
褥瘡の処置に必ず必要となるドレッシング材。
ドレッシング材は、褥瘡の湿潤環境をコントロールし、創部を保護します。褥瘡の状態に応じてドレッシング材を適切に選択してくことが大切です。
この記事では、ドレッシング材の目的や分類、特徴を解説しています。ドレッシング材の選択の仕方やケア方法、ドレッシング剤の一覧も紹介しているため、ぜひ参照ください。

ドレッシング材とは、創部の湿潤環境を保ち、創傷に固着しないように作られた近代的な製剤と定義されており、傷を覆う医療用材料のことです。以前は、ガーゼや包帯など創傷を覆う材料全般を示していました。ですが現在は、滅菌ガーゼなどを除くとされています。
褥瘡の治療は、状態に応じたアセスメントと適切な治療の選択をすることが大切です。褥瘡ドレッシング材の目的や種類、対象となる創の深さや状態を知り、早期に治療を開始することで治癒を目指せます。
以下は、褥瘡に対してドレッシング材を使用する目的です。

褥瘡ドレッシング材は、傷の状態に応じて適切な湿潤環境を作り、創傷を保護する役割があります。褥瘡の基礎知識を身につけ、どのドレッシング材が適応となるかを知りましょう。
ドレッシング材の適応は、褥瘡の急性期から慢性期、浅い創から深い創までさまざまです。適切なドレッシング材が選択できるよう、褥瘡の治癒過程にわけて解説します。
褥瘡の急性期は、褥瘡発生から1~3週間までの期間のことです。急性期の褥瘡は、水泡やびらんなど皮膚トラブルが混在していることもあり、深さの判定が難しい時期となります。
急性期治療の基本は、適度な湿潤環境を保ち、透明ドレッシング材で保護することです。
褥瘡の慢性期は、急性期を過ぎた頃からです。創の状態に応じて治療の目的が変わります。浅い褥瘡か、深い褥瘡かを判断し、ドレッシング材を選択することが必要です。
浅い褥瘡は、真皮にとどまる褥瘡で、この時期は創の保護が重要です。
深い褥瘡は、治癒の過程で以下に分かれます。治癒過程とドレッシング材を選択する際のポイントの紹介です。

ポリウレタンフィルムは、透明であることから発赤や紫斑、創の観察に優れています。
ドレッシング材は、感染のない褥瘡に使用することが原則です。ドレッシング材で感染創を閉鎖すると菌の繁殖が促進されます。ドレッシング材は、創を湿潤環境に保つことができる一方で、細菌が増殖しやすい環境もあることも覚えておきましょう。
感染を予防するためのポイントを紹介します。
ドレッシング材は、使用する目的に応じて以下のように分類できます。

| 目的 | 主なドレッシング材 |
| 創面を閉鎖し、湿潤環境を形成する | ハイドロコロイド |
| 乾燥した創に湿潤環境を形成する | ハイドロジェル |
| 浸出液を吸水する | ハイドロポリマー・ハイドロファイバー・ポリウレタンフォーム・アルギン酸塩・キチン |
| 創面の保護 | ポリウレタンフィルム |
主に現場で使うことの多いドレッシング材の種類と特徴、使用時のポイントを解説します。種類により成分や形状が異なるため、ドレッシング材を選択する際に役立ててください。
ハイドロコロイドは、親水性コロイドと疎水性ポリマーからなるドレッシング材です。
【特徴】
【用途とポイント】
【主な商品目】
デュオアクティブ、テガダーム ハイドロコロイド、レプリケアライト
ポリウレタンフィルムは、半透明のフィルムに粘着剤を塗布したドレッシング材です。
【特徴】
【用途とポイント】
【主な商品名】
オプサイトウンド、テガダーム
ポリウレタンフォームは、ポリウレタンフィルム・親水性ポリウレタンフォーム、非固着性ポリウレタンの3層からなるドレッシング材です。
【特徴】
【用途とポイント】
【主な商品名】
ハイドロサイト薄型・ハイドロサイトAD
ハイドロジェルは、多量の水分により乾燥した壊死組織を軟化させるドレッシング材です。
【特徴】
【用途とポイント】
【主な商品名】
ゲル状(グラニュゲル)、シート状(イントラサイトジェルシステム)
アルギン酸塩は、高い吸収力を持つアルギン酸を不織布にしたドレッシング材です。
【特徴】
【用途とポイント】
【商品名】
アルゴダーム、カルトスタット
ハイドロファイバーは、吸収性と保水性を兼ね備えたドレッシング材です。
【特徴】
【用途とポイント】
【商品名】
アクアセルAg、バーシバXC
ハイドロフポリマーは、吸収パッド、吸収シート、ポリウレタンシート、ポリウレタンカバーフォームによって構成されているドレッシング材です。
【特徴】
【用途とポイント】
【商品名】
キチンは、甲殻類から抽出されたキチンをシート状にしたドレッシング材です。
【特徴】
【用途とポイント】
【商品名】
褥瘡処置におけるドレッシング材の交換方法と看護のポイントを紹介します。
褥瘡の治療は、スキンケアが重要です。洗浄するタイミングやポイントを抑え、感染リスクを抑えていきましょう。ドレッシング材の種類や浸出液の量によって、ドレッシング材の交換時期が変わってきます。

ドレッシング材を交換する際のポイント
褥瘡のドレッシング材は、貼布後も観察を継続する必要があります。
体位交換やバイタルサインを測定するときなど、患者さんと接する際には褥瘡部位の観察を心掛けましょう。ドレッシング材が剥がれていないか、浸出液が漏れていないか、疼痛の程度や掻痒感もドレッシング材を貼布する上で求められる看護ケアとなります。
ドレッシング材を剥がす際は、皮膚を引っ張らないことが大切です。剥がれる面をドレッシング材の上から抑えながら持ち上げるように剥がしていくことがポイントになります。
ドレッシング材は皮膚欠損用創傷被覆材として保険償還の価格が決められています。保険上2週間の使用が基準ですが、必要と認められた場合は3週間を限度として算定が可能です。
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