看護師の給料の相場はどのくらい?働き方による差を知ろう

2023.6.23

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看護師の給料について、どのようなイメージをお持ちでしょうか? 「夜勤があると収入も多い」「大きな病院は給与が高い」など、さまざまでしょう。当コラムでは、看護師の平均的な月収や賞与をはじめ、地域や働き方、仕事内容による給与の差について述べています。また、「給料が高い職場」「年収を上げるコツ」もご紹介。看護師として転職を考えている方は、ぜひご一読ください。

看護師の給料の平均

看護師は国家資格を持つ専門職であるため、「年収が高い」「収入が安定している」という印象を持たれる職種でしょう。看護師の就業先は病院やクリニックなどさまざまですが、月収の相場はどのくらいなのでしょうか? これから転職しようと考えている方にとって、給与面は気になるところでしょう。下記に、厚生労働省の賃金構造基本統計調査のデータによる、看護師の平均給与額を記載しています。

平均年収:4,799,300円
平均月収:331,900円
平均賞与:816,500円

以上の結果は手当や残業代も含めた相場ですが、国税庁の調査データによる男女合わせた全給与所得者の平均年収が4,410,000円であることを比べると、比較的高めというイメージでしょう。

参照元
厚生労働省
賃金構造基本統計調査 / 平成30年賃金構造基本統計調査一般労働者職種

国税庁
民間給与実態統計調査/平成30年分

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給料の差はどこで決まる?

看護師の給料の差は何に基づくのでしょうか? そこには、働く環境の違いが大きく関係するようです。ここでは、看護師の給料を左右する条件や労働環境を挙げて解説していきます。

勤務形態

看護師の働き方には、「日勤常勤」「夜勤ありの常勤」「日勤帯の非常勤」「夜勤帯の非常勤」「夜勤専従」などいくつかあります。その勤務時間の違いなどから、給与にも差があると考えられます。夜勤業務には手当が支給されることが多いため、月収に大きく影響するでしょう。さらに、夜勤の働き方には1日の勤務を日勤・夜勤に分ける「二交代制」、日勤・準夜勤・深夜勤に分ける「三交代制」の2種類があります。二交代制は勤務時間が長い分、三交代制よりも手当は高いのが一般的です。公益社団法人日本看護協会が調査したデータによると、夜勤手当の平均は三交代制準夜勤で4,149円、深夜勤で5,066円、二交代制夜勤で10,999円です。就業先によって1カ月に入る夜勤の回数は異なりますが、夜勤業務が多い職場では高い収入を期待できます。また、夜勤の働き方には途中に仮眠時間をはさみ、その後16時間などの長時間勤務を行う「当直」というものもあり、その場合は「当直手当」が支給されるでしょう。このような状況を踏まえると、看護師の月収は夜勤業務をこなすことで高い給料を得やすいことが分かります。また、どのような勤務形態でも、日曜や祝日が休みの職場で休日に出勤した場合は「休日手当」が支給されることが多いでしょう。

勤務形態

就業先の規模が大きければ大きいほど、給与は高くなる傾向にあります。病床数が多い病院は高度な医療を提供していることが多く、看護師にも高いスキルが求められるため、給与にも反映されます。また、大学病院や大手法人グループの事業所などは経営母体が安定しているため、福利厚生が充実しているところも。規模が大きいと、基本給そのものが高めであるケース、住宅手当や家族手当といった独自の手当を支給していることが多く、待遇面が手厚い傾向も挙げられます。

業務内容

仕事内容は基本給や支給される手当の額を決定するベースにもなるため、給与面に影響します。看護師の仕事は基本的に医師の指示のもと適切な医療処置を行うことで、就業先によってはメインで行う業務は異なります。たとえば、病棟や介護施設であれば服薬管理や点滴、生活介助が多く、クリニックであれば診察や検査の補助がメインでしょう。病院勤務では救命センターや手術室など、配属する部署によって仕事の内容や難易度は大きく異なり、給与にも差が発生します。

地域

人口が多い東京をはじめとする首都圏は、地方よりも給与が高い傾向にあります。給与は、その地域の生活水準に合わせて設定されるのが一般的です。そのため、家賃や物価が高い都市部は給与が高めになります。また、都市部は求人数そのものが多く、人員を確保するために高い給料を提示している事業所が多いようです。

年齢

看護師の基本給は他職種と同様に年齢や経験によって決まるため、年齢が高い方が給与も高いのが一般的です。多くの職場では勤続年数に応じて昇給するため、年齢を重ねるにつれて給料も上がります。また、キャリアを重ねると昇給や役職に就く可能性が高くなり、年収も上昇していくでしょう。

