
看護教員になるには、資格や実務経験に応じて研修を受講したり、大学・大学院で学んだりする必要があります。
この記事では、看護学校の教員になるのに必要な経験や働き方、向いている人の特徴などをまとめました。
看護師養成所で働く教員の種類には、「実習指導教員」「専任教員」「教務主任」があります。看護学校の教員になるには、実務経験に応じて、適宜、指定の研修を受講する必要があるので、キャリアプランを踏まえて目指しましょう。
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実習指導教員とは、実習施設で学生の指導にあたる教員です。看護師養成所の実習指導員になるには、保健師、助産師または看護師として、3年以上業務に従事していることが必要です。実習指導教員から始めてみたいという方は、「保健師助産師看護師実習指導者講習会」の研修を受講するのも良いでしょう。看護師養成所によっては、臨床経験を5年以上としている求人募集もあるようです。
専任教員は保健師・助産師・看護師・准看護師、いずれかの養成所で学生を指導する教員を指します。看護学校の専任教員になるには、実務経験に応じて、「専任教員養成講習会を受講する」か「大学または大学院で単位を履修する」の2つの方法があります。ここでは、厚生労働省の「看護師等養成所の運営に関する指導ガイドライン」を基に解説しますので、参考にしてみてください。
看護師の実務経験が5年以上ある方は、厚生労働省認定の専任教員養成講習会を受講することで、専任教員の資格取得が可能です。厚生労働省「専任教員養成講習会実施要領」によると、専任教員の教育カリキュラムは、31単位(660時間程度)となっています。一部、eラーニングを活用して履修できる科目もあるため、働きながら取得を目指すことも可能です。
看護師として3年以上の業務経験がある方は、大学または大学院で教育に関する科目を受けることで、専任教員資格が得られます。「教育の本質・目標」「心身の発達と学習の過程」「教育の方法・技術及び教科教育法」に関する科目から4単位以上の履修が必要です。看護大学の教員を目指す場合は、修士以上の学位を求められる場合があるため、こちらのルートがおすすめだといえるでしょう。
教務主任とは、教育の中核的な役割を担う仕事で、看護教員達のリーダー的な存在でもあります。教務主任になるには、専任教員の要件を満たしていなければなりません。それに加え、以下のいずれかに該当していることが必要です。
教務主任は、看護教員としての豊富な経験も求められます。これから看護教員を目指す方は、ゆくゆくは教務主任も視野に入れてみるのも良いでしょう。
「看護学校の教員は、具体的にどういったことをするの?」とイメージが湧きにくい方もいるかもしれません。ここでは、看護学校で働く教員の役割を解説しますので、参考にしてみてください。
看護学校に勤める教員の主な仕事は、「基礎看護学」や「老人看護学」など、担当する科目ごとの講義です。学生に分かりやすい説明をするために、授業の事前準備や資料作成なども行います。看護技術などの校内演習では、看護師としての腕の見せどころでしょう。教科書の知識だけではなく、看護師として培った知識や経験も交えることで、学生達に理解しやすい授業が行えます。
実習指導も、看護学校で働く教員の重要な仕事です。実際の医療現場では、座学で学んだ知識だけでは上手くいかないこともあり、戸惑う学生もいるでしょう。実習施設に同行し、行動計画に沿ってスムーズに実習が進められるよう、ケアの進み具合を確認したり、アドバイスをしたりします。
看護教員の業務の一つに、看護師国家試験対策も含まれます。最終学年になると、試験対策は本格化していくでしょう。学生一人ひとりの状況を確認しながら、勉強方法のアドバイスや補習なども行います。学生と一緒に、看護国家試験の全員合格という目標に向けて頑張っていく姿勢が必要です。
看護教員は、教育者です。学校生活を問題なく過ごせるよう生活指導をしたり、ときには進路相談に応じたりすることもあるでしょう。初めての就活や病院選びは、学生にとって分からないことだらけ。学生一人ひとりの希望や性格を理解し、看護師として活躍できるよう適切なアドバイスが求められます。
学生のさまざまな相談に応じるのも、看護教員の仕事です。学生のなかには、人間関係や家庭の悩みなどを抱える学生もいるかもしれません。学業に専念できるよう、学生の気持ちに寄り添った対応が求められます。
ここでは、看護師養成所で働く看護師のスケジュール例を紹介します。前項の仕事内容と照らし合わせて見ていただくと、看護教員の業務のイメージがつかみやすいでしょう。
| 8:30 | 出勤 |
| 8:45 | 本日の予定確認、ホームルーム |
| 9:00~10:30 | 講義:フィジカルアセスメント |
| 10:45~12:15 | 演習:基礎技術演習 |
| 12:15~13:15 | お昼休憩 |
| 13:15~14:45 | 明日の授業準備、資料作成 |
| 15:00~16:30 | 講義:臨床看護学概論 |
| 16:30~17:00 | 学生の個別相談、ホームルーム |
| 17:15 | 退勤 |
上記スケジュールは、実習期間外をイメージしていただくと良いかもしれません。主に、決められた担当分野ごとに、1〜3学年(3年課程の場合)の講義を行います。担任を持つ場合もあり、学年行事や学生からの進路相談などを行う場合もあるでしょう。実習期間中は、各実習施設での指導がメインとなります。実習施設が遠い場合などは、移動を伴う日もあるでしょう。
3年課程の看護師養成所の平均月給は、約20万円〜35万円が目安です。年収にすると約300万〜500万円ほどで、日勤のみで働く看護師の年収で考えると、決して低くはないといえます。月給は、私立か公立か、専門学校や大学の教員かなどによっても違うでしょう。
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看護学校の教員は、学生の成長にやりがいを感じたり、夜勤なしで働けたりなどの魅力も多いです。ここでは、看護教員として働くメリットをご紹介します。
