
腰痛や足のしびれなどの症状により普段の生活に支障をきたす腰部脊柱管狭窄症。
腰部脊柱管狭窄症を抱えた患者さんのケアに悩む看護師さんは多いはず。
本記事では、腰部脊柱管狭窄症を発症する原因や観察項目、看護計画を解説します。腰部脊柱管狭窄症の患者さんを担当することに不安になったり心配したりしている看護師さんの悩みを解決できる助けになれると幸いです。

大学卒業後、集中治療室や心臓血管病棟、循環器内科などで看護師として14年間勤務。主に急性期の看護ケアに携わる。現在は、3人の子育てをしながら、医療・看護・育児にまつわる記事の執筆や監修に力を入れている
X(Twitter):@shota_papa37
腰部脊柱管狭窄症とは「腰部の脊柱管が狭くなり神経が圧迫され、血流が低下することで症状をきたす」病気のことです。
ここでは、腰部脊柱管狭窄症の原因や分類、腰椎椎間板ヘルニア・腰椎すべり症との違いなどについて解説します。
脊柱管は、背骨や椎間板をはじめ関節や靭帯などで囲まれており、その内側には脊髄の神経が通っています。この脊柱管が、狭くなることで腰部脊柱管狭窄症を発症します。脊柱管が狭くなる原因は、主に以下の3つです。
神経が通る脊柱管が狭くなることでさまざまな症状が現れ、放置すると歩行が難しくなるケースもあります。そのため、整形外科を受診して適切な治療を受けることが大切です。
腰部脊柱管狭窄症は、患者さんの症状に加え、MRIや脊髄造影などの検査で診断します。腰部脊柱管狭窄症は、以下の3つに分類されます。
| 分類 | 特徴 |
| 馬尾型 | ・脊柱管内を通る馬尾が圧迫される ・両足にしびれ、脱力感が現れる |
| 神経根型 | ・馬尾からわかれた神経根が圧迫される ・片足に痛み、しびれが現れる |
| 混合型 | ・馬尾と神経根の両方が圧迫される ・馬尾型と神経根型の症状が現れる |
ただし、閉塞性動脈硬化症やバージャー病など下肢の動脈の血流障害を生じたときにも、腰部脊柱管狭窄症と同じような症状が現れます。
腰部脊柱管狭窄症とほかの病気を区別するために、追加の検査が必要になる場合もあります。
ここでは、腰部脊柱管狭窄症と腰椎椎間板ヘルニア・腰椎すべり症の違いについて病態や症状、診断の3つを紹介します。

| 腰部脊柱管狭窄症 | 腰椎椎間板ヘルニア | 腰椎すべり症 | |
| 病態 | 脊柱管にある神経を圧迫 | 椎間板から髄核が出て神経を圧迫 | 腰椎ですべりが生じたうえでの神経の締めつけ |
| 症状 | 腰をそらすと両足、もしくは片足がしびれて痛む | 前傾姿勢になると片足が痛む | 歩くと腰が痛む |
| 診断 | トレッドミルテスト(歩くときに背中をそらせる) | 下肢伸展挙上テスト | Kempテスト(腰をそらす、かつねじる) |
それぞれの病気は似た症状が現れますが、病態は異なるため患者さんの状態に合わせてケアすることが大切です。
腰部脊柱管狭窄症を抱える患者さんの看護のポイントは腰痛の対策です。
腰痛を訴える患者さんが、腰の負担にならない姿勢を取るようにすることが大切です。
具体的には、患者さんがベッドで休むときは、仰向けになってもらい太腿のうしろにマットレスやクッションなどを敷いて、膝を屈曲させると安楽な姿勢になれます。
ほかにも、腰部脊柱管狭窄症にはさまざまな症状があります。
間欠跛行とは「長い距離を歩くと下肢のしびれが強くなり座ると改善する」といった症状です。
間欠跛行が続くと、歩くことが苦痛になりベッドで過ごす機会が増えます。
実際に「痛いから歩きたくない」「歩いたあときつくなるからベッドでゆっくりする」と患者さんが訴えたり、ストレスを感じたりするケースも多いです。この状態が続くと、下肢の筋力が低下して入院する前よりも歩けなくなる恐れがあります。
そのため、患者さんが痛みを訴えている場合は、まず医師に痛み止めの薬の使用を確認して痛みをコントロールしてください。痛みが落ち着いてからリハビリテーションをすることが重要です。
また、腰部脊柱管狭窄症の症状に悩む患者さんには生活上の工夫を指導すると良いでしょう。

