
最近増えてきた「男性の育休取得」。
厚生労働省の「令和4年度雇用均等基本調査」によると、2022年における男性の育休取得は17.1%。
厚生労働省令和4年度雇用均等基本調査(2024年5月25日参照)
この数値は過去最高と言われていますが、男性の育休はまだまだ少数派です。
僕は病院で看護師として働いていたとき、第2子と第3子が生まれた2017年と2019年に1ヶ月ずつ育休を取得しました。取得して良かったことは多かったのですが、職場に復帰したあとが大変でした。
僕の実体験をもとに、復帰後に大変だったことや仕事への影響についてお伝えしますね。
「1ヶ月間ありがとうございました。ご迷惑をおかけしました。またよろしくお願いします!」
1ヶ月の育休が終わり、病棟で師長さんにあいさつしたときの僕の言葉。これに師長さんは、無視…。
「やっぱりな…」僕のイヤな予感は的中しました。

というのも、前回の話で紹介したように育休を取る前にイザコザがあって、僕は師長さんによく思われてなかったから。
▼育休を取る前のエピソードはこちら
院内初!男性看護師の僕が、師長とバトって育休を勝ち取った話
当時、僕は中間管理職のような立場にあったので、師長さんにほかの看護師のことや患者さんのことを報告しなければなりませんでした。
たとえば、状態が悪くて気になっている患者さんのことや、勤務時間内に業務が終わりそうにない看護師の状況について。
でも、何度報告に行っても師長さんからの反応はありません。
「師長さん。報告があります」と話しかけても反応はなく、まるで独り言を話しているような、呪文を唱えているような感覚に…(笑)。
結局、師長さんの無反応は3、4ヶ月続きました。
きっと、僕が院内で初めての男性育休取得者にもかかわらず1ヶ月間という長期間休んだのに加え、育休前からのイザコザも相まって「この師長さんとは合わないな…」と感じていた態度が伝わっていたからでしょう。
僕は「絶対、この師長さんみたいにはならない!」と心に誓ったほどでした。
周りの看護師はというと、師長さんの態度がひどいことを察してくれて「大丈夫ですか?」「私が代わりに師長さんに報告しますよ」と声をかけてくれました。
いろいろと配慮してくれたので、そんな状況でもどうにかやっていけましたね。
仕事が押しそうなときには「子どもが待っているから早く帰ってあげて」と手伝ってくれることも。僕はずっと教育係で指導していましたし、仕事は早い方で日頃から後輩をフォローしていたからお互いさまだと思ってくれていたのでしょう。
なかには「自分の仕事が増える」、「休みばっかりでずるい」など内心快く思わない方もいたかもしれないですが…。
僕と同じくらいのタイミングで子どもが生まれた男性看護師が2名いたのですが「師長さんからあれだけ無視されるのはきつい…」「西川さんみたいには強くなれない…」と育休は取得せず。
それでも、僕が育休の良さを後輩の男性看護師に熱弁し続けた結果、ちょうど1年後くらいにようやく1名の男性看護師が育休を取得しました。
師長さんは変わらずその男性看護師を無視していたのですが、彼はいちスタッフという立場であり師長さんと接する機会も少なかったので、そこまで影響はなかったようです。
その男性看護師は「育休取って良かったです。かけがえのない時間でした」と満足そうでした。
僕の場合は、1ヶ月という短い期間だったから育休を取ったことで、知識面や技術面には影響しませんでした。
ただ、1ヶ月でも現場を離れることへの不安は強かったです。
正直、育休中もほかの看護師からLINEがきたり、育児をしているときに仕事のことをふと思い出したりしていました。
育休前に、ほかのスタッフが困らないようマニュアルを作ったり申し送り事項を整理したりと準備していたから、余計に気になっていたのかもしれません。
なので、同僚に変わったことがないかLINEで聞いたり、復帰する数日前に職場に行って患者さんの情報収集をしたりして準備はしましたよ。
実際に現場復帰した午前中は、ずっとソワソワした感じのままで終わりました(笑)。
患者さんの対応をしたり処置の介助をしたりして忙しくしていたら、徐々に調子は戻り、その日の午後からは以前と変わらず動けたような気がします…!
忙しい現場にいるとやらないといけない状況に置かれるので「うまく動けるかな?」「ちゃんとできるかな?」ってあまり心配しなくても大丈夫です。周りの看護師もフォローしてくれますよ。
ここでは、育休が明けて復帰後に大変だと感じたことを紹介します。
育休中よりも、僕が育休から復帰したあと、さらに1年後に妻も育休から復帰したあとのほうが大変だなと思うことは多かったです。特に、朝起きてから仕事に行くまでは、分刻みで行動しなければいけません。
朝は子どもの機嫌が悪いこともあり、スムーズに進められないときは「ほら、早くして!」「もう急いでって言ってるじゃん!」と僕自身がイライラしてしまうことも。
ただ、夫婦で看護師として働いていて、お互いの忙しさや気持ちは分かっていたのでフォローできたと思います。
▼こちらも併せてお読みください
夫婦で看護師って実際どう!?普段の生活や子育てでの良いところ・悪いところ

