看護師の自己PRでリーダーシップをアピールするコツは?例文も紹介

2023.1.13

腕組みをして微笑む看護師の女性のイメージ

看護師の転職採用試験の自己PRでは、リーダーシップは1つのアピールポイントです。
しかし、実際どのように伝えれば良いのか、悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、リーダーシップを印象良くアピールするコツや経験年数別の例文、注意点もご紹介しています。
面接対策や履歴書作成に悩んでいる方、リーダーの経験がないからと諦めている方も、ぜひ参考にしてください。

看護師転職でリーダーシップで自己PRするのは効果的?  

リーダーシップと聞くと、看護部長や看護師長といった職位のある方、経験年数の長いベテラン看護師の方が発揮するものと捉えがちです。
しかし近年では組織全体のメンバー一人ひとりが、リーダーシップを発揮することが重要だとされています。
急速な医療技術の進歩、社会の情報化やテクノロジーの波及により、1人のリーダーが組織を統括するのは限度があり、メンバーが自律しリーダシップを発揮することが求められているのです。
これはシェアド・リーダーシップと呼ばれ、雑誌「看護管理(Vol.28 No.12)」で取り上げられるなど、看護業界でも注目されています。
経験数に限らず、リーダーシップを自分の強みとしてアピールするのは効果的と言えるでしょう。

出典
看護管理(Vol.28 No.12)」(2022年12月11日)
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看護師の転職でリーダーシップが評価される理由

転職の採用試験の際、評価される項目は様々でリーダーシップもその中の一つ。
採用担当者は、病院の理念や目標達成のために貢献できる人材を求めています。
リーダーシップはより良い医療や看護の展開に役立つ力であり、採用側が注目する1つの評価項目です。

病院の目標達成のための行動がとれるため

病院や施設には理念が掲げられ、目指すべき姿、病院の根本となる考えや目的が表現されています。
目的を達成するためには複数の目標を立て、スタッフが同じ方向に進んで行くことが重要です。
組織の目的達成を意識できる管理職や役職経験者は、リーダーシップを期待される貴重な人材であり採用側が注目しています。
ただし、リーダーシップは管理職や役職に限った力ではありません。
シェアド・リーダーシップのように個人としてリーダーシップを発揮することも、近年重要視されているのです。
個人でも組織の目的を理解し行動すると、質の高い医療や看護の提供に貢献でき、リーダーシップがあると評価されるでしょう。

業務知識・問題解決能力があるため

業務知識・問題解決能力があることも、リーダーシップがあると評価される要素の1つ。
患者さんが適切な医療や看護を受けられるようにするためには、看護に関連する知識やスキルの知識を基盤にし、的確な分析・判断をする必要があります。
とはいっても、全ての業務知識を頭に入れておかねばならないというわけではなく、不足する知識やスキルを高めようと行動する姿勢もリーダーの資質として重要です。
所属する部署の現状を分析し、目標達成のための解決策を検討できるリーダーシップの能力は、自己PRで評価されるポイントの1つと言えます。

チームを取りまとめができるため

組織やチームを取りまとめることもリーダーシップの大切な要素。
師長などの管理職は、担当部署の目標を達成するために、スタッフを統率し指導していく役割を果たしています。
またスタッフによる委員会活動も、病院の組織運営のために重要でリーダーシップが必要な場面。
日々の業務のリーダー看護師は、スタッフに指示出しや業務調整することで、勤務帯の業務をスムーズに遂行します。
管理職やリーダー看護師などの役職経験があることで、チームのとりまとめの能力として評価されるでしょう。

全体を見渡す力があるため

リーダーシップは、管理職やリーダー看護師などの役割をとれるような人に備わった能力というイメージを持ちがちです。
しかし役職が無くてもリーダーシップを発揮できます。
先頭に立って引っ張っていくことだけがリーダーシップなのではなく、その状況をみながら周囲と協力したり、サポート役に徹したりと力の発揮の仕方は様々です。
役職や経験年数に関係なく、全体を見渡しながら組織の目標達成のために、自分なりのリーダーシップを意識して、毎日の業務に励み内省する習慣があるかがリーダーシップの評価として重要です。

リーダーシップを印象良くアピールする4つのコツ

リーダーシップは自己PRで好印象を与える項目の1つ。
さらにアピールの仕方を工夫することによって、より良い印象にできるでしょう。
ここでは、面接や履歴書で好印象を与える伝え方のコツをご紹介します。

アピールポイントを最初に伝える

面接や履歴書でリーダーシップに関する自己PRをするときは、一番最初に強みを伝えることを意識しましょう。
アピールポイントを最初に伝えることで、採用者の目につきやすく印象に残ることが期待できるのです。
また文章の最初に結論があることで、誰が見てもアピールポイントを理解しやすい文章に仕上がります。