例えば、立って作業するときには10cm程度の踏み台に片足を乗せたり、歩くときには少し前かがみの姿勢になれるように杖や押し車を使ったりすることを指導してください。
さらに、リハビリのスタッフと協力しケアやリハビリテーションができると、患者さんが普段の生活で無理なく身体を動かせる機会が増えます。結果として、下肢の筋力が低下せず生活できるでしょう。
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間欠跛行に対する看護について知りたい
腰部脊柱管狭窄症の多くは自然と症状が改善します。そのため、まずは薬物療法や理学療法などの保存療法を行いながら経過を観察します。
ここでは、腰部脊柱管狭窄症の具体的な治療方法や観察項目をみていきましょう。
▼参考記事
腰部脊柱管狭窄症の看護について知りたい
腰部脊柱管狭窄症の保存療法の具体例は以下のとおりです。
これらの治療方法を行っても腰部脊柱管狭窄症の症状が改善しないときは、手術を検討します。
そのため、疼痛や足のしびれの有無、残尿感、排便の状況などの観察項目を確認することが大切です。
ほかにも「生活で困っていることはないか?」「どのような場面で支援してもらいたいか?」など患者さんの訴えを聞いたうえでケアに取り入れていくことで、患者さんの安楽な入院生活につながります。
症状が悪化したり、新たな症状が現れたりした場合はすぐに主治医に報告しましょう。
基本的に、手術は腰椎後方除圧術を実施します。

ただし、患者さんの状態によって後方除圧固定術を行います。特に、馬尾型の腰部脊柱管狭窄症は、自然と治るケースが少なく手術を行う場合が多いとされています。
術後の主な観察項目は以下のとおりです。
これらの観察項目をもとに、血腫を早期発見することが重要です。

というのも、血腫の発見が遅れると、再出術をして血腫を取りのぞいても麻痺の症状やしびれといった神経症状がなくならない可能性があるためです。
そのため、腰部脊柱管狭窄症の手術を受けた患者さんを担当するときは、術前の患者さんのADLや麻痺の状況を把握し、術後の状態と比べて観察することが大切です。
また、ドレーンの排液量や創部の状態、自覚症状を観察し、すぐに異常を発見できるように努めてください。
ここでは、腰部脊柱管狭窄症の患者さんに立案する看護計画の一例を紹介します。
【看護目標】
【看護計画】
OP
TP
EP
上記の看護計画を参考にして、患者さんの症状や思い、不安などの問題を取り入れた看護計画を検討してケアを実施しましょう。
腰部脊柱管狭窄症を発症した患者さんは腰痛のほかに、間欠跛行や足のしびれなどを訴えるケースが多いです。
これらの症状が続くと、日常生活に支障をきたします。動くことがわずらわしくなり、結果として入院する前の状態よりも動けなくなる恐れがあります。
腰部脊柱管狭窄症の治療のほとんどは保存加療です。
症状が悪化したり、新たな症状が現れたりしていないか注意深く観察しましょう。

大学卒業後、集中治療室や心臓血管病棟、循環器内科などで看護師として14年間勤務。主に急性期の看護ケアに携わる。現在は、3人の子育てをしながら、医療・看護・育児にまつわる記事の執筆や監修に力を入れている
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1年目であっても転職は可能です。新卒として入職後3年以内に転職する「第ニ新卒」を歓迎する求人も多数出ている状況です。心身に不調がある場合や、職場でハラスメント・法律違反が横行している場合は、無理せず環境を変えたほうが安心です。「看護師1年目で転職しても大丈夫。病院以外の職場や好印象の退職理由を紹介」では1年目の看護師が転職したくなる理由や、仕事が辛いときの対処法、 おすすめの職場などをまとめています。新人看護師が転職に成功するコツや退職の際の注意点も解説しているので、参考にしてみてください。
Q. お礼奉公中でも転職は可能?
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