
「骨粗鬆症の患者さんに対する看護はどうすれば良いの?」
「生活指導では何を伝えればよ良い?」と悩む看護師の方もいるでしょう。
骨粗鬆症は骨強度が弱くなり、骨折しやすくなる疾患です。薬物療法もありますが、何よりも骨粗鬆症を悪化させない、骨折しない生活を送ることが重要となります。そのために看護師は、患者さんに骨折のリスクを伝え、適切な生活指導を行うことが大切です。
この記事では、はじめて骨粗鬆症患者さんを受け持つ方でも、骨粗鬆症の患者さんに質の高いケアを提供できるように、知っておくべき知識をまとめています。
また、生活指導をするときのポイントについても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

骨粗鬆症の患者さんのケアをするには、骨粗鬆症の基礎知識を理解しておかなければいけません。
ここでは、骨粗鬆症の原因や検査方法、治療法について解説します。
骨粗鬆症は、骨強度が弱くなるのが特徴であり、骨折のリスクが高くなる疾患です。骨強度は「骨密度」と「骨質」の2つが関係しています。
そして、骨粗鬆症が発生する原因によって、原発性骨粗鬆症と続発性骨粗鬆症の大きく2種類に分けられます。

原発性骨粗鬆症は、加齢や生活習慣が影響して発症します。高齢になると骨を作るスピードが遅くなったり、女性であれば閉経後にホルモンが変化したりすることで、骨粗鬆症を発症しやすくなるのです。ほかには、運動不足や栄養バランスの乱れ(カルシウムやビタミン不足など)も原因として考えられます。
対して続発性骨粗鬆症は、疾患や薬剤などが影響して発症します。突然発症して、病状の進行が早いことが特徴です。具体的な原因としては、バセドウ病や甲状腺機能亢進症、糖尿病などの疾患、ステロイドの長期服用が考えられています。
ほかにも、喫煙やアルコールやカフェインの過剰摂取など、骨粗鬆症の原因となる要素は多岐にわたります。
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骨粗鬆症は、主に以下の検査で診断されます。
骨量測定の方法は、X線を用いる「DXA」や「MD」、超音波を用いる「QUS」などがあります。また、検査以外に問診も、骨粗鬆症の診断に有益な情報です。具体的には、以下の内容が問診で聴取されます。
骨粗鬆症は、検査所見や画像診断、既往歴の聴取などによって総合的に診断されます。
骨粗鬆症の治療法は、骨密度を改善し、骨折のリスクを減少させることが目的です。
主な治療法は以下の3つです。

骨粗鬆症の薬物療法は、骨形成の促進や骨を破壊する作用の抑制、骨代謝の調整などを目的としています。患者さんの状態によって、いくつかの薬が組み合わせられることもあり、使用される薬の種類は多種多様です。飲み薬をはじめ、点滴や注射などの選択肢があります。
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食事療法では、カルシウムとビタミンDを摂取し、骨の健康を促進します。乳製品、魚介類、大豆食品などの食品を取り入れ、バランスの取れた栄養が重要です。
運動療法は、骨を刺激し、骨密度を向上させる目的で行われます。有酸素運動や負荷のある筋力トレーニングが推奨されていますが、年齢や個々の筋力などを考慮したうえで適切な運動が取り入れられるのです。
食事療法と運動療法については、後ほど詳しく解説します。
骨粗鬆症患者への看護で重要な点は、骨折を防ぐことです。そのために、骨折リスクを下げるケアを行います。
また、骨粗鬆症は完治が難しい疾患とされているため、不安を抱えている患者さんもいます。そのため、看護師は精神的ケアが求められる場面も少なくありません。
ここでは、骨粗鬆症における看護ケアと観察項目について詳しく解説します。
まずケアで大切なことは、患者の全身状態の観察です。
以下の項目について確認しましょう。
| 観察項目 | 内容 |
| 検査データ | ・骨量測定 ・レントゲン撮影 ・骨代謝マーカー(血液・尿検査) ・骨密度値などにより重症度を確認する |
| 疼痛の有無 | 疼痛の部位や程度 |
| 姿勢や歩き方 | ・脊柱の湾曲 ・身長の変化 ・歩き方に違和感があるか |
| 既往歴 | 骨折の既往歴 |
| 内服薬 | ・内服薬の種類 ・服薬の状況 |
| 生活習慣 | ・運動の有無 ・食事内容 ・ほか生活習慣(喫煙や飲酒の有無など) |
骨粗鬆症は骨折を発症するリスクが高いため、疼痛があるときには骨折を疑います。
骨折が見られた場合には、骨粗鬆症に対する治療に加えて、骨折の悪化を防止し、治癒を目指したケア(安静や外用薬の貼付など)が実施されます。
骨折しないためには、転倒を防止する指導や環境整備を実施します。
転倒の予防ケアでは、看護師による指導だけでなく、患者さん自身の意識を高めることも大切です。以下の内容に留意しましょう。

