
食事は栄養補給のために必要不可欠であり、患者さんにとっては生活のなかの「楽しみ」でもあります。患者さんが心地よく食事するためにも、食事介助は看護師のケアとして欠かせません。
食事介助を安全に実施するためのポイントや、誤嚥リスクを防ぐための注意点を理解することで、患者さんに充実した食事の時間を提供できるでしょう。
この記事では、看護師の食事介助におけるポイントを解説します。看護の質を高めるために観察すべき点も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

看護師が食事介助を行う目的は「患者さんの安全かつ快適な食事をサポートする」ことです。患者さんが安全に栄養を摂取するためのケアであり、問題点を抽出するための「評価」でもあります。
食事は患者さんにとって楽しみなことの1つです。安全に美味しく食べられることは、患者さんのQOL向上にもつながります。
患者さん一人ひとりの健康状態や障害の程度に合わせて、適切な食事の形態や食べやすい姿勢・方法などを提案することで、患者さんが笑顔で生活するための手助けになるでしょう。
質の高い食事介助には、食事と物品の準備・確認が重要です。提供される食事形態や、患者さんごとに必要な物品を確認することで、誤嚥や窒息などの事故を防ぎつつ、スムーズに食事介助を実施できます。
この章では、食事介助に必要な物品や、準備・確認するべき項目、患者さんの姿勢のセッティングについて見ていきましょう。
食事介助を行う前に、必要な物品の用意と確認を行いましょう。
食事介助を実施するために必要な物品には、以下のようなものがあります。
必要物品がそろっていないと、食事の安全性や効率が落ちるだけでなく、患者さんの能力を最大限活かした食事介助が行えません。誤嚥や窒息などのリスクを避けるためにも、事前に物品がそろっているかを確認しましょう。

配膳された食事の内容や、食事形態に間違いがないか確認することも大切です。
患者さんのアレルギーや薬との食べ合わせ、きざみやトロミなどの形態を確認することは、リスク管理のために必須となります。食事の献立や形態は、栄養士が患者さんの情報をもとに準備していますが、提供の段階で手違いが起きないとも限りません。介助を始める前に、必ず食事内容を確認しましょう。なかには、水やお茶は看護師が用意する病棟もあるかもしれません。その場合、むせやすい患者さんやトロミ食が提供されている患者さんに対して、看護師が水やお茶にトロミをつけることを忘れないようにしましょう。
また、食事をある程度自分で行える患者さんの場合、食べやすい位置へ食器を配膳することもポイントです。特に、高次脳機能や麻痺などの機能障害があっても、工夫しながら自分で食べられる方に対しては、なるべく食べやすいようにセッティングし、患者さんの能力を最大限活かすことを心掛けましょう。

食事する際は、シーティング(よりよい姿勢で座位を保持すること)やリクライニング角度の調整により、正しい姿勢をとることが大切です。
正しい姿勢をとらずに食事すると、誤嚥を招く恐れがあります。ほかにも、口元に食べ物を運ぶのが難しくなったり、食事を続けるのが疲れたりする原因にもなるため、患者さんごとに必要な姿勢にセッティングしましょう。
また、食事に適した姿勢は座位とベッド上で異なるため、各姿勢で食事する際のポイントをご紹介します。
座位で食事する場合は以下のポイントをチェックし、正しい姿勢をとれているか確認しましょう。
座位の場合、骨盤が後傾し背中が丸くなるとうまく嚥下できなくなります。自力で姿勢を保てない場合は、クッションや枕を使用し骨盤を立てるようにしましょう。
また、車椅子で食事する場合、フットレストからは極力足を下ろすことがポイントです。足を床に着けることで骨盤の後傾を防ぎ、正しい姿勢を保てます。
患者さんの姿勢以外にも、テーブルの高さや食事との距離を調節し、食べやすいようにポジショニングを行いましょう。
ベッド上で食事する場合は、適切な角度のリクライニングと、枕などを使用したポジショニングが大切です。
リクライニングすると腰や肩とベッドの間にスペースができ、食事中に体が崩れる恐れがあります。隙間には枕やクッションなどを入れ、膝には角度をつけることで、姿勢が崩れるのを防ぐことが可能です。また、上体を前傾するのが難しい場合は、頭とベッドの間に枕を入れ、嚥下しやすい角度になるよう調節するとよいでしょう。

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食事介助時に誤嚥を予防するためのポイントを知りたい
食事介助を行う際は、患者さんが食事に集中し、安全に咀嚼・嚥下するための工夫が必要です。
この章では、食事介助を実施する際のポイントについて解説します。患者さんのペースに合わせつつ、安全に食事を進めるために、声かけや看護のポイントを押さえておきましょう。
安全に介助するために、看護師は患者さんの隣に座ることを心掛けましょう。
患者さんと目線の高さをそろえることで、口もとへ食事を運びやすくなります。立ったまま介助すると、顎が上がりやすく誤嚥リスクが高まるため、座って介助することが大切です。
また、隣で声かけをしながら介助することは、患者さんの覚醒を促し、食事を認識させることにもつながります。一口ごとに声をかけ、食事に対する意欲を高めることも意識しましょう。

