慢性期で働く看護師の役割・仕事内容は?向いている看護師の特徴も紹介

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「慢性期の看護師として働きたい」「どんな仕事をするの?」と気になっている看護師は多いのではないでしょうか。
ここでは、慢性期医療の概要や、慢性期病院で働く看護師の役割・仕事内容、1日のスケジュール例などについて詳しく紹介します。
この記事を最後まで読み終えてもらえたら、慢性期病院における看護師の働き方が自分に合っているか分かるでしょう。
慢性期の看護師として働いてみたい人はぜひ参考にしてください。

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慢性期医療とは

慢性期とは、病状は安定しているものの、長期的に療養が必要な状態を指します。
ここでは慢性期医療の概要について分かりやすく解説するので確認してみましょう。

慢性期病院の特徴

慢性期病院は、長期的に療養が必要な患者様を受け入れ、高齢者医療を支えています。
病院全体が慢性期病棟で構成されている病院もあれば、一般病棟や回復期病棟も混在しているケアミックス型の病院もあるでしょう。
ここでは病棟の種類や看護師の配置基準について紹介します。

病棟の種類

慢性期の患者様が入院する病棟は、下記の2種類に分けられるのが一般的です。

病棟の種類特徴
療養病棟(医療療養病床)長期間にわたって療養が必要な患者様が入院する病棟
障害病棟(障害者病棟)長期間にわたって療養が必要な重度の障がい者や筋ジストロフィー、難病などの患者様が入院する病棟

いずれの病棟も、長期療養を必要とする患者様を対象としているが、障害病棟では対象疾患が限定的です。

看護師の配置基準

厚生労働省の「医療療養病床(20対1・25対1)と介護療養病床との比較(P9)」によると、慢性期病院における各病棟の看護師の配置基準は下記のとおりです。

項目障害者施設など入院基本料2~4療養病棟入院料1療養病棟入院料2
患者様像重度の肢体不自由者(児)、脊髄損傷など重傷障害者、筋ジストロフィーや難病の患者様などが7割以上医療区分2・3の患者様が8割以上医療区分2・3の患者様が5割以上
看護配置10対1以上~15対1以上20対1以上20対1以上

一般病棟が7対1もしくは10対1であるのに対し、療養病床では10対1~20対1以上と看護師1名あたりが受け持つ患者様の人数が多いことが分かります。

出典

慢性期の対象となる患者

慢性期の対象となる患者様は、治癒が難しい慢性疾患を抱えているケースがほとんどです。
腎疾患や糖尿病、関節リウマチ、認知症、脳血管障害による後遺症などが挙げられます。
高齢者の患者様が多いため、複数の慢性疾患を抱えている場合も少なくありません。
また、疾患だけでなく、身体機能や認知機能の低下などにより、ADLの低下もみられやすい
介助度が高く、中には意思疎通が難しい患者様もいるでしょう。

急性期や回復期との違い

急性期や回復期との違いは下記のとおりです。

急性期回復期慢性期
患者様の状態発症・受傷直後で、症状が顕著にあらわれている身体機能の回復を目指す病状は安定しているが長期的な療養が必要
病院の特徴生命維持や状態の安定を目指した医療を提供在宅・社会復帰に向けて医療やリハビリを提供再発や症状の悪化を防ぐための医療を提供
在院日数短期中期長期

患者様の病状は、急性期から回復期、慢性期と移行するのが一般的です。
ただし、回復期や慢性期まで進んでいても、状態が悪化して急性期に戻るケースも珍しくありません。

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慢性期病院で働く看護師の役割・仕事内容

「慢性期病院で働く看護師の仕事内容がなかなかイメージできない」と悩んでいる人は少なくありません。
慢性期病院で働く看護師の役割・仕事内容は以下の通りです。

  • 患者の健康観察
  • 日常生活のサポート
  • 経管栄養など医療的ケア
  • 廃用症候群の予防

それぞれの役割・仕事内容について詳しく紹介するので、慢性期看護師が気になっている人はチェックしてみましょう。

患者の健康観察

慢性期の患者様は病状が安定していても、高齢者が多いので、体力や免疫力も低下しています。
急激な状態悪化や合併症といったさまざまなリスクを抱えており、一気にターミナルへ進む患者様も少なくありません。
また、言語障害や認知症などにより、苦痛や異変をうまく伝えられない患者様もいます。
慢性期の看護師はバイタルサイン測定や観察などを通じて、患者様の異常の早期発見・対処に努めることが大切です。

