
「内科の看護師はどんなことをしているの?」と気になっている方はいるでしょう。内科看護師は食事療法や薬物療法などをとおして、患者さまの治療や症状回復を支えています。この記事では、内科看護師の仕事内容や外科看護師との違い、内科看護師になるメリット・デメリットを解説。向いている人や、内科への就職・転職時のポイントも紹介していますので、ぜひご一読ください。
内科看護師は、食事療法や薬物療法などをとおして、治療や症状の回復を支える職種です。
患者さまの表情や検査値から、身体の状態を読み解き、医師による適切な治療につなげます。自宅療養後でも健康を維持できるよう、生活習慣の改善を指導したり、慢性疾患と長く付き合う患者さまの相談先として伴走します。今後の生活を支え、長期的な視点で症状と向き合う立場といえるでしょう。
内科とは慢性疾患のある患者さまや薬剤治療が必要な患者さまなどに対して、検査値を基に適切な診断、治療を行う医療機関です。看護師は検査介助をはじめ、目に見えにくい病態の変化を、検査値の変化や患者さまの訴えから早期に発見する役割を担います。服薬説明や食事の指導などをとおして、患者さまの心身の健康を支えるのも大切な役目です。
内科と外科は、以下のように症状へのアプローチや治療過程が異なります。
| 内科看護師 | 外科看護師 | |
| 対象となる患者さま | 感冒での発熱や倦怠感などや腹痛など内科的症状 | 外傷や骨折、火傷などの外科的治療 |
| 主な治療方法 | ・食事、薬物、運動といったアプローチで治療 ・服薬や食事などの生活指導・カテーテル治療 | ・手術後のリハビリなどによる身体機能の向上 ・外傷、創傷などの処置 |
| 担当するケアの期間 | 経過を外見から判断しにくいので、比較的長期になりやすい | 手術の成功や退院など治療のゴールが比較的明確なので、数回または短期間の場合が多い |
内科は薬剤を用いて身体の中から治療を行うのに対し、外科は手術によって身体の外部から病変部を取り除き、適切な治療をするのが特徴です。外科では出血や骨折など外見から症状を明確に判断する場合が多いのに対し、内科では症状の原因から探る点が異なるといえます。原因を適切に特定するために内科看護師には、高いアセスメント能力が求められるといえるでしょう。
▼関連記事
内科と外科の違いは?看護師の仕事内容は違う?向いている人の特徴も解説
外科看護師の仕事内容とは?内科との違いや向き不向き、転職のコツも紹介!
ここでは、内科看護師が活躍できる病院の病棟や外来、クリニックなどの仕事内容を紹介します。消化器や呼吸器などの診療科目ごとの仕事についてもまとめていますので、参考にしてみてください。
以下に、注射・点滴・与薬をはじめとする病棟の内科看護師の仕事をまとめました。
| 全身管理 | ・バイタルサインのチェック |
| 検査の補助 | ・採血や採尿 ・内視鏡検査の説明 |
| 薬物治療のサポート | ・注射 ・点滴 ・与薬 |
| 入院中のケア | ・食事や排泄の介助、清潔面のケア ・生活習慣の指導 |
| ご家族のケア | ・退院後の生活に関する指導 |
| 記録、他職種との連携 | ・カルテや看護記録の記入 ・他診療科への引継ぎやソーシャルワーカーとの連携 |
内科病棟では症状の重い患者さまが入院しているので、バイタルサインのチェック・食事や排泄の介助・清潔面のケアなどの業務にも対応します。患者さまの症状によっては、適切な生活習慣に近づくように指導を行うケースも。
外来の内科看護師の仕事内容は、以下のとおりです。
| 診察補助 | ・検温 ・問診 ・血圧測定 |
| 検査の補助 | ・採血や採尿 ・内視鏡検査の説明 |
| 薬物治療のサポート | ・点滴 ・内服確認 |
| 指導 | ・自宅療養に関する指導 ・服薬指導 |
| 記録 | ・カルテや看護記録の記入 |
内科外来における看護師の仕事は、診察の介助が中心です。外来患者さまの多くは薬剤治療を行っているので、「適切な頻度で内服できているか」といった確認も重要な業務の一つといえます。
クリニックで働く内科看護師の仕事内容には、以下のような内容が挙げられます。
| 診察補助 | ・検温 ・問診 ・血圧測定 |
| 検査の補助 | ・採血や採尿 ・内視鏡検査の説明 |
