関節リウマチの看護のポイント!患者さんのQOLを向上する方法も解説

関節リウマチは代表的な自己免疫疾患の1つです。完治するのが難しい疾患とされており、治療が長期化しやすいため、患者さんのADL(日常生活動作)とQOL(生活の質)を維持・向上することが大切です。

この記事では、関節リウマチの患者さんを看護するポイントについて解説します。病態や症状だけでなく、患者さんのADLとQOLを向上させる看護も紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。

この記事を書いた人
島田綾乃
正看護師
大学病院で10年間、病棟看護師として勤務。 耳鼻咽喉科、腎臓外科、循環器小児科、脳神経外科、SCUでの臨床経験があり、得意分野は外科系。 現在は育児をしながら、看護師ライターとして医療分野の記事を専門に執筆。
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関節リウマチの看護に必要な知識

関節リウマチの患者さんに適切な看護を提供するには、病態や症状・治療法などを理解する必要があります。特に症状を理解することは、患者さんのADLやQOLの維持・向上のために大切です。

この章では、関節リウマチの看護に必要な病態や症状、治療法を解説します。

病態

関節リウマチの原因は解明されていませんが、免疫システムが関節の内部を攻撃してしまう「自己免疫疾患」であると考えられています。寛解(症状がおだやかになること)と増悪を繰り返す疾患であり、症状の進行予防と状態に合わせた治療が必要です。女性に発症しやすく、罹患率は男性の約2〜3倍といわれています。

また、喫煙や肥満など、生活習慣の乱れが関節リウマチを発症させる原因になることもあるため、リスクを回避するためのセルフケアも重要です。

症状と特徴

関節リウマチの主な症状は、関節内の軟部組織が破壊され、変形が生じることです。

ほかにも、心疾患や呼吸器心疾患などの合併症が生じる場合もあるため、関節だけでなく全身を評価する必要があります。

関節炎

免疫システムが滑膜を攻撃することにより、関節内に炎症が生じます。炎症症状は左右対称に生じ、両側かつ複数の関節へ同時に発症することも多いです

炎症による疼痛や腫脹から、思うように関節を動かせない患者さんも少なくありません。そのため、炎症所見や痛みの聴取を行い、日常生活に支障をきたしていないかADLを確認することが大切です。

関節の変形

関節リウマチでは、関節面や骨が破壊されることにより、全身の関節に変形が見られます。
関節変形が生じやすい部位は、以下があります。

  • 手関節
  • 手指
  • 足関節
  • 足指
  • 膝関節
  • 肘関節
  • 肩関節

このなかでも、手関節や指の第二関節であるPIP関節(近位指節間関節)や、MP関節(中手指節間関節)に好発するとされています。そのため、食事や整髪などの細かい作業が障害される場合があります。

関節のこわばり

関節リウマチでは、関節のこわばりを感じる場合もあります。炎症により関節液が分泌・貯留し、関節が腫れることがこわばりの原因です。

特に起床直後や、長時間関節を動かさないでいたあとに生じます。落ち着くまでは関節を動かしにくく、食事や整髪などのADLが制限されるため、1日の間で関節のこわばりがないかを確認することが大切です。

関節リウマチで起こる関節のこわばりのイラスト

全身的な症状

関節以外の全身や臓器などでも「関節外症状」が生じることもあります。
全身症状の例は、以下のようなものです。

  • 発熱
  • 貧血
  • 倦怠感
  • 食欲不振
  • 体重減少
  • リンパ節の腫脹
  • 間質性肺炎
  • 肺線維症
  • 胸膜炎や心膜炎
  • 末梢神経障害
  • リウマトイド結節
  • 血管炎
  • 二次性アミロイドーシス

これらは関節外症状と呼ばれ、活動が制限される原因になります。関節だけを見るのではなく、全身状態や合併症の有無を確認しましょう。

治療法

関節リウマチの治療は、基本的に4つの治療法を組み合わせて実施されます。

  • 基礎療法:安静と疾患についての教育
  • 薬物療法
  • 手術:滑膜切除術や人工関節置換術など
  • リハビリテーション

これらの治療は、患者さんごとの症状や状態、寛解期・増悪期に合わせて選択されます。特に基礎治療の徹底により、患者さんが疾患について理解し、日常生活で注意すべきことを意識できるよう介入することが大切です。

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関節リウマチにおける看護ケアと観察項目

関節リウマチの患者さんに最適な看護を行うには、ケアの内容と観察すべき項目を理解する必要があります。

この章では、ケアの内容と観察すべきポイントを見ていきましょう。

服薬指導

服薬指導は、関節リウマチの治療に欠かせない看護です。

関節リウマチに使用する薬には、免疫反応を抑える作用や、炎症、疼痛を鎮静化させる効果があります。薬の効果を発揮するには、正しく服用し続けることが大切です。
服薬指導での観察項目は、以下があります。

