放射線科で働く看護師の妊娠はどう影響する?外れたほうがよい業務も紹介

放射線科の妊娠への影響は?外れたほうがよい業務も紹介のイメージ

放射線科で働く看護師は被ばくリスクがあるため、妊娠への影響を心配する看護師は少なくありません。
ここでは、放射線科で働く看護師の妊娠が業務にどのような影響があるのか、詳しく紹介します。
この記事を最後まで読み終えてもらえれば、妊娠中に安心して取り組める業務や、外れたほうが良い業務が分かるでしょう。
妊娠の予定がある放射線科の看護師は、ぜひ参考にしてください。

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放射線科の看護師の妊娠はどのような影響を受ける?

放射線科で働く看護師は、普段の業務を通じて被ばくのリスクを伴います。
もしも妊娠した場合、胎児や妊娠の維持への影響は気になるところです。
ここでは放射線科の看護師の妊娠はどのような影響があるのか、分かりやすく解説するので確認してみましょう。

看護師が業務で受ける被ばく量

⽇本放射線看護学会の「看護職のための眼の⽔晶体の放射線防護ガイドライン(P6)」によると、看護師の年間被ばく線量の分布は下記のとおりです。

線量(mSv/年)2018年2017年2016年
検出限界未満86,75583,49281,179
0.10-1.0017,64317,54717,785
1.01-5.003,7353,9904,134
5.01-10.00194224256
10.01-15.00202534
15.01-20.009814
20.01-25.00121
25.01-50.00246
50.00以上011

看護師の放射線被ばく量は多くなく、半数以上が1.00mSv以下です。

出典
⽇本放射線看護学会「看護職のための眼の⽔晶体の放射線防護ガイドライン(P6)」2020年12月17日(2025年1月30日参照)

妊娠中の線量限度

⽇本放射線看護学会の「看護職のための眼の⽔晶体の放射線防護ガイドライン(P6)」によると、妊娠と判断された日から出産までの期間における線量限度は2mSvと定められています。
ただし、看護師の年間被ばく線量からも分かるように、妊娠中の線量限度を超えて働く看護師は少数です。
また、業務内容の調整や、定期的な線量のチェックなどによって、放射線の被ばく線量を下げることができます。

出典
⽇本放射線看護学会「看護職のための眼の⽔晶体の放射線防護ガイドライン(P6)」2020年12月17日(2025年1月30日参照)

被ばくによる胎児への影響

日本産婦人科医会の「放射線被爆と先天異常」によると、胎児の発達の遅れが生じる可能性があるのは100mSvを超えた場合です。
放射線科で働く看護師の線量限度は2mSvと定められているため、放射線による胎児への影響はほとんどないと言えるでしょう。
また、妊娠に気付かない妊娠超初期の段階での放射線被ばくは、胎児への影響が極めて低いことも分かっています。
「妊娠が判明していなかったので通常通りに業務をこなしてしまった」という看護師は、過度に心配する必要はありません。

出典
日本産婦人科医会の「放射線被爆と先天異常」(2025年1月30日参照)
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妊娠中の看護師が放射線科で行える業務

放射線科では、単純X線写真や、CT、MRIといった画像診断のほか、画像誘導下での局所治療(IVR)、放射線治療などを行います。
ここでは、妊娠中の看護師が放射線科で行える業務を紹介するので確認してみましょう。

検査の準備・介助

検査の準備・解除は放射線による被ばくの心配が少ないため、妊娠中でも安心して取り組める業務の一つです。
スムーズ検査が行われるように、放射線科の看護師は物品の準備やカルテの確認などを担います。
医師の清潔操作が必要な場合は、サポートすることもあるでしょう。
また、放射線科の看護師は、患者様が安心して治療や検査を行えるように、必要に応じて介助します。

MRI検査

MRI検査は、強力な磁場と電波を組み合わせて体内の画像を取得する検査です。
被ばくのリスクがなく、妊婦でも比較的安全に検査を受けることができます。
したがって、妊娠中の看護師も、MRI検査に携わることが可能です。

CT検査

CT検査は放射線の一種であるX線を使用し、体内の断層画像を撮影する検査です。
放射線量は多いものの、撮影時に看護師は室外に出ているので、被ばくの影響を受けにくいでしょう。
また、CT室に患者様を送迎するのも特に問題ありません。

放射線科の看護師が妊娠中に外れたほうがよい業務

放射線科で働く看護師の業務の中には、妊娠に影響を及ぼす可能性がある業務も含まれています。
放射線科の看護師が妊娠中に外れたほうがよい業務は下記のとおりです。

  • カテーテル検査の介助
  • 透視検査
  • 患者の身体介助

妊娠中も放射線科で働きたい方は確認してみましょう。

カテーテル検査の介助

IVRのようなカテーテル検査は、患者様の体内をリアルタイムで映し出す必要があるため、絶えずX線が出力されています。
プロテクターを装着していても、体の全面しか覆えないので、後ろを向いて作業する際は被ばくの恐れがあるでしょう。
放射線による影響が気になる妊娠中は、カテーテル検査の介助は避けた方が安心です。

透視検査

透視検査はx線を連続もしくはパルス出力し、体内をリアルタイムで観察・処置するための検査です。
静止画を組み合わせているため、動画のように見えています。
撮影枚数は多いものの、1枚1枚の線量は低く、被ばく線量が多くありません。
しかし、妊娠中は被ばくリスクを避けるためにも外れたほうが良いでしょう。

