
看護師のなかには退職届の作成にお困りの方もいるでしょう。退職届は、退職の正式な決定を示す書類で、退職願が受理されたあとに出すものです。この記事では、退職届の基本的な書き方や提出時のマナーを解説。退職届を出したあとの過ごし方や、受理してもらえない際の対処法にも触れていますので、ぜひご一読いただき、円満退職を目指しましょう。
看護師の退職届は、退職の決定を示す重要な書類です。ここでは、退職願との違いや退職理由の例文、辞表との違いを解説します。スムーズな退職に向けて、概要を押さえておきましょう。
「退職願」とは退職の意思を申し出る書類であり、「退職届」は退職願が受理されて退職が決定した後に提出する書類です。いずれも退職の手続きで職場に提出する書類で、提出しない場合でも退職自体は可能です。しかし、「退職するとは聞いていない」といったトラブル防止や退職決定の事実を記録として残す意味でも提出しておくと安心でしょう。以下にそれぞれの違いをまとめました。
| 退職願 | 退職届 | |
| 提出タイミング | 退職を申し出るとき | 退職願が受理されたあと |
| 提出有無 | 職場によっては不要 | 一般的に必要な場合が多い |
| 撤回の可能度 | 院長や病院長が受理するまで撤回が可能 | 基本的に撤回は難しい |
退職願は、口頭でも可能なこともありますが、トラブルを避けるために提出した方が良い場合もあります。退職願の提出が必要かどうか、職場に確認しておきましょう。一方、退職届の提出は就業規則で規定されていることも多く、1度提出すると撤回は難しいと考えておきましょう。
▼関連記事
看護師が仕事を辞める理由とは?伝え方のコツやおすすめの対処法も紹介
退職届や退職願の書き方に迷う方は、まずは以下の例文を参考にしてみてください。
| 記載箇所 | 記載例 |
| タイトル(1行目) | 「退職届」または「退職願」 |
| 2行目の末尾 | 私事 |
| 本文 | ・このたび、一身上の都合により、来る令和◯年△月▽日をもって、退職いたします。 ・このたび、一身上の都合により、勝手ながら2023年△月▽日をもって退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。 |
| 提出年月日 | 令和◯年△月▽日 |
| 所属・氏名 | 看護部 〇〇科 氏名 |
| 宛名 | 医療法人〇〇会 △△病院 院長▽▽ ▽▽殿 |
多くの看護師が迷うのが退職理由の書き方でしょう。本当の退職理由を書いても間違いではありませんが、波風を立てずに退職できるよう、「一身上の都合」とまとめた方が無難かもしれません。
辞表とは、経営者や役員といった雇用主と労働契約を結んでいない人が、辞職の意思を伝えるための書類です。どちらも退職する際に必要ですが、雇用主との関係で提出する書類が異なります。公務員は、行政と労働契約を結んでいる訳ではなく、行政から仕事を任命されている状態のため、提出する書類は辞表です。公務員が提出する辞表は退職届に相当します。
看護師の退職届の書き方に基本的にルールはありません。しかし、一般的な書き方に合わせた方が、スムーズに受理してもらえる可能性があります。以下で、退職届の基本的な書き方のポイントを解説します。
基本的に、退職届は縦書きで作成を行います。横書きを指定されたり、職場独自のフォーマットがあったりする場合は、指示に従いましょう。特に指定がない場合は、横書きではなく、縦書きで記載した方が賢明です。
便せんに記載する宛名は、院長宛に書きましょう。「医療法人〇〇会 △△病院 院長▽▽ ▽▽殿」と正式名称で記入が必要です。提出相手が院長でない場合も、宛名は院長宛にするのが望ましいといえます。
手渡しする場合、封筒に宛名の表記は必要ありません。表面に「退職届」または「退職願」と書き、裏面に所属と氏名を記載します。郵送の場合に限り、便せんと同様に宛名を記載しておきましょう。
自己都合退職の退職理由の場合、「一身上の都合」と記載した方が良いでしょう。体調不良や引っ越しなど、やむを得ない理由の場合も同様です。
退職日は、職場に在籍している期間までを指し、出社する最後の日の「最終出勤日」と少し異なります。最終出勤日以降に有給の取得を考えている看護師は、有給を消化する最後の日を退職日と考えましょう。引継ぎや有給消化の取得も加味して、退職時期を交渉しておくことが必要です。