強みの根拠になるエピソード・経験を含める

「私の強みはリーダーシップです」といった一文のように、自分のリーダーシップを伝えるだけでは、説得力に欠けてしまいます。
自分の強みを強調するためには、根拠になるエピソードや経験を含めると良いでしょう。
単にエピソードや経験を述べるだけでなく、その時の目標・目的を達成するための課程や行動、最終的な結果を整理した文章を意識すると、相手に伝わりやすくなります。
物事を整理して伝えられるという意味でも好印象になると期待できます。

転職先で貢献できる力をリーダーシップをアピールする

自己PRを意識していると、自分の強みばかりを一方的に伝えがちです。
病院や施設の採用担当者は、自院に貢献してくれる人材を求めています。
このため転職したいと思う病院・施設の理念や診療の特徴、看護部目標などを事前に確認し、自分のリーダーシップに関する強みが、転職先に貢献できることを整理してアピールするのがおすすめです。

キャッチフレーズを使って印象付ける

一番最初に結論を述べることでアピールポイントをより強調できます。
さらに印象を強くするために、キャッチフレーズを使うのも1つの方法。
「私の強みは、周囲の協力を得ながら問題解決を図るリーダーシップです。」のようなフレーズにすると、リーダーシップのどのような力をアピールしているか、採用担当者がイメージしやすくなるのです。
その後の自己PRの内容をスムーズに理解してもらえることが期待できるでしょう。

文字数は350〜400字程度でまとめる

自己PRがあまりにも長いと、採用者側が内容を整理しにくくなります。
面接の場合は1分〜1 分半程度に簡潔にまとめるのが目安。聞いている側もストレスなく耳を傾け続けられると言われています。
文字数にすると350字程度〜400字程度にするとよいでしょう。
採用面接については病院・施設によって、自己PRに時間指定を設けている場合も。
そんなときのために、30秒用、60秒用の文章を用意しておくのがおすすめです。

【例文紹介】面接や履歴書作成の参考に!経験年数別のポイントも

リーダーシップを自己PRする時は、役職や肩書きにこだわらず、自分が組織の目標達成に貢献できる力を伝えることが大切です。
ここでは、経験年数別のポイントを解説しながら、リーダーシップをアピールできる例文をご紹介します。

2~3年目の一人前看護師の例

2〜3年目の看護師の方は日本看護協会のクリニカルラダーでは、概ねレベルⅡ〜Ⅲに該当し、新人から一人前として捉えられます。
リーダーシップについてを学び、実践し始めている段階。
リーダーの肩書・経験が乏しい看護師の方もいるので、全体を見渡せる力を強調するのがポイントです。
「私の強みは、チームの状況を見渡しながら目的達成のための行動をとれることです。
私は、各メンバーが状況を捉えながら、自分なりのリーダーシップをとることが大切だと考えています。病棟の患者カンファレンスでは、自分の担当患者さんではない場合も、事前に情報収集をしたり、患者さんの様子を伺って話し合いに臨みます。その結果、部署全体で取り組めるケアを提案し、看護計画に活かされた事もありました。私自身は部署内でリーダーの肩書きを持っていませんが、メンバーとして部署全体を捉える視点を持ち、周囲との連携を促進する力は部署の目標達成に役立てられると考えます。」

4~5年目の中堅看護師の例

4〜5年目は、クリニカルラダーではレベルⅣに該当します。
中堅看護師として、後輩看護師への教育的な関わりや、予測的な状況判断、臨機応変な対応ができるレベルです。
リーダーの肩書きを担う機会が増えるため、組織に貢献する力をアピールしましょう。
「私は教育的に関わることを意識したリーダーシップをとることができます。若手スタッフが年間の目標を達成するためには、教育係だけでなく、先輩となるスタッフ全員が意識的に取り組むのが目指す姿です。そのために若手スタッフの目標や現状、課題を把握し、本人たちの声を聞きながら業務を進めています。ある若手スタッフからは、「自分の課題を共有してくれるので、その日達成したい事を計画的に進められた」との声をもらったことがありました。もうすぐリーダーの役割を担う後輩には、自分の背中を見せることを意識し、実際に自分のリーダー業務中の思考や行動を伝えます。今後も組織全体のレベルアップを意識し、より効果のある教育的な関わり方を探究、実践し貴院に貢献いたします。」

