日勤のみで働く看護師の平均給料は?夜勤なしの職場や求人探しのコツも紹介

2023.5.23

打ち合わせをするナースのイメージ

夜勤もある看護師の中には「日勤のみ」で働くことに興味を持っている方もいるのではないでしょうか。日勤のみの場合、夜勤手当がない分給料は下がる傾向にあります。この記事では、日勤のみで働く看護師の平均給料や、夜勤なしで勤務するメリット・デメリットをまとめました。また、日勤のみで働けるおすすめの職場も紹介。「給料も重視したいけど日勤のみの仕事も気になる…」とお考えの方は、ぜひご一読ください。

日勤のみで働く看護師の平均給料・年収はどのくらい?

ここでは、日勤のみで働く看護師の平均給料や年収がどのくらいなのかを紹介します。「日勤のみだと給料は低い?」と気になる方は参考にしてみましょう。

日勤のみで働く看護師の平均給与

厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、看護師全体の平均給与額は約35万円であり、日勤のみの看護師は月に4〜6万円の差があるため約29万〜約31万といえます。これは、日本看護協会の資料(p18〜p19)にある夜勤手当の平均額や平均夜勤回数を基に、夜勤手当の平均を出したうえで、深夜割増賃金を考慮しておおよその額を算出したものです。

二交代制三交代制の準夜勤三交代制の深夜勤
夜勤の平均手当額1万1,286円4,154円5,122円
平均夜勤回数4回超~5回未満7~8回未満7~8回未満

参照:日本看護協会「2020年病院看護実態調査(p18~p19)

手取り額については給与の8割程度になるため、看護師全体は約28万円で、日勤のみは約22万〜約24万円あたりが相場でしょう。
また、夜勤のある職場はもともとの基本給が高めに設定されているケースもあり、その場合はさらに日勤のみの給料と差がつくのが現状です。

出典
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査結果の概況」(2023年5月18日)
日本看護協会「2020年病院看護実態調査 報告書」(2023年5月18日)

日勤のみで働く看護師の平均年収

厚生労働省の同調査によると、看護師全体のボーナスは86万円ほどのため、平均年収は約506万という結果です。日勤のみだと年間50〜80万ほどの差があるため、年収は約426万〜約456万円になります。年間で考えると、この収入差は大きく感じる方も多いでしょう。

以下の表は、平均年収含め日勤のみ・夜勤ありの看護師の収入面についてまとめたものです。

日勤のみの看護師夜勤ありも含む看護師
平均給与約29~約31万円約35万円
平均手取り額約22万~約24万円約28万円
平均年収約426万~約456万円約506万円

参照:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)

今まで夜勤のある職場で勤務していた方は、希望貯金額や生活費に必要なおおよその額など金銭面での変化をイメージしたうえで、日勤への転職を考えましょう。

出典
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査結果の概況」(2023年5月18日)

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日勤のみで働きたい看護師におすすめの職場・仕事

日勤のみの求人を探している方におすすめなのは、クリニックや訪問看護ステーション、デイサービスなどが挙げられます。以下でまとめているので、転職活動時の参考にしてみましょう。

クリニック

内科や耳鼻科、整形外科など一般的なクリニックは、診療時間が決まっているため、基本的には日勤のみで働けます。生活リズムが作りやすく、働きやすい職場といえるでしょう。ただし、クリニックによっては遅い時間まで診療していたり、繁忙期には診療が長引いたりします。その場合は退勤時間が夜間帯になることも。また、病棟のあるクリニックの場合は夜勤ありの可能性もあるので、あらかじめチェックしておきましょう。

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病院の外来

外来は基本的に日中しか対応しないため、日勤のみで働けることが多いようです。診療時間が決まっていて、勤務時間もある程度固定されているので、残業も少ない傾向にあります。また、規模の大きい病院では診療が予約制になっていることもあり、長時間の残業はほぼありません。
ただし、場合によっては救急外来の夜勤シフトがあったり、病棟の夜勤を担当することがあったりします。