日常生活のサポート

慢性期の患者様の多くは、疾患や加齢に伴い、身の回りのことを自分で行うのが難しいです。
そのため、食事や排泄、清潔保持など、日常生活のあらゆる面でのサポートが必要となります。
慢性期の看護師は患者様が安心して入院生活を送れるように、患者様の日常生活を支える役割があるでしょう。

経管栄養など医療的ケア

慢性期病院における医療的ケアは、慢性期看護師の重要な仕事の一つです。
誤嚥性肺炎や認知症などによって経口摂取が難しい患者様は、経管栄養や中心静脈栄養といった栄養摂取の方法が選択されるでしょう。
また、経口摂取が可能な患者様であっても、口腔内で不衛生であったり、喀痰が貯留していたりすると、肺炎のリスクを高めます。
慢性期の看護師はさまざまな医療的ケアを通じて、患者様の全身状態を維持し、状態悪化を予防する役割が求められるでしょう。

廃用症候群の予防

慢性期病院に入院している患者様の多くは高齢で介護度が高く、寝たきりで過ごす方も少なくありません。
しかし、長期臥床は関節の拘縮や褥瘡、誤嚥性肺炎など廃用症候群のリスクが上がります。
慢性期の看護師は体位交換や良肢位の保持などをはかり、廃用症候群の予防に努めることが重要です。

慢性期病院で働く看護師の1日のスケジュール例

ここでは、慢性期病院で働く看護師の1日のスケジュール例を紹介します。

8:30・業務が開始し、受け持ち患者様の情報を収集する
・夜勤帯の看護師から申し送りを受ける
8:45・清潔・排泄ケア、体位交換を行う
・スキントラブルを処置する
9:30・患者様のバイタルサイン測定や点滴交換、喀痰吸引などを実施する
・必要に応じて看護師リーダーや主治医に報告する
11:00・経管栄養を開始する
11:30・昼食を配膳し、食事介助や与薬、口腔ケアなどを行う
・交代で昼休憩に入る
13:30・病棟カンファレンスに参加し、看護師と多職種で情報共有する
14:00・排泄ケアや体位交換を行う
・患者様の状態に応じて喀痰吸引を実施する
14:30・看護記録を作成する
16:00・排泄ケア・体位交換を行う
・患者様の状態に応じて喀痰吸引を実施する
・経管栄養を開始する
16:30・夜勤帯の看護師に日中の様子を申し送りする
17:00・退勤する

慢性期では看護師1名あたりが受け持つ患者様の人数が急性期よりも多く、介助量や医療的ケアが多いので、看護補助者や介護職員との連携が欠かせません。
急変対応や緊急入院が少ないので、定時で退勤しやすく、残業は少ない傾向にあります。

慢性期病院に勤める看護師のメリット

同じ職場で長く勤め続けるには、希望する条件に合った職場を選ぶことが重要です。
そこで、慢性期病院に勤める看護師のメリットについて、以下のように解説します。

  • 患者・家族とじっくり向き合える
  • 基本的な看護技術が身につく
  • 長期間にわたって患者をサポートできる
  • ワークライフバランスを確保しやすい

慢性期病院ならではの魅力ややりがいもお伝えするので確認してみましょう。

患者・家族とじっくり向き合える

慢性期の患者様は急性期に比べて病状が安定している方が多く、1日の流れがゆったりとしています。
そのため、患者様や面会に訪れるご家族とじっくり向き合う時間を持てるでしょう。
「患者様に寄り添った看護を提供したい」「患者様ともっとコミュニケーションをとりたい」と考えている看護師におすすめの職場です。