バタバタなのは仕事が終わってからも一緒。幼稚園に急いで迎えに行って、夕食を食べさせて、お風呂に入れて。僕と妻は早く帰れたほうが家事と育児を進めておくと決めていたので、夫婦で連絡を取りつつ分担できました。
当時、僕が勤務していたのは心臓血管外科がメインの病棟でした。急患が入ってきたり、術後の患者さんがいたりするので、もっとゆっくり働けて定時で帰れる部署への異動も考えました。でも、部署異動を希望しているほかの看護師がずっと異動できない状況を見ていたので結局申請さえもせず。
転職も少し頭をよぎりました。
でも、子育てで忙しいときに給料が減ったり、新しい仕事を覚えたりすることのほうが大変だと思い踏み出せませんでした。
育休を取るもっと前に、ゆっくり働ける部署への異動を願い出ておけばよかったなと後悔しましたね…。
これから育休を取る方は、今のままで育児と仕事の両立ができるのか、負担が大きくなりすぎないかということを夫婦でよく考えると良いでしょう。
育児では、おむつ代やミルク代、離乳食代などなにかとお金がかかります。
なので、育休復帰したあとの夫婦の食事代には注意してください。
たとえば「今日は仕事で疲れたからお惣菜を買おう」「休みが合うときくらいは家族で外食したい」と思うときがたくさんあるからです。
実際に我が家でも、育休中よりも復帰してからのほうが食事代がかかりました。
それに、看護師の夜勤手当は前月頑張った分が今月振り込まれますよね。4月の夜勤手当が5月の給料で振り込まれるイメージ。
育休から復帰した月に夜勤をしているにもかかわらず夜勤手当は入らないんです。当然っちゃ当然なのですが、初月は「手取り少ないな…」と感じてダメージを受けました。
育休を取ると決めたら一度お金のシミュレーションをしてみて、どのくらいお金がかかるのか考えてみてくださいね。育休に入る前に貯金もしておきましょう。
僕は育休を取得して良かったと思っています。もう一度取る機会があったら、迷わず申請します。
ちなみに育休中はこんな感じの1日を過ごしていました。

僕が抱っこしてもどうしても泣き止まないときと授乳のときは妻にお願いして、それ以外のおむつ替えやお風呂、家事などは積極的に僕がしました。
上の子が幼稚園に行っている間は、下の子と妻か僕が公園に出かけて、どちらかが家で1人でゆっくりできる時間を作るようにしていましたよ。
育休を取ってよかったとはいえ、1ヶ月は短かったです。気持ちとしては、最低でも半年間は取れればよかったなあと。
育児の濃い時間ってあっという間に過ぎるし、何より子どもの大切な一瞬を見逃したくないので。
ただ、育休は周りのスタッフの協力があるからこそ取得できることを忘れないでくださいね。あとは…師長さんとの関係構築もやっておくべきかもしれません…(笑)!
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