
「看護主任になると、本当に年収は上がるの?」と疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。昇給や役職手当の加算で年収アップに期待できる一方、「夜勤回数が減った」「残業手当が付かない」などの理由で、想像より給与が上がらなかったという方もいるかもしれません。この記事では、看護主任の平均年収や収入に影響を与える手当、管理職による給料の違いなどを解説します。看護主任を目指す方は、ぜひご一読ください。
一般的な看護師主任の平均年収は、約500~600万円といわれています。以下は、日本看護協会の「2021年 看護職員実態調査(p.16)」を参考にした中間管理職の看護師の平均給料です。
| 中間管理職の看護師(看護師長・副看護師長・主任など) | |
| 平均基本給額 | 平均税込給与総額 |
| 31万4,454円 | 43万4,895円 |
参照:日本看護協会「2021年 看護職員実態調査(p.16)」
※参照元の定義に従い、税込給与総額は、「基本給額に調整手当・夜勤手当・住宅手当・育児手当等の諸手当を含めた」額として計上しています。
平均税込給与総額を×12ヶ月分で独自に計算すると、想定年収は約522万円となります。ただし、上記の中間管理職のなかには、看護師長や副看護師長も含まれているため、役職による差があることに注意が必要です。
職場の給与体系や夜勤の回数などによっても年収は違うため、上記はあくまでも目安として参考にしてください。
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ここでは、看護主任の年収を役職・年齢・設置主体ごとに比較しつつ解説します。自身の立場や現在勤務している職場の状況と照らし合わせてみてください。
以下は、役職別で見た平均基本給額と平均税込給与総額のデータです。
| 役職 | 平均基本給額 | 平均税込給与総額 | 平均年齢 |
| 管理職 | 35万9,459円 | 48万1,809円 | 55.4歳 |
| 中間管理職 | 31万4,454円 | 43万4,895円 | 47.6歳 |
| 非管理職 | 25万6,176円 | 35万6,163円 | 37歳 |
参照:日本看護協会「2021年 看護職員実態調査(p.16)」
役職に就いていない看護師と中間管理職の平均税込給与総額には、8万円近い差があります。さらに、看護部長や副看護部長にあたる管理職と非管理職との差は、約13万円です。看護師の給与は、昇進に比例して給与も上がるのが一般的だといえるでしょう。
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看護師の昇給は勤続年数に基づくことが多いため、年齢や経験が多いほど年収は高い傾向にあります。
そのため、看護主任になったからといって給与が大幅に上がる訳ではなく、どの時点で看護主任になったかによっても年収額は左右されます。以下は、年齢別と経験別に見た看護師の所定内給与額・ボーナス額です。
| 経験年数・年齢 | 10~14年 | 15年以上 | ||
| 所定内給与額 | 年間賞与その他特別給与額 | 所定内給与額 | 年間賞与その他特別給与額 | |
| 35~39歳 | 32万900円 | 85万4,800円 | 33万4,300円 | 93万7,400円 |
| 40~44歳 | 32万300円 | 91万3,800円 | 34万1,700円 | 100万900円 |
| 45~49歳 | 34万200円 | 104万100円 | 36万500円 | 107万4,000円 |
| 50~54歳 | 33万200円 | 95万9,200円 | 37万3,700円 | 108万7,600円 |
参照:令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種/職種(小分類)、年齢階級、経験年数階級別所定内給与額および年間賞与その他特別給与額(産業計)
最も高いのは年齢が50〜54歳かつ経験15年以上の看護師です。30代で看護主任になった看護師よりも、50代で看護主任になった看護師の方が年収は高くなりやすいでしょう。中間管理職の平均年齢は、47.6歳となっているため、早期に看護主任に昇進した看護師のなかには、平均よりも年収が低いと感じる方もいるかもしれません。
職場ごとに看護師の年収に差があるのは、看護主任も同様です。日本看護協会の「2024年度看護職員の賃金に関する実態調査報告書(p.62)」を参考に、設置主体別の主任相当職の基本給額を以下にまとめましたのでご覧ください。
| 設置主体 | 主任相当職の基本給月額 | 平均年齢 |
| 国立 | 34万8,261円 | 47.7歳 |
| 公立 | 37万986円 | 52.6歳 |
| 医療法人 | 28万119円 | 47.7歳 |
| 日本赤十字社 | 34万7,783円 | 48.3歳 |
| 済生会 | 34万6,605円 | 51.3歳 |
| 厚生農業協同組合連合会 | 39万1,722円 | 51.8歳 |
| 社会福祉法人 | 31万8,229円 | 50.7歳 |
参照:日本看護協会「2024年度看護職員の賃金に関する実態調査報告書(p.62)」