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訪問看護ステーション

利用者さまの自宅に出向いて必要なケアを行う訪問看護は、日中メインのため基本的に夜勤はありません。事業所によっては直行直帰担当が可能なケースもあり、自身が担当する業務をこなせば夕方には帰宅できる可能性もあります。一人でケアを行う機会も多く、在宅看護の知識も必要なため慣れるまでは大変ですが、日勤のみの中でも比較的給料は高めな傾向にあります。
ただし、月に数回夜間のオンコール対応が必要なケースもあるため、事前に確認しておくことが重要です。

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健診センター

一般的な健康診断は日中に実施されるため、健診センターは日勤のみで働ける職場といえるでしょう。看護師の仕事内容は採血や心電図、診察介助、PC入力作業などです。病院やクリニックではないため、怪我の処置や緊急対応がないのも特徴。職場によっては土曜出勤を求められるケースもあるので、「日勤のみ・土日休み」の求人を探している方は注意してください。

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デイサービス

宿泊サービスを提供していないデイサービスは、看護師が日勤のみで働ける職場の一つです。ほかの介護施設は、特別養護老人ホームや有料老人ホームなど入所型の施設が多いので、「介護業界に興味があるけど日勤のみが良い」とお考えの方に適しています。ただし、施設によっては宿泊可能なお泊りデイサービスを提供している所もあるため、その場合は看護師も夜勤があるのか確認しておきましょう。

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保育園

保育園は基本的に日中に開いているため、看護師の業務も日勤のみです。仕事内容は、怪我や体調不良時の処置、病気の病院への付き添い、身体測定のフォローなどが挙げられます。園によっては病後児保育を担ったり、園の行事の際は土日に勤務したりすることもあるようです。
業務は多岐にわたりますが、日勤のみの求人を探している看護師で「子どもが好き」「小児科の経験がある」といった方にはおすすめの職場といえます。

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産業看護師

産業看護師とは企業に勤務する看護師のことで、日勤のみが可能な仕事の一つです。職場は主に企業の健康管理室や医務室で、怪我の処置や健康診断の企画、メンタルヘルスケア業務などを担います。勤務時間は就業先の企業に沿うケースが多く、日勤のみで働くことが可能です。また、土日祝日休みの職場も多いでしょう。大手企業の場合、「基本給が高め」「昇給しやすい」といった傾向にあります。しかし、高待遇な求人は少なかったり、一定以上の臨床経験が必要な場合もあるようです。

治験コーディネーター(CRC)

治験コーディネーター(CRC)とは、医療機関で新薬の開発に向けて治験をサポートする職業で、日勤のみで働ける職場が多くあります。仕事内容は被験者の対応や製薬会社とのやり取り、モニタリング、書類の作成などです。一般的な看護業務はなく、勤務先によってはバイタルチェックがメインや採血がメインで、残業がほぼないケースも。そのため、夜勤ありと比較すると給料は低めなものの、「仕事量を考えると待遇面が良い」と感じる場合もあるでしょう。

夜勤より給料が下がっても看護師が日勤のみで働くメリットとは?

看護師が日勤のみで働くメリットには、「仕事と家庭を両立しやすい」「夜勤よりスタッフ数が多くて安心して働ける」などがあります。以下で詳しく紹介しているので、日勤のみの職場へ転職を検討している方はチェックしてみましょう。

身体への負担が少なめ

日勤のみで働く大きなメリットは、夜中の勤務が発生しない分、身体への負担が少なめであることでしょう。普段は身体を休めている時間帯に働くことは、慣れていないと疲労が溜まりやすいものです。また、疲れが抜けにくいと気持ち的に余裕がなくなり、ストレスを感じることも。日勤のみであれば昼は働いて夜眠るという一定のリズムを維持できるため、心身の調子を崩すことも少なくなります。

仕事と家庭を両立しやすい

日勤のみの職場の場合、子どもの用事や家事などもスムーズに済ませられるといったメリットがあります。仕事と家庭のバランスがとりやすいことは、日勤で働く大きな魅力の一つです。日勤メインで夜勤もある勤務先で働く場合、人手不足の際は夜勤に入る可能性もあります。しかし、日勤しかない職場であればその心配はありません。特に結婚や出産を控えていて仕事との両立が不安な方は、日勤のみの職場へ転職するのも良いでしょう。