看護学生が看護師になるまでの成長を見届けられるのは、教員の大きなやりがいです。楽しんで学ぶ姿を見たり、辛い状況でも乗り越えようと努力していたり、学生のさまざまな姿を見られるのは、教育者の特権だといえるでしょう。看護師国家試験に合格して、学生達を無事に送り出せたときは、「看護教員になってよかった」と感じるはずです。
基本的に、看護学校の教員は夜勤がありません。シフト交代制のような不規則な勤務もないため、休日もしっかり取得できます。カレンダーどおりの休みが取れるため、子育て中の看護師も働きやすい勤務条件です。ゴールデンウィークや年末年始などの大型連休も取得でき、夏季休暇などの休みも交代で取りやすいでしょう。
看護教員は、実習中以外は患者さんと接することはありません。実習中に学生がケアを行うときも、担当看護師と一緒に行うことが多いため、看護教員は命に関わる業務が少ないといえます。重症度の高い職場でストレスを感じている看護師は、精神的なプレッシャーから開放されるでしょう。
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この項では、看護学校の教員として働くデメリットを解説します。教育者としてキャリアチェンジをする際は、以下のデメリットも念頭に入れ、なるかどうか判断しましょう。
現場の看護師に戻りたいと思ったときに、看護学校での経験が評価されない場合もあります。看護教員は、看護技術を学生に教えたり、校内演習で模擬実践したりすることはあっても、実際の患者さんに実施することはほとんどありません。転職先によっては、ブランクを懸念されてしまう場合もあるでしょう。
看護学校の教員は、月曜日〜金曜日までの平日勤務が一般的です。そのため、平日に休みが取れないことをストレスに感じる人もいるでしょう。講義や実習指導などの予定が入っている日に突発的に休むのは、なかなか気が引けるかもしれません。
学校によっては、学年担任をする場合もあります。3学年の担任(3年課程の場合)になると、国家試験合格に向けたプレッシャーは非常に大きいでしょう。通常業務に加えて、進路相談や試験対策なども加わり、多忙を極める1年になるかもしれません。
物事には、向き不向きがあります。いざ教育者の立場になってみると、想像より難しかったと感じる場合もあるでしょう。看護教員に向いている人の特徴に自分が当てはまっているかをチェックしてみるのも、転職後のミスマッチを防ぐ方法の一つです。
後輩指導が得意な人は、看護教員に向いているといえるでしょう。ただし、看護教員は、単純に知識や経験を伝えるだけではありません。分かりやすいように教え方を工夫し、学生にしっかり理解してもらうまでが教育です。難しい教科書の内容も、かみ砕いて教えられる力が欠かせません。
病院での豊富な勤務経験があれば、看護手技のコツや注意点などのポイントを、きめ細かく教えられるでしょう。経験が浅いと、教科書に頼った指導内容になってしまいがちです。現場レベルで具体的に教えられれば、学生がイメージしやすく、講義で学んだことを実習で結びつけやすくなります。
マネジメント能力とは、成果を出すために組織を管理する力です。看護教員は、学生全員が一丸となって看護師国家試験合格という目標を達成できるよう、計画的に対策を練っていかなくてはなりません。学生個人の力を最大限に引き出すために、それぞれの性格やスキルを見極め、クラス全体を統率する力も必要です。
ここでは、看護学校の教員を目指す人によくある質問をQ&A形式で回答していきます。
通信制で専任教員免許が取得できる大学もあります。科目によっては、オンライン授業やe-ラーニングなどで講義を受講できるため、忙しい方にもおすすめです。通信制であれば、働きながら教員免許の取得もしやすいでしょう。看護学校によっては、専任教員免許にかかる研修費用を支援してくれるところも。応募予定の学校が決まっていれば、求人情報を事前にチェックしてみると良いかもしれません。
講習会を受ける場合に必要な費用は約25万〜30万円。通信制大学の場合は約10万〜24万円が目安です。その他参考書代、通学費用なども必要です。奨学金が利用できる場合もあるため、金銭的に負担をかけたくないという方は、利用を検討してみるのも手といえます。
准看護師免許のみでは、専任教員や教務主任といった看護教員を目指せません。准看護師養成所の専任教員は、保健師・助産師または看護師の資格が必要です。そのうえで、大学や大学院での学びや一定の実務経験、研修などの要件を満たすと目指せます。教務主任は専任教員であることが条件の一つに含まれます。実習施設などで学生の指導にあたる「実習指導教員」に関しては、准看護師養成所では准看護師として3年以上従事した経験があれば目指せます。
看護学校の教員は文部科学省の管轄ではないので、「教員免許(小・中・高校の教員免許)」は必要ありません。看護学校の教員に必要なのは、医療系の各種免許です。詳しくはこの記事の「看護学校の教員になるには」でご確認ください。
看護教員になるには、看護師の実務経験に加え、専任教員養成講習会の受講や大学などでの単位の履修が必要です。看護教員は、「科目授業や校内演習」「実習中の教育指導」から「看護師国家試験の対策」「生活指導や就職支援」「学生への個別相談」まで幅広い仕事を担当します。
看護学校の教員になる一番の魅力は、成長を見届けながら将来の看護師を育成できることでしょう。基本的に夜勤がなく休日を暦どおりに取得できるメリットもあります。病院経験が豊富で指導が得意な方や教えることにやりがいを感じる方であれば、看護教員として活躍できるでしょう。
とはいえ、「1人では看護学校の教員の求人を見つけにくい」「向き不向きをイメージできない」といった方もいるかもしれません。「レバウェル看護」では、看護師の資格を活かして病院以外での働き方を検討している方のサポートも行っています。
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