
看護師の中には退職を考えている方もいるのではないでしょうか。円満に退職するには、相手が納得する理由を伝え、受け入れてもらいやすい時期を考慮しながら退職の申し出を行うことが大切です。本記事では、看護師が退職するときの流れや退職理由別の伝え方と例文などを解説します。看護師の退職後のキャリア形成を成功させるコツも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
看護師の退職や離職は決して珍しいものではありません。実際に転職を経験する看護師も多く、病院から別の医療機関へ移る方や、一度現場を離れる方もいます。また、各都道府県のナースセンターでは、再就職に向けた支援も行われています。まずは、看護師の退職に関する現状をみていきましょう。
日本看護協会の「2025 年 病院看護実態調査結果(P6)」によると、2024年度の離職率は、正規雇用看護職員で11.0%、新卒採用者で8.4%、既卒採用者で16.1%でした。特に、病院では夜勤や人手不足による負担が大きいケースもあり、働き方を見直すために退職を決断する方も少なくありません。
日本看護協会の「2025 年 看護職員実態調査 報告書(P25)」によると「転職経験あり」の割合は50.9%と高いことが分かります。病院やクリニック、介護施設など、看護師が活躍できる職場が幅広いのも理由の一つでしょう。
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レバウェル看護が2019年に看護師の退職・転職理由を調査したところ、最も多いのは給与の低さであることが分かりました。そのほかの理由については以下の画像をご覧ください。

引用:【看護師の転職に関する調査】 離職には「職場環境」、就職には「雇用条件」が影響
以上の結果をみると、給与や人間関係は看護師が働くうえで重要なポイントといえるでしょう。また、業務量の多さや休みの取りにくさ、結婚・子育てといったライフイベントも、退職・転職の理由としてランキングの上位に挙がっています。
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看護師がトラブルのない退職を目指すためには、適切な手順に沿って進めることが重要です。ここでは、具体的にどのような退職手順があるのか、詳しく説明します。
退職を考えたら、まずは職場の就業規則を確認しましょう。退職に関する届出の期限や提出方法は、勤務先によって異なります。就業規則を確認せずに進めると、退職日の調整が難しくなる可能性もあります。上司へ相談する前に必要なルールを把握しておくことで、退職手続きをスムーズに進められるでしょう。
退職の意思は、看護師長や看護部長など、直属の上司へ最初に伝えるのが基本です。たとえば、就業規則に「退職の申し出は退職希望日の1ヶ月前」と書かれていたら、余裕をもって2~3ヶ月前に退職の意思を伝えるのが望ましいでしょう。早めに上司に伝えることで、引き継ぎや後任者の調整も進めやすくなります。
退職日が決まったら、勤務先の規定に従って退職届を提出します。退職届は正式な届出書類となるため、提出時期や書式を事前に確認しておくことが大切です。また、病院や介護施設などを退職して看護職を離れる場合は、各都道府県のナースセンターへ届け出る「とどけるん」制度も知っておきましょう。
看護師や准看護師などの離職時における届出制度として努力義務化されており、人材確保だけでなく、再就業に向けた情報提供や支援を受けられる場合があります。将来的に看護師へ復帰する可能性のある方は、活用を検討するのもおすすめです。
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退職までの期間は、後任者への引き継ぎを計画的に進める必要があります。患者さんの情報や担当業務の内容を確認し、必要な事項を共有しておくことが重要です。病院ではチームで看護を行うため、引き継ぎの質が患者さんへの支援にも影響する可能性があるでしょう。
最終出勤日には上司や同僚へ感謝の気持ちを伝えます。短期間でも挨拶の機会を設けることで、良好な関係を維持したまま退職しやすくなるでしょう。退職後に転職先で再会したり、知人から職場を紹介されたりする可能性もあります。
退職時のプレゼントやお礼のメッセージカードについては、よくある質問の「退職のときにメッセージカードやプレゼントは必要?」でも紹介しています。
退職の意思が固まっていても、伝え方や退職の準備によっては職場との関係が悪化してしまう可能性があります。円満退職を目指すためには、職場への配慮を忘れずに行動することが大切です。ここでは、スムーズに退職するためのポイントを紹介します。
退職の意思を伝える際は、時期だけでなく切り出し方にも配慮することが大切です。たとえば、「今後のキャリアについてご相談したいことがあります」などと伝え、上司と落ち着いて話せる時間を確保するのもおすすめです。
また、年度末や人事異動の時期は人員調整が行われるため、病院によっては退職の相談がしやすい場合があります。一方で、繁忙期や産休・育休に入る看護師がいる場合などは避けた方が無難でしょう。
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退職を伝えた際、上司から強い引き止めを受けることがあります。そのような場合は、給与や人間関係への不満だけを理由にするのではなく、キャリア形成や家庭の事情など客観的な理由を伝えることが大切です。職場側では解決が難しい事情であれば、退職の意思を理解してもらいやすくなります。感情的な説明は避け、落ち着いて話すのがポイントです。
退職時に職場への不満を伝えたくなる場合もあるかもしれませんが、円満退職を目指すのであれば控えた方が無難でしょう。不満を強く主張してしまうと、上司や同僚との関係が悪化する可能性が高まります。また、退職後に別の病院へ転職した際に、以前の職場の関係者と再会することがあるかもしれません。
