
「専門看護師になるにはどうすればいいの?」と悩んでいる看護師は多いのではないでしょうか。
ここでは専門看護師の受験条件や認定審査の流れなどについて詳しく紹介します。
この記事を最後まで読み終えてもらえたら、専門看護師になるにはどうすればいいのか分かり、キャリアパスに役立てることができるでしょう。
専門看護師に興味のある方はぜひ参考にしてください。
専門看護師とは、複雑で解決が難しい問題をもつ患者様やそのご家族に対して、水準の高い看護ケアを効率よく提供するための知識・技術を深めた看護師です。
ここでは専門看護師の役割や専門看護分野一覧などについて紹介します。
認定看護師との違いも併せてお伝えするので確認してみましょう。
専門看護師は知識・スキルの高さを活かし、一般看護師とは異なった役割を担います。
日本看護協会によると、専門看護師の役割は下記の6つです。
| 目的 | 詳細 |
| 実践 | 個人、家族及び集団に対して卓越した看護を実践 |
| 相談 | 看護者を含むケア提供者に対しコンサルテーション |
| 調整 | 必要なケアが円滑に行われるために、保健医療福祉に携わる人々の間のコーディネーション |
| 倫理調整 | 個人、家族及び集団の権利を守るために、倫理的な問題や葛藤の解決 |
| 教育 | 看護者に対しケアを向上させるため教育的役割 |
| 研究 | 専門知識及び技術の向上並びに開発を図るために実践の場における研究活動 |
看護の現場における患者様やご家族への看護・ケアにとどまらず、人材育成や研究活動など、一般看護師とは異なった役割が求められます。
専門看護師の分野は下記の14種類に分かれており、それぞれの看護分野では対象者や看護・ケアの内容が異なります。
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専門看護分野 |
分野の特徴 |
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がん看護 |
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精神看護 |
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地域看護 |
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老人看護 |
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小児看護 |
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母性看護 |
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慢性疾患看護 |
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急性・重症患者看護 |
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感染症看護 |
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ご家族支援 |
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在宅看護 |
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遺伝看護 |
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災害看護 |
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放射線看護 |
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専門看護師は看護分野ごとの知識やスキルを活かし、患者様やご家族、スタッフを支援します。
認定看護師は19の認定看護分野に分かれており、専門看護師のように大学院修士課程の修了が求められません。
看護師免許取得後、通算5年以上の実務経験のほか、下記の基準を満たす必要があります。
また、教育機関にておよそ800時間のカリキュラムを修了することで資格を取得できます。
専門看護師に比べて取得ハードルが低いのが特徴的です。
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認定看護師の種類を新旧の制度別に一覧でご紹介!取得条件についても解説
「専門看護師になるには条件があるの?」「どのような試験を受けるの?」など気になっている方は多いです。
そこで、専門看護師になるにはどうすればいいのか、下記の内容について分かりやすく解説します。
専門看護師を目指したい方はチェックしてみましょう。
専門看護師になるには、看護師免許の取得以外に下記の条件を満たす必要があります。
看護師の実務経験が5年以上であっても、取得したい専門看護分野の看護実績を積んでいなければ、専門看護師の受験条件を満たすことができません。
今の職場・部署で専門看護分野の看護実績を積むのが難しい場合、部署異動や転職も視野に入るでしょう。
専門看護師の教育機関である大学院に入学するためには、大学院の選抜試験の受験・合格が必須です。
日本看護協会の「2023年度専門看護師教育機関・課程一覧」によると、2023年度の専門看護師教育機関・課程は全国に107院、327課程あるとしています。
目指す専門分野によって、どの大学院に通うか決めると良いでしょう。
教育課程修了後は下記のような流れで認定審査を受け、合格しなければなりません。
認定審査は書類審査と論述式の筆記試験の2種類に分けられます。
筆記試験の出題方式は事例問題と総合問題で、配点はそれぞれ100点ずつの200点満点です。
160点以上でA判定、140~159点でB判定で合格ですが、140点未満はC判定で不合格となるので注意してください。
専門看護師の合格発表は例年12月上旬となるため、「資格認定制度 審査・申請システム」にログインして合否を確認します。
合格が確認できたら指定された期日までに認定料を振り込みましょう。
振込完了後に送られてくるメールから、氏名・施設名を日本看護協会ホームページ上で公開するか設定することが可能です。
また、12月下旬ごろに「認定証」「認定証カード」「専門看護師徽章(きしょう)」が郵送されるので、紛失しないように自宅で保管しておきます。
専門看護師は各専門看護領域におけるスペシャリストであり、取得するとさまざまなメリットが期待できます。
専門看護師を取得するメリットは下記のとおりです。
それぞれのメリットについて詳しくお伝えするので確認してみましょう。