6年目以上のベテラン看護師の例

6年目以上となると、中堅からベテラン看護師と捉えられ、ラダーⅣからⅤのレベルに該当します。
10年前後では役職を担う人も増えるので、チームの管理力や問題解決力を強調するのがポイントです。
「私は部署の医療安全や感染制御の係で、リーダーを担ってきました。医療安全係においては、患者さんへの傷害の可能性があるレベルのインシデントの総数を減らすという部署目標達成を遂げた経験があります。重きを置いたのは、スタッフの意識改革です。インシデントの振り返りは犯人探しのようになる傾向がありました。このため問題の共有・原因分析の重要性を理解できるよう、学習会を開いたりカンファレンスの運営方法も改革。スタッフは、患者さんの安全のために一人ひとりがどう行動すべきかを重視するようになり、インシデントの減少につながったと評価されました。今後もチーム管理力を活かし、部署の問題解決から組織全体の目標達成に繋がるような働きをしていきます。」

リーダーシップを自己PRする時の注意点

リーダーシップは病院への貢献が期待できるため、採用時に評価されるポイントの1つ。
ただし、主張の仕方によっては採用担当者への印象がマイナスになることも。
ここでは、リーダーシップを自己PRする際の注意点をご紹介します。

リーダーの肩書きが無くても良い 

リーダーシップを自己PRするには、何かしらの「リーダー」の肩書きがなければならないと思いがち。
しかし、リーダーシップには必ずしも肩書は必要ではありません。
近年注目されているシェアドリーダーシップでは、リーダーの肩書きがなきメンバーも、他のメンバーやリーダーに影響力を持ち、リーダーシップを発揮できるとしています。
実際に、石川らの「研究開発チームにおけるシェアド・リーダーシップ:チーム・リーダーのリーダーシップ,シェアド・リーダーシップ,チーム業績の関係(p78)」では、シェアドリーダーシップは、組織に正の影響を与えていることが明らかにされているのです。
リーダーの経験がない場合も、自分が組織の目標達成のために、周囲に影響を与えながら行動している事柄をアピールしましょう。

長所の羅列にならないように注意

自己PRは、伝わりやすくするために、内容を絞って簡潔にまとめるのがポイントです。
複数の長所やエピソードを同時に組み込むと、ただの羅列になって内容が散漫になりがち。
魅力が半減して伝わってしまう心配があります。
リーダーシップのアピールポイントが複数あったとしても、応募先の理念や目的に沿った内容に厳選すると良いでしょう。

自己中心的な印象を与えない

リーダーシップはチームの先頭に立って、チームを引っ張るというイメージがあります。
しかし、引っ張る力を発揮している時に、自己中心的な思考や行動になると、組織にとって望ましいリーダーシップを発揮していると言えません。
牽引力をアピールするあまり、自己中心的な印象を与える内容にならないように注意しましょう。

リーダーシップの強みを整理する3つの方法

採用試験で採用担当者により自分のリーダーシップをアピールするためには、まず強みを整理することが大切。
様々な視点で分析し、魅力的なアピールになるよう工夫しましょう。
ここでは3つの方法をご紹介します。

自己分析で過去の経験を深堀りする

まずは自己分析して強みを整理する方法です。
過去の経験を思い起こし、なぜ問題解決が上手く出来たのか、チームがまとまったのか、その時の自分の思考や行動を分析します。
深堀りすることで、自分が発揮したリーダーシップの力をより細かく分析でき、具体的なエピソードとしてアピールできるでしょう。

家族や友人、同僚、患者さんからの評価を振り返って自己分析する

家族や同僚などの周囲の人々や、患者さんからの評価は、他者からの客観的な情報です。
自分では自分の事を理解しているつもりでも、意外に気付いていないことがあります。
当たり前と思っていることが、他者から見ると長所・強みとして捉えられていることも。
このため、家族や友人には採用試験に向けて、意図的に情報収集するのも有効です。
また患者さんやご家族、同僚からの評価は、仕事上での強みをみつける参考になるでしょう。

転職エージェントの面接対策や履歴書添削を利用する

面接や履歴書作成を1人で行っていると、どうしても行き詰ってしまう事もあるでしょう。
そんなときは転職エージェントを利用するのがおすすめです。
看護師専門の転職エージェントは、病院・施設の理念や求める人材についても情報が豊富。
面接対策や履歴書添削も専門のアドバイザーがサポートしてくれるところもあります。

まとめ

レバウェル看護では、看護師専門の転職サポートのサービスを提供しています。
面接や履歴書作成でお悩みの方には、アドバイスや添削のご支援も。
さらに、転職先となる病院・施設などが求める人材や、面接の傾向についても情報が豊富なので、より具体的、実践的な転職サポートが特徴です。
求人数も豊富なので、希望条件を丁寧にお聞きしながら、より環境の良い職場探しをお手伝いいたします。
求人探しや転職準備にお困りの際は、ぜひ一度ご相談ください。

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