
体位変換は、入院患者さんが健康かつ安全安楽に過ごすために必要な看護です。体位変換のポイントを知ることで、なるべく看護師の体に負担をかけず、効率的に実施できるようになります。
この記事では、看護師が体位変換を行う目的や、負担の少ない体の使い方などを解説します。体位変換後に重要なポジショニングの方法についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

体位変換(体位交換)は、患者さんの健康状態や安楽な姿勢を保つことが目的です。体圧の分散や、清拭など体のケアを効率良く行うためには、体位変換の知識を習得する必要があります。
また、体位変換後のポジショニングも大切です。体位変換とポジショニングの目的をきちんと理解し、正しく実施できるようにしましょう。
体位変換とポジショニングの目的の1つが「褥瘡」の発生を防ぐことです。
寝たきりや手術後の患者さんは、自力で体勢を変えられない場合があります。そのため、体位変換やポジショニングで体にかかる圧を逃がし、褥瘡を予防することが重要です。
効果的な褥瘡予防には、2時間おきの体位変換が望ましいとされています。やせ型の方や、すでに褥瘡好発部位に発赤の見られる方に対しては、体位交換に加えてワセリンや保護材の使用も効果的です。また、栄養状態の良くない患者さんは褥瘡が生じやすいため、こまめに発赤がないかをチェックしましょう。

褥瘡好発部位としては、以下があります。
褥瘡を防ぎ、処置を効率良く行うためにも、体位変換とポジショニングのコツを押さえておきましょう。
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清拭やオムツ交換など、患者さんの体勢を変える場合にも体位変換を実施します。寝たきりの患者さんに対するオムツ交換や、全身を清拭して着替えをする場合、複数回の体位変換が必要です。
麻痺や筋力低下などで介助が必要な患者さんや、安静が必要な患者さんが多い病棟では、清拭やオムツ交換の機会も増加します。業務時間の圧迫を防ぐためにも、効率良く体位変換をする方法を身に着けましょう。
疾患によって患者さんの安楽な姿勢が異なる場合があり、看護師は一人ひとりに合わせた体位や、ポジショニングを提案する必要があります。
例として「胸水貯留」と「肺うっ血」が見られる患者さんに対しての安楽な姿勢を見てみましょう。今回は、呼吸が楽になることを目標とします。
患者さんの健康状態や疾患の特徴を考慮し、最適な姿勢を提供することが重要です。この際、姿勢を整えることでの目的や目標を明確にしておきましょう。ただし適切な体位が必ずしも楽であるとは限りません。患者さんの楽な体勢や状態に合わせて体位を調整する必要があります。
体位変換は患者さんの体を動かすため、看護師の負担も大きくなりやすいです。そのため、ボディメカニクスを活用しながら、看護師と患者さん双方の負担を軽減することが重要となります。過度に負荷がかかると、腰痛の原因となることもあるため注意しましょう。特に1日に何度も体位交換をする場合は、負担の少ない方法での実施がポイントとなります。
また、患者さんの同意を得ることも忘れてはいけません。体位を調整する理由を説明し、了承を得てからケアを行いましょう。実施中や実施後は、痛みの有無や姿勢がつらくないか確認するのも、安全にケアを行うために重要です。
この章では、体位変換時にかかる看護師への負担をなるべく減らし、効率良く実施する方法を、体位ごとに解説します。
仰臥位から側臥位への体位変換は、以下の手順で行うとスムーズです。
このとき、最も重要なのは「上半身と下半身を同時に動かす」ことです。別々に動かそうとすると、体が安定せず余計な力が必要となります。
患者さんが腕組みや膝立てを維持できない場合でも、上半身と下半身を同時に動かすことで、余計な力を加えずに体位変換が可能です。介助の際は、患者さんに合図をし、肩と膝を同時に動かすようにしましょう。
側臥位から座位への体位変換における手順は以下のとおりです。
患者さんの足の重みを利用することで、少ない力で座位へ移行できます。座位から側臥位へ戻る場合も、先に上体をベッドへ寝かせ、後から足を上げることにより、少ない力で側臥位へ移行可能です。
ただし、疾患や手術内容によっては、足を先に下ろすのが禁忌肢位となる場合もあります。その場合は、上半身と下半身を同時に動かして起こしましょう。
側臥位を経由せず、仰臥位から座位へ移行する際のポイントもあります。
この方法では、仰臥位から座位へスムーズに移行でき、負担の少ない体位変換が可能です。ただし、側臥位を経由するよりも看護師の負担は大きくなる点に注意しましょう。
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体位変換の方向を決めるときの注意点は?
体位変換を効率良く行うには「体の使い方」を理解することが大切です。看護師が意識するべき体の使い方は3つあります。
支持基底面とは、自分の体重を支えるために必要な床の面積を指します。支持基底面の広さは看護師の体を安定させるために必要です。なるべく広く足を開き、バランスを崩さないようにしましょう。

