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2022.9.29
「訪問中の暑さで体調を崩してしまった」「ご利用者の健康管理も気になる…」とお悩みの看護師は多いです。この記事では、訪問看護で暑さ対策が必要な理由や、注意すべき看護・ケアのポイント、訪問看護師におすすめの暑さ対策などについて詳しくご紹介していきます。
この記事を最後まで読み終えていただければ、ご利用者・訪問看護師共に適切な暑さ対策の方法が分かり、健康管理に役立てることができます。
暑さ対策にお悩みの訪問看護師の方は、ぜひ参考にしてみてください。
日本の夏は、気温・湿度ともに高く、過ごしにくいことで知られています。
そこで、利用者様・訪問看護師に暑さ対策が求められる理由について、詳しく解説していきます。
訪問先の看護・ケア中、利用者様の暑さ対策が必要な理由は以下のとおりです。
利用者様は自宅で過ごす時間が長く、体力が低下しているため容易に体調を崩しやすいです。認知症や加齢に伴い、気温の高さに気付きにくかったり、季節に合った衣類を選べなかったりするので注意しましょう。
また、介助度の高い利用者様は頻繁な清潔援助や更衣が難しいので、暑さによる発汗は抑え、肌の清潔を保つことが大切です。
訪問看護師自身の暑さ対策が重要な理由は、以下のとおりです。
訪問中は、1人で行動することが多いため、体調不良に陥っても自分で対応しなければなりません。身を守るためにも暑さ対策が重要です。
また清潔ケアや医療的ケアで、利用者様との距離感が近いため、エチケットとして体臭のケアや清潔な身なりが求められます。
気温が上がる夏場は、利用者様・訪問看護師ともに体調を崩しやすくなります。そのため、暑い日の訪問では体調管理への配慮が欠かせません。
訪問時によくある状況ごとに、看護・ケアのポインㇳをまとめたので、詳しくご紹介していきます。
訪問看護の利用者様の多くが高齢者であり、筋肉量の低下や気温の反応への鈍さによって、熱さを感じにくいです。自宅内の気温が上がっていても、適切な対応をとっていないことがあります。
居宅での熱中症対策や看護のポイントは以下のとおりです。
状況 | ・気温が高くても長袖を着ているエアコンを使用しない窓を開けて換気しない |
対策 | ・加齢に伴う身体機能の低下によって暑さを感じにくくなっていることや、エアコンの未使用による熱中症リスクを説明する ・エアコンの必要性を利用者様に伝え、使用の強制は避ける ・エアコン使用時に風が直接身体に当たらない風向きの調節や適切な室温について、利用者様とともに確認する ・こまめな水分補給の必要性について説明する |
看護のポイント | ・季節に合った衣類の確認 ・脱水の兆候の有無の観察 ・こまめな水分補給の促し |
訪問看護師は猛暑の居宅で、清潔ケアや医療的ケアを行わなければなりません。利用者様・看護師共に、脱水症状や熱中症に陥るリスクがあるので注意しましょう。
夏場の入浴介助は、汗を大量にかくため、利用者様・看護師ともに脱水状態に陥りやすいです。多量の発汗によって、皮膚トラブルを招いたり、悪化させたりといったリスクもあります。
入浴介助における看護のポイントをチェックしてみましょう。
状況 | ・室温の高い風呂場や脱衣所での入浴介助 ・多量の発汗によって、皮膚トラブルのリスクが高い |
対策 | ・入浴介助の前後に充分な水分補給の必要性を伝える ・清涼飲料水ならミネラル分も補えることを説明する ・汗がしっかり乾いてから衣類を着せる ・皮膚状態に応じて皮膚科の受診を促す |
看護のポイント | ・入浴前後の水分補給の促し ・全身の皮膚状態の観察 ・脱水の兆候の有無の観察 |
入浴介助中は、看護師も脱水のリスクがあるので、充分な水分補給を心掛けましょう。また、看護師の汗が利用者様に付着して、利用者様に不快な思いをさせてしまうおそれがあります。看護師の汗が利用者様につかないようにタオルを用意したり、通気性の良い素材の衣類を複数枚用意しておくのがおすすめです。
夏場はアブや蚊が発生するため、虫刺されによる肌トラブルを避けるため、虫よけ対策が欠かせません。虫刺されによる肌トラブルを予防するための対策や、看護のポイントは以下の通りです。
状況 | ・夏場は、訪問看護師・利用者様ともに蚊に刺される可能性がある ・虫刺されは痒みによる不快感だけでなく、蜂窩織炎など全身トラブルを引き起こすリスクがある |
対策 | ・利用者様に虫刺されのリスクや、外出時に虫よけスプレーを使用するように説明する ・屋外用の虫除け剤や、室内用の電池式殺虫剤の使用を促す |
看護のポイント | ・虫刺され部位の有無や患部の観察 ・虫よけの知識の普及 |
屋外で活動する時間が長い訪問看護師も、虫に刺される可能性があります。訪問前に虫よけスプレーを使用しましょう。
訪問中の暑さに悩まされている看護師は多いです。
そこで、訪問看護師におすすめの暑さ対策のアイテムをご紹介していきます。夏場の勤務を乗り切りたい方は、チェックしてみましょう。
冷感マスクなら、常にマスクを装着していなけれならない訪問看護師でも熱のこもりを感じにくいのでおすすめです。特に、クールタイプのマスクスプレーを併用すれば、より清涼感を感じやすく、快適に過ごすことができます。
吸水速乾素のクールインナーなら、長期間身に着けていても汗によるべたつきや熱のこもりを感じにくいです。着替え用に複数枚持参しておけば、汗による臭い対策も行えます。
デオドラント用品は、汗による体臭や肌のべたつきを抑えられます。タイプごとに、用途に合ったものを選びましょう。
靴の匂いが気になる方は、靴用のデオドラント用品もおすすめです。
訪問する居宅まで、自転車や徒歩などで移動すると、熱い日差しにさらされて熱中症や体調不良を起こしやすくなります。ネッククーラー(冷やして首元に巻くもの)やハンディ扇風機を使用してみましょう。
ネッククーラーが手元にない場合、フェイスタオルに保冷剤を巻いて代用できます。最近では、腋下と背中に保冷剤を入れて使用するアイスベストは、長期間の訪問でも対応できるため人気が高いです。
自転車や徒歩、車など屋外での活動時間が長いため、訪問看護師は紫外線対策も必要です。日焼けによる肌トラブルを避けることができます。アームウォーマーや日焼け止め、必要に応じて帽子の使用もおすすめです。
訪問看護師は長時間暑い環境で過ごすだけでなく、暑い屋外と空調のきいた室内を繰り返し出入りするため体調を崩しやすくなります。そこで、体調不良を予防する過ごし方を心掛けてみましょう。
汗と共に必要な栄養素も排出しているので、食事からミネラルやビタミンをしっかり摂るのがポイントです。暑さによって負担がかかっている身体の疲労回復のためにも、睡眠による休息も欠かせません。
夏場の体調不良を予防するための対策として、規則正しい生活が大切です。
夏場の訪問看護は、熱中症や脱水症状、肌トラブルのリスクが高いため、適切な対処法が必要です。利用者様だけでなく、看護師自身の身を守るための対策も求められます。できるだけ快適に過ごしながら、体調管理やエチケットに配慮して、夏場の訪問看護を乗り切りましょう。
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