| 薬物治療のサポート | ・点滴 ・内服確認 |
| 指導 | ・自宅療養に関する指導 ・服薬指導 |
| 記録 | ・カルテや看護記録の記入 |
職員数が限られる内科クリニックの看護師は、「備品の発注や医療器具の洗浄」「心電図の測定」「患者さまの誘導」「カルテ整理」「清掃」など、幅広い業務を行います。
消化器内科は食道や胃、腸、膵臓、肝臓などを扱う科です。疾患例や使用機器例は以下のとおりです。
| 扱う疾患例 | ・大腸がん ・胃潰瘍 ・肝炎 |
| 使用機器例 | ・内視鏡 ・ドレーン |
| 急変シーンと頻度 | 消化器出血による急変など中程度で発生 |
消化器内科における看護師の仕事内容には「内視鏡検査前に行う検査および治療の説明」「検査介助」「絶食期間中の方への輸液や点滴の管理」「終末期の患者さまへの心理的なケア」などがあります。治療やケアのポイントは腹部膨満感の確認や、出血の徴候がないかの観察などです。
▼関連記事
消化器内科看護師の仕事内容とは?内視鏡技師の取得方法も詳しく解説
呼吸器内科は喉や気管、肺などを扱う科です。疾患例や主な使用機器を以下にまとめました。
| 扱う疾患例 | ・喘息 ・肺炎 ・COPD |
| 使用機器例 | ・人工呼吸器 ・酸素療法 |
| 急変シーンと頻度 | 窒息や呼吸困難など高めの頻度で発生 |
呼吸器内科勤務の看護師の仕事は、「バイタルや酸素量の確認」「人工呼吸器といった酸素吸入で使う医療機器の管理」「呼吸器外科や外来との情報共有」「退院後の禁煙についての指導」など。ケアや治療時のポイントは、呼吸音や痰の量、咳の状態の観察といえます。
循環器内科は心臓や血管などを扱う科です。看護師が扱う疾患例や使用機器などは以下のとおりです。
| 扱う疾患例 | ・不整脈 ・狭心症 |
| 使用機器例 | ・輸液ポンプ ・心電図モニター |
| 急変シーンと頻度 | ショック状態や不整脈の発生など高めの頻度で発生 |
循環器内科の看護師の仕事内容は「心拍、心電図の波形、血圧などのモニタリング」「内服薬の服薬支援、副作用の確認」など。発症理由によっては、適切な数値になるように飲酒や運動などの生活習慣をコントロールする指導をすることもあります。治療・ケアのポイントの一つは、血圧や心拍の変化に気を配ることです。
ここでは、2交替制の内科病棟を例に、日勤と夜勤で働く内科看護師の1日のスケジュールを解説します。
日勤帯で働く内科看護師の1日のスケジュール例は、以下のとおりです。
| 8:30 | 出勤後、夜勤帯の申し送りを確認 |
| 9:00 | 病室の巡回とバイタルサイン確認、点滴や検査の準備、トイレ介助など必要なケアの実施 |
| 9:30 | 検査や点滴の実施、カルテ記入 |
| 11:30 | 服薬や配膳の準備、必要に応じて血糖測定やインスリン注射、経管栄養剤の注入 |
| 12:00 | 昼食の配膳、必要に応じて食事介助や服薬管理 |
| 12:30 | 口腔ケア、トイレ介助など必要なケアの実施、他スタッフと交代しながら休憩 |
| 13:30 | カンファレンスへの参加 |
| 14:00 | 病室の巡回とバイタルサイン確認、検査の受け入れ |
| 16:30 | 翌日の検査準備、患者さまへの翌日の検査説明、夜勤帯への申し送り |
| 17:00 | 退勤 |
日勤帯で働く看護師は、主に検査スケジュールに合わせた物品の準備や、患者さんへの検査説明などを実施する役割を担います。
一方、夜勤帯で働く内科看護師は、以下の流れで1日を過ごすことが多いでしょう。
| 16:30 | 出勤後、日勤帯からの申し送りを確認 |
| 17:00 | 病室の巡回とバイタルサイン確認 |
| 17:30 | 服薬や配膳の準備、必要に応じて血糖測定やインスリン注射 |
| 18:00 | 昼食の配膳、必要に応じて食事介助や服薬管理 |
| 18:30 | 口腔ケア、トイレ介助など必要なケアの実施、他スタッフと交代しながら休憩 |
| 19:30 | 必要に応じて血糖測定やインスリン注射、経管栄養剤の注入、服薬管理やオムツ交換、トイレ介助 |
| 21:00 | 消灯後に点滴の確認やカルテ記入、ナースコールや緊急入院への対応、オムツ交換、他スタッフと交代で仮眠 |