最も高い医療機関と低い医療機関とで、主任看護師の基本給を比較すると、その差は約10万円です。同じ役職の看護師とはいっても、職場によって給料に差があることが分かります。一般的には、個人病院よりも大学病院や規模の大きい病院の方が、主任看護師の基本給は高い傾向にあるようです。
看護主任の年収には、どのような手当や給与項目が影響しているのでしょうか。上がる手当がある一方で、看護主任になって下がる可能性のある手当もあるため、給与の詳細について理解しておくことが大切です。
看護主任に昇進した看護師の給与で支給額アップの可能性がある項目は、基本給やボーナス、役職手当などです。以下で詳しく見ていきます。
日本看護協会の「2024年度看護職員の賃金に関する実態調査報告書(p.62)」によると、主任相当職の平均基本給月額は31万2,192円です。勤続10年・非管理職の看護師の平均基本給月額は25万2,450円のため、比較すると6万円ほど主任看護師の方が高くなっています。
役職に就いたことによって昇給する可能性はありますが、大幅な基本給アップに必ずしも期待できる訳ではありません。勤続年数による昇給や役職手当による加算などで、給与が上がるケースもあります。
看護師経験年数10年以上の平均ボーナス額を以下に示していますが、看護主任になれば、さらに高い賞与が見込めるかもしれません。
| 10~14年 | 15年以上 | |
| 年間賞与その他特別給与額 | 90万2,100円 | 99万8,300円 |
参照:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種/職種(小分類)、性、経験年数階級別所定内給与額および年間賞与その他特別給与額(産業計)」
ボーナスは基本給に基づいて計算されるため、非管理職の看護師より基本給が高い看護主任は、ボーナスアップにも期待できるでしょう。
役職手当は、管理職のみに支給される手当です。「看護主任手当」「管理職手当」「職務手当」など職場によって呼び方はそれぞれ異なります。看護主任の役職手当は、毎月1万円〜4万円程度が相場となっているようです。
前項とは反対に、看護主任になって夜勤手当や残業手当が下がってしまうケースもあるようです。
看護主任は管理職ではあるものの、従来どおり夜勤を求められる場合もあるでしょう。しかし、夜勤の回数は減らされることが多いかもしれません。そのため、看護主任になることで夜勤手当が下がってしまったという方もいるようです。
残業手当も、看護主任になって支給の有無が分かれる手当の一つです。「労働基準法第41条」により、管理監督者にあたる場合は残業代の支払い義務がありません。管理監督者としての扱いを受けるのかは、職務内容や職場によって判断が異なります。看護主任は管理監督者の扱いかどうか職場に確認してみましょう。
看護主任の主な仕事内容は、以下のようなものが挙げられます。
看護主任は、看護師長と病棟スタッフを繋ぐ役割を担います。管理職としての一面を持つ一方で、豊富な看護経験をふまえ自ら看護実践を行うなど、看護主任の役割は多岐にわたるのが特徴です。
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ここでは、看護主任になる方法を解説します。年収アップの方法として看護主任を目指そうとお考えの方は参考にしてみてください。
看護主任になるには、今の職場で勤続年数を重ねることが大切です。職場について熟知し、現場スタッフとの関係構築ができている方が、管理業務もスムーズにこなしやすいでしょう。
看護主任になるための経験年数の目安は10年といわれていますが、勤続年数が長ければ、職場に貢献してくれる存在として信頼や昇進の評価にも繋がりやすいかもしれません。
専門資格を取得することも、看護主任になるための近道の一つです。スキルアップは、仕事や勤務態度への評価に繋がりやすいでしょう。病棟スタッフへの教育的な役割も担う専門看護師や認定看護師で培ったスキルは、看護主任業務にも活かせるはずです。
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「今の職場では昇進が見込めない」「すぐに看護主任を目指したい」という方は、転職の選択肢があります。小規模の病院や施設看護師などは、看護主任候補を募集している場合もあるようです。ただし、「病棟の管理業務経験がある人」が募集条件となる場合もあるので、求人数自体は多くないことを念頭に置きましょう。
施設の看護主任の場合、月給は35万円〜45万円と、病院より高い給与水準が設定されている場合もあります。募集タイミングが合えば、一般的な昇進時期よりも早く看護主任になることが可能です。
実際の現場で管理職の大変さを目の当たりにしたり、業務と給与が見合っていないと感じたりして、「年収アップはしたいが役職に就くのは避けたい…」という人もいるかもしれません。ここでは、看護主任になる以外の方法で、年収が上がる可能性のある職場や働き方をご紹介します。
看護師の年収は、施設規模が大きいほど高い傾向にあります。大学病院の看護師の場合、非管理職で年収500万を超えるケースもあるようです。10年、20年と経験年数を重ねれば、役職に就かなくても年収600万に近づくことが可能です。
