手当、当番の頻度などについて紹介します。
この記事を最後まで読み終えてもらえれば、夜間オンコールありの特養看護師が向いている働き方なのか分かるでしょう。
夜間オンコールによって特養看護師への転職をためらっている方は、ぜひ参考にしてください。

※1※2 調査方法:インターネット調査/調査期間:2024年2月7日~2月13日/調査概要:「看護師転職サイト」を対象としたユーザー満足度調査/調査対象:男女、全国、看護師・准看護師資格保有者かつ対象看護師転職サイト利用経験者、20~29歳 107s(※1)、20~34歳 175s(※2)/調査実施:株式会社エクスクリエ/比較対象サービス:「看護師転職サイト」主要10サービス(専用サイトのあるサービスのみ・求人結果の表示ページは除く)

目次

特養(特別養護老人ホーム)とは

そもそも特養(特別養護老人ホーム)とはどのような介護施設なのか、気になるところです。
そこで、入居者様の特徴や勤務形態、仕事内容・役割について分かりやすく紹介します。

入居者の特徴

特養は公的介護施設なので、入居者様の費用負担が少ないことから人気が高いです。
中には、入居まで数年待機しなければならない施設もあります。
特養の入居者様の特徴は下記のとおりです。

  • 要介護3~5で65歳以上の高齢者
  • 特定疾病によって要介護3~5に認定された40~64歳の方
  • 特例によって入居が認められた要介護1~2の方

対応できる医療的ケアに限りがあるため、医療依存度の高い方は入居が難しいでしょう。

看護師の勤務形態

特養看護師は、日勤(8:30~17:30)を基本とした働き方です。
施設によっては早番(7:00~16:00)や遅番(10:00~19:00)に対応する施設もあります。
また、夜勤がない代わりにオンコール体制を導入している施設が一般的です。

看護師の仕事内容・役割

特養看護師は施設の介護職員や往診医と連携しながら、入居者様の健康管理を行います。
体調の確認や配役準備・与薬、スキントラブルのケアなどのほか、感染管理も特養看護師の業務です。
また、医師の指示に基づいて、喀痰吸引や点滴、胃ろうの管理などの医療行為を担います。
施設によっては、看取りやターミナルケアなどに対応することもあるでしょう。

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特養における看護師の人員配置基準

特養における看護師の人員配置基準は、施設形態によって異なるため、それぞれの違いを把握しておくことが大切です。
ここでは、「従来型施設」「ユニット型施設」の人員配置基準について紹介します。
転職先の施設形態の人員配置をチェックしてみましょう。

従来型施設の場合

従来型施設とは、1つの部屋を1~4名ほどの入居者様が使用する多床室の特養です。
入居者様3名に対して1名以上の看護職員もしくは介護職員を配置しなければなりません。
また、入居者様が30名以下の施設では1名以上、31~50名の施設では2名以上、51~130名の施設では3名以上の看護職員を配置するように義務付けられています。

ユニット型施設の場合

ユニット型施設とは、10名以下の入居者様で少人数のグループを構成し、生活単位(ユニット)で区分けした個室の特養です。
ユニットごとに個室や食堂、浴室などの共用スペースが設けられています。
ユニット型施設は従来型施設の配置基準に加えて、下記の配置を満たさなければなりません。

  • 昼間は1ユニットごとに常時1名以上の看護職員もしくは介護職員を配置
  • 夜間は2ユニットごとに1名以上の看護職員もしくは介護職員を配置

近年ではユニットケアが推奨されている背景から、ユニット型施設が増加傾向にあります。

特養では夜間に看護師を配置している?

特養において看護師の24時間常駐が義務付けられておらず、夜間も看護師を配置している施設は少数です。
厚生労働省の「特別養護老人ホームにおける医療的ケアに関する実態調査(P1)」によると、3,327施設における夜間の体制について下記のように報告しています。

夜間の対応割合(%)
オンコールで対応する75.9%
看護職員が状態に応じて勤務することがある10.8%
看護職員がいる時間といない時間がある5.6%
特に対応していない3.8%
必ず夜勤の看護職員がいる1.7%
宿直の看護職員がいる0.6%

