外科系や急性期の病棟で勤務している看護師さんなら、一度は術後の患者さんを受け持ったことがあるのではないでしょうか。
術後の患者さんは、確実な点滴投与や厳密なドレーン管理のほか、合併症の出現にも注意が必要です。また、バイタルサインや水分出納バランスの変動など、より慎重な観察が必要になりますよね。そんな中、術後のバイタルサインに異常があると、すぐに報告すべきなのか様子をみてもいいのか迷うこともあると思います。
「今さら聞けない看護技術・ケアQ&A」第2回のテーマは、「術後に起こる発熱の種類・判別方法と看護ポイント」。術後の患者さんが発熱しているとき、あなたならどのように観察しアセスメントしますか?
外科系急性期病棟に勤務している看護師です。開腹手術を受けられた患者さんを担当しました。手術翌日より発熱し、術後6日目になっても発熱が続いています。手術の侵襲性が高かったために吸収熱と侵襲熱が続いているのか、他に原因があるのか判別できずに困っています。
そもそも吸収熱とはどのようなものなのでしょうか。また、他の発熱とはどのように異なるか、判別の方法と看護のポイントについて教えてください。
吸収熱とは、組織の破壊や組織内の出血などによって生じた、血液や浸出液を吸収する際に起こる発熱です。吸収熱は非感染性なので、様子をみていても大丈夫です。
術後に発熱する患者さんは多くいますが、看護師はその患者さんの熱型をしっかりと観察し、原因をアセスメントしたうえで看護する必要があります。
前述したように、手術によって組織が破壊され、出血したり浸出液が出ると、体はそれらを吸収しようとします。特に開腹手術の場合は、組織の破壊が多いため、ドレナージをしていても腹腔内に血液や浸出液が貯留することもあります。それらを吸収する際に、高熱をきたすことがあります。
高熱が出ると「何か患者さんの体の中で悪いことが起きているのではないか」と心配になりますが、単に発熱したからといってその熱の原因が悪いものとは限りません。
ここで、術後に発生しうる発熱の種類について、しっかりと復習しておきましょう。
【1】吸収熱
組織の破壊や組織内の出血などによって血液や浸出液が生じ、それらを吸収する際に起こる発熱。
【2】侵襲熱
医療処置や手術などにより侵襲を受けた体が、そのダメージから回復するために起こる発熱で、主にサイトカインという物質が関係している。
【3】感染熱
創感染、カテーテル感染、肺炎、腸炎など、術後に何らかの感染を引き起こした際に起こる発熱。
【4】薬剤熱
特定の薬剤を使用した際に起こる発熱。炎症反応の数値は上昇しないため特定しにくいが、可能性のある薬剤を中止した後に解熱すれば薬剤性の発熱だと考えられる。
この患者さんの場合、術後6日目になっても発熱しているということなので、吸収熱ではない可能性も視野にいれる必要があります。一般的に吸収熱は術後48時間以内にピークを迎え、その後解熱していきます。そのため、術後48時間以上経っても続いているのであれば、何らかの感染を引き起こしている可能性もあります。
熱型表はどのように動いていますか?感染熱の場合は、一旦下降して再度発熱することが多いので、体温の変動を観察しましょう。
血液データも確認してください。吸収熱では炎症反応は起こりませんが、感染熱では炎症反応の数値の上昇や白血球数の増加がみられます。他に患者さんはどこかに痛みや熱感を感じていないでしょうか。感染兆候があれば、疼痛や熱感・発赤を伴ってきます。
このように、患者さんの体に変化が起こっていれば、必ずどこかにその兆候が現れています。私たち看護師は患者さんの全身状態をアセスメントして看護することが大切です。
術後に起こりうることを十分に把握したうえで、五感をフル活用して患者さんを観察しましょう。そうすることで、少しの変化にも気が付けるのではないかと思います。
手術などによって組織が破壊され血液や浸出液が生じると、体はそれらを吸収しようとします。その際に高熱をきたすことがあり、これを吸収熱といいます。非感染性の発熱であるため、様子観察していてもいいとされています。
手術による組織の破壊、または組織内の出血などで生じた血液・浸出液を吸収するときに発生します。特に開腹手術では組織の破壊が広範囲になるので、ドレナージによって体外へ排出していても腹腔内に血液や浸出液が貯まる可能性があります。貯まった血液や浸出液を吸収するために、高熱が出ることがあります。一般的に発熱のピークは48時間以内とされています。
吸収熱の他に「侵襲熱」「感染熱」「薬剤熱」があります。「侵襲熱」は、処置や手術によって侵襲を受けた際に、そのダメージから回復するときに生じます。「感染熱」は、術後に何らかの要因で感染した際に起こります。「薬剤熱」は、特定の薬剤を使用した際に起こり、炎症反応の数値が上昇しないため特定しにくいのが特徴です。熱型によって発熱の種類が異なるので、患者をよく観察して判別するようにしましょう。
吸収熱は、一般的に術後48時間以内にピークを迎えます。48時間以上発熱が続いている場合は何らかの感染を起こしている可能性があるので、吸収熱以外を疑い、ほかの兆候がないか調べましょう。血液データや疼痛、熱感、発赤の有無などを観察し、全身状態をアセスメントしていくことが重要です。
術後の発熱は、よく「よい発熱」と「悪い発熱」とに分けて説明されます。吸収熱はよい発熱に区分されますが、今回の患者さんの発熱はどちらであるのか、さまざまな角度から情報収集をして判断をつけ、看護に結び付けられるといいですね。
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看護師から寄せられる“よくある質問”
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