ナースの働き方について考える!2020年4月スタートの同一労働同一賃金って?看護師業界への影響は?【奥さんは看護師vol.2】

2020.6.5

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世の中大変な時期ではありますが、大変な時期こそ今の自分の状況の確認と見直し、それに伴う準備というのもとても大切かと思います。

こんな時だからこそ世の中の変化について確認していきましょう!

ということで、働き方に関するトピックを今回は紹介させていただきたいと思います。私の職業柄な話題で恐縮ですが、看護師の方にも影響はあるだろうと思いますので、ぜひ確認してみてください。

そもそも同一労働同一賃金の概要って?

まずは、お国の見解を引用いたします。

正社員(無期雇用フルタイム労働者)と非正規雇用労働者(パートタイム労働者・有期雇用労働者・派遣労働者)との間で、待遇差が存在する場合に、いかなる待遇差が不合理なものであり、いかなる待遇差は不合理なものでないのか、原則となる考え方と具体例を示したもの。

大企業 2020年4月?、中小企業 2021年4月?

■引用:厚生労働省「同一労働同一賃金ガイドライン」

内容はその名の通りで上の説明のまんまですが、正社員と非正規労働者の待遇で同じ仕事してるなら同じお金払いなさいよってことです。看護師のパートや契約社員、派遣社員の方にとっては、環境がよくなるはずというものです。

「はず」と書いたのは、それなりの理由があります。政府はこの通達を出しましたが、実は守らなかった事業者への行政処分(いわゆる罰則)はないんです。

(驚愕…!意味あるのそれ!)

とはいえ非正規労働者の方々に対しては、同じ仕事をしているなら

・基本給

・昇給

・賞与


・手当(役職、皆勤、家賃など)

・福利厚生(特別休暇、休職など)

などは正社員で規定しているものをそのまま適用しなくてはならない、とガイドライン上はなっています。

パートや契約、派遣などの雇用形態問わず、待遇が改善される余地はあるという意味では非常に大きな変化であるとは言えるのかなと思います。

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内容はなんとなくわかったけど本当に変わるの?

これについて、本当に変わるの?と思う人も少なくないはずです。かくいう私もその一人です。

というのも、先程ご紹介したガイドラインにはこうも書かれているんですね。

「正社員とパートタイム労働者・有期雇用労働者は将来の役割期待が異なるため、賃金の決定基準・ルールが異なる」という主観的・抽象的説明ではなく、賃金の決定基準・ルールの相違は、職務内容、職務内容・配置の変更範囲、その他の事情の客観的・具体的な実態に照らして、不合理なものであってはならない。

一見、不合理な対応はだめだよと書いてあるように見えます。しかし裏を返せば、職務内容が完全に一致してない・配置の変更が狭い・同一の労働でないことが合理的に説明できれば同一賃金でなくても良い、とも読み取れるのが問題です。

事実、大企業における一つの動きとして「正社員と非正規の職務内容の線引き」をロジックとして作る、というようなこともありました。

ですから、パートや契約社員、派遣社員の方は、そういうような説明をされた上で同一賃金ではない対応をされる可能性があることは頭に入れておいたほうがいいかもしれません。

派遣はもっとややこしや?ややこしや?

派遣労働者の方々においては同一労働同一賃金になってから、その賃金が適正かどうかを説明するのにとてもややこしいことになっています。労働者側は実質待遇はアップするとされていますが、派遣元企業はかなり苦しい状況になる(なっている)状況です。

内容についての詳細は省きますが、要は派遣会社にとって「出ていくものは増えるが入ってくるものは増えない」という状況です。

コロナウィルスによる社会的・経済的影響も考慮すると、お給料が同じ正社員と派遣社員がいた場合、派遣社員はどうしても正社員よりは切りやすい(クビにしやすい)雇用形態にはなってしまっているのかなと個人的には思っています。

それでも、医療現場のような人が足りない現場においては猫の手でも借りたい!という場所もあるでしょうから、一定の求人需要は当然あるとは思います。

が、経済情勢や向こう数年間の自分の就業については、色々な側面から判断する必要があるのかなとハルオは思っています。

(ていうかめっちゃ真面目な内容になってるけどキャラぶれてない?大丈夫??)

で、看護師の私はどうすりゃいいのよ?

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今回は真面目な内容になってしまって、皆さんも「誰だお前」ってなっていないかとても心配で夜も眠れないのですが、ハルオの見解も混ぜつつ締めたいと思います。

1.依然「正社員は譲れない」と思われる

同一労働同一賃金がスタートしたものの、罰則がないため非正規労働者の抜本的な改革が進むかどうかは未知数。ましてや中小零細がそれを飲めるかどうか?支払えるかどうか?は疑問符です。

2.ただしガイドラインはできた!病院スタンスを確認すべし!

ガイドラインはできたので、病院の待遇や評判がそのガイドラインに沿っているかどうか?を就職の判断材料にはできます。口コミや噂はSNS全盛の今の時代、有効活用しましょう。

3.転職市場は冬の時代へ突入するかも?

コロナでは医療現場が主戦場。景気や経済の影響はあまり受けないでしょう。しかし、社会全体としては求人も減り、人の動き(転職)も鈍るのは確実です。医療現場においては、いい病院から抜ける人が減る(欠員が出ない)ことも予想されます。

ハルオの結論!安易な転職・雇用形態での就業はおすすめしない

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コロナの影響もありますが、世の中が「守り」の時代へと切り替わっていくような気がしています。そんな時に簡単に職を変えるのはリスクを伴うと思いますので、転職したい場合はしっかりとあなたの背景を理解し、病院の情報を持っている方に相談しましょう。

情報が命なので、情報収集することはとても大切です。今はSNSがあるおかげで情報を集めるのは簡単ですし、相談もしやすいのかなと思います。

まずはいろいろな側面から自分の気持ちと世の中の流れを整理し、結論を出してもらうのがいいのかなと思っています。

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プロフィール

ライター:ハルオ
看護師を妻に持つサラリーマン。
看護師×サラリーマン夫婦の実態やサラリーマン目線で見る看護師・看護師業界について発信している。
ブログ:奥さんは看護師.com
Twitter:@Haru_Ltd

イラストレーター:gaamiii
Instagram:@gaa_miii

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