参照元
公益社団法人日本看護協会
2017年病院看護実態調査

看護師市場と給料の関係性

高齢化が進む中、医療現場では看護師の需要はますます高まるといえるでしょう。慢性的な看護師不足になり、人材の需要と供給のバランスが取れていない病院や介護施設も見受けられます。日本看護協会が行った「病院看護実態調査」のデータによると、今後の看護職員の採用について、「今年度と同じ程度」が半数以上、「今年度より増員予定」が3割以上という結果です。大半の病院が看護師の人員を現状と同様か、それ以上に増加させたいことが分かります。そのため、「より良い条件を求めて転職したい」「ブランクがあるけどまた復帰したい」という場合も、仕事を探そうと思えば需要はいつでもある職業といえるでしょう。また、多くの事業所は人員を確保するために、看護師の給与水準を高く設定する傾向にあります。このような看護師を取り巻く環境から、看護師の給与が高くなる理由がうかがえます。

参照元
公益法人日本看護協会
2018年年病院看護実態調査

給料が高い職場

転職を考えている看護師さんには、「せっかく働くなら給料が高い方が良い」「転職して年収を上げたい」と思う方は多いでしょう。この項目では、給与が高い職場の特徴をご紹介しています。

専門性の高い職場

手術室や集中治療室、救命センターといった部署で働く場合、高い給料を望めるでしょう。そのような現場は専門的なスキルやスピーディな対応が求められるうえ、急変対応や超過勤務が多いものです。業務の負担の大きさから、特別な手当を支給されることが多くあります。

美容医療を行う職場

美容外科や美容皮膚科といった美容クリニックは自由診療を行うことが多く、給料が高めなのが特徴です。保険外の施術やサービスは料金を自由に決められるため、ダイレクトに事業所の収益に反映されます。収益が多い職場では看護師の基本給や賞与、手当なども高くなるでしょう。

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年収を上げる方法

実際に年収を上げるには、どのような行動をすれば良いのでしょうか? 多くの就業先では勤続年数を重ねることで給与は上がりますが、さらに収入を上げるには、看護師としてスキルアップし、キャリアを積むことがポイントです。

専門・認定看護師を目指す

資格を取得することで資格手当を支給されることが多く、昇給にも繋がるため収入を上げられるでしょう。専門看護師と認定看護師は、高度化する医療現場に対応するため、専門性の高い業務ができる人材の育成を目標に日本看護協会が作った制度です。より高度で専門性の高い医療を支えるための制度で、看護師のスキル向上と医療福祉への貢献を担うものです。資格を取得することで看護師としての幅も広げられ、活躍の場も増えるでしょう。下記では、それぞれの特徴や資格を取得する方法などを説明しています。

専門看護師とは

専門性と質が高い看護を提供するため、特定分野の知識や技術を深めた看護師のこと。複雑な看護問題を抱える患者やその家族に対して、高度な看護ケアを提供することが役目です。専門的な看護スキルを有するだけではなく、医師や介護職といった他職種や各機関との橋渡し役になり、教育や研究なども行う看護のスペシャリストといえる存在。専門分野には「がん看護」「精神看護」「小児看護」「急性・重症患者看護」「慢性疾患看護」「在宅看護」「遺伝看護」「災害看護」「地域看護」「家族支援」などがあります。専門看護師になるには、看護師免許を取得したあと、通算5年以上の実務研修(そのうち3年以上は専門看護分野の実務研修)を受けることが必要です。その後、書類審査と筆記審査に合格すると取得できます。

認定看護師とは

特定の看護分野で、熟練した看護スキルによって質の高いケアを実践する看護師のこと。特定分野への幅広い知識を持ち、職場の管理者とともに、必要な看護の提供だけではなく現場への教育も担います。分野は複数あり、「救急看護」「透析看護」「手術看護」「がん化学療法看護」「認知症看護」などが挙げられます。認定看護師になるには、看護師免許を取得したあと、通算5年以上の実務研修(そのうち3年以上は特定看護分野の実務研修)を受けることが必要です。その後、認定看護師の教育機関で6カ月以上の授業を受講し、認定試験に合格すると取得できます。

役職につく

大半の職場では役職につくことで手当が支給され、給与は上がります。看護師の役職には「看護主任」「看護師長」「看護部長」などがあり、最初に目指すところは看護主任です。役職につくためには、勤続年数を重ね、責任のある仕事を任されるなど実績を積む必要があります。または、前任者が異動や退職するといった理由でも、役職につくタイミングがあるでしょう。各役職の役割は、職場によっても異なりますが、基本的には人材の教育やマネジメント、看護業務の目標設定、労働環境の改善など幅広く、円滑な組織活動を支えるための重要な役目を果たしています。人材育成に注力している病院では、資格取得のために支援制度が整っているケースも多くあります。

当コラムでは、看護師の給料の相場や年収を上げる方法などをお伝えしました。看護師として働くうえで重視することは、仕事内容ややりがい、収入面など人によって異なるでしょう。その中でも給与面は、自身の生活を維持するための重要なポイントです。
転職をお考えの際は、ご自身の目指す年収や働き方を考慮して探してみることをおすすめします。

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