基本的な看護技術が身につく

急性期病院では診療科目によって習得できる看護技術にばらつきがあります。
一方、慢性期病院に入院している患者様は、経管栄養や血糖測定・インスリン注射、喀痰吸引、ストマの管理など、さまざまな医療的ケアを必要としている方ばかりです。
慢性期疾患を抱える高齢者が必要とするケア全般について学べるので、基本的な看護技術が身につくでしょう。

長期間にわたって患者をサポートできる

慢性期の患者様は在院日数が長く、病院が生活の場となっています。
時間をかけて信頼関係が構築されていくことでやりがいにつながり、仕事へのモチベーションを保ちやすいでしょう。
また、患者様やご家族の意向をしっかり聞き、多職種で連携しながら長期的にサポートできるのも慢性期ならではの魅力です。

ワークライフバランスを確保しやすい

慢性期は急性期や回復期に比べて、急変や緊急入院が少ないので、残業も少ない傾向にあります。
定時で退勤しやすいので、プライベートを重視して働きたい看護師や育児中の看護師にぴったりです。
夜勤のある働き方を選んだ場合でも、休憩をとりやすいので、心身への負担が少なく済むでしょう。

慢性期病院に勤める看護師のデメリット

慢性期病院は患者様の容態が比較的落ち着いていることから、働きやすいと感じる点が多い職場です。
しかし、入職後のミスマッチを防ぐためにも、デメリットもしっかり把握しておくことも欠かせません。
慢性期病院に勤める看護師のデメリットについて紹介するので確認してみましょう。

最新の医療に携わるのが難しい

慢性期においても医療的ケアはあるものの、急性期のように最新の医療に携わる機会は多くありません。
常に最新の知識をアップデートしたい看護師だと、物足りなさを感じやすいです。
ただし、慢性期では患者様の容態変化に気付けるような、鋭いアセスメントスキルを磨くことで、幅広い職場で活躍できるスキルを身につけることができます。

身体的な負担がかかりやすい

慢性期の患者様は介護度が高いので、介助量が多いです。
おむつ交換や体位交換、移乗などは看護師の腰や膝に負担がかかり、身体を痛めてしまうこともあるでしょう。
すでに腰や膝を痛めている看護師は、身体への負担から長く働くのが難しいと感じるかもしれません。

急性期よりも受け持つ患者の人数が多い

慢性期の病院は急性期に比べて、看護師1名あたりの受け持ち患者様の人数が多いです。
大半の患者様は容体が比較的安定しているものの、身の回りのことを自分で行うのが難しく、看護師や看護職員などによる介助がかかせません。
また、喀痰吸引や経管栄養、褥瘡の処置、点滴交換など看護・ケアに時間を要します。
受け持つ患者様の人数が多いことで、「思ったより大変だった」と感じるケースも珍しくないでしょう。

慢性期病院が向いている看護師の特徴

希望するキャリアパスであっても、適性の合わない職場を選んでしまうとミスマッチが生じるかもしれません。
そこで、慢性期病院が向いている看護師の特徴について以下のように解説します。

  • 患者や家族に寄り添った看護を提供したい
  • 幅広い看護技術や知識を身につけたい
  • ゆったりとした職場で働きたい

慢性期病院の看護師が自分に向いている働き方なのかチェックしてみましょう。

患者や家族に寄り添った看護を提供したい

慢性期は急性期のように緊急の対応が少なく、1日の流れも穏やかです。
患者様の意思やニーズを尊重しながら、看護計画に沿った看護・ケアを実践できます。
また、看護師は患者様やご家族とコミュニケーションをとる時間を確保しやすいでしょう。

幅広い看護技術や知識を身につけたい

慢性期は急性期のように特定の診療科目に関する知識やスキルを求められない一方で、基本的な看護技術全般や、幅広い疾患の知識が必要不可欠です。
特に、高齢者に多い慢性疾患に関する知識や、必要なケアの手順などは、介護施設や訪問看護ステーションなどほかの職場でも役立ちます。
ジェネラルナースとして活躍したい看護師にとって、慢性期病院は経験しておきたいキャリアの一つと言えるでしょう。