所属は、「看護部 〇〇科」「看護部 〇〇病棟」など、自分の配属先を書きましょう。自分の所属が分からない場合は、人事部や看護師長に確認してみると良いかもしれません。クリニックなど、自分の所属がない場合は、氏名の記載のみで問題ありません。
看護師が退職届を提出する際、注意しておきたい点がいくつかあります。厳守ではありませんが、退職届をスムーズに受理してもらうために、押さえておきたいマナーです。以下の注意点を守り、円満退職を目指しましょう。
退職届は、可能な限り手書きで作成しましょう。手書きで記載した方が、受け手側に誠意が伝わります。退職届のテンプレートをWebサイトからダウンロードし、パソコンで作成する場合もありますが、自分の氏名だけは手書きで記入した方が良いでしょう。
退職届の提出は、原則手渡しです。体調不良や休職中などで出社できず、手渡しできない場合は郵送が可能なケースもあります。郵送で可能かどうか、事前に確認しておきましょう。
退職届は、就業規則で決められた期限までに提出しましょう。退職には、事務的な手続きや人員配置の変更など、多くの労力が伴います。対応してくれる人が、滞りなく手続きできるよう、期限を厳守することが大切です。また、書類に不備が発生し、差し戻しされる可能性を考え、期限よりも早めに提出しておいた方が良いかもしれません。
ここでは、退職の意思が決まってから退職届を提出するまでの流れを説明します。滞りなく退職できるよう事前に流れを確認しておき、早めに行動を開始することが大切です。
退職すると決めたら、まずは職場の就業規則を確認しましょう。民法によると、退職の申し出は2週間前にすれば問題ないとされています。しかし、就業規則で「退職は1ヶ月前までに申し出ること」と、規定されている場合が多いようです。1ヶ月前と就業規則で規定されている場合は、引継ぎや有給消化を考え、退職希望日の2〜3ヶ月前に退職を申し出ておくと安心かもしれません。
就業規則を確認したら、直属の上司に退職を申し出ます。病院の看護師の場合は、看護師長に伝えると良いでしょう。クリニックの看護師で直属の上司がいない場合は、事務長や院長に直接申し出をする場合もあるようです。申し出の際に、退職願の提出の有無について確認しておきましょう。退職を引き止められるなど、トラブルに発展しそうなときは、提出した方が賢明だといえます。
退職願の申し出と並行して、退職届の準備を始めましょう。退職届の作成には、「封筒」「用紙」「黒いペン」が必要です。封筒は、郵便番号枠が書いていない白地タイプのもので、用紙を3つ折りにして封入できるサイズを選びます。用紙はA4かB5の白い便せんが望ましいです。ペンは黒色のボールペンで、消えやすいタイプの筆記具を使うのは避けましょう。
退職届は、病院とクリニックの場合で提出先が異なる場合があります。それぞれの提出先としては、以下が挙げられます。
| 病院 | クリニック | |
| 提出先 | 直属の上司(看護師長など) | 院長や事務長など |
病院に勤めている看護師の場合は、直属の上司である看護師長に提出しましょう。退職届の宛名は院長ですが、提出自体は直属の上司にすることが多いようです。クリニックに勤務する看護師で直属の上司がいない場合は、直接院長に出す場合もあるでしょう。事務長が人事業務を担っているクリニックもあるため、提出先については事前に確認しておいた方が良いかもしれません。
▼関連記事
看護師の退職の流れは?円満退職するための伝え方や例文、注意点を解説
ここでは、退職届を出した看護師向けに、転職までのおすすめの過ごし方を紹介します。
円満退職をしてスムーズに新しい職場で活躍したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
退職届を提出後は、退職後の手続きに必要なものをリストアップしておくのがおすすめ。たとえば、退職後は以下の書類を受け取っておく必要があります。
特に離職票は、失業保険の受給手続きに必要なので忘れずにもらっておきましょう。なお、源泉徴収票は、確定申告や年末調整の書類作成に必要なもので郵送で交付される場合もあります。
退職届を提出したあとは、有給日数も考慮して引継ぎの準備を進めることをおすすめします。引継ぎは、通常業務をこなしながら合間で行う場合もあり、自分も後任者も一時的に負担が大きいもの。「業務が忙しく引継ぎが十分にできなかった…」とならないよう、引継ぎ期間や有給日数を加味し、退職の手続きは早めに行うのがポイントです。
