看護師のみなさん、こんにちは。今回は注射というカテゴリーの中から、静脈注射について基礎から詳しくご紹介していこうと思います。静脈注射といってもいくつか種類がありますが、ここではワンショットの静脈注射にスポットを当てていきますね。
『静脈注射は看護師が行っても良いのか?』という行政解釈が議論されてきた歴史があります。
医師法と保健師助産師看護師法との間でその解釈が議論をよび、一時は『看護師の静脈注射行為は違法』とされました。
しかし、平成14年9月に厚生労働省が『看護師等が行う静脈注射は診療の補助行為の範疇として取り扱う』という行政解釈の通知を出したことにより、看護師による静脈注射が違法ではなくなったという経緯があります。
静脈内に直接、薬液を投与するという方法。
注射の中でも効果の出現が一番早いという特徴がある。
通常、静脈注射といえば末梢の静脈に行うが、高カロリー輸液や混注不可能な薬剤を投与する場合には、中心静脈を用いる。
看護師が行うことができる静脈注射は以下の2つです。
※点滴静脈注射とは、おおよそ50mlを超える量の薬剤の投与に用いる。また、緩やかに時間を掛けて薬剤を投与する場合にも点滴が用いられる。
静脈注射(ワンショット)の手順を、物品の準備・患者の準備・注射の施行の3つに分けて解説します。
1.手洗いをし、上記の必要物品を揃える
注射指示書に記載された薬剤(注射薬)チェックします。(氏名・薬剤名・投与量・投与方法・投与時間など)また、薬剤の状態も観察しておきましょう(薬液の変色・混濁・浮遊物等の異物・沈殿など)
なお、注射指示書に記載された薬剤(注射薬)は3回チェックします。(1回目薬剤を準備するとき、2回目シリンジに薬液を吸いあげるとき、3回目薬剤の容器(アンプル・バイアル)を廃棄するとき)
2.無菌操作にてシリンジと18Gの針をセットする
針先の先端断面をシリンジのメモリを上にして合わせてセットします。
3.アンプル・バイアルから薬液を吸い上げる
このタイミングで2回目の薬剤のチェックをします。清潔操作を厳守しましょう。
4.気泡を抜き、指示とおりの投与量になっているか確認する
5.無菌操作にて注射針を21~23Gのものと交換する
針先の先端断面をシリンジのメモリを上にして合わせてセットします。翼状針の場合はチューブ内に薬液を満たします。
6.空いたアンプル・バイアル等の不要になった物品は片付ける
ここで、3回目の薬剤チェックを行います。清潔なトレイに必要物品を揃えます。
1.医師より注射の指示が出たことを患者に告げ、静脈注射の施行の説明を行う
(意識のない患者にも声掛けは必ずします)患者もしくは家族の同意を得る
2.注射部位に応じた体位をとるので、カーテンをしたりバスタオルで覆うなどして、不必要な露出は避ける
3.注射をしやすい体位をとる
1.患者本人であることを確認する
氏名と生年月日を言ってもらったり、カルテや指示書、部屋番号やベッドナンバー等の確認をする場合もある
2.施行部位を選定し、防水シートを敷く
3.手指消毒をし、手袋を装着する
4.駆血帯を締めて血管を怒張させる
患者に母指を中にして手を握ってもらうように説明する
5.刺入する部位をアルコール綿(消毒綿)で消毒して、乾くのを待つ
刺入部位を中心に円を描くように消毒する
6.シリンジを持たない方の母指で皮膚を伸展する
皮膚を伸展することにより血管が動きづらくなる
7.注射針を刺入する
刺入角度は皮膚より15度~20度
8.針先が血管に刺入したら逆血を確認する
9.注意深く駆血帯を外す
10.患者に手を開いてもらうように声掛けし、しびれや痛みの有無を確認する
11.シリンジをしっかり固定しながら、薬液をゆっくりと注入する
ゆっくりと挿入すること(痛みや熱さ等の症状が出る場合がある)
12.薬液を挿入し終わったら、角度を変えずに針を素早く抜きアルコール綿(消毒綿)で押さえる
13.針の刺入部からの出血に注意をしながら、圧迫止血をする
14.患者に注射が終わったことを説明する
止血後も注射部位を揉まないように声掛けする
15.患者の体位を楽にし、環境整備を行う
16.注射による異常や副作用等がないか観察する
静脈注射(ワンショット)は薬液を注入した直後から血中濃度が上がるため
17.使用した注射針・シリンジを医療廃棄物として廃棄する
事故防止のためリキャップはしない
18.注射後の観察を行う
19.使用した物品の後片付けをする
静脈注射(ワンショット)は点滴と違い、薬液が注入された直後から薬剤の血中濃度が急激に上昇します。そのため、概ね5分以内に異常や副作用が起こりえるといわれています。注射後の患者の観察はとても重要ですね。
また血管選びの際には、神経走行などの解剖学もしっかり勉強しておくと、神経損傷などの事故が防げますよ。
患者さんにとって静脈注射は怖い処置の1つです。
安心・安楽・安全に静脈注射を施行できるようにすることが大事ですね。ここまで少し駆け足で書いてしまいましたが、看護師のみなさんのお役に立てれば幸いです。
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