【今さら聞けない看護技術・ケア Q&A】第6回 胃管ドレナージ中の患者さんの排液性状が変化する理由を知りたい

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
HN_NS_mv.jpg


胃管チューブというと、その目的としてまず思い浮かぶのは栄養剤の投与という方も多いかもしれません。しかし、胃管チューブにはもう1つ大切な「排液」という役割があります。

胃の内部までチューブを入れ、胃の内容物を体外に排出することを胃管ドレナージといいます。排液性状は日々変化することがありますが、その変化によってどのような異常が考えられるのか、医師に報告すべきなのか迷う方もいるのではないでしょうか。

「今さら聞けない看護技術・ケアQ&A」第6回のテーマは「胃管ドレナージ中の患者さんの排液性状が変化する理由を知りたい」です。

胃管ドレナージの基本から、排液性状が変化する理由や医師に報告すべきケースまで、詳しく解説します。

728_90_3.png


質問


内科病棟で働いている1年目の看護師です。現在、胃管チューブを留置している患者さんがいます。排液の性状を観察していますが、色が日々変化しています。

昨日は黄色だった排液が今日は茶色になっていたりと、日によって性状が変化していますが、その変化が何を意味するのか分かりません。

胃管ドレナージの排液の性状が変化する理由を教えてください。

ひとこと回答


挿入した胃管チューブは噴門部を超えて胃の内部に先端が到達しますが、消化管の状態によって胃液や腸液を含むケースも見られます。

例えば胆汁を含むと茶褐色〜緑色、胃液だと薄い黄色、唾液だと無色から泡沫白色状の排液になります。

血性や暗赤色は出血、また緑色の場合はイレウスを疑うべき所見なので、その場合は早急に医師に報告しましょう。

詳しく説明すると


3351_胃管チューブ.jpg

https://stock.adobe.com/jp/


胃管ドレナージとは


胃管ドレナージとは、胃管チューブを用いて胃の内容物を体外に排出(ドレナージ)することです。

鼻腔または口腔内から挿入したチューブは、噴門部を超えて胃の内部に先端が到達します。約55cm〜65cm程度挿入していると思います。

噴門部を超えていなければうまく胃の内容物をドレナージできないため、患者さんが不快なだけでなく、嘔吐を誘発する可能性も考えられます。

胃管ドレナージの目的としては、主に以下の2つが挙げられます。

①胃の内容物の性状確認
胃管ドレナージによって確認できる胃の内容物が、血液・食物残渣・胃液や腸液などのどれに当てはまるのかがわかります。

②胃の内容物の体外排出
胃管ドレナージで胃の内容物を体外に排出することで、胃内の減圧を図り、嘔吐を軽減します。


胃管ドレナージの排液性状が変化する理由は?


胃管ドレナージの排液性状が日々変化する場合、以下の理由が考えられます。

■胃管チューブの先端がある場所が胃内ではない
胃の幽門部を超えて十二指腸に到達している場合、消化液の色が変化することがあります。

胃液は酸性の無色透明〜淡い黄色の液体が、唾液や痰がある場合には白い泡沫状の液体が排出されることもあります。

胃管ドレナージの際、排液の色が不自然に変化した場合は、胃管チューブが胃底部に位置していない可能性が考えられます。

■イレウスや感染を引き起こしている
胆汁が酸化したり感染症にかかっていたりなど、何らかの異常がある場合には胆汁が「緑色」に変化します。

また、イレウスの場合には胆汁が胃に逆流し、緑色の排液性状に変化することもあります。

注意すべき排液性状は?


胃管チューブの留置期間は短期間(1週間以内)とされています。
また、正常な排液性状は「茶褐色〜褐色」、抜去の目安は200ml/日以下という点も覚えておきましょう。

胃管ドレナージで注意すべき排液性状の特徴には、以下のようなものがあります。
・血性である
・普段よりも排液量が多い
・緑色に変化する

術後まもなくは血性の排液が排出されることもありますが、その場合は必ず排液の量も確認しましょう。血性排液の量が50ml/時以上、もしくは普段と比べて量が多い場合には、速やかに医師に報告しましょう。


また、排液性状が正常であったにもかかわらず血性や暗褐色に変化する場合は、吻合部出血など上部消化管からの出血や十二指腸潰瘍などの可能性を考えなくてはいけません。

さらに、術後に緑色の排液が見られる場合は、イレウスや感染症のケースも考慮しましょう。

おわりに


胃管ドレナージの排液性状が変化することはよくあることです。ですが重要なポイントは、普段から排液性状や排液の量をきちんとアセスメントしておき、変化が現れた場合は早めに医師に報告することです。

注意すべき性状や量を確認し、「異常」と判断できるアセスメント力を身につけましょう。

※この記事は、看護のお仕事が運営する看護技術に特化したQ&Aのサイト「ハテナース」からの引用です。
ハテナースでは今さら聞けない看護ケアに関する質問に親切に解説しています。
hatenurse_rogo.png
  • このエントリーをはてなブックマークに追加