夜勤帯より職員数が多く安心

日勤の時間帯は夜勤時よりもスタッフの数が多いため、精神的に落ち着いて看護にあたれます。夜勤の場合、急変があっても少ない人数で対応しなければなりません。また、人手が充実していれば、仕事で分からないことがあっても先輩看護師に質問しやすいでしょう。ただし、職場によっては日勤の看護師が一人体制のケースもあるので、応募時に確認しておいてください。

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給料面以外で看護師が日勤のみで働くデメリットとは?

看護師が日勤のみで働くデメリットには、給料面以外にも「キャリアアップしにくい」「求人が限定される」などがあります。以下で詳細をチェックしてみましょう。

スキルやキャリアが伸びない可能性がある

日勤のみの職場では、難易度の高い処置や専門性の高い医療行為を行う機会は少なく、看護業務の範囲もある程度限られています。そのため、高い看護技術や知識が身につきにくいと感じやすいかもしれません。また、病棟で日勤看護師をしていると、夜勤のような少人数でのケアや緊急対応をする場面が少なく、「夜勤ありの看護師と成長の度合いで差がついてしまう」と感じることもあるでしょう。

日勤のみだと求人が限定される

小規模なクリニックやデイサービス、採用人数が少なめな産業看護師など、日勤のみの求人数は夜勤ありと比較すると少なめといえます。また、日勤のみでかつ「土日休み」「残業少なめ」「福利厚生充実」といった職場の場合、人気があり倍率は高いことも。条件の良い日勤のみの職場へ転職するには、前職で実績があったり、業務に活かせる資格を持っていたりする看護師が有利になるかもしれません。

どのような看護師が日勤のみの仕事に向いている?

ここでは、日勤のみで働くのに向いている看護師の特徴を紹介します。自身の現状や希望条件が日勤のみの仕事に適しているのか気になる方は、ぜひご覧ください。

夜間帯に働くのが不可能な人

育児や家族の介護といった都合で夜勤をするのが難しい方は、日勤のみの働き方が適しているでしょう。このような事情がある場合、たとえ夜勤のある職場でも、日勤メインにしてもらえる可能性もあります。しかし、必ずしも希望が通るわけではないので、心配な方は日勤しかない職場へ転職するのがおすすめです。

生活リズムを維持して働きたい人

日勤のみの仕事であれば、「昼に働き夜は眠る」という一定の生活リズムを保つことが可能です。人によっては夜間に働くことが体に合わず、「夜ゆっくり体を休めることで日中元気に働ける」という場合もあるでしょう。看護師として活躍しながら、「メリハリをつけて働きたい」「規則正しい生活も送りたい」と考えている方は、日勤のみの働き方が合っています。

プライベートを大切にしたい人

友人との関わりや趣味にあてるプライベートな時間が大切な方は、日勤のみの働き方が向いているでしょう。夜勤があると、世間の一般的な生活サイクルから多少ズレが生じてしまいます。そのため、他人とスケジュールを合わせるのが難しかったり、趣味を楽しむ時間が限られてしまったりすることも。また、「家族と過ごす時間を大事にしたい」と考える家庭のある方にとっては、日勤のみが適しているかもしれません。

看護経験が浅い人

先述したように、日勤のみの職場は夜勤よりもスタッフ数が多いため、「看護経験が浅い」「未経験の診療科目なので不安」といった方におすすめです。看護師の人員が手厚い日勤帯であれば、入職後も研修や新人指導などを受けられる可能性があります。自分のペースで仕事を覚えながら、徐々にスキルアップできるでしょう。「いつかは夜勤ありで働くことも視野に入れているので、まずは日勤のみで経験を積みたい」と考えている方にもピッタリです。

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給料を重視する看護師が日勤のみの求人を探すポイント

給料面を気にしている看護師が日勤のみの職場へ転職する場合、雇用形態や福利厚生などをチェックすることが重要です。以下で求人を探す際のポイントを紹介しているので、ご一読いただき自身に合った職場を見つけましょう。