患者さんの体を操作する際、自分の重心が高いと力を入れづらく、腰への負担も大きくなります。膝を曲げ、患者さんの体と自分の重心の位置を近づけましょう。体格の大きい患者さんに対して体位変換を行う場合は、足や腰、体幹などの大きな筋肉を使用すると、介助の負担を減らせます。腕の力に頼るのではなく、体全体を使って介助することがポイントです。
また、患者さんの体を操作するコツを覚えると、より簡単に体位変換できます。患者さんの体をなるべくコンパクトに操作することや、回転する力(トルク)を意識すると、よりスムーズに介助可能です。
さらに、声がけや合図により、患者さんへ協力を促すことも大切です。「お腹に力を入れてください」「膝を立てて維持してください」など、可能な限り協力を依頼し、介助にかかる時間と負担を減らしましょう。
体位変換の後には、褥瘡の予防や安楽姿勢を保つための「ポジショニング」も大切です。特に褥瘡予防には、姿勢ごとの褥瘡好発部位と、除圧方法を理解する必要があります。
また、ポジショニングには安楽な姿勢をキープする役割もあるのです。この章では、褥瘡予防に重点を置き、姿勢ごとのポジショニングのポイントやコツをご紹介します。
仰臥位では、体の背面を除圧することが褥瘡を予防するために大切です。
仰臥位の褥瘡好発部位は以下のとおりです。

仰臥位でのポジショニングのポイントは、半側臥位をとるように除圧を実施することです。
ベッドと背中の間にクッションを入れることで、後頭骨と仙骨、片側の肩甲骨を除圧できます。下腿とベッドの間にもクッションを入れ、踵を除圧しましょう。
なお、長時間仰臥位をとる必要がある場合は2時間おきに向きを変え、両側を交互に除圧します。
側臥位の褥瘡好発部位は以下のとおりです。

側臥位は除圧する部位が多いため、多くのクッションや体圧分散マットを使用します。両膝と踵の間にクッションを挟む、枕にタオルを足すなど、可能な限り除圧を行いましょう。
側臥位は体圧が強くかかるため、体位交換の時間管理も徹底しなければいけません。可能であればエアーマットなどを使用し、体圧を減らすことが望ましいです。
座位では椅子の背もたれや、座面に接する部位を除圧する必要があります。
座面に除圧クッションなどを使用し、坐骨・尾骨の褥瘡を予防しましょう。背面は、背もたれとの間にタオルや枕などを入れるか、定期的に前方へ体を傾けることで除圧可能です。
また、座位では姿勢を保つためのポジショニング(シーティング)を行う場面もあります。
膝関節や足関節が90°になるよう、座面や床のセッティングを行い、正しい姿勢を保ちましょう。
体位変換後のポジショニングでは、シーツや寝衣のしわにも注意しましょう。しわがあると、その部分への圧が高くなり褥瘡発生のリスクが高まります。ポジショニングをしたあとは、周囲の環境にも気を配ることが大切です。
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看護師から寄せられる“よくある質問”
Q. 現役看護師が一番稼げる科はどこ?
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Q. 看護師がのんびり働ける勤務先は?
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Q. 看護師1年目で転職しても大丈夫?
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Q. お礼奉公中でも転職は可能?
お礼奉公の途中でも、看護師が仕事を辞めることは可能ですが、途中で退職してトラブルに繋がるケースもあるので、辞める場合は注意が必要です。「お礼奉公中だけど辞めたい看護師へ!奨学金に関する疑問に答えます」では、「お礼奉公中の看護師は仕事を辞めても良いか」「途中で辞めると奨学金の支払いはどうなるのか」といった疑問や不安にお答えしています。また、奨学金の一括返済を求められたときや、退職を拒まれたときの対処法についてもご紹介しているので、お礼奉公がネックで前に進めずにいる方は、ぜひ参考にしてください。
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