
「プライマリーナースって何?」「どのような役割を担うの?」と気になっている看護師は多いのではないでしょうか。
ここでは、プライマリーナースの役割やメリット、向いている看護師の特徴などについて詳しく紹介します。
この記事を最後まで読み終えてもらえれば、プライマリーナースがどのようなものか分かり、キャリアパスに役立てられるでしょう。
プライマリーナースについて知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
プライマリーナースとは、入院から退院まで一人の看護師が中心となって患者様を継続的に担当する看護師のことです。
病床数や入院患者様数によって受け持つ患者様の人数は異なるものの、おおよそ5人程度が目安となるでしょう。
プライマリーナースを導入することによって、患者様一人一人に合った看護を提供することができます。
また、1人の看護師が一貫して患者様を受け持つ看護方式を「プライマリーナーシング」と言い、プライマリーナーシングの他に複数の看護方式を組み合わせている病院もあります。
プライマリーナースでは、患者様一人ひとりに合わせた看護計画を立案し、実践・評価・修正を繰り返しながら、質の高い看護の提供を目指します。
プライマリーナースの役割は下記のとおりです。
プライマリーナースのそれぞれの役割について詳しく紹介するので、どのような役割を担うのか確認してみましょう。
プライマリーナースは、担当患者様の状態を総合的にアセスメントし、一人ひとりに適した看護計画を立案します。
ただし、病院では24時間看護が必要とされるため、担当の看護師が常にケアを担当できるわけではありません。
担当看護師が不在でも他の看護師が適切に対応できるように、看護計画を共有します。
作成した看護計画に基づき、患者様の状態に合わせた看護を実践します。
日常生活援助や症状観察、医師の指示による処置だけでなく、患者様の不安や悩みに寄り添いながら精神的な支援を行います。
担当看護師が不在時も継続して看護を提供できるように、申し送りや電子カルテ、カンファレンスを活用し、他の看護師に情報共有することもプライマリーナースの大切な役割の一つです。
患者様の病状や治療経過は日々変化するため、一度作成した看護計画をそのまま継続するのではなく、定期的に評価・修正を行います。
評価・修正を行う主な時期は、下記のとおりです。
また、看護計画の評価や修正が必要となったタイミングでは、他職種を交えたカンファレンスを実施することが多いです。
さらに、医師とは回診や日常的な報告、カルテなどを通じて、患者様の情報共有を行います。
他職種と連携することで、より患者様に適した看護へ改善し、質の高い看護につながるでしょう。
患者様が安心して退院後の生活を送れるように退院支援を行うことも、プライマリーナースの重要な役割の一つです。
退院後の生活環境や介護力を確認したうえで、患者様のキーパーソンを交えた退院前カンファレンスを開催し、医療ソーシャルワーカーやケアマネジャー、訪問看護師などと連携しながら支援を進めます。入院中から継続して関わってきたプライマリーナースだからこそ、一人ひとりに合った退院支援を行えるでしょう。
患者様の退院時には、これまで実践してきた看護計画を総合的に評価する必要があります。
ただし、当初設定した目標が達成できたか、未達成であったかで終わらせるのではなく、要因の分析まで掘り下げることが大切です。
患者様の状態や生活能力にどのような変化があったか、未達成となった原因は何であったかなどを振り返り、今後の看護につながる課題を整理しましょう。
「プライマリーナースを導入しているとどのようなメリットが期待できるの?」と気になっている方は少なくありません。
プライマリーナースのメリットは下記のとおりです。
プライマリーナースのメリットについて詳しくお伝えするので確認してみましょう。
プライマリーナースでは、同じ看護師が入院から退院まで患者様を担当するため、患者様は治療や入院生活で感じている悩みを気軽に打ち明けやすくなります。
安心して療養生活を送れるだけでなく、信頼関係の構築にもつながるでしょう。
また、継続的に患者様と関わることで、小さな変化や不安に気付きやすくなり、安心感のある看護の提供が目指せます。
プライマリーナースでは担当患者様の病状だけでなく生活背景やご家族構成、退院後の生活までしっかり把握したうえで看護計画を立案できます。
そのため、一人ひとりのニーズに合わせた個別性の高い看護を実践しやすいです。
また、患者様の状態変化にも早期に気付きやすく、必要に応じて看護計画を柔軟に見直せます。