夜勤や宿直を求められる施設はわずか2.3%となっており、基本的にはオンコール体制を選択していると言えます。

出典

特養看護師の夜間オンコールとは

オンコールとは、緊急時にすぐに対応できるように待機する勤務形態です。
特養看護師の夜間オンコールについて、下記のように解説します。

  • 夜間オンコールで対応する内容
  • 夜間オンコールの待機手当
  • 夜間オンコール当番の頻度

夜間オンコールへの不安が強い方は確認してみましょう。

夜間オンコールで対応する内容

夜間は看護師が不在なので、医療的な緊急対応を行うことができません。
もしも何らかの理由で入居者様の容態が悪化し、夜勤の介護職員では対応や判断が難しい場合、オンコール当番の看護師に指示をあおぎます。
酸素吸入や点滴が必要であれば病院へ搬送しますが、一晩経過を観察して問題ないようであれば翌朝に看護師が出勤してから搬送を検討することもあるでしょう。
また、救急搬送時の同乗者は施設によって異なり、夜勤の介護職員か、オンコールで出動した看護師が同乗する場合が一般的です。

夜間オンコールの待機手当

日本看護協会の「特別養護老人ホーム・介護老人保健施設における看護職員実態調査  報告書(P51,52)」によると、夜間オンコールの手当てが「ある」と回答した看護師が73.2%であるのに対し、「ない」と回答した看護師は24.6%となっています。
オンコール手当が支給された看護師のうち、待機1回あたりの手当額は下記のとおりです。

オンコール手当の支給額件数割合(%)
500円未満19件5.3%
500~1,000円未満71件19.7%
1,000~1,500円未満116件32.2%
1,500~2,000円未満34件9.4%
2,000~2,500円未満51件14.2%
2,500円以上35件9.7%

オンコール待機の手当は、「1,000~1,500円」が32.2%と最も多く、次いで500~1,000円未満」が19.7%で多いです。
また、オンコール当番中に電話や出動などの対応をした場合、別途手当の支給の有無や平均額についても下記のように記載されています。

別途で手当が支給される別途で手当が支給されない平均額
電話対応10.6%87.0%1,133円
出動84.6%11.6%2,288円

オンコール待機のみでも1,000円前後、実際に実際に出動すれば3,000円前後の手当てが支給されることが分かります。

夜間オンコール当番の頻度

日本看護協会の「特別養護老人ホーム・介護老人保健施設における看護職員実態調査  報告書(P50)」によると、2015年7月に特養の看護師が対応したオンコール当番の回数は下記のとおりです。

回数件数割合(%)
0回46件9.3%
1~4回54件11.0%
5~9回177件36.0%
10~14回118件24.0%
15回以上75件15.2%

「5~9回」と回答した看護師が36.0%と最も多く、平均待機回数は9.1回と割り出すことができます。

特養看護師が夜間オンコールありの特養で働くメリット

夜間オンコールありで特養看護師として働くと、さまざまなメリットが期待できます。
特養看護師が夜間オンコールありの特養で働くメリットは下記のとおりです。

  • 夜勤が不要なので自宅待機できる
  • オンコール手当で給料アップが見込める
  • 電話での指示で済むケースが多い

それぞれのメリットについて詳しく解説するので、どのようなメリットがあるか確認してみましょう。

夜勤が不要なので自宅待機できる

夜勤では身だしなみを整えて出勤しなければなりませんが、オンコールなら自宅で普段通りに過ごせます。

また、オンコールを受けたからといって必ずしも出動するとは限らず、電話対応で済むことも多いです。
夜勤のように一晩中起きている必要もないため、規則正しい生活を送れるでしょう。

オンコール手当で給料アップが見込める

オンコール待機中は勤務時間外として扱われるため給料は発生しないものの、オンコール手当が支給されます。
1,000~2,000円ほどが相場とされており、実際に電話がかかってくる回数は多くありません。
オンコールを受けて出勤した場合、定額の手当てが支給されるか、時間外労働として割増賃金が発生します。
「体力的に夜勤は難しいけれど給料アップを目指したい」という看護師は、オンコール手当てが充実した施設がおすすめです。

電話での指示で済むケースが多い

特養のオンコール待機では、電話での指示で済むケースがほとんどで、実際に出動するケースは多くありません。
日本看護協会の「特別養護老人ホーム・介護老人保健施設における看護職員実態調査  報告書(P51,52)」によると、1か月あたりのオンコール対応の電話対応状況は下記のとおりです。