「看護師としての知識やスキルに自信を持てない」と悩んでいる看護師が少なくありません。
一方、専門看護師は2年間にわたって、看護系大学で高水準な看護の実践について学習を深めます。
専門的な知識が身に付くことで、スキルに自信を持って働くことができるでしょう。
日本看護協会によると、2023年12月時点における専門看護師の所属施設は下記のとおりです。
| 専門看護師の所属施設 | 専門看護師が所属する施設の件数 |
| 病院 | 885件 |
| 訪問看護ステーション | 157件 |
| クリニック・診療所 | 48件 |
| 学校・大学 | 24件 |
| 認定看護師教育機関 | 203件 |
| 会社 | 3件 |
| 看護協会 | 5件 |
病院を中心に、訪問看護ステーションやクリニック・診療所などで専門看護師が活躍していることが分かります。
「病院以外にも活躍の場を広げたい」と考えている看護師におすすめの資格と言えるでしょう。
専門看護師は、日本看護協会と日本看護系大学協議会と連携し、ハイレベルな看護師を認定する資格です。
自身の専門的なスキルを証明できるため、より有利な条件で転職するのに役立ちます。
現在勤めている職場で好待遇が期待できない場合、専門看護師の取得を機に転職を検討するのも選択肢の一つです。
専門看護師を取得するとメリットが多い一方で、いくつか注意したいデメリットもあります。
専門看護師を取得するデメリットは下記のとおりです。
先述したメリットと比較して、専門看護師が自分に合ったキャリアパスなのか確認してみましょう。
専門看護師を目指すには看護系の大学院に入って2年間学ばなければなりません。
そのため、専門学校卒の看護師の場合は下記の2種類の方法を選択する必要があります。
近くに専門卒の看護師を受け入れている大学院がない場合、専門看護師の取得までに3年以上かかることになるので、ハードルの高い資格と言えます。
専門看護師を目指す大学院は、働きながら通うことも可能です。
中には夜間・土日に講義を受けられたり、長期履修制度・集中講義といったカリキュラムを組んでいたりする大学院もあるでしょう。
しかし、日本看護協会の「2019年度 専門看護師活動実態調査結果 (P4)」によると、就学中の就労状況について下記のように報告されています。
| 就労状況 | 割合(%) |
| 常勤職員として所属していた施設で就労 | 24.9% |
| 所属していた施設を退職(アルバイトなどを行っていた) | 23.6% |
| 施設に所属はしていたが休職 | 21.7% |
| 所属していた施設を退職(就学中は仕事をしていなかった) | 18.5% |
| 非常勤職員として所属していた施設で就労 | 4.1% |
| 入学前(直近1年以内)に所属施設はなかった | 1.4% |
所属していた施設で就労していた看護師はおよそ30%にとどまる一方、退職もしくは休職を選択した看護師は過半数を超えます。
また、日本看護協会の「2019年度 専門看護師活動実態調査結果 (P5)」によると退職理由は下記のとおりです。
| 退職理由 | 割合(%) |
| 就業しながら学業を行う時間がない | 51.0% |
| 休職制度がなかった | 44.2% |
| 教育機関が職場から遠かった | 29.2% |
| 入学の要件で就業が禁止されていた | 11.0% |
| 所属施設が進学を許可しなかった | 9.9% |
| 所属施設が進学を許可しなかった(ライフイベントなど) | 7.6% |
勉強時間を確保するために退職を選んだケースや、職場に休職制度がなかったケースなどが挙げられます。
専門看護師を目指して大学院に通いながら、仕事も続けることの難しさがうかがえるでしょう。
専門看護師は5年ごとに更新の手続きが必要です。
そのほかにも、過去5年間にわたって日本看護協会専門看護師細則に定める看護実績、研究業績及び研修業績などが求められます。
また、更新時は再審査料として30,800円がかかる点も注意してください。
「専門看護師になりたいけれど費用面が気になる」と考えている方は少なくありません。
ここでは、専門看護師になるのにかかる費用はどのくらいなのか解説します。
認定審査料と認定料でおよそ10万円必要です。
また、大学院修士課程に2年間通うにあたって学費がかかります。
学費は国公立ではおよそ135万円、私立でおよそ210万円と異なるため、通いたい大学院の運営元を確認しておきましょう。
希望する専門看護分野の教育機関は、必ずしも自宅近隣にあるとは限りません。
教育機関まで通う交通費や宿泊費がかかるうえ、転居を伴う場合は引っ越し代もかかります。
また、職場を退職した場合、自分で生活費を賄わなければなりません。
教育機関までの距離や勤務状況によって、かかる費用は人によって差があるものの、100万円以上かかると見込んでおくと良いでしょう。
専門看護師の取得にかかる費用が不安な場合、助成・奨学金制度の活用がおすすめです。
木村看護教育振興財団では、看護系大学院修士課程・専門看護師教育課程の最終年次進級予定者に対して、認定審査の合格と専門看護分野にて2年以上の就業を条件に、一人あたり60万円を給付します。
また、貸与型の奨学金には「石橋美和子がん看護CNS奨学金」があり、年額180万円以内を貸与してもらうことが可能です。
ただし、がん看護専門看護師教育課程に在籍する方が対象となります。
そのほかの専門看護分野を目指す場合は対象外なので注意が必要です。
ここでは、専門看護師になるにはよくある質問を紹介します。
認定看護師の役割は「実践」「指導」「相談」の3つにとどまり、専門看護師の方が果たす役割が多いです。
また、専門看護師は大学院修士課程に2年間通わなければなりませんが、認定看護師はおよそ800時間のカリキュラムの修了にとどまります。
そのため、専門性や取得ハードルの高さから、専門看護師は認定看護師の上位資格といえるでしょう。
専門看護師は実務経験や2年にわたる大学院への通学など、取得条件のハードルが高いため、取得希望者数が増えにくいです。
しかし、専門看護師は管理職も兼務するケースが多く、さまざまな病院で専門看護師を必要としています。
現在は専門看護師の供給が追いついていませんが、今後は需要の拡大に伴い、専門看護師も増えていくのではないかと予想されるでしょう。
専門看護師は14の専門看護分野に分かれており、それぞれの分野において高水準な看護・ケアを実践します。
専門的な知識・技術を身に付けることで、スキルに自信を持って働けるだけでなく、活躍の場が広がるのが魅力です。
ただし、専門看護師になるには受験条件を満たすほか、2年間大学院に通う必要があります。
仕事と通学の両立が難しいケースも多いため、休職制度のある職場やフォロー体制の整っている職場への転職も視野に入れると良いでしょう。
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