患者様の状態を総合的に捉えながら看護計画の立案・実践・評価を繰り返すことで、アセスメント力や臨床判断力の向上にもつながるでしょう。
プライマリーナースでは担当する患者様が明確に決まっているため、看護計画の立案や評価を中心となって行う看護師が分かりやすく、役割を整理しながら業務を進められます。
また、患者様の情報が担当看護師に集約されることで、状態の変化や治療経過を継続的に把握しやすくなるでしょう。
必要な情報をチーム内で共有しやすくなるため、申し送りやカンファレンスも円滑に進み、継続性のある看護につながります。
さらに、自分が中心となって患者様を受け持つ経験を重ねることで、主体的に考えて行動する力や、看護計画を立案する力を身につけられる点もメリットの一つです。
プライマリーナースのメリットは先述したとおりですが、実はいくつか把握しておきたいデメリットもあります。
デメリットを把握しないままプライマリーナースを導入している病院に転職してしまうと、入職後のミスマッチにつながるかもしれません。
ここでは、プライマリーナースのデメリットについて詳しく解説するので、先述したメリットと比較してみましょう。
プライマリーナース制度では、一人の看護師が中心となって看護計画を立案・実践するため、経験年数や知識、判断力によって看護の質に差が生じる可能性があります。
経験豊富な看護師であれば質の高い看護を提供しやすい一方、新人や経験の浅い看護師は適切な判断に悩む場面も少なくありません。
そのため、臨床経験の浅い看護師をサポートできるように、病棟全体で相談しやすい体制や教育体制を整えることが大切です。
プライマリーナースは担当患者様の看護計画から退院支援まで幅広く関わるため、責任の大きさを負担に感じる人がいます。
患者様の状態変化に合わせた看護計画の立案・実施や、退院調整などを主体的に考える必要があり、プレッシャーを感じる場面も珍しくありません。
また、担当患者様が多いと看護計画の立案・修正・評価、カンファレンスへの参加といった業務量が増えやすく、時間管理や優先順位を考えながら仕事を進める能力も求められるでしょう。
プライマリーナース制度では、一人の患者様と長期間関わるため、患者様との相性が看護のしやすさに影響しやすいです。
信頼関係を築ければ質の高い看護につながりますが、価値観の違いやコミュニケーションの難しさから関係構築に時間がかかるケースもあります。
担当患者様との関係性について一人で悩みを抱え込まず、リーダーや先輩看護師に相談しながらチームで対応しましょう。
プライマリーナースは患者様とじっくり関わることができる看護方式ですが、人によっては「合わない」「負担が大きい」と感じる場合があります。
そのため、プライマリーナースを導入している病院へ転職を考えている場合、自分の看護観や希望する働き方と合っているか確認することが大切です。
ここでは、プライマリーナースの向き・不向きについて詳しく紹介するので、プライマリーナースが自分に合う看護方式であるかチェックしてみましょう。
プライマリーナースでは、患者様との継続的な関わりや主体的な看護実践が求められます。
したがって、下記のような考え方や強みのある看護師は、プライマリーナースとして活躍しやすいでしょう。
患者様との関わりを大切にしながら、自ら考えて看護を実践したい人にとって、プライマリーナースは自身の看護観を活かせる働き方と言えます。
また、患者様との信頼関係を築き、継続した支援を行うことにやりがいを感じる看護師は、プライマリーナースとして成長しやすいでしょう。
プライマリーナースは患者様と深く関われる一方で、担当患者様を継続して受け持つことによる難しさもあります。
下記のような看護師は、チームナーシングなど別の看護方式の方が働きやすいかもしれません。
ただし、これらに当てはまるからといって、プライマリーナースとして働けないわけではありません。
教育体制やチームのサポート体制が整った職場であれば、経験を積みながら必要なスキルを身につけることも可能です。
病院では、プライマリーナース制度以外にもさまざまな看護方式が採用されています。
| 看護方式の種類 | 特徴 |
| チームナーシング | 複数の看護師が1つのチームを組み、複数の患者様を受け持つ |
| 固定チームナーシング | 一定期間にわたり、固定のチームリーダーとメンバーで患者様をケアする |
| モジュールナーシング | 病棟内の看護師を2つ以上のチームに分け、患者様の入院から退院まで担当する |
| パートナーシップ・ナーシング・システム(PNS) | 2人の看護師がペアを組んで1人の患者様をケアする |
| セル看護提供システム | 病室単位で看護師がチームを組んでケアを担当する |