退職を控える看護師は、退職日までも責任感を持って業務を行いましょう。退職に向けて自分の業務負担が徐々に減ってくる場合があります。しかし、「自分の仕事ではないから」という雰囲気が周囲に伝わると、印象が悪くなってしまう恐れも。円満退職を目指し、最終出勤日まで今の職場に勤める看護師として、周りのサポートや自分ができることを率先してする姿勢が重要です。
最終出勤日が近づいたら、職員証や制服など、職場への返却物を確認しておくと良いでしょう。返却漏れが発生すると、後日職場に行ったり、郵送したりする手間がかかります。転職活動や新しい職場で働く準備に集中できるよう、入念に確認しておきましょう。
退職を引き止められ、退職手続きが思うように進まず悩んでいる看護師もいるかもしれません。ここでは、退職届を受理してもらえないときの対処法を解説します。状況を打開するために、以下のような方法を試してみましょう。
看護師長など直属の上司が退職を受け入れてくれないときは、看護師長より上の看護部長や人事部に相談してみると良いかもしれません。看護部長や人事部が了承している場合は、直属の上司も納得せざるを得ません。少し勇気がいる方法かもしれませんが、現状を改善するために試した方が良い対処法だといえるでしょう。
退職届を受理してもらえない場合は、内容証明郵便での郵送が有効な場合もあります。内容証明郵便は、誰から誰宛に送ったという記録が残るため、受け取っていないなどのトラブルが発生する可能性も低くなるでしょう。所属部署ではなく人事部宛に送ることで、手続きが進む場合もあるようです。
上記の対処法を試しても、退職が進まない場合は、労働基準監督署への相談も考えてみましょう。従業員を退職をさせない行為は、法律違反となります。違法行為が確認された場合は、労働基準監督署が是正指導を行うこともあるようです。「労働基準監督署に相談する」と伝えるだけでも病院側としては避けたい事態のため、退職を聞き入れてもらえるようになるかもしれません。然るべき機関に相談し、状況の改善を図るのも選択肢に入れてみましょう。
▼関連記事
看護師が退職させてもらえないときの円満な対処方法と、引き止めの断り方
退職手続きが思うように進まないときは、転職エージェントに相談してみるのも選択肢の1つです。転職エージェントは、キャリアアドバイザーと呼ばれる転職活動をサポートする担当者が在籍しています。転職エージェントは求人紹介だけではなく、退職についての相談やアドバイスもサービスの一環です。自分の状況や悩みに合わせて退職方法をアドバイスしてもらえるでしょう。
ここでは、看護師の退職届でよくある質問について、Q&A形式で回答します。
退職届は、就業規則で決められた期限までに提出しましょう。書類に不備があった場合、差し戻しされる可能性も。トラブルが起きても期日に余裕をもてるよう、早めの提出を心がけましょう。詳細は、本記事の「退職届を出すときのマナー」で解説していますので、ご覧ください。
民法によると、雇用期間の定めがない場合、2週間前に申告していれば辞められます。就業規則で1ヶ月前と定められている際でも、やむを得ない場合は2週間前でも退職可能です。退職届の提出の必要性や期日などを、まずは上司や人事部に相談してみてください。
退職届は退職願が受理されたあとに提出するもので、退職の正式な決定を意味する書類です。看護師の退職届は、基本的な書き方に合わせて作成し、就業規則の規定に従って提出するよう心がけましょう。
退職届を提出する際は、一般的なマナーを守り、円満退職に向けて早めの提出を意識することが大切です。退職届の提出後は、有給日数も考慮しながら退職手続きを進めたり、返却物を確認したりすることで残りの勤務日も有意義に過ごせるでしょう。
とはいえ、「1人で退職準備と転職活動をこなすのが難しい」「退職のトラブルがあった際に対処できるか不安」といった悩みを抱えている方もいるかもしれません。退職の問題でお困りの方は、看護師に特化した転職支援サービスの「レバウェル看護」にご相談ください。一人ひとりの状況に合わせて、キャリアアドバイザーが丁寧にアドバイスいたします。
納得のいく形で現在の職場を退職できると、気持ちよく転職活動を進められるでしょう。この機会に「レバウェル看護」のキャリアアドバイザーと、退職手続きや転職活動を一歩先に進めてみませんか?やり取りや相談はすべて無料ですので、ぜひお気軽にご利用ください。
記事の制作について
「レバウェル看護 看護師さん向けお役立ち情報」では、
記事の制作・公開にあたってのポリシーを定めています。
詳細は下記よりご確認いただけます。
キャリア
働く場所
選考対策
資格
その他
読みもの
連載