回数件数割合(%)
0回114件26.9%
1~4回197件46.5%
5~9回41件9.7%
10~14回12件2.8%
15回以上7件1.7%

特養看護師がオンコールにおいて電話対応した回数は、「1~4回」が最も多く、1か月あたりの電話対応の平均回数は2.4回となっています。
続いて、出動回数は下記のとおりです。

回数件数割合(%)
0回227件53.5%
1回85件20.0%
2回以上34件8.0%

半数以上が出動回数を「0回」であったと回答しており、ほとんどが電話対応で済んでいることがうかがえます。

特養看護師が夜間オンコールありの特養で働くデメリット

特養看護師が夜間オンコールありの特養で働くと、メリットも多い一方で、いくつか注意したいデメリットもあります。
ここでは、特養看護師が夜間オンコールありの特養で働くデメリットについて解説するので、メリットと比較してみましょう。

オンコール当番の日は過ごし方が制限される

オンコール当番日は入浴時や就寝中もすぐに電話に出られるように、肌身離さず携帯を持ち歩く必要があります。
回数は少ないものの、出動の可能性もあるので、判断能力が鈍る飲酒は控えなければなりません。
すぐに職場まで駆け付けられるように、職場から30分圏内で待機していることも大切です。
また、出動しても翌日の出勤に支障が生じないために、早めに就寝してしっかり体を休めます。

出動が必要なケースもある

特養のオンコールは夜勤の介護職員がいるので、電話で指示を出せば看護師が出動せずに済む場合がほとんどです。
しかし、「入居者様が激しい頭痛を訴えている」「入居者様が息苦しそうにしておりSpO2が測れない」など、緊急度・重症度の高いケースでは、処置や救急搬送の見極めのため出動することもあるでしょう。
また、看取りを行っている施設の場合、ご家族対応や医師への連絡やエンゼルケアまで行わなければなりません。
出動した翌日も勤務日だと、「睡眠不足で辛い」「疲れが取れない」と負担に感じやすいです。

特養の夜間オンコールに向いている看護師の特徴

夜間オンコールは退勤後の過ごし方に制限が生じるため、人によっては「向いていない」と感じるかもしれません。
そこで、特養の夜間オンコールに向いている看護師の特徴は下記のとおりです。

  • ゆったり働きながら給料アップを目指したい
  • 飲酒や遠出を控えることに抵抗がない
  • 緊急時に冷静な指示を出せる

それぞれの特徴について紹介するので、当てはまる特徴があるかチェックしてみましょう。

ゆったり働きながら給料アップを目指したい

特養は入居者様の出入りが少なく、容体が安定している方がほとんどなので、病棟看護師に比べてゆったりと働くことができます。
ただし、夜勤がない分、給料は低い傾向にあるでしょう。
ただし、オンコール当番を引き受ければ、手当てが支給されるので給料アップを目指せるのは魅力です。

飲酒や遠出を控えることに抵抗がない

オンコール当番の日はすぐに対応できるように、退勤後は自宅で待機し、飲酒を控えなければなりません。
近場への外出でなければ問題ないものの、すぐに電話に出られるように備える必要があります。
普段から晩酌や遠出の習慣がない方なら、生活リズムを変えずに済むので、ストレスを感じにくいでしょう。

緊急時に冷静な指示を出せる

オンコールで支持を求められた際、夜勤の介護職員に冷静な指示を出さなければなりません。
したがって特養看護師は急変時の対応について、十分な知識・スキルが必要不可欠です。
また、近年ではDNARを選択する入居者様・ご家族も増えており、一人一人の選択も把握しておく必要があります。

特養の夜間オンコールに向いていない看護師の特徴

イメージしていた働き方と実際の働き方に差があると、入職後のミスマッチにつながりかねません。
ここでは、特養の夜間オンコールに向いていない看護師の特徴も紹介するので確認してみましょう。

育児や介護で緊急対応が難しい

育児や介護などで緊急時の出動が難しい場合、特養の夜間オンコール対応は負担に感じやすいです。
特に小さな子どもを育てているママ看護師は、子どもだけを家に残して出動することはできません。
基本的には電話のみの対応で済んでも、出動の可能性がある限り、パートナーや両親などのサポートが欠かせないでしょう。