ゆったりとした職場で働きたい

慢性期病院は時間の流れがゆったりとしており、急性期ほどの目まぐるしさはありません。
「多忙な職場のほうがやりがいが感じられる」という看護師だと、物足りなさやモチベーションの低下につながりかねないでしょう。
ゆったりとした職場で働きたい看護師なら、慢性期特有の時間の流れを受け入れやすいです。

慢性期病院以外に慢性期医療に取り組める職場

実は、慢性期医療に取り組める施設の種類は多く、病院だけとは限りません。
そこで、病院以外に慢性期医療に取り組める職場を紹介します。
病院以外の職場にも興味がある人は、転職時の参考にしてみましょう。

有料老人ホーム

有料老人ホームは民間によって運営されている介護施設で、「住宅型有料老人ホーム」「介護付き有料老人ホーム」「健康型有料老人ホーム」の3種類に分けられます。
中でも、介護付き有料老人ホームは要介護認定を受けた方を対象としており、施設内で介護保険サービスや医療・看護を提供しているのが特徴です。
ただし、施設ごとに対象者の要件や提供できるケアの内容が異なるので、応募前や面接時に確認しておくと良いでしょう。

▶有料老人ホームの看護師求人一覧

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームは、要介護3以上の方を対象とした施設で、提供する主なサービスは入浴や排せつ、食事の介助といった日常生活支援です。
必要に応じて、経管栄養や血糖測定・インスリン注射といった医療ケアも実施します。
容体が落ち着いている方が入居するので急変リスクは少ないものの、施設によっては見取りまで対応するでしょう。

▶特別養護老人ホームの看護師求人一覧

介護医療院

介護医療院は、有料老人ホームや特別養護老人ホームに比べて、医療・介護の必要度が高い方が対象です。
長期間にわたって療養が必要な高齢者を対象とした介護施設で、医療依存度の高い方を受け入れています。
介護療養型施設が2023年度末に廃止予定となり、2018年より介護医療院が新設されました。
「介護施設に興味はあるけれど、医療的スキルを落としたくない」という看護師にとって働きやすい職場です。

慢性期の看護師についてよくある質問

ここでは慢性期の看護師についてよくある質問を紹介します。

臨床経験が浅くても慢性期の看護師として働けますか?

臨床経験が浅くても、慢性期の看護師として勤めることは可能です。
ただし、教育・研修制度は医療機関や施設によって異なるため、人が不足している職場では、十分な教育・研修を受けられないこともあります。
応募前にホームページをチェックしたり、面接時に確認したりすれば、ミスマッチを防ぎやすいです。

将来的に慢性期から急性期に転職することはできますか?

将来的に慢性期から急性期の看護師として転職することはできます。
ただし、大学病院や大規模な総合病院では、専門性の高い知識・スキルが求められるため、新たに学び直さなければならず、入職後の努力が必要です。
知識・スキルに自信がない場合、比較的規模の小さな二次救急指定病院を選ぶと安心でしょう。

まとめ

慢性期の対象となる患者様の多くは、治癒が難しい慢性疾患を抱えており、認知機能や身体能力、ADLの低下がみられます。
そのため、患者様の健康観察や日常生活のサポート、医療的ケアなどを行い、患者様の療養生活を支えるのが慢性期看護師の重要な役割です。
慢性期は急性期に比べて病状が安定しているため、じっくり患者様・ご家族と向き合えるほか、基本的な看護技術が身につくなどさまざまなメリットが期待できます。
患者様やご家族に寄り添った看護を提供したい人や、ゆったりとした職場で働きたい人は、慢性期の看護師へのキャリアチェンジを視野に入れてみましょう。

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この記事を書いた人
村山 夕梨恵
看護師ライター
看護学校卒業後、公立病院の循環器内科・脳神経内科の混合病棟に配属。特別養護老人ホームやデイサービス・訪問看護の事業所への転職を経験する。 現在はフリーランスの看護師ライター/Webディレクターに転向。看護師転職/美容医療/審美歯科/介護分野に関するコンテンツ作成に従事。
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