病院独自の奨学金制度を利用している場合は、退職前に返済条件を確認しておく必要があります。病院に奨学金を借りている看護師の場合、お礼奉公の期間内でも退職は可能です。一定期間勤務することで返済が免除される制度もありますが、期間を満たさず退職すると返還を求められるケースもあります。思わぬ負担を避けるためにも、契約内容や奨学金返済に関する規定を事前に確認しておくことが大切です。
退職時には、貸与品の返却や必要書類の受け取りなどが発生します。職場に返すもの・受け取るものの例は以下のとおりです。
| 返すもの | 健康保険被保険者証・ネームバッジ・社員証・制服・機密書類・ロッカーの鍵・備品など |
| 受け取るもの | 雇用保険被保険者証・源泉徴収票・離職票・年金手帳など |
転職や各種手続きで必要となる書類は必ず受け取りましょう。退職間際になって慌てないためにも、事前にリストアップしておくと安心です。
同じ病院を退職した経験がある先輩や同僚がいる場合は、実際の流れを聞いてみるのも一つの方法です。就業規則だけでは分からない職場特有の慣習や、上司へ相談する際の注意点を教えてもらえる場合があります。また、転職活動の進め方や利用した支援サービスについて紹介を受けられる可能性もあるでしょう。
退職理由は事実をそのまま伝えるよりも、相手が受け入れやすい表現に言い換えることが大切です。ここでは、状況別の例文をそれぞれ紹介します。
スキルアップやキャリアアップは、看護師が退職理由として伝えやすい内容である一方で、引き止められる可能性もあります。現在の職場を否定するのではなく、将来の目標を軸に現在の職場では実現が難しいことや具体的な説明をすると理解を得られやすくなるでしょう。
家庭の事情は職場側で解決することが難しいため、比較的受け入れてもらいやすい退職理由です。必要以上に詳細を説明する必要はなく、事実をそのまま伝えるのが望ましいでしょう。
結婚によるライフスタイルの変化を理由に退職する場合は、職場への感謝を伝えながら今後の生活を理由に説明するのがおすすめです。
育児を理由に退職する場合は、これまでの職場から配慮を受けていたことへの感謝を伝えたうえで、家庭の状況から退職を決断したことを説明すると伝わりやすいでしょう。
介護を理由に退職する場合は、家族のサポートが必要であることを簡潔に伝えましょう。詳細を説明しなくても、受け入れてもらいやすい退職理由の一つです。
体調不良を理由に退職する場合は、無理をして働き続けることが難しい現状を率直に伝えましょう。医師の診断書があると円満退職につなげやすいです。また、職場での人間関係や業務への不満と結び付けずに伝えることがポイントです。
職場側は家庭の事情に踏み込めないため、引っ越しが退職理由の場合は強い引き止めを受けにくい傾向があります。事実をそのまま伝え、これまでの感謝も伝えるのがおすすめです。
退職はゴールではなく、新たなキャリアのスタートでもあります。ここでは、退職後の看護師がキャリア形成を成功させるコツを紹介します。
転職先を決めずに退職すると、収入が途切れることへの不安から、焦って職場を選んでしまう可能性が高まります。その結果、自分に合わない職場へ転職し、短期間で再び退職を考えるケースも少なくありません。在職中に求人情報を調べたり職場見学へ参加することで、余裕をもって転職活動を進められるでしょう。
転職を成功させるためには、前職を退職した理由を整理することが重要です。たとえば、給料への不満が原因であれば給与体系を確認し、人間関係に悩んだ場合は職場の雰囲気を調べる必要があります。また、各都道府県のナースセンターの就業支援や職業紹介サービスなどを活用することで、求人票だけでは分からない情報も収集しやすくなるでしょう。
ここでは、看護師の退職に関する質問にQ&A形式で回答していきます。
一般的には、上司への退職医師の表明、退職届の提出、業務の引き継ぎ、貸与物などの返却・書類の受け取りなどが必要になります。また、離職後に看護職から離れる場合は、都道府県ナースセンターへの届け出制度「とどけるん」の利用も検討するのが望ましいでしょう。詳しくは「何ヶ月前に行動する?看護師が退職する際の流れ」もご覧ください。
退職時にメッセージカードやプレゼントを用意する義務はありません。しかし、お世話になった上司や同僚へ感謝やお礼の気持ちを伝えたい場合は、メッセージカードや個包装のお菓子などを用意する方もいます。
特に女性が多い職場では、退職時に簡単なお礼の品を渡すケースがみられます。ただ、病院や部署によって慣習は異なるため、無理に準備する必要はないでしょう。
看護師の退職時には、強い引き止めを受けたり、有給休暇の取得について職場と認識の違いが生じたりする場合があります。また、退職日の調整が難航し、希望する時期に離職できないケースも少なくありません。
さらに、奨学金制度を利用している場合は、条件によっては奨学金の一括返済を求められることがあります。トラブルを避けるためにも、退職を申し出る前に就業規則や奨学金の契約内容を確認しておくことが大切です。
看護師の退職金の有無や支給額は施設によって異なります。一般的には勤続年数が長いほど支給額も増える傾向にあります。ただ、退職金制度そのものがない職場もあるため、就業規則や雇用契約書を確認しておきましょう。
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看護師が退職する際は、就業規則を確認したうえで退職の申し出時期を検討しましょう。また、円満退職のポイントとして、相手が納得する理由を伝え、職場に対する不平不満は口にしないなどが挙げられます。退職届の準備とあわせて、退職日までに引き継ぎや挨拶もしっかり行えば、円満退職につながるでしょう。
とはいえ、「退職までに転職先を探せるか不安」「退職後のキャリア形成に不安がある」という方も多いかもしれません。レバウェル看護では、看護の仕事や業界に詳しいキャリアアドバイザーが看護師一人ひとりに合わせた転職活動のサポートをします。転職先が決まると精神的にも安心でき、退職もスムーズに進む可能性が高くなります。求人情報はLINEやメールで取得できるので、ぜひレバウェル看護をご活用ください。
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