食事介助は、患者さんのペースに合わせて実施することが重要です。急かしてしまうと咀嚼や嚥下がおろそかになり、誤嚥や窒息などの事故を招く恐れがあります。
さらに、体力の落ちている患者さんの場合、ペースを崩されることで疲れてしまい、摂取量が減ってしまうかもしれません。飲み込みを確認し、準備ができてからつぎの一口を促すようにしましょう。
また、患者さんの自発性を尊重し、介助量はなるべく最小限にすることがポイントです。過剰に介助してしまうと、食事に必要な動作や筋力が身につかなくなってしまいます。現状の能力を最大限発揮させ、不十分なところを介助するよう心掛けましょう。
食事を口に運ぶ介助を行う際は、一口ごとに適切な量を運びましょう。
一口の量が多いと咀嚼がうまくできず、口の中に溜め込む原因になります。誤嚥や窒息のリスクを避けるためにも、患者の咀嚼・嚥下能力を観察しながら、適量を口に運ぶことがポイントです。
また、患者さんが自分で食べる場合も、かき込みや溜め込みが見られる場合は制止し、ゆっくり食べるよう促しましょう。
食事介助は、患者さんの評価を行う場面でもあります。実際に食事している様子から現状の問題点を抽出し、他職種へ共有することで、食事の自立度向上やQOL向上を図ることが可能です。
食事中に評価するべき点や、観察するポイントを見ていきましょう。
食事介助の際は、1食ごとの摂取量や食事の様子を観察し、記録しておくことがポイントです。
患者さんの栄養状態を管理するうえで、食事の摂取量は重要な観察項目です。栄養状態が良くない方や、リハビリで筋力増強訓練を行っている方の場合、食事をきちんと摂取する必要があります。味の好みや食べやすさなどを観察し、工夫する必要があれば栄養士と連携して対策を考えましょう。
食事中の覚醒状態や姿勢の変化、咀嚼・嚥下の様子も大切な観察のポイントです。
時間が経つにつれて姿勢が崩れる、体力が続かないといった場合には、理学療法士や作業療法士などと連携し、適切な姿勢とリハビリ内容を相談しましょう。
箸やスプーンが使いづらそうなときには、適切な自助具について検討する必要があります。
また、咀嚼や嚥下の様子を観察することも大切です。咀嚼に時間がかかり過ぎたりむせたりする場合は、食事形態を見直しましょう。
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Q. 現役看護師が一番稼げる科はどこ?
一般的に、高度な医療を提供する診療科や収益の多い診療科・クリニックは、高収入を得られる傾向にあります。病院だと救急救命科やICU(集中治療室)など、クリニックでは美容クリニックや人工透析クリニックなどが挙げられます。「看護師が一番稼げる科はどこ?高年収のクリニック・病院や転職のポイント」では、看護師が稼げる科を、詳しく解説しています。規模別の平均給与や、高収入な職場へ転職する際のポイントも紹介しているので、求人探しの参考にしてください。
Q. 看護師がのんびり働ける勤務先は?
病院であれば緊急対応や体力を消耗する業務が少ない外来や回復期・慢性期病棟。病院の外来やクリニックであれば重症患者の処置が少ない診療科は比較的落ち着いた環境といえるでしょう。自身のペースを大事に働きたい方は、現職の悩みを解決できるような環境・働き方を選ぶことがポイントです。「のんびり働きたい看護師向け!おすすめの職場や病院以外の仕事を紹介」では、のんびり働ける勤務先の条件や、おすすめの職場・診療科、のんびり働ける仕事のメリットやデメリットも解説しています。職場探しの参考にしてください。
Q. 看護師1年目で転職しても大丈夫?
1年目であっても転職は可能です。新卒として入職後3年以内に転職する「第ニ新卒」を歓迎する求人も多数出ている状況です。心身に不調がある場合や、職場でハラスメント・法律違反が横行している場合は、無理せず環境を変えたほうが安心です。「看護師1年目で転職しても大丈夫。病院以外の職場や好印象の退職理由を紹介」では1年目の看護師が転職したくなる理由や、仕事が辛いときの対処法、 おすすめの職場などをまとめています。新人看護師が転職に成功するコツや退職の際の注意点も解説しているので、参考にしてみてください。
Q. お礼奉公中でも転職は可能?
お礼奉公の途中でも、看護師が仕事を辞めることは可能ですが、途中で退職してトラブルに繋がるケースもあるので、辞める場合は注意が必要です。「お礼奉公中だけど辞めたい看護師へ!奨学金に関する疑問に答えます」では、「お礼奉公中の看護師は仕事を辞めても良いか」「途中で辞めると奨学金の支払いはどうなるのか」といった疑問や不安にお答えしています。また、奨学金の一括返済を求められたときや、退職を拒まれたときの対処法についてもご紹介しているので、お礼奉公がネックで前に進めずにいる方は、ぜひ参考にしてください。
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