退勤後はゆっくり過ごしたい

オンコール当番の日は普段通りに過ごして問題ありませんが、飲酒や遠出の外出を控えなければならず、過ごし方に制限が出ます。
また、急な連絡に備えておく必要があるため、人によっては「リラックスできない」と悩むこともあるでしょう。
「退勤後は自宅でゆっくり過ごしたい」「行動を制限されたくない」という方は、オンコール対応に不向きです。

緊急時の対応・指示に不安がある

夜間のオンコール対応では、入居者様の体調不良や外傷の内容を聞き、重症度や緊急度を見極める必要があります。
また、入居者様の容態に合わせた適切な指示も必要不可欠です。
緊急時の対応や指示に不安のある看護師では、オンコール対応をプレッシャーに感じてしまうこともあるかもしれません。

オンコール対応が不要な介護施設も

「介護施設で働きたいけれど、オンコール対応が難しい」という看護師は少なくありません。
介護施設の中には、オンコール対応が不要な施設もあります。
オンコール対応が不要な介護施設を紹介するので、転職先を探す際の参考にしてみましょう。

介護老人保健施設

介護老人保健施設は要介護1~5の方が原則3~6か月の短期間入所する施設です。
リハビリに重点を置いており、在宅復帰を目指すほか、医療的ケアも受けられます。
夜勤のある施設がほとんどなので、オンコール対応が不要です。
介護施設でありながら、病棟看護師に近い働き方ができるでしょう。

▼関連記事
老健で働く看護師の役割を解説!ほかの介護施設との給料差や転職ポイントも

有料老人ホーム

有料老人ホームは民間企業が運営する介護施設で、入居者様の要介護度やサービス内容は施設ごとに異なります。
特養と同様にオンコール対応を求められる施設も多い一方で、近年では夜勤のある働き方が増えているのが特徴です。
施設件数が多いので、希望に合った条件の職場を探しやすいでしょう。

▼関連記事
有料老人ホームで働く看護師の仕事内容・役割は?待遇面やメリットも紹介

デイサービス

デイサービスは、要支援1・2の方から要介護1~5の方まで幅広く利用できる施設です。
食事や入浴、排せつ介助といった日常生活援助だけでなく、機能訓練も提供します。
デイサービスは在宅で過ごしている方が日中通所で利用する施設なので。オンコール対応は必要ありません。

▼関連記事
デイサービスで働く看護師の役割・仕事内容とは?平均年収やメリットも解説

特養看護師のオンコールについてよくある質問

ここでは、特養看護師のオンコールについてよくある質問を紹介します。

看護師のオンコール対応を減らすためにできることはありますか

施設によっては軽度の熱発や、転倒・転落による軽傷でも、看護師にオンコールの電話がかかってくることも珍しくありません。
経験の浅い介護職員は自身の判断に自信がないため、オンコール連絡が多い傾向にあります。
そのため、介護職員で対応できるケースをマニュアル化し、緊急度や重症度の高いケースではオンコールをするように指導すると良いでしょう。
ベテランの介護職員や役職者と連携し、介護職員がスキルアップできるようにサポートすることも大切です。

准看護師でも特養のオンコール対応は可能ですか?

准看護師でも特養のオンコール対応は可能です。
厚生労働省の「介護老人福祉施設(P47)」によると、看護体制加算について「施設又は病院等の看護職員による24時間の連絡体制を確保」と記載されています。
看護職員であれば正看護師・准看護師のいずれかであれば問題ありません。

出典
厚生労働省「介護老人福祉施設(P47)」2020年11月26日(2024年12月31日参照)

まとめ

特養は医師が常駐していない介護施設のため、看護師の夜間オンコールを導入している施設が多いです。
夜間オンコールは夜勤のように職場に出勤する必要がないうえ、手当てが支給されるので給料アップが見込めます。
ただし、オンコールに対応できるように、当番の日は飲酒や遠出を控える必要があり、出動しなければならないケースも珍しくありません。
介護老人保健施設やデイサービスなど、夜間オンコールの対応が不要の介護施設もあるため、自分に合った職場への転職を検討してみましょう。

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この記事を書いた人
村山 夕梨恵
看護師ライター
看護学校卒業後、公立病院の循環器内科・脳神経内科の混合病棟に配属。特別養護老人ホームやデイサービス・訪問看護の事業所への転職を経験する。 現在はフリーランスの看護師ライター/Webディレクターに転向。看護師転職/美容医療/審美歯科/介護分野に関するコンテンツ作成に従事。
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