  • 服薬状況
  • 服薬に対しての認識
  • 副作用の有無
  • 症状の変化

症状の悪化や副作用の発症を防ぐには、患者さんの服薬状況を把握し、服薬指導を徹底しましょう。薬によっては、週に1回のみ服用するものもあり、それぞれ飲むタイミングが異なります。患者さんのライフスタイルに合わせた服薬管理が必要です。

関節リウマチの患者さんに服薬指導する看護師

さらに、効果が出るまでに時間がかかるものもあるため、自己中断がないよう薬ごとの注意点を説明するとよいでしょう。状況に合わせて、薬剤師さんからの薬剤指導を調整する場面もあります。

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疼痛コントロール

関節の炎症に痛みを伴う場合は、疼痛の程度を評価して正しく対処します。痛み止めの服用や温罨法、筋肉や関節のこわばりを和らげる運動などが効果的です。痛みの程度や出現するタイミングなどを評価し、安楽に過ごすための方法を提案しましょう。
疼痛コントロールに必要な観察項目は以下のとおりです。

  • 疼痛部位
  • 痛みの程度や持続の有無
  • 痛みが発生するタイミング
  • 検査データ
  • 内服薬の種類と効果
  • 痛みが和らぐ方法
  • 生活リズム
  • 安静度
  • 表情や動作

薬やデータだけでなく、動きや表情、痛みの訴えなどの主観的な評価も参考にしましょう。生活をするなかでどのタイミングで痛みが発生し、どの動きに影響しているかなど、多方面からアセスメントすることがポイントです。

生活支援

関節リウマチの症状の程度によっては、活動制限や疼痛などで日常生活に支障をきたす可能性もあります。これまでの生活について情報収集し、現在困っていることを明らかにしましょう。

苦痛の緩和や、過ごしやすくするための方法を提示し、入院中と退院後の生活をサポートすることが生活支援での役割です。ただし、過度のサポートは自立度を下げてしまうため、患者さんが自分でできること・できないことを見極める必要があります。ADL制限の程度によっては、自宅での生活を自立することが困難となるケースもあるため、介護保険サービスなどを含めた生活指導を行いましょう。

また、症状の悪化を防ぐためには、規則正しい食生活や禁煙などの生活習慣を見直す必要があります。退院後に、患者さん自身が生活習慣の改善に取り組めるよう、具体的な改善策を一緒に考え指導しましょう。

関節リウマチの患者さんの生活支援をする看護師

適度な運動やリハビリ支援

適度に運動やリハビリを行うことで、関節の痛みを和らげ、変形を予防できる可能性があります。体調や症状の程度に合わせ、関節に負担をかけ過ぎない程度の運動を促しましょう。

ただし、疲労が残るほど運動してしまうと、症状が悪化してしまうおそれがあります。理学療法士や作業療法士と情報を共有し、適度な運動量や方法を見つけましょう
運動に関して観察すべきポイントには、以下があります。

  • 症状や疼痛の程度
  • 運動の必要性を理解しているか
  • 安静度
  • 活動の範囲
  • 運動後の疲労度
  • 歩行補助具や車椅子の必要性
  • 適切な自主訓練方法

看護師は病棟での生活や運動の様子を確認し、疑問点や改善方法を理学療法士などと相談しましょう。

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看護師が関節リウマチの患者さんのQOLを高めるには?

関節リウマチは完治するのが難しいため、長期化する治療の中でQOLを保つことが重要です。退院後の生活を見据え、安らかに生活する方法を提案しましょう。

この章では、患者さんのQOLを高めるサポートについて解説します。

ADLの観察と提案

関節リウマチの患者さんのQOLを高めるには、ADLをこまかく観察することが重要です

制限されている行動や活動とその原因を見つけることで、具体的な改善方法の提案が可能になります。たとえば、手指を動かしづらく靴下を履くのが難しい方に対してはソックスエイドを提案する、コップを落としてしまう方にはホルダーを提案するなどです。

自助具や歩行補助具の選定、体の使い方の指導など、患者さんが安楽に過ごすためのサポートを行いましょう。

関節リウマチの患者さんのADLを観察し、改善提案をする看護師

心理面のサポート

関節リウマチは寛解と増悪を繰り返しながら、長期的な経過を辿る疾患です。思うように体を動かせないことや、常に痛みを感じることが心理的な負担になる患者さんも少なくありません。

苦痛や不安を和らげ、患者さんの心理的な支えとなることは、精神的なQOLを維持する助けとなります。患者さんの思いを傾聴し悩みに対しての解決方法を提案するなど、患者さんへの寄り添いを大切にしましょう。

多職種との密な連携

関節リウマチの患者さんが、自分らしく充実した生活を送るには、多職種での連携が大切です。

食事の指導や適切な運動量の提示、服薬の調整など、栄養士・リハビリ職・医師・薬剤師などと密に連携することで、より個別性に配慮したケアを提供できます

職種ごとの専門性を活かし、チーム医療であることを意識しましょう。

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