履物はスリッパより、かかとのある靴が良いです。滑りにくい靴を選びましょう。ほかにも、床が濡れていたり物が落ちていないかを確認したり、歩行の妨げになるものがないかなどを確認したりして、周囲の環境を整備します。
患者さん自身の意欲を高めるには、転倒による骨折のリスクを分かりやすく説明し、実際に取り入れられる方法を一緒に考えることが大切です。退院後にも継続できるよう、患者さんのライフスタイルを考慮して、適切な方法を見つけましょう。
骨粗鬆症の患者さんは、いつ骨折してしまうのかなどの不安が大きいことが予測されます。そのため、看護師による精神的サポートが重要となるのです。
患者さんの不安を傾聴し、抱えている悩みを明確にしましょう。生活の変化や日常の困りごとに対して聞いてみるのも有効です。患者さんのやるべきことや注意することが明確になれば、不安も和らぐでしょう。
コミュニケーションを大切にし、患者さんが前向きに治療していけるように支えることが看護師の役割です。
患者さんが今の骨密度を維持し、骨折を防ぎながら生活するには、退院後のセルフケアが重要となります。
看護師は外来や入院中に、セルフケアについて指導する場面があるでしょう。セルフケア方法を指導する際はまず、自宅での患者さんの生活について把握することが大切です。
患者さんの生活に合わせたセルフケアを検討する必要があるため、多角的に情報を集めましょう。栄養や運動に関しては、栄養士や理学療法士と連携して、より専門的な側面からの支援や介入が必要です。
骨折を防ぎ、骨粗鬆症を予防するには生活指導がカギとなります。看護師による生活指導によって患者さんは正しい生活習慣を習得し、骨折のリスクを軽減できるのです。
看護師による骨粗鬆症の患者さんに対する生活指導のポイントは、以下の5つです。
それぞれ解説します。