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訪問看護ステーションも給与水準が高い職場の一つです。「レバウェル看護」の独自調査(2024年3月)によると、訪問看護師の平均月給は約33万円、平均ボーナスは約62万円で、年収を計算(月給×12+ボーナス)すると、約458万円になります。
夜勤なしで働く看護師の中では、比較的給与が高めです。事業所によって訪問件数に応じたインセンティブ制度があったり、管理者としての道もあったりなど、さらに年収アップを目指すこともできます。
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高給与な看護師の勤め先として、美容クリニックを挙げる方は多いかもしれません。日勤のみで高年収に期待できるため、人気の高い職場でもあります。「患者さま」から「お客さま」へと対象が変わり、利益重視の考え方が求められやすいなど、向き不向きが分かれやすい職場です。
しかし、これまで培った医療知識やスキルが活かせる場面も少なくありません。夜勤は避けたいけど年収は下げたくない看護師にもおすすめの職場です。
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施設の看護師には、特別養護老人ホームや有料老人ホームといった介護施設のほか、ホスピスなども挙げられます。施設ごとに給与体系の差があり、年収600万近い好待遇の職場もあるようです。
看護主任になれるほどの経験を持っていれば、スキルや知識面での不安はないでしょう。病院よりも落ち着いており、気持ちにゆとりを持って働きやすい職場だといえます。
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企業の看護師には、産業看護師やクリニカルスペシャリスト、治験コーディネーターなどが挙げられます。看護師を募集する企業の多くは規模が大きく、日勤のみでも好待遇が見込めます。
クリニカルスペシャリストや治験コーディネーターなどは、出張や転勤を求められる場合があるため、面接時に確認しておくと良いでしょう。仕事内容は職種によってそれぞれ異なり、自分に向いているかどうかの見極めが大切です。
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少ない勤務日数で高給与に期待できる夜勤専従看護師は、効率良く収入を得たい方におすすめの働き方です。2交替制であれば、勤務日数は月9〜10回が目安になります。
レバウェル看護師の独自調査(2024年3月時点)によると、夜勤専従看護師の月給は42万6,692円で、年収は約590万円です。ただし、転職時期や経験によって変動があるため、あくまでも目安の額としてお考えください。日中は自由な時間が確保できるため、プライベートを重視したい方にもぴったりです。
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ここでは、看護主任の年収に関する質問にQ&A形式で回答していきます。
状況判断力や柔軟性に優れ、周りと積極的にコミュニケーションを取れる看護師は、看護主任に向いているといえます。看護師長や現場スタッフ、他部署との橋渡し役となることも多いため、コミュニケーション能力は必要不可欠です。ほかの看護師の見本になれる実践力も求められます。
看護部長の年収の相場が約700〜800万円といわれているため、看護主任で年収1000万円を目指すのは難しいかもしれません。年収1000万円を目指すには、大規模な病院で役職に就いたり、実績が求められる職場で良い営業成績を収めたりなどが必要です。そのほか、訪問看護ステーションの管理者になるという手もあるでしょう。看護師が年収1000万円を目指す方法は「看護師は年収1000万円を目指せる?稼ぐ人の特徴や給与がアップする方法」の記事でも詳しく紹介していますので参考にしてみてください。
看護師の役職には、看護主任のほか、副看護師長・看護師長・看護副部長・看護部長などがあります。必要な経験年数は、看護師長は15年以上、看護部長は25年以上が目安といわれており、看護主任から段階的に昇進していくのが一般的です。看護師の役職一覧の詳細は「看護師の役職にはどのような種類がある?仕事内容や給料の違いを解説」をご覧ください。
看護主任の年収の相場は、約500万円~600万円となっています。看護主任になった経験年数や職場によっても変動があり、規模の大きい病院や都市部ほど、年収は高い傾向にあるようです。また、役職手当の額や夜勤の回数などによっても違うため、今の職場で看護主任を目指そうとお考えの方は、給与体系について職場に確認しておくことをおすすめします。
看護主任になるには、今の職場で勤続年数を重ね、スキルアップしていくことが必要です。しかし、限られたポジションのため、豊富な経験があっても思いどおりに昇進できない場合もあります。その場合は、看護主任候補を募集する職場への転職も視野に入れてみましょう。
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