| 6:00 | 採血の実施、着替え介助 |
| 7:00 | 朝食や服薬の準備、必要に応じて血糖測定やインスリン注射 |
| 7:30 | 朝食の配膳、必要に応じて食事介助、口腔ケア、トイレ介助 |
| 9:00 | 日勤帯への申し送り後に退勤 |
内科看護師の夜勤では、病室を巡回して患者さまの状態や点滴のチェックを行ったり、夜間のナースコールに対応したりします。
ここでは、内科看護師として働くメリット・デメリットを解説します。入職・転職を検討する際の参考に、ぜひご一読ください。
内科看護師を続けることで、以下のメリットが期待できるでしょう。
内科看護師は患者さまとの会話や、日々の経過観察から状態をアセスメントします。注射や点滴などの手技、内視鏡の扱いや心電図を読み取る能力など、看護師の基礎スキルが身につくでしょう。
内科看護師のデメリットは、以下のとおりです。
治療の成果がすぐに見えにくいので、モチベーションの管理が大切です。患者さまへの生活指導の機会もあるので、専門用語を適切な表現で説明する力が身につきます。
ここでは、内科看護師に向いている人の3つの特徴を紹介しますので、自身の適性を探るヒントにしてみてください。
聞き上手で変化に気づきやすい方は、内科看護師に向いています。内科の処置において、アセスメントは重要な仕事の一つです。「寒気がする」「食欲が出ない」など、信頼関係を基に丁寧な情報を収集することが必要です。顔色や声色の変化への観察力も仕事に活かせるでしょう。
長期的な成果を待ちながら物事に取り組める方は、内科看護師への適性があります。内科は主に薬剤による治療を行うので、短期的な回復の様子が分かりにくいといえるでしょう。外見で治療やケアの成果が見えない場合でも、やりがいやモチベーションを失わずに、コツコツと仕事に取り組む必要があります。
他職種と協力して仕事を進めることに抵抗がない方も、内科看護師に向いている性格といえます。内科では、手術が必要になった際に外科の看護師と連携したり、アセスメントの結果を周囲の他職種と共有したりする機会があります。薬剤師やリハビリスタッフといった職種とも柔軟に協力できる方は重宝されるでしょう。
▼関連記事
内科看護師に向いている人とは?仕事内容や診療科ごとの特徴から判断しよう
ここでは、内科看護師への就職・転職時のポイントとして、「職場の特徴を理解する」「職場見学で雰囲気を確認する」「求める人物像に沿った志望動機・自己PRを用意する」を解説します。
内科看護師として就職・転職する際、気になる職場の特徴を入念に調べておきましょう。
消化器や呼吸器などの「診療科の種類」や、同じ病院でも慢性期なのか急性期なのかといった「病棟の違い」を把握することで、携われる仕事の幅や業務のスピード感をつかめます。勤務後のミスマッチをなくすために、病院内の患者さまの年齢層や疾患例も、可能な限り収集しておくのがおすすめです。
内科看護師として働く前に、職場見学を行い、自身の理想と応募先の雰囲気がマッチするかを確認しておくと安心です。職場見学では、「職員同士の連携はスムーズに行えているか」「設備が整っているか」など、求人票からは分からない情報を確かめられます。応募先の病院のWebサイトや求人票、転職エージェントを介して見学の可否を確認してみましょう。
内科への就職・転職時は、取得したい資格やキャリアパスを見据えた職場を選びましょう。「心電図の読み取りスキルを上げるために循環器で経験を積みたい」「呼吸器内科で喘息患者さんのサポートをしたい」といった動機を明確にし、希望分野を絞ってみてください。呼吸器に関する専門看護師や認定看護師の資格取得を視野に入れるといったように、資格取得支援のある病院や施設を選ぶのもおすすめです。
内科には「消化器内科」「循環器内科」「神経内科」「呼吸器内科」など、さまざまな分野があるため、転職前に興味がある分野を整理しておきましょう。それぞれの分野への興味と、応募先の病院や施設などの特色を踏まえた志望動機を伝えることが大切です。自己PRは強みを活かして貢献できることを具体的にまとめましょう。
内科看護師の志望動機の例文は、以下のとおりです。
