こんにちは。つばさ病院、新人看護師のこだまのぞみです。5月に入りましたが、私は日々、忙しく、5月病になる暇もありません。
今朝も夢の中でまでプリセプターの及川先輩から
「児玉さん! 朝食禁の患者さまに『お食事どうでした?』なんて聞いたらダメですよ!」
とツッコまれ、目覚めからグッタリ……。
そんな悪夢を引きずって出勤すると、朝から困り顔の及川先輩が待ち受けているではないですか!?
うわっ! 私、何かやらかしたことで、まだ見つかってなかったことってあったかな?
自分の失敗を色々と思い返しているとと、及川先輩は言いました。
「今井さんの担当、今後は児玉さんが受け持ってね」
「え? 私、ひとりでですか?」
「そうよ。もう児玉さんは仕事に慣れたんだし、任せましたよ」
今井さんは70才の女性で、今までオペ後の心臓リハビリを及川先輩と一緒に看てきた患者さまでした。そんなリハビリ期の大事な最中にこんな私が担当になっていていいの??
不安でいっぱいの私ですが、とにかく受け持ちになったのだから、私がなんとかしなきゃ!
でも、私はリハビリの時間を間違えて誘導してしまい、体力の落ちている今井さんをムダに連れ回してしまいました。
私は謝りまくるしかありませんでした。
そんな私に今井さんは、「大丈夫よ、いい運動になったわ」と微笑んでくださったのです。
ふぇ~ん(泣)。今井さ~ん、本当にごめんなさ~いっ。
その後、及川先輩から「患者さまに気をつかわせてどうするの! 児玉さん、大きなミスはないけれど、小さなミスが続いているわよ。自信がないせいにしないで、あなたは担当看護師なんだから、シッカリしなさい」と叱られてしまいました。
そうか……私、あんなに謝って、かえって今井さんに気を使わせちゃったんだ……。
今井さん、本当はツライはずなのに、私が担当だとムリさせちゃうのかも。担当、外してもらえるように相談した方がいいのかな?
帰宅してもそんな思いが頭の中をぐるぐるして、ちっとも休まりません。
そんな時です。
『~♪~♪~』
不意にスマホからメロディが。LINEだ。誰かな?
涙を拭って見ると、看護学生からの友人、ひかりとゆり子の仲良しグループに未読メッセージ28の数字が!?
こんなに一瞬で28って何?? 私は慌ててメッセージを読みました。
ゆり子「もうイヤー!!!!助けて!!!涙」
ゆり子「お肌はボロボロ、手もカサカサ…(>_<)」
ゆり子「プリセプターが怖すぎて、近寄りたくない」
ゆり子「患者さんにバカ扱いされた!悔しいよ~」
ゆり子「新生児の泣き声が家でも聞こえるよ~」
ゆり子「産科の看護はもうムリ!覚えることが多すぎだよ!」…………
うわ~、ゆり子、溜まってるなあ。そういえば、学生の頃は何かあるとすぐ愚痴るゆり子だったのに、しばらく書き込まないなぁと思っていたら、こんなに一気に…。スマホを触る暇も余裕もなかったんだな。
どうしよう? なんて返せばいいかな?
私が返信に困っていると、ひかりが先に書き込み出しました。
ひかり「ゆり子、落ち着いて」
ゆり子「ひかり~…(T_T)」
ひかり「ゆり子だけじゃないよ。新人なんだからみんなもツライんだよ」
さすがひかり! こういう時は、シッカリ者のひかりに任せるのが一番。
っていう私も泣きそう。ひかり~。
ゆり子「もうムリ! 私は終わった。看護師辞める!」
ひかり「そんなこと言わないで」
私もとりあえず書き込もう。
のぞみ「ゆり子~、辞めるなんて言わないでよ~。私だってキツイよ~、いろいろと」
ゆり子「私もう限界」
ひかり「……そうだよね。ゆり子だってもう頑張れないくらい頑張ったんだよね」
ゆり子「わかってくれる?」
さすがひかり! いいこと言うなあ~。
のぞみ「そうだよ、ゆり子。あんたは頑張ってる。辞めるなんてもったえないよ!」
ゆり子「(TOT)」
私はさっきまで凹みまくっていたことも忘れ、ゆり子をはげましていました。
でも、ゆり子はエスカレートするばかり…。
あ、そうだった!!
ゆり子は愚痴って、みんなに心配してもらいたいだけなんだった!辞める辞めるって騒いでも、ゆり子は絶対辞めないタイプなんです。
学生の頃のゆり子の大げさな顔が浮かび、私は少しホッとしました。
ひかり「……ごめん、『みんなもツライんだよ』なんて言ってもツライものはツライよね」
ゆり子「私、もう辞める! 看護師なんて辞めてやる~!!」
ダメ、ダメ、ひかり。そんな同調したら、ゆり子がますます調子づいちゃうよ。
よし! ここは私、児玉のぞみが、渾身の笑い話で空気を変えてあげよう!!えっと……あ、そうだ、とっておきのアホ話をっと……。
私がくだらない笑い話を打ち込んでいる時でした。
ひかり「私も、看護師、辞めようかな……」
え?
えええええええええ!?
しっかり者でいつも頼れる私たちのひかりが、まさかそんなこと言うなんて!?
ひかりだけは絶対そんなこと言わずに、ずっと私たちを支え、励ましてくれると思ったのに!!
私も、たぶんゆり子も、あまりの驚きとショックで思考停止して固まってしまいました。
メッセージ画面はそれ以上、誰も打ち込まず、動かないまま……。
そして、私は、自分がツライとか、辞めたいと思うよりもずっとず~っと強く、胸が苦しくなってしまったのです。
……どうしたの? ひかりに一体、何があったの!?
記事の制作について
「レバウェル看護 看護師さん向けお役立ち情報」では、
記事の制作・公開にあたってのポリシーを定めています。
詳細は下記よりご確認いただけます。
キャリア
働く場所
選考対策
資格
その他
読みもの
連載