雇用形態・条件チェックする

日勤のみの求人を探す方は、雇用形態が希望と合っているか確認してください。一般的に給料を重視する場合、正規雇用を希望する方が大半かもしれません。正社員として働ける職場は試用期間を設けているケースもあり、転職後の数カ月は給料が異なることもあるので、事前にチェックすることが大切です。
また、派遣社員は求人は即戦力を求められることが多く、時給が高めな傾向にあります。条件を満たせば正社員になれる可能性もあるので、まずは自分に合った働き方を考えておきましょう。

どのような福利厚生があるのか確認する

給料面を気にする方は、応募先の福利厚生を重視して転職活動を進めるのも一つの方法です。同じ日勤の職場であっても手当や退職金制度の有無は異なるため、先に確認しておきましょう。手当に関しては「夜勤ほど充実していないのでは」とイメージする方が多いかもしれませんが、以下のような手当を受けられる職場もあります。

  • 家族手当
  • 住宅手当
  • 資格手当
  • 調整手当
  • 精勤手当

就業先によっては、「手術室手当」「訪問手当」などが支給されるかもしれません。また、退職金制度については導入の有無や金額は職場ごとに違いがあるので、あらかじめチェックしておいてください。

仕事量や内容が給料と見合っているかをチェックする

「日勤のみで働きたいけど納得のいく収入を得たい」とお考えの方は、仕事内容と給料額がマッチしているか見極めてから応募すると良いでしょう。看護師によって、「この業務内容でこの給料なら良いかも」「忙しいけど高収入ならOK」など考えは違いがあるはず。自身の希望する給料が仕事内容や労働環境と見合っているかを把握しておくと、より条件の良い職場へ転職しやすくなります。

まとめ

日勤のみの看護師の給料は、夜勤手当のある看護師より低いのが現状といえます。日勤のみの看護師の平均給与は約29〜31万円で、平均年収は約426万〜約456万円です。夜勤と比べると給与で約4〜6万円、年収で約50〜80万円の差があります。収入面を重視する方が日勤のみの求人を探す際は、手当をはじめ福利厚生が充実しているかをチェックすると良いでしょう。
しかし、一人で転職活動を進める場合、自分の条件に合った日勤のみの求人を探し出すのはなかなか難しいものです。看護師専門の転職エージェントである「レバウェル看護」では、キャリアアドバイザーが希望する給与や働き方などをヒアリングしたうえで、マッチした求人をご紹介。自身ではハードルの高い給料の条件交渉も代行いたします。
「日勤のみの求人だと限られているので転職が不安」と感じる方も、経験豊富なアドバイザーがマンツーマンでサポートするのでご安心ください。また、現在就業中で忙しく「やり取りに時間がかかるのは面倒…」といった場合、メールやLINEでのやり取りも可能です。面接日の調整や応募先への連絡も行うので、効率良く転職活動が進められますよ。

日勤のみで働く看護師の給料に関してよくある質問

ここでは、日勤のみで働く看護師の給料について、よくある質問をQ&A方式で解決します。

日勤のみで働く看護師の生活はきつい?

日勤のみで働く看護師の平均給料・年収はどのくらい?」でもお伝えしていますが、日勤のみの看護師の平均給与は約29万〜31万なので、生活が送れないほどきついという額ではありません。実家暮らしや一人暮らしであっても、一般的な生活が送れるでしょう。ただし、「結婚して家族を養っていく」「住宅購入を考えていて少しでも収入を増やしたい」といった方は、待遇面を考えると夜勤にも入れる職場を検討するのも一つの手段です。

日勤のみの看護師が収入を上げるにはどうすればいいですか?

今現在非常勤で働いている場合、まずは正社員として転職することをおすすめします。その際は規模の大きな病院や福利厚生が充実している求人を選ぶと、より高待遇の職場が見つかるはずです。転職後は、資格を取得したり役職に就いたりすることで給料アップを狙えます。また、業務に意欲的に取り組むことで昇給する可能性もあるでしょう。

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