患者の身体介助

放射線科を訪れるのは、歩行が自立している外来の患者様だけとは限りません。
病棟に入院している寝たきりの患者様が検査目的で、放射線科を訪れることもあります。
しかし、患者様をベッドへ移乗する際、無理な姿勢をとったり、腹圧がかかったりして、妊娠中の身体に負担が大きいです。
患者様の身体介助はできるだけ行わなくて済むように、あらかじめ上司に相談しておきましょう。

放射線科の看護師が妊娠中に働くには

「妊娠中は放射線科で働かない方が良いの?」と不安に感じてしまう方は少なくありません。
放射線科の看護師が妊娠中でも働くには、下記の点に注意しましょう。

  • 妊娠初期の放射線被ばくを避ける
  • 胎児の線量を測定する
  • 適切な放射線防護を行う
  • リスクが心配なら上司に相談する
  • 部署異動や転職は最終手段と考える

妊娠中も安全面に配慮しながら働きたい方は参考にしてください。

妊娠初期の放射線被ばくを避ける

妊娠初期は「器官形成期」とも呼ばれ、胎児の心臓や脳といった重要な器官が発達する時期です。
中でも、妊娠8~15週ごろは最も放射線の感受性が高く、放射線による影響を受けやすくなります。
放射線科で働く看護師は、胎児に影響を及ぼすほどの被ばくは基本的にあり得ないものの、放射線被ばくを受けにくい業務を中心に働かせてもらうようにすると良いでしょう。

胎児の線量を測定する

放射線の影響を受けないように働くには、胎児の放射線被ばく線量を把握することが重要です。
放射線管理者から毎月配布される線量は、「腹部」または「女子腹部表面」を確認してください。
「X」や「M」と表示されていれば、ほとんど被ばくしていないことが分かります。
また、1か月、四半期、年間の欄に実数が表示されている場合、2mSvを超えていないかチェックしましょう。

適切な放射線防護を行う

放射線防護衣を着用することで、胎児の放射線被ばく量を低減させるのに役立ちます。
ただし、エプロンタイプだと体の前面しか防護できません。
放射線の影響を受けにくくするためにも、全周囲から放射線を防護できる防護衣がおすすめです。

リスクが心配なら上司に相談する

もしも放射線による妊娠への影響が心配であれば、上司に相談するのも選択肢の一つです。
業務内容を調整してもらえれば、安心して働くことができます。
妊娠中はコンディションが崩れやすくなるため、職場からフォローが受けられるのはうれしいポイントです。

部署異動や転職は最終手段と考える

部署異動や転職は、仕事を覚え直さなければならないうえに、人間関係も一から築く必要があります。
心身への負担が大きいため、妊娠中の部署異動や転職はおすすめしません。
また、育児休暇を取得するには、同じ職場で1年以上継続して働いていることなど、いくつか条件が定められています。
妊娠中の転職は育児休暇を取得できない可能性があるので、妊娠前に転職を検討すると良いでしょう。

放射線科の看護師の妊娠についてよくある質問

ここでは、放射線科の看護師の妊娠についてよくある質問を紹介します。

放射線は妊活中の看護師への影響はありますか

⽇本放射線看護学会の「看護職のための眼の⽔晶体の放射線防護ガイドライン(P6)」によると、妊娠する可能性のある女性の線量限度は5mSv/3か月です。
不妊に影響する放射線量は、4,000mSv~6,000mSvとされています。
通常の業務の中で被ばくする線量ではないため、妊娠への影響はほとんどないと言えるでしょう。
ただし、妊娠後も放射線科で働き続けるのに不安を感じるようであれば、妊活中の部署異動や転職も選択肢の一つです。

出典
⽇本放射線看護学会「看護職のための眼の⽔晶体の放射線防護ガイドライン(P6)」2020年12月17日(2025年1月30日参照)

放射線科で働く看護師の妊娠報告はいつ頃が良いですか?

放射線科の看護師の業務には、妊娠に影響を及ぼす可能性がある業務も含まれています。
また、妊娠初期はつわりや倦怠感、めまいといった不調を感じるようになり、突然休む可能性もゼロではありません。
妊娠が分かった時点で早めに職場に報告すれば、業務や勤務時間などを調整してもらいやすいです。

▼関連記事
看護師の妊娠はいつ職場へ報告すべき?出産に関する制度や復帰後の働き方も

まとめ

放射線科では単純X線写真や、CT、MRIといった画像診断のほか、画像誘導下での局所治療(IVR)、放射線治療などさまざまな業務をこなします。
検査の準備・介助やMRI検査、CT検査などは被ばくの心配が少なく、妊娠中でも比較的安全に取り組むことが可能です。
一方、カテーテル検査や透視検査のように被ばくのリスクが高い業務や、腹圧がかかる患者様の身体介助はおすすめできません。
より安心して放射線科で働きたい方は、妊娠初期の放射線被ばくを避けたり、適切な放射線防護を行ったりしましょう。

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この記事を書いた人
村山 夕梨恵
看護師ライター
看護学校卒業後、公立病院の循環器内科・脳神経内科の混合病棟に配属。特別養護老人ホームやデイサービス・訪問看護の事業所への転職を経験する。 現在はフリーランスの看護師ライター/Webディレクターに転向。看護師転職/美容医療/審美歯科/介護分野に関するコンテンツ作成に従事。
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