「私はこれまで、外科病棟で〇年間働いてまいりました。結婚・出産を機に退職したあとは、より患者さまと深い信頼関係を作りながら勤務したいと想い、地域密着型の貴クリニックに応募いたしました。前職ではプリセプターやリーダー経験があるため、貴院でも主体性を持って幅広い業務にあたる所存ですので、よろしくお願いいたします。」
内科への配属を希望する理由を簡潔に説明しつつ、どのように活躍したいかをアピールしましょう。
内科看護師の自己PRの例文は、以下のとおりです。
「現在、小児科で勤務し、約〇年になります。小児科での勤務をとおして、自身の持病でもある喘息をお持ちの方のサポートをしたいと感じるようになりました。全国有数の呼吸器疾患の症例数を持つ貴院に入職後は、呼吸器分野の認定看護師に挑戦しながら、現場に貢献していきたいと考えております。」
応募先の特徴を基に、積極的な姿勢が伝わるようにまとめてみてください。新卒看護師の場合は、自身の経験を添えることで内容に説得力を持たせるのもおすすめです。
▼関連記事
内科に転職したい看護師におすすめの志望動機とは?伝えたいポイントも紹介
循環器内科の志望動機の書き方は?例文や履歴書に記載する際の注意点を解説
ここでは、内科看護師を目指す方によくある質問をQ&A形式で回答します。
病院やクリニックなどの内科看護師には、「注射や点滴の手技」「内視鏡の適切な取り扱い」「心電図の読み取りスキル」など、幅広い力が求められます。関連する分野の本や参考書だけで勉強するのが難しい場合は、「内科で必要となる看護技術のQ&A一覧ページ」も参考にしてみてください。
内科看護師として働く際、「経験が浅く、向いている診療科が分からない」と悩む場合、仕事内容や特徴、扱う疾患だけでなく、呼吸器や循環器など深めたい分野から選ぶのも一つ。レバウェル看護の「看護師の職場適正診断」を活用し、向いている病院や職場を考えてみるのもおすすめです。
一般的には、緊急入院や手術の対応などで手当が付きやすい分、外科のほうが給料や年収が上がる傾向といえます。ただし、病院かクリニックかといった施設規模や地域によっても給料相場は変わりますので、求人ごとに確認することが大切です。
内科は頭痛や吐き気、腹痛など幅広い症状に対して治療を行う診療科です。内科では、薬剤療法や食事療法、運動療法などで治療を行います。病院の病棟で働く内科看護師の仕事内容は、点滴や注射、与薬などが中心。病院の外来やクリニックで働く内科看護師は、主に診察や手術の介助を担当します。
病院やクリニックなどの内科看護師になると、注射や点滴などの手技や内視鏡の扱い、心電図を読み取るスキルなどが身につきます。患者さまやご家族に治療や薬の説明をしたり、アセスメントに役立てたりする力が必要なので、観察力が高く聞き上手な方は活躍できるでしょう。長期的な成果を待てる方も内科看護師に向いているといえます。内科看護師は診断結果に応じてほかの診療科に引継ぎをする役割も担うので、他職種と協力して仕事を進められる方も適性があるでしょう。
内科看護師を目指して就職・転職する際は、職場の特徴を理解したり、職場見学で雰囲気を確認したりすることが大切です。取りたい資格やキャリアパスに応じた職場を選んだり、求める人物像に沿った志望動機・自己PRを準備することも重要です。
とはいえ、1人では、内科に転職する際の履歴書作りや面接対策に不安がある方もいるでしょう。「内科は病院や診療科の種類が多く、どこが自分に合うのか判断できない」とお困りの方もいるかもしれません。「レバウェル看護」では、キャリアアドバイザーが応募書類や面接などを総合的にサポート。
丁寧なヒアリングや看護師特化の転職エージェントならではの情報量により、向いている職場や診療科についてもアドバイスします。転職のプロに相談することで、内科を含め、自分で探すよりも条件に合う求人が見つかりやすくなるでしょう。キャリアドバイザーに相談しながら求人の絞り込みができるため、「どの求人を選べば良いか迷う」といった方もこの機会にぜひご利用ください。
記事の制作について
「レバウェル看護 看護師さん向けお役立ち情報」では、
記事の制作・公開にあたってのポリシーを定めています。
詳細は下記よりご確認いただけます。
キャリア
働く場所
選考対策
資格
その他
読みもの
連載