
関節リウマチは代表的な自己免疫疾患の1つです。完治するのが難しい疾患とされており、治療が長期化しやすいため、患者さんのADL(日常生活動作)とQOL(生活の質)を維持・向上することが大切です。
この記事では、関節リウマチの患者さんを看護するポイントについて解説します。病態や症状だけでなく、患者さんのADLとQOLを向上させる看護も紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。

関節リウマチの患者さんに適切な看護を提供するには、病態や症状・治療法などを理解する必要があります。特に症状を理解することは、患者さんのADLやQOLの維持・向上のために大切です。
この章では、関節リウマチの看護に必要な病態や症状、治療法を解説します。
関節リウマチの原因は解明されていませんが、免疫システムが関節の内部を攻撃してしまう「自己免疫疾患」であると考えられています。寛解(症状がおだやかになること)と増悪を繰り返す疾患であり、症状の進行予防と状態に合わせた治療が必要です。女性に発症しやすく、罹患率は男性の約2〜3倍といわれています。
また、喫煙や肥満など、生活習慣の乱れが関節リウマチを発症させる原因になることもあるため、リスクを回避するためのセルフケアも重要です。
関節リウマチの主な症状は、関節内の軟部組織が破壊され、変形が生じることです。
ほかにも、心疾患や呼吸器心疾患などの合併症が生じる場合もあるため、関節だけでなく全身を評価する必要があります。
免疫システムが滑膜を攻撃することにより、関節内に炎症が生じます。炎症症状は左右対称に生じ、両側かつ複数の関節へ同時に発症することも多いです。
炎症による疼痛や腫脹から、思うように関節を動かせない患者さんも少なくありません。そのため、炎症所見や痛みの聴取を行い、日常生活に支障をきたしていないかADLを確認することが大切です。
関節リウマチでは、関節面や骨が破壊されることにより、全身の関節に変形が見られます。
関節変形が生じやすい部位は、以下があります。
このなかでも、手関節や指の第二関節であるPIP関節(近位指節間関節)や、MP関節(中手指節間関節)に好発するとされています。そのため、食事や整髪などの細かい作業が障害される場合があります。
関節リウマチでは、関節のこわばりを感じる場合もあります。炎症により関節液が分泌・貯留し、関節が腫れることがこわばりの原因です。
特に起床直後や、長時間関節を動かさないでいたあとに生じます。落ち着くまでは関節を動かしにくく、食事や整髪などのADLが制限されるため、1日の間で関節のこわばりがないかを確認することが大切です。

関節以外の全身や臓器などでも「関節外症状」が生じることもあります。
全身症状の例は、以下のようなものです。
これらは関節外症状と呼ばれ、活動が制限される原因になります。関節だけを見るのではなく、全身状態や合併症の有無を確認しましょう。
関節リウマチの治療は、基本的に4つの治療法を組み合わせて実施されます。
これらの治療は、患者さんごとの症状や状態、寛解期・増悪期に合わせて選択されます。特に基礎治療の徹底により、患者さんが疾患について理解し、日常生活で注意すべきことを意識できるよう介入することが大切です。
関節リウマチの患者さんに最適な看護を行うには、ケアの内容と観察すべき項目を理解する必要があります。
この章では、ケアの内容と観察すべきポイントを見ていきましょう。
服薬指導は、関節リウマチの治療に欠かせない看護です。
関節リウマチに使用する薬には、免疫反応を抑える作用や、炎症、疼痛を鎮静化させる効果があります。薬の効果を発揮するには、正しく服用し続けることが大切です。
服薬指導での観察項目は、以下があります。
症状の悪化や副作用の発症を防ぐには、患者さんの服薬状況を把握し、服薬指導を徹底しましょう。薬によっては、週に1回のみ服用するものもあり、それぞれ飲むタイミングが異なります。患者さんのライフスタイルに合わせた服薬管理が必要です。

さらに、効果が出るまでに時間がかかるものもあるため、自己中断がないよう薬ごとの注意点を説明するとよいでしょう。状況に合わせて、薬剤師さんからの薬剤指導を調整する場面もあります。
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服薬指導を進める手順が知りたい
関節の炎症に痛みを伴う場合は、疼痛の程度を評価して正しく対処します。痛み止めの服用や温罨法、筋肉や関節のこわばりを和らげる運動などが効果的です。痛みの程度や出現するタイミングなどを評価し、安楽に過ごすための方法を提案しましょう。
疼痛コントロールに必要な観察項目は以下のとおりです。
薬やデータだけでなく、動きや表情、痛みの訴えなどの主観的な評価も参考にしましょう。生活をするなかでどのタイミングで痛みが発生し、どの動きに影響しているかなど、多方面からアセスメントすることがポイントです。
関節リウマチの症状の程度によっては、活動制限や疼痛などで日常生活に支障をきたす可能性もあります。これまでの生活について情報収集し、現在困っていることを明らかにしましょう。
苦痛の緩和や、過ごしやすくするための方法を提示し、入院中と退院後の生活をサポートすることが生活支援での役割です。ただし、過度のサポートは自立度を下げてしまうため、患者さんが自分でできること・できないことを見極める必要があります。ADL制限の程度によっては、自宅での生活を自立することが困難となるケースもあるため、介護保険サービスなどを含めた生活指導を行いましょう。
また、症状の悪化を防ぐためには、規則正しい食生活や禁煙などの生活習慣を見直す必要があります。退院後に、患者さん自身が生活習慣の改善に取り組めるよう、具体的な改善策を一緒に考え指導しましょう。

