
看護師でイラストレーターの、はやしろみと申します。病棟や外来、クリニックなどでの勤務を経験してきました。
新人の皆さんも研修が終わって、いよいよ本格的な業務に入ったところでしょうか。
今回は看護師さんから2つ質問をいただいています。
お二方とも、いわゆる「わがままな人」に頭を悩ませていらっしゃるようです。はっきり「わがまま言わないでください!」と言ってしまうと角が立ちますし、どうしたらいいのでしょう。一緒に考えていけたらと思います。

看護師でイラストレーター。
整形外科、産婦人科などで看護経験を積み、現在は看護師の知識と経験を活かして、医療系イラストレーターとして活躍。
優しく温もりのある幼児向けのイラストも得意な3児の母。
サイト:はやしろみ アトリエおてて
Instagram:@hayashi_romi_medic
X(旧Twitter):@hayashiromi
Facebook:はやし ろみ
お疲れさまです。
業務にも慣れて定時に帰れるようになってきたなんて、素晴らしいです!1年目のうちは持てなかった時間の余裕は本当に貴重ですよね。
そんな中、「新人が先輩より先に帰るのは許さない」という価値観を、特定の先輩から押し付けられているとのこと…。納得できなくてご立腹されるのも、無理ないことかと思います。
私も新人の頃に、こんな経験をしました。
相手は、3年目の先輩看護師です。
度々、「自分の仕事が終わったらチームの仕事を手伝うこと」や「新人が勤務希望を入れるのは非常識」というアドバイスをなさいます。
私は社会人としても未熟だったので、そういうものかと思っていたのですが、ほかの先輩方はそんなアドバイスはなさらないので、あの方は特別に厳しい先輩なのだと考えていました。
ところが、ある日。
そのことについて師長さんに話したところ、「誰でも勤務希望は入れられます。仕事が終わったら帰りなさい。」と慌てておっしゃいました。もちろん、先輩にも注意してくださったようです。
そのくらい、先輩看護師の対応はあまり良いものではないということだと思います。
相談者さんがそうという訳ではありませんが、一般的に新人のうちは役職も少なく、仕事ぶりも未熟なものです。
先輩は新人の仕事に漏れがないかチェックしたり、何か抜けていてもカバーしてくださったりしています。
相談者さんの先輩は、「私たちがこんなにしてあげてるけど、新人さんは気づいてないだろうな~」と思っていたのかもしれませんね。
だからと言って、新人さんにご相談のような対応をして良い理由にはなりませんけれど。

結論をお伝えすると、私は帰る際にわざわざ一人ひとりには声をかけなくてもいいのではないかと思います。次の勤務者やリーダーさんへの報告が終わって自分の仕事が片付いたら、サッと帰ったほうがいいという考えです。
たくさんのスタッフが残業をすれば病院側としてもコストがかかってきますし、次の時間帯の勤務者の妨げにもなりかねません。
時にはスタッフ同士で業務を手伝ったり助け合ったりすることが必要ですが、それが「新人だから先輩を立てるために残業する」という理不尽な要求であれば、従う必要はないと思います。
しかし、だからといって黙って帰るのも、印象が良くありません。
私はスタッフステーションを出る際に、「お疲れさまです、お先です」などの声掛けを、全体に向かってしていました。そうすればほかのスタッフもみんな聞いていますし、「お疲れさま!」と返事をしてくれる人もいるはずです。
例の先輩も、追加の仕事を頼みづらくなるでしょう。
もちろん近くで顔を合わせた人には、礼儀として挨拶をするものだと思いますが、一人ひとりに挨拶して欲しいと思っている方は少ないはずです。
人によっては、「仕事をしている最中に、挨拶で手を止められたくない!」という方もいますしね(私の夫談)。
それでも先輩の対応が変わらないようであれば、上司に相談してみましょう。
相談者さんの日々の業務が円滑に終えられますように…!
お疲れさまです。
糖尿病の教育入院をご担当されているとのこと。
患者教育は、看護師にとって専門的で有意義なお仕事の1つですね。患者さんのQOLが上がるよう導いていければ、ほかにない達成感を味わうことができると思います!
ただ…上手くいかないと行き詰まって辛い思いをするのも、この仕事のあるあるですね。
持ち込みの物をこっそり食べているのに「食べてない」と嘘をついているということは、本当は治療食だけを摂取しなければいけないと自覚なさっているのでしょう。
入院中にこれだと、日常生活ではもっと食事療養が難しいだろうな……と心配になってしまいますよね。
ただ、こうして問題点を発見できるのは介入のチャンスです。個別性のある看護計画・教育計画を考える糸口になると考えましょう!
まず、この教育入院の目的はなんでしょうか?
『病院の決めたルールに沿って生活してもらうこと」であれば、持ち込み食を隠れて食べることは大きな問題ですね。
ただ今回は治療目的の入院ではなく、教育目的の入院です。
患者さんにとっての問題点を見つけ出し、QOLを維持できるような生活について一緒に考えるのが大事だと思います。
教育入院の目的がはっきりしないと、その場を取り繕うだけで患者さんの入院期間は終わってしまいます。
治療計画は個別性があるものであって、判で押したような一種類だけではないことを知ってもらいましょう。

教育入院は、患者さんもありのままに自分を知る貴重な機会です。行動変容を促すための情報収集は、通院の時よりもたくさんできるはずです。
頑固な患者さんほど、自分の思いをたくさん抱えていらっしゃることでしょう。
限られた時間の中、患者さんの想いを傾聴するのは大変だと思いますが、それが一歩進める手掛かりになりそうだと思いませんか?
教育入院なんて意味がなかった…と思われるより、医療従事者との信頼関係を築いていける方が患者さんの利益になるはずです。
せっかく糸口をつかんでいるのですから、カンファレンスでほかの看護師や栄養士などと解決策を探すのも良いのではないでしょうか。
とても頑固な患者さんの信頼を得られれば、相談者さんにとっても成長と自信に繋がると思います!
▼前回のお悩みはこちら
看護師1年目だけど、夜勤で肌荒れするし足もむくむ…もう辞めたいです。
今回は2つのご質問にお答えしてみましたが、いかがでしたでしょうか?
患者さんも同僚も、それぞれかなり個性がありますよね。
ご相談いただいたことが、少しでもより良くなる方への手助けになりましたら幸いです。
【『看護師ろみのお悩み相談室』バックナンバー】
『看護師ろみのお悩み相談室』vol.1 ~看護師を辞めたくなっちゃったら~

看護師でイラストレーター。
整形外科、産婦人科などで看護経験を積み、現在は看護師の知識と経験を活かして、医療系イラストレーターとして活躍。
優しく温もりのある幼児向けのイラストも得意な3児の母。
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