まずは、骨折しやすい状態であることを、患者さんに理解してもらうことが大切です。
骨折しやすい状態であることだけでなく、骨折したあとのリスク(状態によっては手術が必要になる、活動が制限されるなど)もあわせて説明しましょう。
一度骨折すると再び骨折するリスクが高まるため、骨折予防の重要性を理解してもらうことがポイントです。
骨粗鬆症の患者さんは、食生活で気をつける点がいくつかあります。
骨の健康に不可欠なカルシウムだけでなく、カルシウムの吸収を促進するビタミンDやビタミンKも積極的に摂取してもらいます。乳製品、魚介類、大豆製品など、バランスの良い食生活を心掛けるよう指導しましょう。
実際にどのような献立が良いのか、退院後でも実践できるよう栄養士と協力しながら食事指導をすることが大切です。
骨粗鬆症の患者さんにとって日光浴と適度な運動は、骨密度を維持し骨を強くすることにつながります。さらに、日光浴はビタミンDの生成を促進し、カルシウムの吸収を助け、骨の健康をサポートしてくれるのです。
そして、適度な運動は骨密度を向上させ、筋力を増強する役割があります。有酸素運動やウォーキング、筋力トレーニングなど、個別性に配慮した運動を提案しましょう。
喫煙による有害物質は、カルシウムの吸収を減少させ、骨密度を低下させる可能性があります。そのため、禁煙は骨折のリスクを軽減し、治療の効果を向上させるために必要です。
骨粗鬆症を進行させないために、禁煙サポートを実施しましょう。なかなか禁煙できない患者さんには、禁煙外来など専門的に介入できる支援を紹介するのも効果的です。
骨粗鬆症を悪化させないためには、処方された薬を正しく飲み続けることが大切です。効果が目に見えてわかるものではなく、長期的に服用するものもあるため、薬の必要性や服薬方法についての説明が重要となります。
さらに、使用する薬のなかには、服薬方法に注意が必要なものもあります。骨密度を向上させる効果が期待できる「ビスホスホネート製剤」は、カルシウムやマグネシウムなどが多く含まれる食材や飲み物と一緒に服用すると、薬の吸収に影響をきたすおそれがあるため注意が必要です。
必要に応じて薬剤師と協力しながら、退院後の生活に配慮した服薬方法を指導しましょう。
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看護師から寄せられる“よくある質問”
Q. 現役看護師が一番稼げる科はどこ?
一般的に、高度な医療を提供する診療科や収益の多い診療科・クリニックは、高収入を得られる傾向にあります。病院だと救急救命科やICU(集中治療室)など、クリニックでは美容クリニックや人工透析クリニックなどが挙げられます。「看護師が一番稼げる科はどこ?高年収のクリニック・病院や転職のポイント」では、看護師が稼げる科を、詳しく解説しています。規模別の平均給与や、高収入な職場へ転職する際のポイントも紹介しているので、求人探しの参考にしてください。
Q. 看護師がのんびり働ける勤務先は?
病院であれば緊急対応や体力を消耗する業務が少ない外来や回復期・慢性期病棟。病院の外来やクリニックであれば重症患者の処置が少ない診療科は比較的落ち着いた環境といえるでしょう。自身のペースを大事に働きたい方は、現職の悩みを解決できるような環境・働き方を選ぶことがポイントです。「のんびり働きたい看護師向け!おすすめの職場や病院以外の仕事を紹介」では、のんびり働ける勤務先の条件や、おすすめの職場・診療科、のんびり働ける仕事のメリットやデメリットも解説しています。職場探しの参考にしてください。
Q. 看護師1年目で転職しても大丈夫?
1年目であっても転職は可能です。新卒として入職後3年以内に転職する「第ニ新卒」を歓迎する求人も多数出ている状況です。心身に不調がある場合や、職場でハラスメント・法律違反が横行している場合は、無理せず環境を変えたほうが安心です。「看護師1年目で転職しても大丈夫。病院以外の職場や好印象の退職理由を紹介」では1年目の看護師が転職したくなる理由や、仕事が辛いときの対処法、 おすすめの職場などをまとめています。新人看護師が転職に成功するコツや退職の際の注意点も解説しているので、参考にしてみてください。
Q. お礼奉公中でも転職は可能?
お礼奉公の途中でも、看護師が仕事を辞めることは可能ですが、途中で退職してトラブルに繋がるケースもあるので、辞める場合は注意が必要です。「お礼奉公中だけど辞めたい看護師へ!奨学金に関する疑問に答えます」では、「お礼奉公中の看護師は仕事を辞めても良いか」「途中で辞めると奨学金の支払いはどうなるのか」といった疑問や不安にお答えしています。また、奨学金の一括返済を求められたときや、退職を拒まれたときの対処法についてもご紹介しているので、お礼奉公がネックで前に進めずにいる方は、ぜひ参考にしてください。
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