適度に運動やリハビリを行うことで、関節の痛みを和らげ、変形を予防できる可能性があります。体調や症状の程度に合わせ、関節に負担をかけ過ぎない程度の運動を促しましょう。
ただし、疲労が残るほど運動してしまうと、症状が悪化してしまうおそれがあります。理学療法士や作業療法士と情報を共有し、適度な運動量や方法を見つけましょう。
運動に関して観察すべきポイントには、以下があります。
看護師は病棟での生活や運動の様子を確認し、疑問点や改善方法を理学療法士などと相談しましょう。
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関節リウマチの看護のポイントが知りたい
関節リウマチは完治するのが難しいため、長期化する治療の中でQOLを保つことが重要です。退院後の生活を見据え、安らかに生活する方法を提案しましょう。
この章では、患者さんのQOLを高めるサポートについて解説します。
関節リウマチの患者さんのQOLを高めるには、ADLをこまかく観察することが重要です。
制限されている行動や活動とその原因を見つけることで、具体的な改善方法の提案が可能になります。たとえば、手指を動かしづらく靴下を履くのが難しい方に対してはソックスエイドを提案する、コップを落としてしまう方にはホルダーを提案するなどです。
自助具や歩行補助具の選定、体の使い方の指導など、患者さんが安楽に過ごすためのサポートを行いましょう。

関節リウマチは寛解と増悪を繰り返しながら、長期的な経過を辿る疾患です。思うように体を動かせないことや、常に痛みを感じることが心理的な負担になる患者さんも少なくありません。
苦痛や不安を和らげ、患者さんの心理的な支えとなることは、精神的なQOLを維持する助けとなります。患者さんの思いを傾聴し悩みに対しての解決方法を提案するなど、患者さんへの寄り添いを大切にしましょう。
関節リウマチの患者さんが、自分らしく充実した生活を送るには、多職種での連携が大切です。
食事の指導や適切な運動量の提示、服薬の調整など、栄養士・リハビリ職・医師・薬剤師などと密に連携することで、より個別性に配慮したケアを提供できます。
職種ごとの専門性を活かし、チーム医療であることを意識しましょう。
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看護師から寄せられる“よくある質問”
Q. 現役看護師が一番稼げる科はどこ?
一般的に、高度な医療を提供する診療科や収益の多い診療科・クリニックは、高収入を得られる傾向にあります。病院だと救急救命科やICU(集中治療室)など、クリニックでは美容クリニックや人工透析クリニックなどが挙げられます。「看護師が一番稼げる科はどこ?高年収のクリニック・病院や転職のポイント」では、看護師が稼げる科を、詳しく解説しています。規模別の平均給与や、高収入な職場へ転職する際のポイントも紹介しているので、求人探しの参考にしてください。
Q. 看護師がのんびり働ける勤務先は?
病院であれば緊急対応や体力を消耗する業務が少ない外来や回復期・慢性期病棟。病院の外来やクリニックであれば重症患者の処置が少ない診療科は比較的落ち着いた環境といえるでしょう。自身のペースを大事に働きたい方は、現職の悩みを解決できるような環境・働き方を選ぶことがポイントです。「のんびり働きたい看護師向け!おすすめの職場や病院以外の仕事を紹介」では、のんびり働ける勤務先の条件や、おすすめの職場・診療科、のんびり働ける仕事のメリットやデメリットも解説しています。職場探しの参考にしてください。
Q. 看護師1年目で転職しても大丈夫?
1年目であっても転職は可能です。新卒として入職後3年以内に転職する「第ニ新卒」を歓迎する求人も多数出ている状況です。心身に不調がある場合や、職場でハラスメント・法律違反が横行している場合は、無理せず環境を変えたほうが安心です。「看護師1年目で転職しても大丈夫。病院以外の職場や好印象の退職理由を紹介」では1年目の看護師が転職したくなる理由や、仕事が辛いときの対処法、 おすすめの職場などをまとめています。新人看護師が転職に成功するコツや退職の際の注意点も解説しているので、参考にしてみてください。
Q. お礼奉公中でも転職は可能?
お礼奉公の途中でも、看護師が仕事を辞めることは可能ですが、途中で退職してトラブルに繋がるケースもあるので、辞める場合は注意が必要です。「お礼奉公中だけど辞めたい看護師へ!奨学金に関する疑問に答えます」では、「お礼奉公中の看護師は仕事を辞めても良いか」「途中で辞めると奨学金の支払いはどうなるのか」といった疑問や不安にお答えしています。また、奨学金の一括返済を求められたときや、退職を拒まれたときの対処法についてもご紹介しているので、お礼奉公がネックで前に進めずにいる方は、ぜひ参考にしてください。
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