2023.11.13
「産婦人科で新生児ケアがしたい」新卒入職したNICUを半年で退職したSさんの場合
新人看護師のSさんは看護学校卒業後、産婦人科を希望していたものの、NICU配属になりました。しかし、特殊な雰囲気と業務に慣れずに半年で退職。ご自身で産婦人科の職場を探しましたが、短期退職がネックとなり、断られてしまったとのことです。「どうしても新生児のケアがしたい」という熱意のあるSさんですが、前職の短期退職によって、自信をなくしているように感じました。前向きな転職ができるよう、アドバイザーがサポートを行いました。
「好き」という気持ちは何より大きな力を与えてくれます。
アスリートや職人、アーティストなど、「好き」をつきつめて一流になった人は多くいます。
今回ご紹介するのは、「新生児ケアが大好き」とおっしゃる新人看護師Sさんです。
Sさんは看護学校卒業後、付属の大学病院に就職。産婦人科を希望しましたが、NICU配属になりました。しかし、NICUの特殊な雰囲気と業務になじめず、Sさんは半年で退職してしまいました。
それでも新生児ケアがしたいと考え、Sさんはご自身で、産婦人科の職場を探しました。しかし、NICUを半年で退職したことと産婦人科未経験であることがネックになり、どこからも断られてしまいました。
困り果てたSさんは、「どうしても新生児のケアがしたいんです」とご相談くださったのです。
SさんのNICUの経験内容によっては、職場探しに活かせるかも知れません。そこで詳しく、今までのお仕事内容をお聞きすると「半年しか勤務してませんから…」と、Sさんは話したくなさそうなご様子。
「半年だって立派な経験ですよ」と言うと、Sさんは、ポツリポツリと語り始めました。
Sさんの配属されたNICUは、ベビーの呼吸や輸液など、生命に直接関わる機械管理が多く、新人ナースは先輩の指導を受けながら、緊張しながらケアをしていました。急性期のベビーから目が離せないため、休憩も短時間しか取れないハードな職場でした。
残業が多く、毎月の研修ではレポートが課され、受け持ち児の勉強にも追われる毎日。寝ないで勉強しても先輩に「足りない」と言われ、慢性的な睡眠不足で、Sさんは追い詰められていきました。
ある夜勤中、Sさんはケアの不手際を先輩から厳しく注意され、一度も休憩できませんでした。もうこれ以上頑張れない、と感じたSさんは、ついに退職してしまったのです。
「すみません、グチになってしまって」とSさんはため息をつき、「NICUから逃げた私に、新生児看護なんて無理かな…」と、小さな声でおっしゃいました。
私は思わず、「そんなことないですよ!」と大きな声で言ってしまいました。
医療現場の労働環境は、ケアの質に影響すると言われています。スタッフの疲労はミスを引き起こしやすく、NICUのように繊細な現場においては、特に余裕のある体制づくりが重要です。
Sさんが「逃げた」というより、そもそも労働環境に無理があったのでしょう。「Sさんの“好き”が活かせる場はありますよ」とお話すると、Sさんは少し勇気が湧いたようでした。
そこで、市内の産婦人科に1件1件連絡し、Sさんの経歴と熱意を丁寧にご説明しました。すると、1つの事業所から「面接してもいい」という返事がありました。ベテランスタッフの多い産科クリニックです。Sさんの不安を和らげるため、面接にはご同行しました。
面接で志望理由を聞かれると、Sさんは「新生児が大好きなんです」とおっしゃり、新生児のケアについての質問にもハキハキと答えられました。
院長先生は終始ニコニコされ、「赤ちゃんへの愛情は何より大事です」と言って下さり、Sさんの経験と意欲が認められて、スムーズに内定が決まりました。
入職後、Sさんは「大好きな産科なので、仕事も勉強も楽しいです」とおっしゃり、次は助産師を目指すと話してくださいました。
厳し過ぎる労働環境の中で自信を失い、医療現場を去られる看護師さんが多くいらっしゃいます。
ですが、「好きだ」という気持ちを大切にすることで、自信や情熱を取り戻せる環境を見つけることもできるのです。
そんな看護師さんたちの職場探しを、これからも全力でサポートしたいなと改めて心に思うケースでした。
ここでは、短期退職の経験がネックとなっている方に向けて、転職を成功させるポイントを紹介します。なかなか選考が上手く進まずお悩みの方は、参考にしてみてください。
看護師として経験したことは、勤務期間の長さに関わらず、今後活かせる糧となっているはずです。身につけた知識やスキルなども、決して無駄になってはいません。自信を持ち、応募先に活かせることを具体的に考えてみましょう。たとえば、今回紹介したSさんの場合、産婦人科は未経験でもNICUで身につけたことは、産婦人科で活かせることもあります。このように、これまで経験したことで、少しでも応募先に役立つことはないか考えましょう。
経験が浅いことで応募できる求人が少なくても、根気よく探すことで、転職先が見つかる可能性もあります。まずは、転職に関する情報量を増やすことが重要です。その中で応募可能な求人が出てきたら、「教育がしっかりしている」「無理のない働き方ができる」など希望条件に合った職場を見つけましょう。希望条件は「どうしても譲れないポイント」を絞り、優先順位をつけておくとスムーズです。
「自分一人で求人を探すのは限界がある」「短期退職によって自信がない…」と不安な方は、レバウェル看護を活用してみませんか?レバウェル看護では、専任のアドバイザーがどのような悩みもお聞きし、あなたの転職活動をお手伝いいたします。何でも相談できますので、前向きに転職活動が進められるでしょう。また、豊富な求人の中からぴったりの職場を紹介しますので、キャリアが浅くてお悩みの方も、まずはご相談ください。「すぐに選考に進む自信がない…」という方も、応募書類の添削や面接対策も実施します。
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