それぞれ役割分担や患者様への関わり方が異なるため、自分に合った働き方を選ぶ際には違いを理解しておくことが大切です。
プライマリーナースを採用しているからといって、病院ごとに詳細な内容は異なります。
特に転職を検討している場合は、求人票だけでは分からない情報も多いため、求人票や病院の公式Webサイト、パンフレット、口コミなどで確認しておくと安心です。
プライマリーナース制度を導入していても、固定チームナーシングやチームナーシングなど、他の看護方式を併用している病院は少なくありません。
例えば、プライマリーナースが看護計画を立案し、日々のケアはチーム全体で実施するケースもあります。
業務内容や責任の範囲にも影響するため、「どのような形でプライマリーナースを運用していますか」と具体的に確認しておくと、入職後のイメージがしやすくなるでしょう。
また、病院によっては公式Webサイトの看護部のページや、求人票から看護方式の種類を確認することもできます。
プライマリーナースにおいて担当患者様が多すぎると、看護計画の立案や退院支援、患者様・ご家族への対応などに十分な時間を確保できない場合があります。
そのため、病院見学で「プライマリーナース一人あたり何人程度を担当していますか」「病棟の平均受け持ち人数はどれくらいですか」と確認しておくのがおすすめです。
そのほかにも、求人票や口コミに担当患者様数の目安が記載されている場合もあります。
適切な担当人数であれば、一人ひとりの患者様に丁寧な看護を提供しやすくなるでしょう。
プライマリーナースは主体的な判断が求められるため、教育体制が充実している病院を選ぶと良いでしょう。
病院見学の際に「相談しやすい環境は整っていますか」「プライマリーナースとして独り立ちするまでの流れを教えてください」と質問すると、病院のサポート体制を具体的に把握できます。
また、病院のパンフレットや公式Webサイト、口コミを活用し、教育体制を調べることも可能です。
特に経験の浅い看護師や転職者は、プリセプター制度やOJT、定期的な面談、研修制度などが整っているかを確認しておくと安心できるでしょう。
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ここでは、プライマリーナースについてよくある質問を紹介します。
プライマリーナースは、担当患者様の看護計画の立案や評価を行いますが、日々の看護を一人で担うわけではありません。
夜勤や休日など担当看護師が不在の時間帯は、チームメンバーが患者様のケアを引き継ぎ、情報共有を行いながら継続的な看護を提供します。
また、患者様の状態変化や退院支援については、医師やリハビリスタッフ、薬剤師など多職種とも連携して対応するため、一人で判断や対応を抱え込む必要はありません。
チーム内でどのように情報共有やサポートを行っているのか、面接や施設見学の時に確認しておくことで、入職後の働き方を具体的にイメージしやすくなるでしょう。
プライマリーナースは、一人の患者様を入院から退院まで継続して担当するため、看護計画の立案・実践・評価に加え、退院支援まで主体的に関わる必要があります。
したがって、患者様の状態変化を継続的に把握しながら、多職種と連携して看護を進める場面も多く、責任の大きさに負担を感じる看護師もいます。
また、患者様やご家族との信頼関係を築く一方で、思うように回復が進まなかったり、対応に悩んだりするケースも少なくありません。
ただし、プライマリーナースは一人ですべてを抱え込む役割ではなく、医師や他の看護師、多職種と連携しながら患者様を支える看護方式です。
困ったときはチームで相談しながら対応できるため、過度に不安を感じる必要はないでしょう。
プライマリーナースとは、一人の患者様を入院から退院まで継続して担当する看護師のことで、多くの病院で導入されている看護方式です。
患者様やご家族と信頼関係を築きやすく、個別性に応じた看護を提供できることは、プライマリーナースならではの魅力と言えるでしょう。
一方で、継続的に患者様を担当するため、責任の重さによる負担や患者様との相性などで難しさを感じる場面もあります。
したがって、転職を検討する際は、プライマリーナースの特徴や自分との相性を十分に理解したうえで、自分に合った看護方式を採用している職場を選ぶことが大切です。
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プライマリーナースの運用方法や担当患者様数、教育体制、人間関係など、求人票には載っていない内部情報を確認できます。
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